仮面ライダーリリカル   作:朱神優希

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はい、大変長らくお待たせいたしました(待っている人がいるかどうかはともかく)
早いもので前回からもうおおよそ三ヶ月半も経ってますね。どうにもうまく内容が纏まらず筆が進んでいませんでしたがなんとか形になりました

えー、今回は病み成分多めです。次回にはなんとかなる(予定)ですが苦手な方嫌悪感がある方はご注意ください


第十八話 絶望と狂気と傷

※映司視点

 

「なるほど、大体の事情は分かった」

 

翔太郎さんの事務所に運び込まれてすぐ俺とアルフはユーノ君と呼ばれていた少年の転移魔法でアースラと呼ばれる場所の医務室へと連れて来られた。今医務室に居るのは翔太郎さん、俺と同じく治療されてベットで横になっているアルフ、そして俺とアルフから事情聴取をしたクロノ君とリンディさんだ

 

「お前なぁ。そうゆうことなら何でもっと早く相談しなかったんだよ」

 

「すみません」

 

翔太郎さんの言葉に俺は謝ることしか出来なかった。

 

「とにかく、これで今回の事件は収束に向かうでしょう。これから私達はプレシア・テスタロッサの逮捕のため動きます。火野映司さん。どのような事情があれ貴方が行ってきたことは公務執行妨害です。それはわかっていますね?」

 

「……はい」

 

「よろしい。ですが、貴方は管理外世界の人間です。私達の世界の法で裁くことは出来ません。ですから貴方にはこれから我々に協力していただきます。よろしいですね?」

 

「はい。………あの、フェイトちゃんはどうなるんですか?」

 

「話を聞く限り彼女もプレシア・テスタロッサの行いの被害者だ。情状酌量の余地はある。彼女もこちらで保護する」

 

「そうですか」

 

クロノ君の言葉を聞いて俺はそっと肩の力を抜いた。この人達なら悪いようにはならない。この短い会話の中でそう確信できた

 

“ビー!ビー!”

 

突然サイレンの音が鳴り響いた。それと同時に空中に画面のようなものが現れる

 

「エイミィ、何があった?」

 

『風都で巨大な魔力を感知。魔力反応はフェイト・テスタロッサの物です。映像出します』

 

そうして画面に映し出された映像にはフェイトちゃんが騎士甲冑のような物と一緒に街を破壊している姿が写されていた

 

「そんな、なんで!」

 

俺はその映像が信じられずに大声を出してベッドから飛び出す。体のあちこちが痛むがそんなことを気にしている場合じゃない。画面の中の映像はなおも破壊活動を続けるフェイトちゃんの姿が写され続けている

 

「ボサッとしてる場合じゃねーだろ、映司。何があったのかはわかんねーけど、とにかく止めに行くぞ!」

 

「はい!」

 

翔太郎さんの言う通りだ。何が起こっているのか考えるのは後回しだ。今はとにかく止めに行くしかない

 

――――――――――――――――――

 

「フェイトちゃん!」

 

「やっぱり来てくれたんだね、映司」

 

俺が叫ぶとフェイトちゃんはバルディッシュを振るう手を止めて“笑顔”でこちらへと振り返った。その顔は俺が今まで見てきた中でもとてもいきいきとしていて、だからこそとても歪だった。そして、フェイトちゃんの目が俺と一緒に来て今は騎士甲冑と戦っている翔太郎さん達を捉えるとその目が絶望に染まっていく

 

「…………映司、何でそいつらと一緒にいるの?そいつらは私達の敵なんだよ?」

 

「落ち着いて、フェイトちゃん。翔太郎さんたちは「映司も私を捨てるの!?私が造り物の失敗作だからっ!」…っ何でその事を!まさか、プレシアさんに」

 

「うん。聞かされたよ。私は母さんの本当の娘じゃない。アリシア・テスタロッサのクローンで失敗作なんだって。ジュエルシードを集めてた理由も。もう私は母さんにとっては必要ないの。その上映司にまで見捨てられたら、私はどうやって生きていけばいいの?」

 

光を失った目で俺の事を見つめながら淡々とそう聞いてくる。俺は見捨てたりなんかしない、そう言おうと口を開こうとした瞬間、フェイトちゃんが突然大きな声で笑い出した。何かとても良いことを思いついたかのように

 

「アハハハハ、そっか。いいこと思いついた。私が要らなくなったなら私が要るようになればいいんだ」

 

そう言うと同時にフェイトちゃんの姿が消える。ゾクリ、と背筋に悪寒が走り俺は咄嗟に後ろへと跳んだ。しかし、それよりも早く、フェイトちゃんの振るうバルディッシュは俺の腕を斬っていた。鋭い痛みが体を駆け抜け、着地に失敗して地面を転がる。幸い後ろに避けたおかげで直撃は避けれたけどあと一歩遅ければ完全に片腕を失くしていた

 

「避けないで、映司。一瞬で終わらせるから。腕が失くなったら私に頼るしかないよね?」

 

「待って、フェイトちゃん。話しを」

 

俺の言葉に聞く耳も持たず再びフェイトちゃんがバルディッシュを構える。翔太郎さんがこちらの状況に気がついてこちらに来ようとしているが今更間に合わないだろう。俺は自分の無力を悔やみながら目を瞑った

 

「ディバインバスター!」

 

その時、頭上から声がしたかと思うと、目の前で何かが爆発したような音とともに砂煙が舞い上がる。目を開けると、目の前には緑色の輪に拘束されたフェイトちゃん。そして、上を観ると杖を構えたなのはちゃんとユーノ君がいた

 

「ユーノ君!」

 

「了解!強制転送!」

 

フェイトちゃんの足元に魔法陣が現れ姿が消える。どうやらどこかに飛ばされたらしい

 

「フェイトちゃんの事は私に任せてください!」

 

なのはちゃんはそう言うと俺の返事も待たずユーノ君の転移魔法で彼女も何処かへと姿を消した。なのはちゃんを転送するとユーノ君が俺の所まで降りてきて斬られた場所の治療を始める

 

「怪我の治療はいいから俺もフェイトちゃんの所に!」

 

「ダメです!」

 

俺の言葉はユーノ君の強い言葉に否定された

 

「彼女の事はなのはが何とかしてくれます。だから貴方は今は治療に専念してください」

 

それだけ言うとユーノ君は無言で治癒魔法をかけ続ける。俺は何も言い返すことが出来ず、ただ、二人の無事を願う事しか出来なかった

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