遊戯王ARC-V -Alternative- 作:ダーク・キメラ
リレー小説の第1話を書かせていただきました。
本作が人によっては不評らしいので素晴らしい感じに自分だったらこうした的なストーリーを描いていきたいと思います。
ここは、どこかの大都市……
「ハハハハハ! どうした、その程度か!」
ビルが崩れて地上に瓦礫の山を築き、地面には巨大なクレーターがいくつも空き、燃え盛る炎が全てを灰にする。完全に廃墟と化した街の中で一人の少年の高笑いが谺していた。
「もっと……もっとだ……」
『グルルルル……』
『ガアアァ……』
『グオオオォ……』
『ガアアァ!!』
少年の背後には……
緑と紅の二色の眼を持つ赤きドラゴン
鋭い牙を持ち顎の下で逆鱗を尖らせた黒きドラゴン
済んだ光を放ち美しい翼を羽ばたかせる白きドラゴン
獲物を喰らおうと牙を覗かせ禍々しき触手を伸ばす紫のドラゴン
カードに宿る
「お母さん……お父さん……」
「くそっ、何であいつが……」
「もう駄目だ……誰もあいつを止める事ができない……」
「誰か……助けてくれ……」
高笑いをする少年と、彼の背後に立ち咆哮するドラゴン。その周りには沢山の人々が倒れ、阿鼻叫喚の声を上げていた。
この廃墟を築いた原因はこの少年の力。彼の行動によって起こった被害は途轍もないものだった。
「奴を倒さねえと……」
「あいつを倒さねえと……」
彼の周りにデュエルディスクを持つ者、
「ハハハ、まだこんなにいたのか……いいぞ、デュエル開始だ!」
機甲部隊の誇る
「フフフ、ハハハハハ! やるな……だが、まだ足りない! まだ、俺は満足しない!!」
しかしそれでも少年を倒すには至らなかった……
「次は俺の番だ――」
少年が召喚したのは夜の星空の色の装束を身に纏った1体の魔術師……
「――さあ、統合せよ!!!」
『ハァッ!!』
その魔術師が魔法を唱えると共に、少年の背後に立つ四体のドラゴンが不思議な光に包まれ、その身を変質させていく。
そしてその光が急激に膨張し、弾け飛んだ時。その光の中から見上げるしかない程の巨大なドラゴンが姿を現した。
『ガアアアアアアアァ!!!』
そのドラゴンは矮小な人間を蟻でも見るような視線で貫き、咆哮を上げる。それは質量を得た衝撃波と化し、敵意を向けたモンスター達のみならず、自身の主であり半身たる少年に敵対する者達を一瞬で消し去った……
「フハハハハハ! さあ、次は誰が俺と遊んでくれるんだ?」
少年の行為……それは最早遊びと言える物ではなかった。
巨大なドラゴンの出現……正に世界の終わりと言えるであろう……しかし!
「お父さん……私、決めたよ! 私が彼を止める!」
一人の少女の決意……彼女の行動が世界を変えたのであった。
デュエルモンスターズ……それはカードに宿る生命をぶつけ合わせるゲーム。知恵と勇気による激しいぶつかり合いは多くの人を引き寄せる!
それはこの
「バトルだ、《スフィンクス・アンドロジュネス》で《バーバリアン・キング》を攻撃!」
『ストロング石島に伏せカードはない! 万事休すか!?』
「そうはいくか! アクションマジック、《回避》を発動! このカードの効果で《スフィンクス・アンドロジュネス》の攻撃を無効だ!」
『ストロング石島、見事アクションカードを手に入れ、危機を回避したああぁ!!』
質量を持ったソリッドビジョンにより実現したアクションデュエル
「《マスターモンク》で《ジェネティック・ワーウルフ》を攻撃!」
「血迷ったか! 《ジェネティック・ワーウルフ》の方が攻撃力が上だ!」
「アクションマジック、《アップグレード》を発動! このカードの効果で《マスターモンク 》の攻撃力は1000アップだ!」
「何? ぐわあぁ!」
「そして《マスターモンク 》は2回攻撃が可能だ!」
『海楊選手、アクションカードを使い、大逆転だあぁ!』
フィールド、モンスター、そしてデュエリストと一体となったデュエルは
「《タイラント・ドラゴン》よ、《スカイ・マジシャン》を焼き尽くせ!」
「……」
『榊選手、攻撃を受けるにも関わらず、余裕の表情……一体何があるのか!』
「……フッ」
「何!?」
『なんと、《スカイ・マジシャン》が消えたと思ったら《タイラント・ドラゴン》が破壊された!?』
「
人々を熱狂の渦に巻き込んだ
天気は快晴、外出にはとてもいい日である。太陽が舞網市を明るく照らしている。
そしてここは舞網市の中でも一番大きいデュエルスタジアム……ここは集いしデュエリスト達がカードを力に変えてぶつかり合う最高の舞台である。
何もない広い平面なフィールドの周りに集まってきた大勢の人々……今日も観客がデュエルを楽しみに観にやってきたのだ。
「「「わーわー!!」」」
「おいおい、最強王者の相手がガキかよ」
「チャンピオンも暇な物かねぇ」
「ストロング石島、やっちまえー!」
「でも対戦相手はあの伝説のデュエルスターの息子らしいぞ?」
「
試合が始まるのを待っている観客達の中にピンク色のツインテールを一人の少女が心配そうにスタジアムを眺めている。彼女の名は
今日のメインイベントはなんと、彼女の友達の遊矢が舞網市のチャンピオンとデュエルをするのである。
