ありふれた物語の語り手   作:通りすがる傭兵

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すごく疲れた。

書きたいシーンがあるけどそこまでが長すぎるって!

やっぱネット小説はまじめに追っかけたらいかんな、こんなこと二度としないからな(続きを書きながら


ありふれた物語の伝説の始まりは......

 

 

 

意外性と非常識、それは別物でなく紙一重の差しか無い。そんな事を考えつつ私こと綴織ケイはぼんやりと星空を見上げていた。

 

「め、めめめ、めい、めいきゅっ」

「見る限りそうだね」

「は、ハジメさああああああああん!」

 

耳と私に皆無なソレを揺らして、パタパタと走り去って行くシア。

たしかに目的であるダンジョンを発見したはいいとして、

 

「シア、最初の目的忘れてない?」

 

お花摘みにきたんでしょ、大丈夫なの。と続けようとしたものの、私なんか目じゃない身体能力で走られたら振り回されるばかり。

その内帰ってくるだろうし、のんびり待つ方が楽。

 

「しかし、不思議よねぇ」

 

荒れた崖に直接掘られた文字。ソレは現代の工作機械を使ったように滑らかで、歪みもなく正確なものだった。この岩壁が鉱石の範疇に入るとしたら南雲にも出来るのか、と至極どうでも良いことも思いついてしまう。

工作技術はこの世界にはないが、匹敵するかそれ以上の不可能を成し遂げる魔法というモノ。

それがこの少し歪んだ神への信仰心を高めているとすれば、歴史の出来事は書いたままを受け取ってみた方が良いのかしら。

なべて神話は脚色されるものだけど、魔法が存在する以上どれが嘘でどれが本当か見当もつかない。

しかし、エヒトを崇め奉る。

エヒトってキリストと同じような物なのかしら。

 

日本には八百万(やおよろず)の神様がいると言われているけど、不思議とヨーロッパなのでは一神教が多い。キリスト教やイスラム教なんかがそうね。

変人で名の通っていた世界史の先生によれば、それは環境の違いにより成り立っているとか。

詳しくは忘れたけど、日本は農耕民族。天候や自然に振り回されるままに生きている。それ故に自然を神と崇め、自然に応じた色々な神様が存在していると信じた。

逆に欧米諸国は狩猟民族。力で征服する、という考えが根底に流れているとか。それ故に力を振るう事を許してくれる神、それも絶対的な力を持つ唯一神に信仰を求めた......だったっけ。

 

こんな荒れた峡谷があるくらいだし、自然豊かな日本と考えるよりかはアメリカ開拓時代の方が現地の人々の考え方に近しいのかな?

だから一神教のような文化が......

 

「やめやめ、宗教を深く掘り下げるのはルポライターやら学者の人達の仕事。こんな未熟な身で書いちゃ客観的じゃない。気を悪くする人が出るし、極力書くのはやめにしましょう」

 

 

《気を悪くした人がいたならごめんなさい》

 

 

 

閑話休題(それはさておき)

 

 

『おいでませ! ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪ 』

「文字には性格が現れる、とはいうけど。

反逆者ってのは女子高生やらアイドルも含まれるのかしら」

 

細かい『!』や『♪』をわざわざ彫り込ませているあたり、これを書いたものは並々ならぬ変人、とカテゴライズするべき。

「とはいったものの、ライセン、か。

ライセン大峡谷とは何かしらのつながりがあると考えるべき。

だとすれば、近くに住んでいた獣人族の可能性もあるわね。それに古来から大峡谷は処刑場に使われていたっていう話もあるし、そこの管理人だったって事も」

 

風も冷たいので、文字の掘られた壁の先にある窪みに身を隠す。そのまま考え事をしようと壁に寄りかかって、

 

ガコン

 

「へっ?」

 

壁が一瞬にして消えたような浮遊感。まるで足場が綺麗さっぱり消えた様な、そんな呆気なさを感じさせつつ、私の視界は暗闇に染まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「......まさか、カラクリ屋敷だったとはねぇ」

 

