鈴木善治は探偵~オンボロアパート風雲録~   作:あずきシティ

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血塗られたアイスピック

明朝。

俺の勘の正体が分からない。とりあえずは朝食をすませた。

いつも朝食の後は交番に行くという嫌な日課が続いていたが今日は違う。バスの営業所に防犯カメラ映像を見に行くのだ。

警察の捜査が当てにならない以上、自分で調べるしかないからな。

営業所ではあの運転手さんが話を通していてくれたらしくスムーズに当時の映像が見れた。

はぁ……

俺が甘かったな。

映像は画質が荒く怪しい人物の姿は見れたものの帽子を被っており顔までは確認できなかった。だが夜中にも関わらず終始うつむき加減で真犯人と言われれば納得はできそうな感じであった。

ただ手袋はしていない。夏に手袋までしてたら怪しまれるからだろうな。凶器のナイフからは指紋は検出されなかったそうだ。

「当日のバス、今日はお休みしてるから一応、見ておくかい?」

俺はお言葉に甘えバスも確認した。特に犯人らしき人が座っていた席周辺を重点的に。

 

結局なにも見つからなかった。横には非常ドアの操作器がある。

まぁ何もないだろう。そうは思いつつ操作器の蓋を開けてみた。

 

カラン……。

 

蓋をあけると何かが出てきた。開けちゃまずいものだったのかもしれんと思いながら俺は落ちたものを見た。

……!こっ……これは………!?

 

 

落ちてきて転がっているのはアイスピックだった。それもただのアイスピックではないらしい。確かに誰も見ないような場所にあるような時点で普通ではないんだが。それ以前の問題だ。

「……っ!血塗られている……」

多分、DNA鑑定をすれば被害者のモノだと分かるだろう。何より柄の部分には犯人の指紋がべったりだろうな。俺は手袋をはめてアイスピックを持っていたコンビニ袋に入れた。ちなみにこの非常ドア操作器のフタは10年働いていて一回触れば多い方らしく当該バスもフタを開けたことは無いらしい。

さて、これを警察に持っていって鑑定してもらえば……

いや、待て。何故か警察に持っていってはいけない気がする。これまでもずっと引っかかってきた感覚だ。何に引っかかっている?

 

いや、待て。何故か警察に持っていってはいけない気がする。これまでもずっと引っかかってきた感覚だ。何に引っかかっている?

「アイスピックを警察に持っていってはいけない」

他の引っかかった証言は

「刑事に追い出された。」「警察の方に新しい法律が……」「刑事さんがお金を」

キーワードは……警察?

警察に俺は引っかかっているらしい。そりゃ犯人扱いされたからな。だがそれだけだろうか?まさか警察関係者が犯人?

いや、それだとホームレスやアパートの大家さん以上に動機が無いじゃないか。

それこそ誰も知らないような怨恨とかで……怨恨?

被害者夫に警官が刺されて亡くなった事件があったか。それと関係があるのか?

警察長官のような重大人物なら報復もあり得るがただの一警官だろ?その亡くなった警官に一警官以上の価値を持つとしたら血縁者、恋人、不倫相手くらいだろう。数十年前の事件で今頃だったら恋人と不倫相手という可能性はほぼ無いな。

 

 

 

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