今回は分かる人には分かるネタを挟んでみました。
ようつべ見てる人なら大体知ってると思うよ。
ヒント・勝ち取りたい
12月の初め、この時期は色々な行事がある為、夜達の仕事がいつもの三倍に増える。
「…も…う…ダメッス…」
「…レヴィさん…頑張りましょう…これが終わらないとまた明日も増えますよ」
大量の書類の束を処理をしていくが全く減らない書類に心が折れかかっている二人。
「お主ら…そろそろ八神家に行く時間じゃぞ」
あれからも夜は毎日、仕事が終わると八神家に泊まりに言っている。(もはや泊まると言うより住んでいるが正しい)
その為眷属達も一緒に夕食を食べる事が毎日の事になっている。
「…僕…だけ…先……行く…」
もう一時間も待っている為、待ちきれなくなる夜は書類処理をしている二人を置いて先に行こうとする。
「このバカ共がサボらないか見張る必要があるので、先にお行きください」
「…う…む…任せた」
そう言うと夜はスキマを開け八神家に向かった。
残った眷属達の居残り組は土下座で誠意を表す。
「…藍さん…お願いします。手伝ってください」
夜に置いていかれ"ヤバイ、と感じたのか美鈴は恥も無く藍にお願いする。この時のレヴィも期待の目で見ていたが、
「嫌じゃ!私がいるのはお主らの見張りじゃからのー」
「「エッーー!手伝ってくださいよ(ッス)」」
そんなくだらない話をしている眷属達は、どうして速く仕事を終わらせなかったのかと後悔し、この後地獄を見る事になるとは誰一人思わなかった。
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夜が八神家に来るちょっと前のリビングの出来事は慌ただしかった。
「…我等は今最大の危機に瀕している」
「…ああそのとうりだ」
「我等の選択でこの後の命に関わるからな」
シリアスムードで喋る三人はさっきあった出来事を話し出す。
「まさか……主はやてが左腕を骨折なさるとは」
そう大変な事とは、はやての左腕が折れてしまったのだ。
車椅子生活をしているはやては、疲労が腕に溜まり俗に言う【疲労骨折】になってしまい、今はシャマルが病院に連れて行っているのだ。そのせいで家事が出来なくなってしまった為、シグナム達は慌てているのだ。
はやての騎士となって半年たち現代の暮らしに慣れたヴォルケンリッター達だが料理だけは誰も出来ないのだ。今いないシャマルなど勿論論外である。
「本当にどうする?あたし絶対にシャマルの料理は食べたく無いぞ!」
「我もだ!あれは料理などでは無い!」
この半年隠れて、りょ……毒物を作りにいつもザフィーラが犠牲に合うので拒絶反応が出ておりさっきから身体が震えている。
「くっ!このままではシャマルのりょ…毒物を食べる事に…」
はやてが料理を作らないだけで絶望するシグナム達は、此処までか!と思っていると………救世主が帰還した。
「…僕……来たぞ…♪」
「ヨル!よく帰ってきた!」
夜は仕事が多く徹夜でする事も多いので決まった時間に帰るのだ。なので今日はいつもの帰って来る時間になっても帰ってこなかった為もう帰ってこないと思っていたヴィータが夜に抱きつく。
「ヴィータ…どうした?」
いきなり抱きつかれて戸惑う夜にシグナムが今までの説明をする。
「……、と言うわけだ。藍か美鈴に夕食を頼みたいのだが…もしかしていないのか?」
夜に説明をしている時に、全然帰って来ない藍と美鈴に気付くとシグナムは最悪の事を質問する。
「む…今は……」
夜も藍達の事を説明をする。
「……そうか……今日は終わったな」
「もう駄目だ!おしまいだ!」
「………」
今までの経験で死を覚悟するザフィーラに某サイヤ人のセリフを言うヴィータ、死んだ目をするシグナム。
この三人を見た夜はある提案を出す。
「…なら…僕……作る」
『『ッ!!?』』
シグナム達は夜の言葉に驚きを隠せない。
今まで暮らしてきたが夜が家事などをする姿は見たことが無い。その夜が作ると言ったのだ。
「ほ、ほはほ本当に作れるのか!?」
「…ん…料理……得意…!」
ヴィータの質問に肯定して胸を張る。
夜の言葉に"神はいた!と言う表情をする三人
だが此処でシグナムは疑問を持った。
「夜よ。何故今まで作らなかったのだ?」
それもそうだろう。
出来るのであればするのが必然的な考えである。
しかし夜が料理をしない理由には悲しい哀しい理由があるのだ。
『主ヨルは台所に立たないでください。危険なので私達でやります』
と
それでも夜としては料理は中々興味がある事で、スキあらば料理をしようと行動が早い。
「…任せる…!…
ここまで言われるとシャマルに任せるより夜の方が安心だと錯覚してしまう。
「そうか。では夕食を頼むぞ」
「ギガうまいご飯を頼むぜ」
「……任され…た」
そう言うと夜は台所に向かい料理を作り出す。
この時シグナムは藍の言葉を心配症が行き過ぎた為だと思っていた。
希望に満ち溢れた思いで!