どうやら私の寄りかかった場所が回転扉の様になったいて、間髪入れずに飛んできた矢をどうにかしてかわし、自分の置かれた状況を確認してからしばらくして。

薄暗い部屋の中、壁が発するボンヤリとした灯りの中、今までの経緯をつらつらと纏めていた。あそこは風もそこそこ強かったし、紙をめくるにも難儀するから、風がない屋内は楽ね。

あたりを見渡して見つけた、たどり着いたであろう冒険者たちを丁寧に煽るミレディからのメッセージを記録してから観察を始める。

この部屋にはうっすらと砂が積もっている。私の足跡の他には変化はなく、長い間誰も入っていたいことがうかがえる。

部屋の奥には金属製ボウガンがあり、先程矢を射かけてきたのはこれと見て間違いなさそう。

床は石畳の様に規則的に四角い岩が並び、やはり人が作ったという事実を再確認した。

オルクス大迷宮じゃあ半分ほどは洞窟や岩をくりぬいたようだったけど、多少人工物は存在していた。

おそらくこういった人工的トラップを悟られないよう、自然を活用せず人工物で床を埋めた、と。仕掛け扉のカラクリといい、罠といい、細部までこだわるあたり南雲に通じるものがある。思考回路一緒なのかしら。だとしたら仕込み杖とか武器傘とか作ってそう。

こう、厨二心が、とか言いながらね。

そう妄想にふけって一人笑っていると、突然ガコンと作動音が聞こえて、

 

「な、なんですかぁ〜〜!?」

「や、シアちゃ」

「にゃあああああああああ!!!」

「......ぶふぉっ!」

「み、見ないでくださああああああああい!」

 

シアがギリギリで矢を躱すのを見て、それで非常口の看板にあるピクトグラムのような面白おかしい格好になっているのを見たり、

 

「チッ、罠か!」

「撃つな、私は敵じゃない!」

 

入れ違いに入ってきた南雲の弾丸で死にかけたりとアクシデントはあったものの無事に4人揃って迷宮に足を踏み入れた。

 

「ムッキイイイイイイイイイイイイイ!」

「ミレディは性悪」

「激しく同意、必ず脳天ぶち抜いてやる」

「盛り上がってるねぇ」

 

その状態は平静からはかけ離れたものではあったが、な。

よほどミレディの態度(掘られた文字)が据えかねたらしく、さらにそれを見透かしたような二段構えに腹が立つ、といった有様だ。

感情が表に出やすいシアはそれはもう、苛立ちが熱気になって現れる程で、

 

「殺ってヤルですよ......脳天カチ割ッテヤるですよ......」

 

あのフリフリとしたかわいいウサちゃんはどこに......と言わんばかりの豹変ぶり。そういえば怒ってる時は尻尾の毛は逆立つし耳はピンと立つのね、メモしとかないと。

 

ボンヤリと光る壁の奥を見、そこから吹く冷たい風を感じて思わず笑みがこぼれた。

これから南雲とユエにとっては2回目、私とシアにとっては初めての、

 

「よし、頑張れ南雲!」

「自分の身は自分で守れよ?」

 

命がけのダンジョン攻略が、始まるのだ。

 

 

意気揚々と期待に胸を膨らませた(聞けば私だけらしい)そんな私たちを出迎えたのは、オルクスのような無機質な洞窟とモンスター群でもなく、まるで子供の遊びのような不可思議な風景だった。

階段や通路、そして奥へと続いているであろう入口が規則性もなくデタラメににつながり合っており、騙し絵のような、そこにいるだけで変な気分になりそうな空間があった。一階から伸びる階段が三階の通路に繋がっているかと思えば、三階の通路は一階の通路に繋がっていたり、二階から伸びる階段の先は壁だったり。

健常者が考えたとは思えない。

 

