カカシの憂鬱   作:睡眠不足です

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完全オリ展開


集落殲滅編①

さてさてあっちは退屈に子守している頃かな。

 

「対象確認」

 

散と指で合図し、各自指定の場所へ散らばった。

 

任務内容は「抜け忍の潜伏疑惑がある調査」

真意は「潜伏疑惑のある集落の殲滅」であると認識している。本当に抜け忍が潜伏しているのか、そんなのは関係ない。

 

暗部は自分を入れて三名。スリーマンセルだ。

集落は森林に隠れるかのようにぽつんぽつんと一定の感覚を開けて存在していた。

 

右前方2時の方向から何やら怒鳴り声が響いた。次の瞬間、濃い霧が辺りを包み込む。先程見えていた集落は霧に隠され見えなくなってしまった。

 

カカシは瞬時に地を蹴ると、近くの木に飛び移りクナイを投げた。姿は見えないが気配を感じる。

 

数は多くない、もしや一人か?

 

すっと気配が急に消えたことを確認する訝しげながらもカカシは木から木へと移り進んでいく。そうこうしていると先程所定の位置に着いた暗部の一人タンダと出くわした。

タンダは今回集落の位置を把握する為、感知タイプとして収集された忍びである。

 

「何があった」

「わかりません急に霧が濃くなって、対象の集落を見失いました。」

「どういうことだ」

「集落が消えたんです!」

 

突然ありえない現象が起きた事に動揺を隠せないタンダはカカシの言葉に被せるように話し出した。

 

「幻術の類いを疑いましたが違います。先程9時の方向から怒鳴り声が聞こえて..それから..」

 

「待て、9時の方向から?俺は2時の方向から怒鳴り声が聞こえたんだ」

 

「それはおかしいですよ。だって2時の方向には、そもそも集落なんてないじゃないですか」

 

カカシは僅かに瞠目を開いた。

そういうことか。

 

その仕組みをカカシが理解した時、立ち止まり木に記号をクナイで削った。

 

『 』

 

「何してるんですか」

 

「お前もう一度確認してくれないか」

 

タンダは素直に目を瞑り、手で印を組みながら周囲を探っているようだ。

 

ざあっと木々が揺れ動く。

 

「...そこに人の気配を感じます」

 

タンダはカカシが削った木に指を指した。

 

「どういうことですか?」

「固有結界だ」

 

円形状に結界を貼り対象を閉じ込める事ができる。範囲は術を発動する忍びの力量によるだったか。

 

「集落全体を覆っている侵入者対策だな」

 

俺のやる事は変わらないが、面倒だな。

 

「どうするんですか?」

 

不安げな顔で尋ねてくるタンダに嫌気が差す。

 

「....自分で考えなよ俺は子守しにきてるんじゃないんだ」

 

木の葉に影分身の俺を一人残してきたが、ここにも駄作がいたか。

 

「なっ..俺は今回始めての任務で...!」

 

タンダはカカシに言い募ろうとしたが、少し先に小さな気配..人ひとり分の気配を感じ印を深く集中した。

 

その正体がわかるな否やカカシの静止の言葉も聞かず、タンダは木から降り走リ去った。

 

カカシは冷徹な眼でタンダの後ろ姿を見つめていた。

 

「子供がっ!なんで..集落の子か?」

 

薄汚れた服とも呼べない布切れを纏い、どうやら気絶している様子の子供を膝に抱き上げる。

 

「....ぁ....」

 

「あっ!目が覚めたかい?」

 

軽く身動ぎした子供が何かを喋ろうとしているようだが、声がかすれよく聞こえない。

 

自然とその声を聞こうと前のめりに耳を傾ける。

 

「...ばーか」

 

その言葉の意味を理解する前に、タンダは意識を失った。否、

 

「死んだか」

 

近場の幹の上にしゃがみ込み、その無様な死に様をカカシは無感動に眺めていた。敵地に赴いているのに、なんと馬鹿なやつ。

 

 

ひょいと倒れてくる死体を避け、手の平の上で刀を廻しながら子供が白狐のお面を被った忍びに問うた。

 

「あれれ、お兄さんのお仲間じゃないの?いいの?殺しちゃったよ?」

 

「いや、手間が省けた。そいつ“対象“だったから」

 

「あれ?そう。ならいいけど」

 

「ただそれとは別に不満があるんだ」

 

「なに?聞いてあげる」

 

「お前...集落潰したろ..

 

 

 

 

 

あれお兄さんの獲物だったんだけど?」

 

ドスの聞いた低い声が辺りに響いた。

 

子供はキョトンとした顔をした。

 

「あははははは!!お兄さん苛々してるの?ごめんね!でもあの集落は僕の獲物だったんだもの!!弱肉強食だよね!仕方ないよ!」

 

直接被った血に塗れながら、腹を抱えて笑い出す。

 

「あーそ」

 

じゃあ、お前を喰らうわ

 

不意に視界が揺れた。瞬時、背中に鈍痛が走る。木々のざわめきが聞こえ、木に叩きつけられたのだと能が理解する。

 

目に見えない攻撃に舌打ちする。

攻撃を食らった腹部の状態を確認すると、自分の血液が流れているのがわかる。

 

「どどうして...どうしてだよぉおおおおおお!!!」

 

土を握り締めながら子供は白狐の面を付けた忍びを睨む。

 

「どうしてって......からだよ」

 

白狐はゆったりと子供に近づく。右手に青白い光を瞬かせながら。

 

チキチリと不気味な音を立てているそのチャクラの塊に逃げ出そうと後ずさるが、ただ手をつくだけだった。

 

「なんでなんでなんでなんでなんで!!ボクはただ人間とも思わないあの集団を!殺しただけじゃないか!なんでぼくをころそうとするの?!僕は悪くない!!悪いのはボクを虐めたあいつらだ!!」

 

「......はぁ...例えお前が復讐のために人を襲おうと。ただの狂人だとしてもどっちでもいい」

 

そのまま千鳥を子供の腹に貫通させる。

刀で、クナイで、術で何も反撃を返さない。

ろくな抵抗もしない雑魚の体を右腕を振りかぶって重力のまま投げ捨てた。

 

子供の体は地面に叩きつけられる前に、霧になって空気に拡散していく。

 

「.....お遊びに付き合ってる暇ないんですけど」

 

目の前の景色に歪みが生じたと感知した瞬間、少し先に集落が見えた。

 

「んー.....」

 

さっきの子供は操り分身だな。

固有結界を敷いていたのもそいつの操り主か?いや、逆だな。この結界を解いてくれたな。何故、手助けするかも正体もわからないがまぁいい。つまらない愉快犯に弄ばれただけってことか。あー....苛々する。

 

カカシはひとつ大きく深呼吸すると、本来の目的を遂行する為に集落へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

『やっぱりその眼ほしいなぁ』

 

ニタァと嗤った青年が〝寸前〝までその眼を凝視し観察していたことにまだカカシは気づいていない。




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