そのチャンピオンの試合を観に来た大勢の観客達だが、中にはチャンピオンへの挑戦者が彼女と同い年の子なのだからあまり期待していない者達もいる。
「大丈夫だ、柚子。彼ならやってくれるさ」
心配そうな彼女を励ますのは父親の柊
「彼は
そして遂に本日のメインイベントが開始された。スタジアムの中央に穴が開き、そこから黄色いスーツを着て眼鏡をかけたチョビ髭な司会者が現れた。
『いよいよ、本日のメインイベントのお時間がやって参りました!実況は私、ニコ・スマイリーがお送りさせて頂きます!チャンピオン、ストロング石島に挑戦しますのは……あの伝説のデュエルスター、
そう言うと彼は1枚のカードを取り出した。
『このスペシャルマッチは、アクションデュエルの公式ルールに則って行います!フィールド魔法、《辺境の牙王城》を発動!』
ニコ・スマイリーがカードを発動するとスタジアムのフィールドから次々と草が生え樹が生え、やがて森となった。その森の中から岩や井戸、壁などが出現し、そして最後に巨大な城が現れた。
何もなかった平面な舞台は一気に広い森林と化したのだ。
『ご覧ください、この本物と見紛うばかりのリアルな質感!これぞLDSのリアルソリッドビジョンです!』
ソリッドビジョン、わかりやすく言えば立体映像である。しかし、それはただの立体映像ではない。草や樹、岩や城、そしてそこから映る影、立体映像として現れた物は全て質量を持ち、その感触はまるで本物である。本物と同等な立体映像、正にリアルソリッドビジョン。
そして現れた城の高所からヘヴィメタルなメイクをした筋肉質の大男が現れる。彼は髪を3本の角の様にセットしており、まるで鬼の様だった。
『おおっと、この城に現れたのは、3年間このアクションデュエルの頂点に君臨し続ける最強王者、ストロング石島だー!』
「来たぜー!」
「ストロング石島ー!」
「今日もいい試合見せてくれよー!」
「うおおおおおぉ!!」
観客達に自身の雄叫びを聞かせる最強王者。彼の登場を待っていた観客達に応えるその振る舞いは正に王者であろう。
『その最強王者に挑むのは……若き
そしてその王者に続いて次は挑戦者、榊遊矢の出番だ。彼の登場に、観客達は少しの間沈黙に入る。
「……」
「…………」
「………………」
『ゆ、遊矢君……』
ーー登場するかと思われていたが、彼は出て来る事はなかった。
「なんだよ、逃げたのか?」
「おーい、出てこーい」
「逃げてんじゃねーぞー」
「俺達はチャンピオンの試合観に来たんだぞー」
「もう、何やってんのよ、遊矢~!」
メインイベントであるチャンピオンの試合だというのに挑戦者が出てこないのは流石に観客は不服であろう。
流石に友達である柚子も彼の不在に対して何も言えなかった。
「これじゃ3年前の親父と一緒じゃねえか」
「親子そろって卑怯者だな」
「出てこい卑怯者ー!」
どうやら観客達が不服な理由はただ「チャンピオンの相手が子供だから」だけではなさそうだ。
「息子を引っ張り出せば、榊遊勝も姿を現すと思ったが……くそ、あいつを打ち負かさねば俺は最強王者にはなれんのだ!」
不服なのは観客だけでなくチャンピオンもである。
ストロング石島は3年前の事を思い返す……本来、彼はチャンピオンの座を賭ける相手である伝説のデュエルスター、榊遊勝と対戦する筈であった。
しかし対戦の当日、榊遊勝は姿を現さなかった……あの日以降、榊遊勝の行方を知る者はいなかったのだ。彼は死んだのか、誘拐されたのか、それすらも分からずあの日以来彼の在処を知る者はいなかった。
ストロング石島が王者になれたのも榊遊勝の謎の消失による、つまり不戦勝でその座を手に入れたのである。
しかし3年間王者の座を維持し続けた石島にとって榊遊勝と戦わずして手に入れた座の価値は無に等しい。
彼が認めた唯一人の強者を打ち負かせれば彼自身も真の王者と認められるであろう。
今回のデュエル、榊遊矢が挑戦者に選ばれたのは王者の提案であり、榊遊勝の息子を打ち負かせば榊遊勝をおびき寄せられると思ったからなのだ。
「ねえ、何あれ?」
「ピエロ?」
「チャンピオン、後ろ!」
「後ろ後ろー!」
「……なんだ?」
「べ~!」
「ぬお!?」
観客の指摘を聞くと後ろへと振り返る石島。なんと、そこにはピエロの格好をした少年がいたではないか。
気配もなく背後を取られた事に、流石の王者も驚いてしまった。
しかし直ぐ冷静になると、その道化の正体が直ぐに分かった。
「お前……榊遊勝の倅か!これがチャンピオンに対する態度か!」
「これは失礼しました。では、改めてお願いいたします。どうか私とデュエルを!」
彼はメイクと帽子を取り、改めて挨拶した。そう、遂に挑戦者榊遊矢の登場だ。
「遊矢~!何やってんのよ、もう!」
「はっはっは、そういう事だったのか!遊矢もやるな~!」
どうやら榊遊矢が登場しなかった理由、それは道化として突如現れ、観客だけでなくチャンピオンを驚かせようとしていたからなのである。体を張ったサプライズをかけた遊矢の行動に呆れた柚子、しかしその表情は何処か安心していた。