「まるでエッシャーの絵かウィンチェスターハウスだ」

「なんだそれ」

「エッシャーは騙し絵の達人だよ。ほら、登り続ける階段とか登る滝とかの」

「言われてみればそんなのもあったような......もう一つのはなんだ? 聞き覚えのあるような言葉が聞こえてきた気がするんだが」

「恐らく御察しの通りだよ南雲。

ウィンチェスター・ミステリー・ハウス。

アメリカでも有名な怪奇物件で、建てた人はかの有名なウィンチェスターライフルの開発者の妻だそうだ。

ライフルで死んだ悪霊から逃れるために増設を重ねた屋敷って話だが、こんな風だったなあ、てな」

「幽霊なんざいるわけ無かろうに」

「いるだろう。図書委員の恵理ちゃんはネクロマンサーだし」

「誰だそいつ」

 

南雲のドライさに思わずツッコミを入れつつ、地図に印をつけてから先に進む。一応南雲にもスキルでマッピングを頼む二段構えで、備えは抜群だ。

踏み入れた通路はボンヤリと光る鉱石、南雲によればリン鉱石と言うらしい。

地球の(リン)鉱石は空気に触れるだけで発火する危険物なのだが、ここでは組成が違うということだろう。

しかし、入口の罠からしてそろそろ次から来てくれてもおかしくないはずなのだが。

 

ガコン

 

作動音を聞いて前をみれば、南雲の足が床より沈み込んでいる。と言うことはつまり、

 

「伏せろっ!」

 

最後列の私は、罠の様子がよく見て取れた。

腰のあたりと首、避けにくい場所に飛び出す丸鋸のような刃。回転しているあたり切れ味もバカにならないし、避けにくい箇所に設置された陰湿なものだ。

床に伏せることでかわしたが、シアのうさ耳の先が切り裂かれたのをみてとてつもなく焦った......耳先の毛だけで済んだらしい。

そう安堵し気を緩めた私に、迷宮は容赦しなかった。

 

「綴織っ!」

 

言われて気がついた時には、私の頭上にギロチンの刃が降り注くところで、

 

(あ、死ぬのか)

 

なんともあっけない最期だと、普通にそう思った。

 

 

 

「ったく、次はねえからな」

 

南雲が私を抱え上げてギリギリのところを逃がしてくれなければ、私の体はバターのように切り裂かれ17分割だか細切れになっていただろう。

ただ、その。

 

「お姫様抱っこだなんてずるいですよ! 私だってまだされたことないのに!」

「私だけの......だけの......」

「すまん、降ろしてくれないか」

 

なんでかはわからないが、とてつもなく恥ずかしい気分になった。

南雲のみっともない言い訳と隙あらば差し込むノロケ話を聴きながら、この言いようのないモヤモヤとした味わったことの無い気分を噛みしめる。

 

この胸の高鳴りはきっと。

 

 

ーーーー死に瀕した時、感じる走馬灯的ななにかなのかな。

 

「あの、ケイさんすごくメスの顔してませんか?」

「ハジメは渡さないっ!」

「おい、無駄話はいいから早く行くぞ」

それからも迷宮攻略は続く。

意地悪で性悪で極悪なトラップ群は続き、魔物の魔の字も見られないような無機質な空間ばかり。こう同じ石畳を見続けるのも気が萎えてくるし、精神的にクる物がある。

そして一度、終着点(ゴール)らしき場所には辿り着いたのだ。

城の大広間のような空間。

そこに控える、自立稼働する大柄な騎士の鎧群。

魔法が分解されるライセン大峡谷の特性に加えてゾンビのように蘇ってくる騎士群に苦戦を強いられ、さらに出口に設置された難解なパズルを解き、なんとかその先に進んだ、

 

......と、思いきや。

 

『ねぇ、今、どんな気持ち?』

『苦労して進んだのに、行き着いた先がスタート地点と知った時って、どんな気持ち?』

『ねぇ、ねぇ、どんな気持ち? どんな気持ちなの? ねぇ、ねぇ』

 

見覚えのある埃っぽい部屋。

これ見よがしに浮かびあがる文字。

そして、突きつけられた現実。

 

「2週目とか......」

 

しかも親切なことにダンジョンの中身はシャッフルされているとか。やり込み系玄人プレイヤーに親切設計なダンジョンだ。よっぽど開発者はゲームが好きらしい。

この手のゲームは得意、出涸らしまで遊びつくしてエンジョイしてくれようぞ。

 

