※翔太郎視点
黒いガキに転移魔法とやらで何処かへと連れて来られた俺とフィリップ、なのはちゃんとユーノ、それと何故かついてきた亜樹子はガキの後に続いて長い廊下を歩いていた
「ここ、どこ?」
『管理局の次元航行艦の中ですね』
「次元航行艦って何!?あたし、聞いてない!」
ユーノの説明に亜樹子が叫ぶ。
「だから今度説明するから帰れって言ったろうが」
「今まで今回の事で何の連絡もなかった翔太郎くんが言っても説得力なんて無いから」
「一応てr……むぐ」
余計なことを言いそうになったフィリップの口を塞いで黙らせる。亜樹子には連絡せずに照井にだけ連絡してたとか知られたらどんな仕打ちが待ってるか。……照井に
「盛り上がっている所悪いんだが、そっちの君。バリアジャケットは解除して」
「あ、はい」
前を歩いていたガキがこちらを向いてなのはちゃんの方を見てそう言う。なのはちゃんも素直にバリアジャケットを解除して私服姿に戻った。
「君もだ」
ガキはそれを確認すると今度はユーノの方を見た。
「そっちが本来の姿というわけじゃないんだろう?」
何言ってんだこいつ?そんな疑問を持った瞬間
「あ、そういえば」
ユーノがそう呟いて突然発光しはじめ、姿が人型へと変わっていき、光が収まるとハニーブロンドの髪のなのはちゃんと同い年ぐらいの少年になっていた
「ふぇ、フェレットが男の子になった!?私、聞いてない!」
「これも魔法の一種か、実に興味深い。ゾクゾクするね」
「えと、翔太郎さん達にはこの姿を見せるのは初めてだけどなのはには久しぶりだよね?」
ユーノ?の言葉になのはちゃんは固まったままプルプルとしている
「ゆ、ユーノ君って普通の男の子だったの!?」
「えぇ!?あれぇ、僕がなのはと会った時この姿じゃなかったっけ?」
なのはちゃんはブンブンと首を横に振る。どうやらユーノの中で思い違いがあったらしい
「とりあえず、こちらを優先してもらっていいか?」
ガキはそう言うと歩き出した。あいつに命令されるのは癪だが迷ってもいけないので大人しくついていく。それから数分歩くと扉の前についた
「なんだ、これ?」
扉が開くと、桜の花びらが舞いししおどしの音が響く、機械的な作りの廊下からは想像がつかないほど純和風の内装の部屋が現れた。部屋自体は廊下と同じく機械的だから桜の木が異様にミスマッチだ
そんな部屋の真ん中には茶道の道具一式と赤い敷物があり、そこに水色の髪の女性が座っていた
「部屋の中に桜、ありえへん」
「うふふ。どうぞ、お座りください」
女性は呆然とする亜樹子を見ると、微笑みながらそう促してきた。特に逆らう理由もないので女性の対面に座ると女性がお茶と羊羹を出してくれた。
「初めまして。この次元航行艦アースラの艦長を務めるリンディ・ハラオウンです。まずはそちらのお話を聞かせて頂けないかしら?あなたの持っているロストロギア、ガイアメモリについても」
俺は俺達が持っているメモリのことと仮面ライダーとして戦ってきたこと、それから財団Xの事をを説明して、ユーノはジュエルシードのことを説明した
「なるほど、あのロストロギア、ジュエルシードを発掘したのはあなただったんですね」
「はい……」
ユーノがうなだれた様子で返事をする
「あの、ロストロギアって?」
「うーん、そうね?遺失世界の遺産って言っても分からないわよね?」
なのはちゃんの質問にリンディさんがロストロギアについてわかりやすく教えてくれた。簡単に言えば技術が発達しすぎて自滅した世界が残した危険な代物とゆうことらしい。確かに、ジュエルシードが危険極まりないものであることは重々承知だしガイアメモリも危険であることには変わりない。けど
「地球は滅んでなんかいねぇ。なんでロストロギア扱いされてるんだ?」
「どちらかと言えば、僕たちはガイアメモリを作る技術がこの世界にある事のほうが驚いている。そもそもガイアメモリの技術は800年前、古代ベルカの時代に失われたはずの技術だからな」
