※映司視点
「ハッピバースデートゥーユー」
俺の前で初老の男性が俺に背を向けて誕生日の歌を歌いながらケーキを作っている。男性の名前は鴻上光生。鴻上ファウンデーションとゆう会社の会長で、グリードと戦っていた頃にはライドベンダーやカンドロイドなどを貸してくれて、今も俺を研究協力員として雇ってもらい色々とお世話になっている人だ
「それで、火野くん。今日はどういった用事かね?まさか、私のケーキを食べに来たわけではないだろう?」
鴻上会長がケーキを作る手を止ず俺に聞いてくる。鴻上会長の言う通り、別に俺はケーキを食べに来たわけじゃない。俺が初めてフェイトちゃんに会った日に現れたジュエルシードをベースにしたヤミー。メダルが関わってるのなら鴻上会長なら何か知っているんじゃないかと思って聞きに来たんだ
「鴻上会長、ジュエルシードって、聞いたことありますか?」
「ふむ、ジュエルシード」
鴻上会長はケーキを作る手を止めて俺へと向き直る。顔にホイップがついてるけど突っ込んじゃ駄目なんだろうな
「もちろん、知っているとも。それは800年前、グリードが生まれた後の事だ。それよりも遥か太古の昔から存在する秘密組織が持っている二つの奇跡を呼ぶ“石”それを模して錬金術士ガラが作ったものだ。だが、ジュエルシードには大きな欠陥があった。ジュエルシードを知っている君ならわかるだろう。あれは人の欲望を叶える力を持ちながら、欲望に敏感すぎるせいですぐに暴走する。しかもセルメダルに反応して勝手にヤミーを作ってしまう。だから初代オーズが封印を施してどこかの次元世界の遺跡に埋められたそうだが、つい最近発掘されたそうだね」
「なんで、鴻上会長がそんなことまで」
「知っているのかって?それはもちろん、私が第一管理世界ミッドチルダとゆう次元世界出身だからだよ。この会社はミッドチルダと地球の間の貿易も担っているのだよ」
鴻上会長の突然の発言に驚愕する。鴻上会長が、次元世界出身!?
「ハッハッハ、驚いているようだね。しかし、そもそも初代オーズ自体が次元世界の人間なのだよ。つまり、君のオーズドライバーも異次元世界の産物とゆうわけだ」
あっけらかんとそう言って笑う鴻上会長に俺はただただ唖然とするしかなかった。会長は頬についたクリームを拭き取るとケーキ作りを再開した
「しかし、もし君がジュエルシードに関わっているのだったら1つだけ忠告しておこう。管理局には気をつけることだ」
「管理局…って一体?」
そういえば、フェイトちゃん達と初めて会った時もアルフに管理局と疑われたっけ
「うむ、簡単に言えば次元世界をまとめて管理する、警察と裁判所が一緒になったところと言えばわかりやすいかな?とりわけ、次元世界の崩壊を招きかねないロストロギアについては、最優先で対処しているのだが、先日この付近で次元震が起こった。十中八九ジュエルシードの暴走によるものだろうがね」
その言葉で、先日のフェイトちゃんが怪我した時のことを思い出す。確か、アルフはなのはちゃんととフェイトちゃんの魔力でジュエルシードが暴走してしまったせいだと言っていたけどそのことか?
「彼らは妙に鼻が利く。ここが管理外世界とはいえ次元震も起こったとなればそろそろ次元航行艦が来るだろう。気をつけたまえ」
「分かりました。今日はありがとうございました。それと、研究協力員は少し休ませてください」
「ああ、構わないよ。それとこれを持って行きなさい」
鴻上会長は今まで作っていたケーキを箱に詰めて俺に渡してきた
「は、はぁ」
「家に帰って君の保護している少女たちと食べ給え」
この人は一体どこまで知ってるんだ?まあ、聞いたってはぐらかされるだけか。俺は会長にお礼を言って会長室を後にした
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「えーいーじー!」
え、俺なんでアルフに胸倉掴まれてるの?確か、ケーキを二階にいるフェイトちゃんたちに渡した後お皿やジュースなんかを下に取りに行っただけのはずなんだけど
「なんなんだい、あのケーキは!」
アルフに言われてなんとか机の上に置いてあるケーキのほうを見るとピンクのホイップクリームで『I LOVE YOU』と書かれており、その近くに顔を真っ赤にしてぷるぷる震えるフェイトちゃんが居た
「な、なにやってくれてるんですか、鴻上かいちょー!」
「なにやってんだはあたしの台詞だ!」
「え、えええ、えい、えいえいえい映司が、ああああ、I LOVE YOU、って」
ああ、こうゆうのが修羅場って言うのか。アルフに首を絞められて酸欠で薄れゆく意識の中で俺はそう思った
その後、誤解を解くのに二時間かかりました