「うぇへへへへ」

「......お前、なんかキモいぞ」

 

ここからは忙しかったので、音声記録のみでお送りします。

 

「ちくしょう、また落とし穴だ!」

「......とりもち」

「どっせーいですう!」

「ナイスホームラーン、ってこの展開前にも」

「「「「やっぱりぃ!」」」」

「壁レーザーとかバイ◯ハザードかよ」

「マトリ◯クスしてる貴方が言いますかそれ」

「ウッサウサにしてやるですう!」

「また違うパズル......」

ねえねえ今どんな気持ち?(N D K)

「「「「3週目ェ!」」」」

「今度はギロチントラップかよ!」

「私の、髪が......」

「ショートカットもいいと思うぞ?」

「......ふふ」

「しゃらくせーですう!」

「壁抜きとか化け物じみてるわね」

「おい綴織、俺の方を見て言うな」

「焼き尽くせ......」

「迷路なんぞまっすぐ通ればいい」

『騙して悪いが、初めから目的(ゴール)などない。ねえねえ、怒った?』

「怒ってねえよクソが」

「殺ってやーる殺ってやーる殺ーあってやるです!」

「床が抜けるとか聞いてないってば!」

「「「「ミレディェェェェェェ!!!」」」」

『4週目楽しんでね、キャハっ☆』

「金だらいとか古典的すぎっ!」

「なんかネトネトしますぅ」

「......ハジメのエッチ」

「ちょ、ユエさん?」

「幼女を濡れスケにする男......ハジメさんはやっぱり」

「俺は悪くない、悪くないんだぁ!」

「 逃 が さ な い !」

「この後めちゃくちゃ(ry」

「見てないで助けろぉ!」

「ユエキラキラしてるね......」

「......貴方もヤる?」

「ヤるです!」

「..................遠慮しとく」

『ダンジョン内でラブコメとか許されないよね、はいドーン!』

「「「「ああああああぁぁぁあ!」」」」

『もう一回遊べるドン!』

「これで5週目か」

「あっ」

「「「またやりやがったな!!!」」」

「私は悪くない、悪くないんですぅ!」

「カーナーシミノー」

「やめい」

「やっさいもっさいですぅ!」

「粉砕!」

「ぎょくさい」

「大喝采☆ ってお前らノリいいな!」

「南雲が一番生き生きしてると思う」

『はいドーン』

「「「「ミレディェェェェェェェェェェェェ!」」」」

 

 

 

 

 

そして1週間後。

 

「次で多分ラス。ブロック移動はパターン化してきたし、法則も見えてきた」

「やっとこの地獄から抜け出せるんですか!?」

「おそらくは」

「バンザーイ! バンザーイ!」

「うるさいトラブルウサギ」

「また不名誉な名前が増えてる......」

 

クリアしては戻り、クリアしては戻るを繰り返してはや20回以上。1日3回のハイペースで迷宮を攻略し続けた私達は、やっとこの足止めから解放される手がかりを得た。

私の毎回メモしていたマップと、南雲の技能によるマーキング、それらを照らし合わせて見つけた法則性。

それを頼りに壁をぶち抜き時には反則ギリギリと言われてもおかしくないショートカットを挟んで、本当のゴールを目指す。

 

「やっぱり、変わってる......」

「奥扉が開いてるな」

「ゴールはきっと、あの先にある」

「っしゃああああ殺る気出てきたですって!」

「シアほっといていいの?」

「良いだろ」

 

幾度も通ったゴーレム騎士が立ち塞がる大広間、だがパズルを解かなければ開かないはずの奥の扉が開いており、その先に暗闇が続いている。

恐らく、規定回数クリアで道が拓けるしくみ。

よっぽどクリアされたくないようで。

でも時々挟んでくるあのうざったい文字、あの文字の必要性はあったのかしら......

