鈴木善治は探偵~オンボロアパート風雲録~   作:あずきシティ

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大家さん

俺はアパートの管理人にも会ってみることにする。警察が調べてないだけで家賃滞納などのトラブルがあったかもしれないしそれ以外のトラブルも起こしていて不思議はないだろうからな。

 

 

よくよく考えたらアパートの大家がホームレスを退かせれば犯行はしやすくなる。動機は分からんが大家なら犯行は可能だ。

そう考えながら俺は大家宅に来た。

ちなみに大家はアパート近くの一軒家に住んでいる。アパートの大家は副業らしく普段はサラリーマンをしているらしい。

大家さんは事件のことについて調べてる旨を伝えると中に通してくれた。

俺は気遣いなど忘れて単刀直入に聞くことにした。見る限り嘘はあまりつけそうにない人間だからすっぱり聞いて動揺するようなことがあればすぐに分かりそうだからな。

「と、言うことなんだが……事件当日はどうしてましたかね?」

「家で寝てました」

「は?いや……えーと……事件のあったアパートの階段下にホームレスが住んでるのはご存知ですよね?」

「ええ。何度か、追い払ったこともあるのですが……」

「それでもすぐに戻ってきてキリがない。だから警察に頼んで追い払ってもらったんですよね。それも事件当日に。それは偶然ですか?」

「警察?……そういえば、あの夜……いつも通り、追い払いに行こうとしたんです。そしたら、頼んでもないのに『私が、ホームレスを追い払って差し上げます』と言う人がいましたので、私は家に帰って寝ました。あれは、警察の方だったのでしょうか?」

「……え?いやホームレスの方が大家さんから通報を受けた警察が来たって……」

「確かに、あまりにも酷いようなら、警察呼ぼうとも考えましたが、まだ通報してませんよ?」

「………は?」

待て。話が噛み合わない。ということはどちらかが嘘をついている……ということだな。ホームレスは物取りもしていない、つまり嘘をつくメリットはない。怪しいのは大家だな。

「正直、どう思ってたんです?被害者夫婦のことを。」

「まあ、あの夫婦のせいで、アパートにまた警察が捜査に来たりして評判は下がるし、正直あまり良く思ってません。それは、今もです。ですが殺したりは、決してしません!大切な、収入源ですから」

「いや……収入源って……アパート持つくらいなんだし一件くらいそんなに……」

「昔、宝くじに当たったんです。元々、私が勤めている会社は、給料が高くない。なので、収入を増やすために、アパートの経営を始めたんです。ですから、住人は一人でも多くないと、私の生活が苦しいんです」

なるほど。確かにNOTO6の一等配当金をあのアパートと、この家に使えばいい感じに無くなるな。ということは大家さんもシロ?

だが待て。大家さんの発言からも俺は何か忘れてる気がする。そうか!

「さっき『また警察が捜査に来たりした』って言ってましたよね。『また』ってことは過去にもあったんですか」

「詳しいことまでは分かりませんが、以前も1度ありました」

それは耳よりな情報だ。そういえば警官も夫に逮捕歴があると言っていたな。すっかり忘れていたが……

どうせ万引きとかの軽犯罪だろうと思ってそのまま流していたが軽犯罪で家宅捜索などをするはずかないな。

これは一度、調べてみるか。俺は事件捜索の息抜きに夜に公園で行われている夏祭りを見た。夏祭りというのはどこでも案外変わらないな。

公園の端に花束が供えられていた。何かあったのだろうか。翌日、俺はその答えを知ることになる。

 

 

 

 

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