「チャンピオン様のお手並み拝見!」
「お手並みだぁ?この礼儀知らずのクソガキが!プロの技で躾け直してやる」
『おおっと、いきなり意外な展開となりましたがこれで舞台の役者は揃いました!それではお二方、アクションカードをお見せください!』
鬼の様な大男を驚かした小さなピエロ、怖いもの知らずな彼は大人を更に煽っていく。
しかし形はどうあれこうして役者は揃った、やっと本日のメインイベントが開始される。
普通のデュエルとは違うアクションデュエル。それは、アクションフィールドの中に
《アクションカード》
アクションデュエルでのみ使用可能であり、アクションフィールドの中に存在するカード。
普通のカードと違い裏側に「A」の文字が付いており、フィールド内に各種2枚存在する。
アクションカードは1ターンに1度しか手札に加えることができず、1ターンに1度しか発動できない。
アクションカードは手札・フィールドのどちらかに1枚しか存在できない。
アクションデュエルは各デュエリストが2種類選び、それ以外はアクションフィールド専用のカードである。
「私はこのカードを用意しました」
「フン」
『どうやら榊選手は《回避》と《調星》、チャンピオンは《突撃》と《根性》を選んだ様です!』
遊矢が選んだAカード
《回避》
アクション魔法
相手モンスターが攻撃宣言してきた場合、その攻撃を無効にする。
《調星》
アクション魔法
手札・フィールドのモンスター1体のレベルを2個まで上げる、または2個まで下げる。
石島が選んだAカード
《突撃》
アクション魔法
自分のモンスターが相手のモンスターと戦闘するダメージ計算時に発動できる。
その自分のモンスターの攻撃力はそのダメージ計算時のみ600アップする。
《根性》
アクション魔法
自分のモンスターが攻撃力が高いモンスターに攻撃されたダメージ計算時、その戦闘では破壊されない。
その後、自分のエンドフェイズまで自分が受けた戦闘ダメージの半分の数値分、攻撃力がアップする。
巨大モニターに2人が用意したAカードが表示される!
存在するアクションカード
《回避》 2/2
《突撃》 2/2
《調星》 2/2
《根性》 2/2
《???》 2/2
《???》 2/2
《???》 2/2
《???》 2/2
『さあ、手札5枚御用意を…』
2人のデュエリストは手札を用意した……
『戦いの殿堂に集いしデュエリストたちが、モンスターとともに地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!見よ、これぞ、デュエルの最強進化形、アクション……』
「「デュエル!!」」
司会者の掛け声、恒例のアクションデュエル開始の合図と共にアクションカードがフィールドに散り、デュエルが開始された。
遊矢 LP4000 VS 石島 LP4000
『アクションカードが散り、闘いの火蓋が切って落とされました!』
「チャレンジャーに好きなターンをくれてやる。言っておくが、先行はドローができないぞ」
ストロング石島は王者のハンデとして挑戦者に好きに行動させるようだ。
「本家本物のアクションデュエルをご覧に入れてあげます!」
そう言うと彼は城にあるジップラインに掴まり、城から降りていく。
「先ずは《EMディスカバー・ヒッポ》を召喚!」
『ヒッポ~!』
遊矢が降りながら召喚したのは、お洒落な服を着て帽子を被ったピンク色のカバである。
《EMディスカバー・ヒッポ》
☆3
ATK/800
「さあ、どうぞ捕まえてごらんなさい!私はこれでターンエンドです!」
そう言うと遊矢は《ディスカバー・ヒッポ》に乗り、森の中を駆け始めた。なんと、カバであるにもかかわらず意外と足が速いではないか。
遊矢/LP4000/EX0
手札4枚
【モンスター】
《EMディスカバー・ヒッポ》ATK/800
【魔法・罠】
---
森の中を駆ける少年に対して王者は高所から見下ろしている。彼は一体どう出るだろうか。
「あいつ何やってんだ?」
「何逃げてんだよ……」
「こりゃ駄目だな」
「もう、何よ!皆遊矢の事馬鹿にして……」
観客にとって榊遊勝は勝負から逃げたデュエリスト……その「逃げた」という汚名は息子である遊矢にまで引き継がれてしまったのである。
「まあ、好きに言わせておけ」
「権現坂!」
遊矢を非難する観客達の態度に怒る柚子だが、柚子の隣に現れたリーゼントをした少年が彼女を宥めた。彼の名は
「今にわかるさ、遊矢の闘い方が……」
観客とは対照的に遊矢を応援する権現坂、彼も遊矢の味方なのだろう。
「直ぐにとっ捕まえてやる……俺のターン、ドロー!(早速来たか……)」
ストロング石島が引いたカードは《バーバリアン・キング》。どうやら強力なカードの様だ。
「俺は《手札断殺》を発動!お互いのプレーヤーは手札を2枚墓地へ送り、2枚ドローする!」
「(じゃあ、このカードとこのカードを捨てるか……)」
「そして《蛮族の狂宴LV5》を発動!手札・墓地からレベル5の戦士族モンスターを2体特殊召喚する!蘇れ、《バーバリアン1号》、《2号》!」
ストロング石島がカードを発動すると彼の傍に緑と紫の蛮族の鬼が召喚される。