「は、800年前?フィリップ、知ってたか?」
「いいや、初めて聞いたね。……なぜ、800年前に失われたガイアゲートがこの地球に?」
「とにかく、どんな理由があろうと民間人がロストロギアを持っている事は管理局として見過ごすことは出来ない。そのガイアメモリはこちらで押収させてもらう」
「ざけんな!そんな横暴に応じるとでも思ってんのか!」
「横暴だろうがそれが我々の仕事だ」
「まあまあ、クロノ。左さんも。お茶でも飲んで落ち着きましょう」
一触即発の雰囲気だった俺達をリンディさん諌めてお茶を一口飲む。この人はこの人で妙に落ち着いてるんだよな。そんなことを思っていると、リンディさんが何を思ったかお茶に角砂糖を入れだしたしかも一個ではなく何個も
「お茶に砂糖って、ありえへん」
「あら、なかなか美味しいんですよ?あなたも一杯どうです?」
「ふむ、実に興味深い」
リンディさんの勧めに亜樹子ではなくフィリップが食いついた。リンディさんは嬉しそうにフィリップに器を渡し、フィリップは俺達が止める間もなくそれを飲んだ
「おいおい、大丈夫か?フィリップ」
「ああ、これは想像以上に美味しいよ。翔太郎もどうだい?」
「いや、遠慮しとく」
味を考えただけでも胸焼けがする
「さて。本題に戻りますが、左さん達にはこの世界を守ったとゆう実績がありますし、この世界にも財団Xが居る以上無理やり奪うとゆうわけには行かないでしょう。しかし、ジュエルシードについてはそうもいきません。あれは流し込まれた魔力を媒体に次元震を引き起こす可能性があります」
「君とあの魔導師がぶつかった際の振動と爆発。あれが次元震だよ」
レイジングハートが壊れちまった時のことか?
「たった一つのジュエルシードでもあれだけの威力があるんだ。複数個集まって動かした時の威力は計り知れない」
「大規模次元震やその上の災害、次元断層が起これば世界の1つや2つ、簡単に消滅してしまうわ。そんな事態は避けなければならない。……だから、これよりジュエルシードの回収は、私たちが担当します」
その言葉に、ユーノの体が強張る。けど、そもそもそれが普通なんだよな。今までが非常事態だっただけで
「……なのはちゃん、ユーノ。そうしてもらえるなら、そうしよう」
「っ、でも!」
「俺がなのはちゃんをこの事件に関わらせてたのはなのはちゃんしかジュエルシードの封印を出来なかったからだ。けど、今はちゃんと封印出来る奴らが居てしかも法を司ってる組織だ。一般人の、しかもまだ9歳のなのはちゃんがこれ以上関わる必要なんて無いんだ」
「それは、そうだけど」
「まあ、急に言われても気持ちの整理もつかないでしょうし、今夜一晩、皆さんで話し合って、それから改めて、お話をしましょう」
「そんな必要ねえよ。なのはちゃんとユーノにはすぐに手を引いてもらう。俺達はドーパントがジュエルシードで暴走した時にきょう……「待って!」」
俺がさっさと話を終わらせようとしていると、なのはちゃんの声が俺の声を遮った
「強引すぎるよ、お兄ちゃん。私はやり始めたことはやり遂げたい。こんな所で辞めたくない」
「その気持は俺だってわかる。けど、なのはちゃんに怪我をさせるわけにはいかねーんだ」
「なら、私がお兄ちゃんに勝てればお兄ちゃんは納得してくれるよね?」
……なんか話がおかしな方に行ってねーか?
「リンディさん。ここに道場みたいな場所ってありますか?」
「え、ええ。訓練場がありますけど」
「案内してください」
なのはちゃんは立ち上がって扉の方に歩いていく。俺が呆気にとられて未だに動けずに居るとそれに気づいたらしいなのはちゃんはそれはもう、とてもいい笑顔とともに振り返った
「まさか、逃げないよねお兄ちゃん?」
「あ、ああ。もちろん」
逃げられるはずがなかった