『オッサンと!』「若造の」『「何故何バイブルー!!」』   作:ドラゴン・タトゥーのオカマ

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二話目です。
ここから原作に少しだけ関わり始めます。


若い女の子の真剣な悩みって聞いてて歯痒くなる

入団希望者との面会にあたり、坂堂と高藤は色々と手回しをした。

本部に案内をするわけにはいかないので、適当なビルを貸り何かの会社らしくカモフラージュを実行、今現在上手くいっている。

入団したかと言って永久就職とは限らない、やっていけると判断した者のみ正式に入団する事が可能なのだ。

とはいえ未成年だから説得して終わるのだが、と考えてながらコーヒーを啜る坂堂。

先輩として頼りないかもしれないが、後輩を支えていきたい高藤。

この時、楽観的に見ていた過去の自分たちをグーで殴る義務感が生じるなんて知る由もなかった。

 

指定した時間15分前、入団希望者がやってきた。

「初めまして、本日は席を設けてくださり誠にありがとうございます。駒王学園3年生、支取蒼那です、よろしくお願いします。」

「同じく、駒王学園3年生のリアス・グレモリーです。よろしくお願いします。」

上品な学生服に身を包んだ、紅く美しい髪のグラマラスな美女と、彼女に引けを取らない黒い髪の美少女が高藤に対して礼儀正しく挨拶をした。

『……支取蒼那さんにリアス・グレモリーさんですか。担当の者が参りますので暫くお掛けになってお待ちください。』

高藤はブッダの如き穏やかな笑顔を浮かべてそそくさと裏に入っていった。その顔は晴れやかでありながら内心後から突き落とされた気分であっただろう。

 

 

「……おい高藤」

『……なんですか坂堂さん』

沈痛な顔で向かい合うオッサンと若造。

オッサンの表情は全く変わっていないが、その目は目の前で巨大怪獣が横切ったのを見たモブの如く心ここに在らずと放心しており、若造の方は奥さんに最期の言葉に何を遺そうかと今生を諦めきっている。現実見ろ野郎共。

「悪魔だよな、この二人。」

『そうですね。』

しかもグレモリーにシトリーと来た。

現在の魔王を輩出した家である。

そして魔王がどーーーーしようもないシスコンで有名でもある。

「お前神器所有者の若者って言ったよな」

『言いました。』

この様子だと高藤も悪魔だと思ってなかった様だ。郵送してもらった履歴書を再確認する。

うん……うん………

「記載されてる名前と性別からして違うだろうが………!!」

『本当それっすよ………!!』

 

拝啓、天照大御神様。お元気ですか。

こちらは今日もとんでもない案件が飛び込んできています。

 

 

「遅れて申し訳ありません、本日面接を担当します坂堂紘一郎と申します。短い間ですが何卒よろしくお願いします。」

「いえ、お気になさらないでください。定刻通りですし……」

「ソーナさんの言う通りです。ですから坂堂さんが気に病むことは……」

気を取り直して坂堂はこの二人の目的を探ることに決めた。今頃は高藤が本部に必死に連絡しているだろう。成すべきことはこの場面をしのぎ切ることただ一つ、気張れ坂堂!!

というかね君達を待たせたというだけで何をするか分からないんだよあの魔王は。

いやまあ予定より早く行動するのは褒められるべきだと思うけども今回に関しては裏目になってしまったな。

 

 

「それでは面接に移りたいところ……なんですが単刀直入に言いますね。

 

神器所有者を偽って我々に近付いた目的がなんであれ、無事に帰られると思っていたのか?」

「っ!」

圧を掛けた瞬間、二人の顔が険しくなった。

支取蒼那に関しては顔が少し青ざめている。

普段捩じ切ってはもぎ取っているはぐれ悪魔と違い、人間と大差ないその外観故にだろうか。

坂堂、チクチクと良心に突き刺さる………

まるで胃に針で黒ひげ危機一髪されているような気分である。

だが恨まないで欲しい、これも仕事なのだ。

叶うならばここで引き返してくれ。

外交上の問題となっても、敵幹部の元にノコノコ行った君が悪いので追い返されただけで済んだのを喜んでくれ。

坂堂、心を鬼にした。

「答えてもらおうか……ソーナ・シトリー!!リアス・グレモリー!!」

二人には息をするのもやっとな重圧を掛けている。脂汗が両者の額を伝って床に落ちた、流石は貴族と言うべきか。この程度の重圧で潰れる程軟弱ではないと見える。

坂堂、内心舌を巻いている。

「わ、私達は………貴方に頼みがあって来たんです……!!」

ソーナ・シトリーが食いしばって重圧に抗い、椅子から立ち上がった。

「無論貴方が悪魔を快く思っていないことは承知です………魔王様にすら止められました…………!!」

リアス・グレモリーも滝のように脂汗を流しながら椅子から立ち上がり坂堂にへと近付いてくる。

坂堂は腹の中でこの二人を賞賛した。

政治的観点では現トップの身内が敵対組織の幹部と接触しているなど、愚かにも程があるが……

殺されるのを承知で頼み込むその姿勢は嫌いじゃない。寧ろ、称賛に値する行為だとバンドー、思案する。

 

「ほう……私が悪魔に対し、悪感情を抱いているのを知っていて尚ここにいるということは……ここで殺される覚悟が出来ているのだろうな?