《バーバリアン1号》
☆5
ATK/1550
《バーバリアン2号》
☆5
ATK/1800
『ストロング石島、墓地へ送ったモンスターを利用し、召喚したー!』
「そして俺は2体のバーバリアンをリリースし、アドバンス召喚!密林の奥地から巨木をなぎ倒し、現れるがいい。 未開の王国に君臨する蛮族の王。《バーバリアン・キング》!」
『出た、いきなりチャンピオン石島のエースモンスター登場だー!』
「良いぞー、石島ー!」
「思い切りやれー!」
2体のバーバリアンが召喚に必要な生贄に捧げられ、鎧を着た大きな鬼の様なモンスターが現れる。森では隠せないほどの図体のデカさ、あれこそストロング石島を象徴する蛮族の王なのだ。
《バーバリアン・キング》
☆8
ATK/3000
「親父には逃げられたがお前は逃がさねえ。バトルだ。《バーバリアン・キング》、《ディスカバー・ヒッポ》を攻撃!」
《バーバリアン・キング》は《ディスカバー・ヒッポ》に乗った遊矢へ迫り、小さなカバを潰そうと棍棒を振り下ろした!こんな攻撃を受けたら一溜りもないであろう。
「遊矢!!」
「ラッキー!アクションカードゲットだ!」
《ディスカバーヒッポ》が走る先は1本の樹……そこにあるのは1枚のカード。
森の中へ拡散されたアクションカードを見つけた遊矢はそれを手にして発動する!
「アクションマジック、《回避》!ローリング・ヒッポ!」
『ヒポッ!』
なんと《バーバリアン・キング》の攻撃を《ディスカバー・ヒッポ》は見た目に寄らない身軽な動きでジャンプし、回転しながら見事に回避した。
『榊遊矢、チャンピオンの攻撃をアクションカードで躱したー! 皆さんもご存知の通り、アクションカードは1ターンに1度だけデュエリストに奇跡を起こすのかもしれません!』
《アクション魔法》
アクションデュエルでのみ使用可能なカード。
各デュエルリストが2種類選ぶ。
基本スペルスピード2であり、相手のターンでも手札から発動することができる。
「あいつ、逃げていたと思ったらアクションカードを探してたのか……」
「意外とやるじゃん?」
アクションデュエルは普通のデュエルと違い、アクションフィールドにあるアクションカードを利用できる。遊矢はアクションデュエルでならこそのプレイングを発揮したのだ。
逃げていた遊矢を非難していた観客達、王者の攻撃を凌いだ事で彼を見る目が少し変わったようだ。
「遊矢……!」
「良いぞ、遊矢!お前のデュエルを貫き通せ!お前のアクションデュエルを見せてやれ!」
遊矢の評価が少し上がった事で、柚子と権現坂も声援を送っていく。
「アクションカードを使いこなすとは流石は榊遊勝の息子……まあいい、カードを1枚セットし、ターンエンド」
石島/LP4000/EX0
手札2枚
【モンスター】
《バーバリアン・キング》ATK/3000
【魔法・罠】
リバース×1
「私のターン、ドロー!よし、アクションカードゲット!(よし、《調星》だ!)」
逃げながら走っていた遊矢はアクションカードを拾い、城壁へと登っていった。
そして彼は観客達が見える所でパフォーマンスを行い始める。
「さあ皆さん、いよいよクライマックスでございます!私はアクションマジック、《調星》を発動!このカードはフィールドか手札のモンスターのレベルをターンの終わりまで2つまで上げるか下げる事が出来ます!私は手札の《オッドアイズ・ドラゴン》のレベルを2つ下げます!これで《オッドアイズ・ドラゴン》はレベル7ですが、《調星》によって、レベルは5!よってアドバンス召喚に必要なリリースは1体となります!」
遊矢は準備を整えると、《ディスカバー・ヒッポ》と共に城壁から飛び降り始めた。
「私は《ディスカバー・ヒッポ》をリリースし、アドバンス召喚!」
遊矢は飛び降りると同時に道化の衣装を脱ぎ捨てた。道化の中身は学ランをマントの様に着こんだファッション、これが彼の本来の服装である。
そして《ディスカバー・ヒッポ》を生贄に彼が召喚したのは……
「さぁ、拍手でお迎えください! 本日の主役、世にも珍しい二色の目を持つ竜! 《オッドアイズ・ドラゴン》!」
『ガアアアアアァ!!』
緑と紅の二色の眼を持つ赤きドラゴンが現れる。その体型は恐竜の様なもので、背中には翼の名残の様な物が生えていた。
遊矢は着地と同時に《オッドアイズ・ドラゴン》に乗り移った。
《オッドアイズ・ドラゴン》
☆7→5
ATK/2500
「お楽しみは、これからだ!」
「見事なモンスターだ……だが攻撃力は2500。俺の《バーバリアン・キング》には勝てん」
「それはどうでしょうか?私は魔法カード、《フォース》を発動!このカードは相手のモンスター1体の攻撃力を半分にし、その数値を《オッドアイズ・ドラゴン》の攻撃力に加えます!」
「何?」
《バーバリアン・キング》からエネルギーが漏れ出し、それが《オッドアイズ・ドラゴン》に吸収されていく……
《バーバリアン・キング》
☆8
ATK/3000→1500
《オッドアイズ・ドラゴン》
☆5
ATK/2500→4000
