元傭兵の帰還生活   作:スパイク

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第5話 事故物件に要注意!

「あんた。本当に払えるの?!」

「払えるに決まってるじゃないですか。払えないならこんなとこに来ませんよ。」

 

現在、自分は都内の米花町にあるとある不動産会社に来ていた。

あの後、考えついたことは逃げるという選択肢であった。何の解決にもなってもいないが、どのみち引っ越すつもりでいたのでいい機会であった。お金も入ったので、いっそのこと居住地を持とうと考えたのであった。ただ、お金を持っていたとしても、後継人やら戸籍などいろいろとややこやしい手続きが必要であった。

 

そこで、ここ米花町である。米花町はこの数年で殺人事件等の重犯罪や、窃盗などの軽犯罪が急激に増加していた。結果、地価が下がりに下がりまくっているのであった。

貧乏人としてはありがたく。不動産会社としても、貧乏人であったとしても貴重なお客様であるため、そうそう不適はされないであろう。

しかし、ホームレス特有の身なりを見て、目の前の店主は

 

「証拠にホラッ、この通り。」

 

と、店主に札束を渡した。

 

「うーーん、わかった。いいよ貸そう。」

「ありがとうございます。」

 

札束を見せたら、あっさりと了承してくれた。

 

「どんな部屋がいい?」

「事故物件でも構いませんよ。」

「おお、そうか。こちらとしてもありがたい。」

 

すると、店主は後ろにあるロッカーから事故物件と書かれたいくつもある()()()ファイルの一つを取り出した。

 

「ちょっと、事故物件多すぎないか?!」

「大丈夫じゃ、ホレ。」

 

とロッカーを指さすが、通常物件と書かれた事故物件と比べると半分の厚さしかなファイルが1冊だけあった。

 

「さすがにおかしいでしょ!?」

「なに、米花町ではこれが普通だ。」

「大丈夫なのか、米花町……。」

 

早速、心配になってきた。

 

 

 

 

 

 さて、心配はさておき、なんとか部屋を借りることが出来た。借りた部屋は駅からかなり離れた場所にあるボロアパートの一室である。もちろん、事故物件である。

 

「爺さんが亡くなった部屋だと言っていたけど、大丈夫そうだな。」

 

 

この部屋の主人は、数週間前に亡くなった所を発見されたと聞いていろいろ心配していたけど、畳や窓、壁などにそう言ったシミなどは付着しておらず、死臭といった臭いもなかったので問題はなかった。

不動産屋のおっちゃんに頼んで出来るだけまともな物件を紹介してくれるように頼んだけど、結構いいところを紹介してくれた。ボロいけどガス水道風呂がついて破格の安さにホント感謝しかない。

 

「家具も残ってるんだな。」

 

しかも、亡くなった爺さんが使っていたものだと思われる。タンスや電話、テレビなどがそのまま残っていた。このままにして貸してくれるという事は使っても問題はないということでいいのかな。

 

「素晴らしい。ホームレス脱却して直ぐにこんな物件にありつけるなんて。」

 

まあ、自分の価値観が安くなってるのもあるかもしれないけどな。

 

「そんなことよりも、やらないといけないことがあったわ。」

 

ダンボールハウスから持って来た荷物の中から例の札束と畳まれたバックが入ったバックを取り出した。拾ったときのバックを持ち歩くとバレると考えて、バックから札束を出して別のバックに一緒に入れておいたのだ。

 

「さて、何処に隠そうか…」

 

引越しをして直ぐの作業が盗んだお金を隠すというの悲しいけど、見つかると困るからな。

 

部屋の中を隈なく探す。しかし、隠して安心できる場所は中々無かった。

 

タンス、押入れ、台所の棚etc、色々なところを見てみた。しかし、バックを入れると必ず目立ってしまう。なんせ、入っているものが少ないのだ。家具は残っているとはいえ、布団や鍋や衣服などは全て処分されていた。

まあ、流石に亡くなった人の服や布団は使いたくはない。だけど、隠す藪が無くなるのは辛い。

 

「あった。」

 

かれこれ部屋を物色して数十分。隠すことに適した場所を見つけた。それは風呂場の屋根裏であった。

押入れは固定されていて入れず屋根裏は諦めかけていたが、風呂場の天井は開いたのであった。

奥行きも十分である。問題はない。

 

早速、バックを持ってきて屋根裏に置いた。すると、何かが屋根裏から足元に落ちてきた。

 

「なんだこれ?」

 

落ちていたの黒い手帳であった。埃はそこまで被っていない所をみると、多分、自分の前に住んでいた爺さんの持ち物で屋根裏に隠したのじゃないかと思った。

爺さんの黒歴史かもしれないが、気になって手帳を開いてみた。

 

開いてみると折られた紙が挟まっていたようで、足元に落ちた。

 

「結構上質な紙だな。」

 

拾ってみると薄っすらと文字が透けて見えていた。気になって折られた紙を開いてみた。

 

「なッ―――!?」

 

紙に書かれていた内容は驚きの物であった。

 

 

私を殺害した犯人を見つけ出した者には阿部財団から壱億円の謝礼を支払うものとする。

 

 

「マジかよ。」

 

 

 

 

 

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