仮面ライダーリリカル   作:朱神優希

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第二十話 傀儡兵と涙と和解

※映司視点

 

ユーノ君のお陰で傷が癒えた俺はオーズに変身して街を襲っている騎士甲冑と戦っていた

 

「はぁ!」

 

メダジャリバーで斬りふせるが、その後ろから更に騎士甲冑が湧き出てくる

 

「おい、クロノ!こいつら一体何なんだよ!」

 

「魔力で創られた傀儡兵だ。ここまでの物がこれだけの数となると相当の魔力の持ち主が創りだしたものだ。恐らくプレシア・テスタロッサがジュエルシードの力も使って創ったのだろう」

 

翔太郎さんの叫びにクロノくんは答えながら水色の砲撃で傀儡兵の一体を撃ちぬく

 

『火野映司、確か君は分身が出来るコンボがあっただろう?』

 

「あ、はい!」

 

フィリップさんに言われてガタキリバの事を思い出す。オーズについては俺の方が詳しいはずなのに他の人に指摘されるなんて、やっぱりアンクがいないと駄目だな、俺。……っと、今はそんなこと考えてる場合じゃない。俺はオーズドライバーを水平に戻してタカとトラのメダルを抜いて二枚のコアメダルを新しくセットしてスキャンする

 

『クワガタ・カマキリ・バッタ!ガータガタガタキリバ、ガタキリバ!』

 

俺は昆虫系コンボのガタキリバにコンボチェンジすると同時に出せるだけ分身を創りだしオーズドライバーを再びスキャンする

 

『『『『『スキャニングチャージ!』』』』』

 

俺の後に続くように分身もオーズドライバーをスキャンするとバッタレッグで強化された蹴りで無数にいる傀儡兵を全て破壊した。周りに他の傀儡兵がいないことを確認して変身を解除する

 

「凄い、あれだけの数を一瞬で」

 

「コアメダルも本来ならば第一級ロストロギアだからな。どうも上の方が圧力をかけられたらしく回収はしなくてもいいと言われたが」

 

十中八九鴻上会長の仕業だろうな。本当に底の見えない人だ

 

「それはそうと、ユーノ君。そろそろフェイトちゃんのところへ連れて行ってくれる?」

 

「ああ、それなら大丈夫です。ちょっと前に決着はついたみたいですから。そろそろこっちに」

 

その時、俺達の前に魔法陣が現れたかと思うとなのはちゃんがフェイトちゃんを肩に抱えるような形で現れた。俺はその姿を見て一目散に駆け寄る

 

「フェイトちゃん!」

 

「大丈夫です、ちょっと気絶してるだけですから」

 

なのはちゃんはそう言いながらフェイトちゃんを俺に預けてきた。その体を抱きかかえて様子を窺えば確かに怪我をした様子もなく、規則正しく呼吸もしていた。俺がその事に安堵の溜息を漏らしていると、小さな呻き声とともにフェイトちゃんの目が開いた。焦点の合わない目で数秒間俺のことを見ていたフェイトちゃんは次の瞬間大きく目を見開いて逃げ出すように体を離そうとした。俺は咄嗟に抱きしめてそれを防いだ

 

「離して、映司!」

 

「離さない!ちゃんと俺の話を聞いて!フェイトちゃん!」

 

フェイトちゃんは少しの間逃げ出そうともがいていたがやがて大人しくなった。俺はそれを確認してから一度体を離してフェイトちゃんの目が見える位置に顔を持っていく

 

「フェイトちゃん。君がプレシアさんになんて言われたのかは分からない。けど、俺はフェイトちゃんを見捨てたりなんか絶対にしない。だって、俺が守るって決めたのはアリシアなんて子じゃない。フェイトちゃん、今俺の眼の前に居る君なんだ」

 

「でも、私は、映司に酷いことを」

 

「そんな事気にしなくていい!俺の方こそ、守るって言っておきながら君を泣かせてしまった。けど、もう一度だけ俺にチャンスをくれないかな?今度こそ絶対に君を守ってみせるから」

 

「………本当に、いいの?私なんかが映司と一緒にいても」

 

「うん。当たり前でしょ」

 

「えい、じ……映司っ!」

 

飛び込んできた体を受け止めて改めて抱きしめる。今度こそ何があっても守り抜く。耳元で聞こえる鳴き声を聞きながら俺は強く心に誓った

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「それでは、フェイト・テスタロッサの身柄はこちらで預からせてもらう」

 

フェイトちゃんが泣き終わるのを待ってからクロノくんがそう言った

 

「……あの、これから母さんの所に行くの?」

 

「ああ、準備もあらかた終わった。すぐにでも突入作戦が始まるはずだ」

 

フェイトちゃんの確認にクロノくんはそう答えた

 

「なら、私も連れて行って。母さんとちゃんと話がしたいの」

 

「駄目だ。君は例え騙されていたのだとしてもプレシア・テスタロッサの命令で行動していたんだ。万が一ということがある以上連れて行く訳にはいかない」

 

「そんな!そこをなんとか。フェイトちゃんのことは俺が責任をもって見てる。万が一なんて絶対に無いようにするから!」

 

俺は必死になって頭を下げる。せっかくフェイトちゃんがプレシアさんと向き合うつもりになったんだなんとかして一緒に連れて行ってもらわないと!

 

「駄目なものは「俺からも頼む」「私からも」……左、なのは、君達まで」

 

クロノくんが言い終わる前に翔太郎さんとなのはちゃんもお願いしてくれた。その時、空中に画面のようなものが現れてリンディさんが映る

 

『良いでしょう。彼女には時の庭園での先導役として同行してもらいます』

 

「ちょ、艦長!」

 

クロノくんが抗議の声を出すがリンディさんはそれを聞き流してフェイトちゃんの方を見る

 

『これは貴方を信じた周りの人を信じた判断です。その思いを裏切るような真似はしないように』

 

「はい!」

 

『よろしい。では、これより2時間後、時の庭園への突入作戦を開始します』

 

こうして最終決戦の幕は静かに開いた

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