武昭が簪と知り合ってから少し経った日曜日……
「ハァハァハァ、今朝は結構遠くまで来たな……」
武昭は河川敷までランニングをしていた。
「今日は母さんに朝ごはんをお弁当にしてもらったからな……何処で食べようかなぁ……ん?」
食べる場所を探していた武昭に前から見覚えがある色の髪の少女が走って来た。
(あの髪の色は簪か?けど……何か違う様な……)
「すみません、何か私に用ですか?」
少女は武昭に気付くと声をかけて来た。
「いえ、こんな早朝から走ってる人で貴女みたいな人は珍しいと思って」
「そうでしたか、私は体を鍛える必要があるからしてるんです。貴方は?」
「まぁ俺も似た様な物です、良かったら少し休憩でもしませんか?」
「そうですね……なら、あっちに行きましょう、丁度良い場所があるんです」
武昭は少女に案内されて、その場所に向かった。
武昭が連れて来られた場所は河原にある幾つかのグラウンドの1つで、そこには簡単な休憩所があった。
「へぇ、こんな所があったんですか」
「えぇ、ここは私がよく使ってる場所なんです 何か飲みますか?」
「いえ、飲み物なら俺も持ってるんで」
少女は自分の荷物からボトルを出したが武昭もリュックからボトルを取り出した。
「そういや自己紹介がまだでしたね、俺は小津武昭って言います。最近こっちの方に引っ越してきたんです」
「そう、私の名前は更識刀奈って言うわ」
(あれ?確か簪の苗字も更識だった様な……)
互いに自己紹介をして話していると刀奈が武昭の1つ年上だと分かった。
「すみません年上なのにタメ口で」
「良いわよ、私は気にしないから……それにしても結構な量食べるのね?」
刀奈は武昭のお弁当を見て軽く引いていた。
「そうですか?家ならこれの倍は食べますけど……刀奈さんもどうですか?」
「嬉しいけど私はそんなにクキュ〜 あう……いただきます……あっ、美味しいわ」
刀奈は断ろうとしたが小さくお腹が鳴ったのでオニギリを1つ貰って食べ、その後色々話していた。
食事を終えて……
「さてと、それじゃあ刀奈さん また今度」
「えぇ、今度は私の家に招待するわ」
「そうですか、じゃあ」
武昭が帰る為に走り始めたのを刀奈は見ていてある事を思った。
「武昭君が言ってたけど……武昭君の住んでる場所からここ迄ってかなりの距離があるのよね……
やっぱり男の子だからかしら、さてと私も帰らないと……そうだ今度は私が何かを作って持ってこようかしら……」
刀奈は帰りながら何かを考えていたが、その表情は微笑んでいた。
その後、刀奈が帰ると妹の簪が庭にいた。
「ただいまー あっ簪ちゃん」
「あっ、お帰りなさい、お姉ちゃん……?どうしたの?」
「え?どうしたのって……何が?」
「うん、いつものお姉ちゃんならランニングから戻ってくると疲れてる顔だけど、今日は何か喜んでるから……何か合ったのかなと思って……」
「え!?な、何も無いわよ!(嘘!私って、顔に出てたの!?)」
刀奈が自分の状態を確認してると本音が来た。
「あれぇ〜お嬢様の顔が真っ赤になってる〜 まさか〜格好いい人にでも会ったの〜?」
「そ、そんな事ある訳ないじゃない本音ちゃん!さてと私はシャワーを浴びて来るわ!!」
刀奈が慌ててその場を離れると簪と本音は顔を互いに見合わせた。
「本音、お姉ちゃんの
「うん〜多分
「「好きな人が出来たんだ〔た〜〕」」
同じ考えに思い至った。
だが、2人はまだ気づいていなかった……
自身の姉とその幼馴染が想っている相手が同じ男子だった事に……
この時はまだ楯無を襲名していないので本名の刀奈です。
ちなみにこの時点で武昭達は小学一年生、刀奈は二年生、まだ出てませんが虚さんは三年生の設定です。