 

「綴織!」

「っ、”大いなる風よ!”」

 

近寄ってきた騎士を壁に吹き飛ばして、急いで通路を目指す。

いつもは閉まってジェットコースター気分を味わう袋小路だったんだけど......

 

「よし、道がある!」

 

今回でラスト、こんな鬱陶しかった迷宮とは永遠にオサラバでき、

 

「「付いてくるとか聞いてない(ですぅ!)!」」

こう言う場合は大抵ここらは安全地帯じゃないのかなあ、と思いながら全力で逃げた。

 

リアル鬼ごっこ(捕まると首が飛ぶ)をゴーレム騎士と繰り広げつる着いた先の、おそらく魔王なり最後の守護者なりが待ち構えるであろう大広間。

南雲の話によればオルクスの時はヤマタノオロチ擬きだったらしいが、果たして?

 

『ヤッホー! みんな大好きミレディちゃんだぞ、キャハッ☆』

「死ね」

 

開口一番に言葉と共に拳銃を撃った南雲はさておき、ミレディと名乗るゴーレムだが。

 

(ガン◯ム?!)

 

そうおもわず突っ込んでしまうほどに大きかった。サイズはおおよそ20mほど、こんな大きな人型を見たのは、修学旅行で見たお台場にあるアイツを見たときくらいだ。

 

「あのねぇ、挨拶したんだからって攻撃するのは失礼じゃないの? 最低限の礼儀だよ? 全く、これだから最近の若者というのは。もっと常識的になりたまえよ」

 

しかもこのゴーレム、やたら人間臭い。

両手を広げて肩をすくめる仕草といい、やれやれと額に手をあげるさまといい、中の人の存在を疑うべきだ。

 

「しかし、そんなこと有り得るのか?」

 

もし仮に、この中身が本人だとする。

そうなるとミレディは1000年以上もこの地の底で独りで挑戦者を待ち続けたいたことになる。そこまでの長い期間、人間が正気を保つとは常識的に見て考えにくい、ならば、

 

(......国立図書館ばりの書庫があると見て間違いない!)

 

1000年前以上の文章。現代日本に例えれば10〜11世紀。日本ならば平安〜鎌倉時代時代。ヨーロッパなら十字軍遠征が始まり、戦乱の波が渦巻き始めた頃。イスラム圏では国々がやっと安定して来て、文化が育ち始めた頃。

魔法も今よりは進化していない荒削り、民間伝承や神話も今より精度が高い書籍が残っているとなれば、これはもう是が非でも読ませて貰いたい。

 

『目的は何? 何のために神代魔法を求める?』

「早く本を寄越すんだよ!」

『ひぇっ』

「今すぐ書庫を見せるんだよお前。

イイもん持ってんだろう、お前!

本置いてけ、本置いてけええええええ!!!」

 

 

 

「やれ! シア!」

「やああああああああああ!」

 

ミレディゴーレムの心臓に突き立てられた鉄杭に、シアの振り下ろす大槌が振り下ろされる。さながらブラム・ストーカーの描く吸血鬼に白木の杭を振り下ろすように、断罪の一撃が下された。

 

「ふう、やはり反逆者は強敵でした」

「......ぶい!」

 

その後は事後処理のようにことは進む。

死に体のミレディが他の迷宮の場所を語り、南雲に意味深な一言を言い放って散った。

 

『君は必ず、神殺しを成す。それが、君にとっての最良だから......』

 

『……お疲れ様。よく頑張りました』

 

一言に押し詰められた、1000年の重み。

たった2、3時間死闘を繰り広げた赤の他人ではあるが、何故こんな言葉を向けることができるのだろうか。

人間の行動や心理というものはやはり理解できない。

 

「こんな文章が、かけるといいな......」

「行くぞお前ら、使えるもんは全部分捕ってくからな」

「完全に思考回路が賊だねえ」

「それがハジメのアイデンティティ」

「やっぱり最低ですね!」

「黙れダメウサギ」

 

それから導かれるように迷宮の奥へ進み、

 

『やっほー、さっきぶり! ミレディちゃんだよ!』

 

あの言葉が演技だったと知るのは、蛇足でしかないだろう。

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