良いだろう、今際の言葉として聞いてやる。」

圧を解いて二人を解放してやる。

突然己の身に掛かっていた力が霧散し、二人はよろけて椅子にへと倒れ込んだ。

顔は死人のように真っ青であり、

圧に真っ向から逆らったリアス・グレモリーは過呼吸気味で暫く話せる状態では無さそうだ。

坂堂はソーナ・シトリーに話すよう促した。

 

「あなたの力を貸して欲しいのです。」

「ほう、私に眷属になれと?」

「いいえ違います、貴方に教導して欲しいのです。」

「………は?」

えっ

 

 

えっ

何を言っているんだこの子は。

坂堂は思わず頭の残念な子を見る目になった。

「既に貴方がたはご存知でしょうが、駒王町は私とこちらのリアス・グレモリーによって統治しています。」

「う、うん。」

有名である。無論あまり良くない意味で。

「統治、と言っても主な役目は駒王町におけるはぐれ悪魔の排除や契約の統括等を行っているのですが……最近、はぐれ悪魔による被害者が前任者と比べてあまりにも多過ぎる事が発覚しました。」

「そ、そうかい。」

東京も人のこと言えないのだが、確かに駒王町の被害は酷いのだ。

鎮護府は悪魔達との協定により駒王町に一切手を出せないのでどうなっているのか不明であるが、坂堂は狩ったはぐれ悪魔共は東京から駒王町に逃亡しようと計画する奴が何体か居たのを思い出した。

彼処に逃げ込めば安心と思われているのだろう。

実際思われてたいた。

下品な話だが、特に表立って行動するリアス・グレモリーは「彼処の締まりと同じでガバガバ」と馬鹿にされていた。

「……その表情からして、私達の醜態はあなたがたにも届いているのでしょうね……私たちは愚かでした。未熟な小娘二人に治められる程、政治は甘くはなかったのです。」

人間でもいい歳した大人がろくな事をしていないので、まだ若いこの二人を責められる立場ではないので坂堂、その辺はなあなあで流した。

 

「………君たちの事情は置いといて、だ。何故私に君達の指導を頼もうと思ったのか理由を聞かせてもらおう。」

坂堂、個人的には力を貸すのは吝かではない。

吝かではないが、彼は秘密結社の幹部である。

己個人の意思でそうホイホイ動く事が出来ないのだ。

一応、立ち入りが禁止されていた駒王町の調査並びに、最もはぐれ悪魔による被害が多い駒王町に進出するのは日本国民を守る事を理念とする鎮護府としては受けるべき提案なのだが、坂堂である必要が無い。ぶっちゃけ高藤で事足りる。

すると息も絶え絶えだったリアス・グレモリー、何とか回復しソーナ・シトリーに変わって理由を述べた。

 

「お恥ずかしい話ですが、我々悪魔は人間と比べて政治の面で大きく遅れをとっています。

封建制が根強く、貴方がたの言葉を借りるなら『貴族以外は人ではない』といった状態です。

冥界での帝王学は封建制しか学びません。無論、こちらに来てから勉強が不十分であるのも一因でありますから、言い訳はするつもりはありませんが………

兎に角、私達は駒王町を治めるに当たり適切な知識、そして視点を持てていないのです。」

回復したとはいえ、まだキツいらしい。

一旦言葉を切ってペットボトルの水を口に含んでゆっくり飲み込み、乾いた口の中を潤すと再び喋り始めた。

「貴方に指導を頼んだ理由は、第一に、貴方は対化け物のスペシャリストである事。第二に、この国で、裏の事情について熟知している機関の幹部である事。最後に、人間の視点で忌憚なく意見をしてくれそうだったから、です……」

成程、はぐれ悪魔に襲われても殺されず、自分達を肉体的にも鍛え上げてくれそうで鎮護府の幹部だから悪魔の上層部も提案を無碍にせず、自分達とは異なる視点で気が付かなかった点を指摘してくれるからか、坂堂は納得した。

意外と筋の通った理由だったので、ボスに提言しても一蹴される事はまずないだろう。

「君たちの事情は分かった。分かったが、答えは直ぐには出ない。今日のところは帰りなさい。後日返答させてもらおう。二人とも酷い顔色をしているからね、気をつけて帰るんだよ。」

十割ほどお前の重圧のせいだよ、という態度を微塵も出さずに二人は退出した。

ぶつけてきた思いは真摯なものであった、故にこちらも出来る限り真摯に応えねばなるまい。

億劫であるが坂堂は机に向かい、今回の事の顛末について書類を書き始めた。




元のプロットでは二人は土下座して頼み込むシーンがありましたが、二人のファンに殺されそうなのでやめました。
ソーナ嬢は兎も角、リアス嬢も敬語だったのは彼女達は頼む立場であったからです。決してキャラ崩壊ではありません。
寧ろ上から目線のタメ口で頼み込む方が可笑しいのでこれがベストのはずです……はずなのです……
拙作のうち駄作な風紀委員と違い、こちらの魔王妹sは決して有能ではありませんが、己の無能さを知っていて改善しようと頑張っております。

また、坂堂の対応について不満を持つ方もいらっしゃるでしょうが、そもそも書類を偽造してまで敵対している組織の幹部に会いに行く方が可笑しいので、手加減はしても容赦はないだろうな、と。

坂堂の名は冥界でも(悪い意味で)広まっていまして、その名前しか分からない(遭遇した悪魔はきっかり全員首をもいでいる)為、名前を騙るだけで治安部隊を呼ばれます。この調子だと里帰りの際も出禁でしょう。

以下、本日坂堂が用いた極意の解説

【神と家畜のおしゃべり】
対等に話せると思ったか?お前が下で俺が上だ!!
主に同じ事をべらべらべらべらとほざく事しか能のない相手に対して使う技術……だったのだが坂堂が使うと相手を地べたに伏せさせる重圧攻撃と化した。細かな調節が可能、というか前回で使うと一般市民は気絶するし気絶しなくとも範囲内の人間の身体に不調を齎すので易々と使えない。
最近使うと湯のみにヒビが走るようになってきた。
尚、高藤には効きが薄い模様。
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