『榊選手、《オッドアイズ・ドラゴン》をパワーアップさせたぁ!』
「さあ、いきますよ!《オッドアイズ・ドラゴン》は相手モンスターを戦闘で破壊した場合、そのモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与えます!」
「何?《バーバリアン・キング》の攻撃力は3000、《オッドアイズ・ドラゴン》の効果を受けると1500のダメージ……オッドアイズ・ドラゴンの攻撃力2500による戦闘ダメージと合わせて4000のダメージ!」
計算:2500+(3000÷2=1500)=4000 石島 LP4000→0
『なんと、《オッドアイズ・ドラゴン》の攻撃が決まればストロング石島のライフはゼロだ〜!これはまさか、榊選手の大勝利か〜!?』
「おいおい、マジかよ!」
「すげー、チャンピオンを一撃必殺できるのかよ!」
「いいぞー、榊遊矢ー!」
観客達は榊遊矢がチャンピオンを倒せるかもしれない、アクションデュエルの歴史を変えるかも知れない、そういう期待を抱き始めていた。
「さあ、《オッドアイズ・ドラゴン》の攻撃!スパイラル・フレイム!!」
『ガアアアアアァ!!』
《オッドアイズ・ドラゴン》は口にエネルギーを貯め、螺旋状に回転する光線を放った!その攻撃はバーバリアン・キングに直撃し、大爆発を起こした!
攻撃は通った。つまり榊遊矢の勝利……大勢の人がそう思っていた。
「これで俺の勝ちだ……!」
『ガアアアアアァ!!』
遊矢が勝ったと思い、《オッドアイズ》が勝利を祝杯するかの様に雄叫びをあげるが……
『ウガアアアァ!!』
なんと、《バーバリアン・キング》はスパイラル・フレイムを受けても立っていた!そして高みの見物をしていた筈のストロング石島はいつの間にか姿を消していた。
石島 LP4000→1500
「何!?」
「危なかったぜ……俺はアクション魔法、《根性》を発動していたのさ」
外からは見えないが、スタジアムのモニターにストロング石島の姿が映っていた。モニターを見る限り、彼は城の内部へ移動していた様だ。
「このカードの効果で《バーバリアン・キング》はこの戦闘では破壊されん!」
『あーっと、ストロング石島、彼も見事アクションカードで危機を逃れたー!』
そう、ストロング石島は森の中を駆け巡っていた遊矢の様に城の中でAカードを探し回っていた様であり、無事見つけて敗北を免れた様だ。
しかし石島の表情には汗が流れていた。挑戦者を侮っていた事が仇となり、必死にAカードを探したのであろう。
「残念だったな、《オッドアイズ・ドラゴン》の効果が発動するのは『戦闘でモンスターを破壊した場合』なんだろ?破壊されなければダメージもないってわけだ。だがそれだけじゃねえ!更に《根性》の効果で俺が受けた戦闘ダメージの半分を《バーバリアン・キング》に加えるぜ!」
『ウガアアァ!!』
《オッドアイズ・ドラゴン》の攻撃を受けた《バーバリアン・キング》は文字通り《根性》で耐えたかの如く気合が入り、更にパワーアップしていく。
《バーバリアン・キング》
☆8
ATK/1500→2750
「くっ……」
「更に罠発動!《バーバリアン・リベンジ》!このカードは《バーバリアン》を攻撃したモンスターをダメージ計算終了時に手札に戻す!」
「何!?」
『ガアアアァ!!』
罠カードの効果により、遊矢を運んでいた《オッドアイズ・ドラゴン》が消滅した。
「更に《バーバリアン・リベンジ》の効果で俺が受けた戦闘ダメージを相手にも返し、俺のライフは今受けたダメージ分、回復する!」
石島 LP1500→4000
「うわあああぁ!」
遊矢 LP4000→1500
「榊遊勝のデュエルなどその程度だ……」
『なんとストロング石島、大ダメージを受けたかと思ったら、回復したー!それだけでなく、遊矢選手にダメージを返したー!』
「そんな……!」
「まずい、遊矢のフィールドにモンスターがいない……」
石島の形勢逆転に動揺する柚子と権現坂……一撃必殺のチャンスを逃したどころかこのままでは遊矢が負けてしまうかもしれない。
「くっ……俺はカードを1枚伏せてターンエンドだ!」
遊矢/LP4000/EX0
手札3枚(オッドアイズ・ドラゴン)
【モンスター】
【魔法・罠】
リバース×1
《バーバリアン・キング》
☆8
ATK/2750→4250
『《フォース》の効果が切れ、《バーバリアン・キング》の攻撃力が元に戻るー!』
「元通りどころかパワーアップしてる……!」
「さあ、俺のターン!ドロー!少し遊ばせすぎたか……俺は《蛮族の狂宴LV5》を発動!」
高みの見物をしていたストロング石島も城から飛び降りた。ここから彼も本気を出すのだろう。墓地から《バーバリアン1号》と《2号》が蘇る。
《バーバリアン1号》
☆5
ATK/1550
《バーバリアン2号》
☆5
ATK/1800
「俺は2体の《バーバリアン》をリリースし、《バーバリアン・キング》の力に変える!バトルだ!《バーバリアン・キング》でお前にダイレクトアタックだ!」
『ウガアアアアアァ!!』
《1号》と《2号》は王の生贄となり消滅し、《バーバリアン・キング》は高揚した!
