猫又さんの異世界旅   作:猫と竜が好き

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閑話 風の精霊の話

  僕はシルフィ。シルフィという風の精霊の中でも一番最初に生まれた精霊。人間たちは風の精霊王とかって呼んでるっけ。実際その通りなんだけど、なんで僕が王なんてやる羽目になるのやら……。確かに一番多くの風の属性値は溜め込んでるし、そうあれと義務付けられてるけど。

  まあ、それはいいか。今は僕のことなんかじゃない。僕があったあの猫又の子のことだ。

  あの子はある称号を持っていた。【異世界へ渡ったもの】という称号だ。

  あの称号は少しばかり意地悪だ。だって、本人も知らないうちに帰って来たっていうことなのに、それを本人がわかっていなかったらどうしようもない称号なんだもの。訳がわからない? わからなくていい。そのうちわかるかもしれないから。今は続ける。

 あの称号の意地悪なところはそんなことだけじゃない。本来ならば持っている架け橋となる別の称号。それも、効果だけ残して隠蔽しちゃう。他人にも、持っている本人にも見えない。そんな隠し方。

  ああでも、特徴として名前にステータス画面の名前の後ろに(仮)って付くんだよね。その名前は真名じゃないってことを表しているんだと思うけど、称号を渡している機構(システム)からのヒントなのかもしれない。

  まあ、僕には隠蔽されているとか関係ない話だ。称号の効果を知っている僕には隠蔽されている称号も見えてる。

 

  だからこそ、うん、楽しみだよ。

  僕は知ってても言えない。それはそう決められたルールだから。けれど、あの子がちゃんと生き残って、真実に近づいて、称号が変わった時。その時には、彼にも教えてあげないと。

 "君の失くし仔は帰って来たよ"……ってね?

 

 

その時を迎えるための出来る限りの投資はしたんだからさ……。

 

 

 

______________________________

 

 風の届くところには必ず小さな12ミラほどの大きさの風の精霊シルフィがいる。彼らがいるからこそ、我々人間は情報を多く得る事ができる。時に犯罪者の行方を、時に行方不明のものの捜索を、時に情報の運搬を。契約を結び、名を与えれば何よりも心強い友にも、家族にもなる。

  だが、その性質はまさしく気ままな風だ。縛られることを嫌うために、契約を結ぶことは滅多なことではできない。契約を結べたものは、旅人や冒険者のような者たちばかり。国付きの魔術士などでは余程気に入られない限り、とてもでは無いが契約を結べない。それほどまでに気ままなのだ。

  さて、この章ではその風の精霊たちの王と呼ばれている、風の精霊王について語る。

 風の精霊王はやはりというべきか気ままな性格をしている。気の向くままに、人間を助けることもあるが怒らせれば嵐の如き災厄となることもある。事実、大昔存在していた人間の国では精霊を利用しようとした結果、風の精霊王を含むすべての精霊王の怒りを買ったが、その際の風の精霊王については強風によって火を運び、馬車程度のものならば簡単に吹き飛ばしたという。

 だが、敵対するようなことをしなければ気の向くままに、道を教えてくれるかもしれない。

 

  風の精霊王の姿はまちまちである。緑の髪と薄羽という風の精霊の特徴を共通項とし、時には短髪の好青年、ある時は長髪の艶やかな美女、またある時は少年となんとも自由なのだ。だが、特に多い姿はいたずらの好きそうな幼い子どもの姿なのだ。

 

 〜精霊と精霊王 その性質と危険性、付き合い方についての考察〜 作者不明

 第ニ章 風の精霊王 より抜粋




フラグ建築

そして、人間による精霊王に関する考察。ただし、あくまでも考察でしかない。
なお、1ミラ=1センチ

章の合間に閑話を挟めるように頑張りたい。
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