そして《バーバリアン・キング》が無防備な遊矢に迫ってくる。
この攻撃が通れば間違いなく遊矢の負けになるだろう。
「ま、まだだ……アクションカードを!……あった!」
遊矢はこの危機から抜けるために走り出し、アクションカードを探し出した。
次のカードは意外と早く見つかった。遊矢はただ逃げ回っていたのではない。フィールド内を駆け巡ることでアクションカードが置かれている場所を把握していたのだ。アクションカードは1枚しか握れないが場所を把握しておけば例え調べていない場所でも検討をつけることができ、速やかに取ることができる。
そして遊矢は木に引っかかっていたアクションカードを手にした!
『榊選手、Aカードを上手く手に入れたぁ!』
「よし、このカードは……げっ!」
『アクショントラップ、《投石》発動!』
「あいたぁ!」
遊矢の意志とは関係なく、デュエルディスクが読み取ったアクションカードが発動される。すると遊矢に向かって石が飛んでいき、そして遊矢の頭に軽く当たった。
遊矢 LP1500→900
『どうやら榊選手、手にしたAカードはアクショントラップ《投石》だったようです!』
《アクション罠》
アクション魔法とは違い、カードを手にした時点で強制的に発動されるAカード。
基本、手にしたプレーヤーにとってデメリットを及ぼす。
《投石》
アクション罠
このカードを手にしたプレーヤーは600ポイントのダメージを受ける。
「くっ……」
アクションカードにはアクション魔法以外にもアクション罠というカードがあり、このカードは基本自分にデメリットを与えるまたは相手にメリットを与える効果を持つ。
最悪遊矢は後者を引いてしまった。
そんな遊矢に《バーバリアン・キング》が無慈悲に近づいてくる。
『頼みのAカードにも見捨てられたか、榊遊矢万事休すか!?』
「くっ……」
『『『カバカバ~~♪』』』
迫りくる《バーバリアン・キング》の前にサンバ衣装を着た3色のカバが立ちはだかり、踊り出した!
「……何だ?」
『なんと、これは一体どういうことか!榊選手のフィールドに3体のモンスターが現れた~!』
「――速攻魔法、《カバーカーニバル》!!この効果で俺の場に《カバートークン》を3体特殊召喚する!」
『『『カバカバカバ~~♪』』』
《カバートークン》x3
☆1
DEF/0
「何だあのモンスター?」
「何あれ、おかしい~!」
「見てママ~あのカバ達踊ってる~!」
サンバの衣装を着て踊りをしている3頭のカバを観て観客達は笑い出した。あまりにもシュールな光景なのでウケたのだろう。
「目障りなモンスターだ!」
『ウガアアアアァ!!』
しかし《バーバリアン・キング》の攻撃は止まらない。プレーヤーを攻撃できないならせめてモンスターを、と《バーバリアン・キング》の棍棒は《カバートークン》を粉砕した。
「危なかった……」
『どうやら榊選手、Aカードが外れた時の保険も用意してあったようだ~!』
「ふん、何安心している?壁モンスターを増やして時間稼ぎのつもりか?甘いわ!《バーバリアン・キング》はリリースした戦士族モンスターの数だけ追加攻撃できる!」
「えっ!?」
「その目障りなカバ共を叩き潰せ!バーバリアン・スマッシュ!!」
『ウガアアァ!』
《バーバリアン・キング》は2体目3体目へと続けて棍棒を振り、一瞬で粉砕した。遊矢を守った壁は1ターンしか持たなかったのだ。
『ストロング石島、その圧倒的な力で榊選手のモンスターを殲滅させたー!』
「まずい……!」
「命拾いしたな……俺はカードを2枚伏せ、ターンエンドだ!」
《バーバリアン・キング》
☆8
ATK/4250→3000
石島/LP4000/EX0
手札0枚
【モンスター】
《バーバリアン・キング》ATK/3000
【魔法・罠】
リバース×2
『榊選手、首の皮1枚繋がった!しかし反撃の手はあるのか!?』
「くっ……」
「さあお前のターンだ、ドローしろ。それとも親父の様に尻尾を巻いて逃げるのか?」
「嫌だ、俺は逃げない!俺のターン、ドロー……」
「……(俺の伏せカードは自分のモンスターに貫通能力を与える《メテオ・レイン》!そして攻撃してきたモンスターを手札に戻す《バーバリアン・ハウリング》!次のターンで確実に仕留める!)」
「……(手札にモンスターしかいない状況でどうすれば……)」
このままではどうにもできない遊矢はこの状況から何をできるか手札を確認する。
手札のモンスター
《EMドクロバット・ジョーカー》
《EMソード・フィッシュ》
《オッドアイズ・ドラゴン》
《時読みの魔術師》
モンスターしかいない手札……このままでは次のターンに確実に仕留められてしまうであろう。
「(やっぱり俺に父さんの代わりは……)」
どう足搔いてもこの状況を奪回することはできない。もはや遊矢に手段は残されていないのだ。その事実を理解し、遊矢は失意する……
「……」
―泣きたい時は笑え―
「!!俺は……《EMドクロバット・ジョーカー》を召喚する!」
遊矢は紫と黒の衣装をした芸者を召喚した。
《EMドクロバット・ジョーカー》
☆4
ATK/1800
―大きく降れば、大きく戻る―
追い込まれていた遊矢は父親の言葉を思い出した。そして彼が身に着けている結晶のペンダントが振り子の様に揺れていく。
「《EMドクロバット・ジョーカー》の効果を発動!このモンスターが召喚に成功した時、EMモンスターを1枚手札に加えることができる!俺は《EMウィップ・バイパー》を手札に加える!」
「(俺の手札はモンスターしかない……モンスターだけじゃこの状況は切り返せない……でも!)」
―怖がって縮こまっていたら―
「何も出来ない……勝ちたいなら勇気を持って……前に出ろ!」
消えた父親の言葉を思い出しながら、彼は踏み出し始めた。
デュエルはまだ終わっていない、遊矢は次の行動に出た。
「俺は……墓地の《シャッフル・リボーン》を除外し、効果を発動!《ドクロバット・ジョーカー》をデッキに戻し……ドローする!」
「《シャッフル・リボーン》……そうか、俺が発動した《手札断殺》で墓地に送っていたのか」
「揺れろペンデュラム!大きく……もっと大きく……ドロー」
《ドクロバット・ジョーカー》が消えて遊矢が引いたカードは《星読みの魔術師》。
結局引いたカードはモンスターカード、そして召喚権も使ってしまったので壁を残すこともできない。
しかし、その時何かが起こった!
「!!」
《星読みの魔術師》、《時読みの魔術師》、そして《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》、3枚のカードの姿が変わり始めた。褐色のカードに……緑色が加わったのである。
「俺は、スケール1の《星読みの魔術師》とスケール8の《時読みの魔術師》で……ペンデュラムスケールをセッティング!」
「私」から「俺」へと一人称を変えた遊矢……その気迫は失意しかけた時よりも強い意志を感じさせていた。
遊矢がデュエルディスクの両端にカードを置くと背後に白い衣装の魔術師と黒い衣装の魔術師が現れ、そのモンスターから(1)と(8)の文字が映る。
「これでレベル2から7のモンスターが同時に召喚可能!」
「な、何が起きている……」
遊矢の行動に驚くストロング石島……いや、驚いているのは彼だけではないだろう……
デュエルの歴史は長い。しかし「スケール」や「ペンデュラム」という言葉も、モンスターカードをあの様に使った事例はデュエルの歴史に存在してはいなかったのだ。
「揺れろ、魂のペンデュラム!天空に描け、光のアーク!出でよ、我が僕のモンスター達よ!」
そして遊矢が召喚宣言をすると2体の魔術師の間からモンスターが現れる……
「《EMウィップ・バイパー》!」
『シュルル……』
先ずは帽子を被った紫のヘビ
《EMウィップ・バイバー》
☆4
ATK/1700
「《EMソード・フィッシュ》!」
『シャー!』
続いて頭部に鋭い刃が付いてサングラスをかけた魚
《EMソード・フィッシュ》
☆2
ATK/600
「《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》!!」
『ガアアァァアアアァ!!』
そして最後は二色の眼を持つ赤きドラゴンが再び現れる!しかし《オッドアイズ・ドラゴン》であったモンスターは名前が変わっただけでなく前のターンと違って姿が変わっていた!
体は一回り大きくなり、頭部には白い角が生え、翼の名残のようなものも大きくなり、緑と赤の珠がついていた。
その姿は正に進化した様なものだ。
《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》
☆7
ATK/2500
「い、一体どういうことだ……一気にモンスターを3体も?ペンデュラム召喚?」
ペンデュラム召喚……デュエルチャンピオンにまで名を上げた自分ですら見たこともない召喚方法にストロング石島は驚愕を露わにする。
念の為、彼は司会者に確認を求めた。
『しかし、システム上にエラーが出ないということは……』
同じように長い間様々なデュエルの実況を行っていた、すなわち様々なデュエルの場面を目撃しそれに合わせた実況を行うために必要な知識と経験が豊かであるニコ・スマイリーも驚愕に声を震わせていた。
しかし不正なプレイが行われれば即座にエラーを起こす、ある意味ではデュエルにおいてリアルタイムで動作し続けるルールブックといえるデュエルディスクにエラーや警告が発生している様子はない。
榊遊矢のデュエルディスクに細工がされていてエラーを起こさないようにしているイカサマの可能性ももちろんある。しかし相手のデュエルデータを常に受信しているこちらのデュエルディスクもエラーを起こしている様子はない。
昔は相手のデュエルディスクのシステムを麻痺させる事で特定のカードを発動させず、有利にデュエルを進めることが出来るような闇パーツも出回っていたらしいが、今はそんな事が起きないようもしもシステムに突然の麻痺などのバグが発生した場合はこちらもエラーや警告が発生するようになっている。しかしその類の警告も当然ながら発生しない。
「召喚は……有効?」
つまりデュエルディスクは正常に動作を行っており、ペンデュラム召喚なる未知の召喚法に対するエラーを出していない。
それはすなわちペンデュラム召喚はルール上デュエルモンスターズの正式な召喚法であると認められているに等しく、石島は愕然としながらそう呟くことしか出来なかった。
「先ずは《EMソードフィッシュ》の効果を発動!このモンスターが特殊召喚に成功した時、相手モンスターの攻撃力・守備力を600ポイント下げる!」
《ソード・フィッシュ》が分身し、《バーバリアン・キング》に分身の雨が降り注ぐ!
《バーバリアン・キング》
☆8
ATK/3000→2400
DEF/1100→500
「更に《ウィップ・バイパー》の効果を発動!このターン、1体のモンスターの攻撃力・守備力を入れ替える!」
『シャアアァ!』
次に《ウィップ・バイパー》が尾で《バーバリアン・キング》を叩き、地に伏せた!
《バーバリアン・キング》
☆8
ATK/2400→500
『なんと、攻撃力3000の《バーバリアン・キング》の攻撃力が一気に500に!!』
「バトルだ!《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》、《バーバリアン・キング》を攻撃!!」
攻撃しようと遊矢は再び《オッドアイズ》に跨る!《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》はエネルギーを溜めながら《バーバリアン・キング》へと走り出す。
「そうはいくか!罠カード、《バーバリアン・ハウリング》を発動!攻撃してくるモンスターを手札に戻し、その攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「時空を見定める《時読みの魔術師》よ!その精緻なる力で、我を守護せよ!時読みの魔術師のペンデュラム効果!自分の
ストロング石島は遊矢の猛攻に立ち向かおうと罠カードを発動しようとするが、《時読みの魔術師》が魔法を唱えると石島の罠は発動を封じられ、セットされた状態に戻った。
「くそっ……ならば!」
ストロング石島がジャンプすると、木に引っかかっていたAカードを手に取った。罠カードがだめなら次は魔法カードで止めるつもりだろう。
「よし、アクションマジック、回避だ!」
「天空を見定める《星読みの魔術師》よ!その深淵なる力で、仇なす敵を封じよ!星読みの魔術師のペンデュラム効果!自分のPモンスターが戦闘を行う場合、相手はダメージステップ終了時まで魔法カードを発動できない!ホロスコープディビネイション!」
ストロング石島がアクション魔法の発動を宣言しようとすると、《時読みの魔術師》に続いて次は《星読みの魔術師》が魔法を唱え、石島のアクション魔法の発動を封じ、そのカードを手札に戻した。
「何?アクションマジックも無効か!くっ……」
「今だ、《オッドアイズ》よ!その二色の眼で、全てを焼き払え!螺旋のストライク・バースト!!」
進行した《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》は口から強烈な螺旋状の光線を再び放った!
その威力は前の時よりも遥かに強く大きく、質量と化した光線はその周囲を吹き飛ばす!
《バーバリアン・キング》は必死に《オッドアイズ》の攻撃を受けようとする。
「くっ、だが次のターンで……」
「《オッドアイズ・ペンデュラム・ドラゴン》の更なる効果!モンスターと戦闘を行う時、戦闘ダメージを2倍にする!」
「に、2倍だと……!?」
『ガアアアアァ!!』
「これで……ジ・エンドだ!」
「ぐっ……うわあああぁ!!」
石島 LP4000→0
「勝ったの……?」
「ああ……」
「「「…………」」」
現役チャンピオンを打ち負かした挑戦者を見届ける柚子達……チャンピオンの敗北を目にし言葉が出ない観客達……
「あ……あれ?」
そして、その一瞬の沈黙の中、チャンピオンを倒した榊遊矢も唖然としていた。彼も今一瞬、自分が何をしたのか理解してなかったようだ……
遊矢 WINNER
To Be Continued......
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それでは次の作者さん、お願いします。
因みにペンデュラム召喚前に登場した《EMドクロバット・ジョーカー》はPモンスターではなく、効果もこの様になっています。
《EMドクロバット・ジョーカー》
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻1800/守 100
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから「EMドクロバット・ジョーカー」以外の「EM」モンスター1体を手札に加える。