だがこの時のシグナムは思ってもみなかった。
救世主の筈の少年は………
———絶望を振り撒く地獄の使者だと誰も思ってもみなかった。
☆☆☆☆
夜が料理を作り始めて5分後、はやてとシャマルが帰って来た。
「いま帰ったでー!」
「はやておかえり!」
「主はやて。おかえりなさいませ」
「うん!ただいまや」
しっかりと主に挨拶していくが、
「…貴方達…私には何も無いのね」
皆が当たり前だ!、と声を揃える。
「それより…誰か夕食を作ってるんか?」
はやては、台所の電気が付いていることに気付く。シグナム達が料理を作れない事を分かっているので台所に人がいる事に疑問を覚える。
「ああ!ヨルが作ってくれてるぞ!」
「えっ!?夜君作れたんか!」
「主はやては知らなかったのですか?」
「う、うん…夜君家事が恐ろしくできないからビックリや」
ここで、あれ?おかしいな?とシグナム達は嫌な予感を覚える。
「………………ちなみにどのくらいできないので?」
「そうなや……洗濯機を回すと部屋中が泡だらけになるなぁ〜」
「そ、それは中々ね…」
この時のはやての目が遠い所を見ていた為、本当に大変な事だったのだろう。
本当に大丈夫か?と心配なるが某毒物製造機よりは安心安全だろうと自分に言い聞かせ始める。
「まぁシャマルの毒物よりマシだろ」
『『ウンウン!』』
みんなが頷くのでシャマルが、みんな酷い!といじけだす。
「ま、楽しみにリビングで待ってようか」
リビングからは台所が見えないのではやて達は楽しみに待っていた。
一体どんな料理が来るのだろう?と。美鈴は中華が得意であり、藍は日本食が美味いのでこの両方か?と淡い期待も感じ始める。
さらに五分後、リビングにスキマが開き眷属達が出てくる。
「すまぬ。遅くなった」
「…すみません…お…そく…なりました」
「……ッス」
藍の背後には目が虚ろな二人も続いている。
「…忙しそうなや。大丈夫なんか?」
「書類の山がずっと目の前から消えないッス…」
「た、大変そうやな…」
やっぱり社会人って忙しいんやなぁ〜と思っていたはやては、この時将来自分が書類に追われるなど一ミリも思っていなかった。
話は変わり、藍がある事に気付く。
「主よるは何処にいるのだ?先に来たはずだが?」
「ああ夜なら【料理】を作ってくれてるぞ」
『『ホワッツ???』』
シグナムの返事の瞬間、眷属達はムンクの画の様な表情となり大声を上げる。
「なっ!主よるが料理じゃと!?」
「ヤバイ!ヤバイですよ!」
いきなり慌てだし叫ぶ二人に不安感が一杯一杯だが、ここは聞かざるを得ないだろう。
「ど、どうしたんだ?」
「お主らどうして主ヨルに料理などさせた!」
藍の目が血走りシグナムに迫る。
「そ、それはだな…」
シグナムは夜に料理を頼んだ経緯を話しだす。
全てを聞いた藍は膝をつき真っ白に燃え尽きた。
「…………終わった」
と絶望する藍の姿を始めて見た、はやて達は思わず聞いてしまった。
聞かなければまだ!幸せだった事を。
「どうして…そんな絶望してるん?」
はやての質問に藍は立ち上がり、逆にはやてに問いた。
「………はやてよ、お主なら知っておるじゃろ…主ヨルの家事のできなさを」
はやては頷く。
それで一度痛い目を見たからだ。
「特に主よるは料理がヤバイのじゃ」
「どのくらいヤバイんだ?」
「……シャマルなど相手にならん…"地獄から来た死神とでも言っておこう」
『『……』』
もう誰も声を出せなかった。ただでさえシャマルの料理もヤバイのにそれ以上だと藍は言うのだ。この時ヴィータは質問した事を後悔した。
「………見てみろ美鈴とレヴィを」
今まで喋っていなかった美鈴とレヴィをはやて達は見る。
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ…」
「食べたくない食べたくない食べたくない食べたくない…ッス…」
と言葉を永遠と繰り返しリビングの隅で座っている二人を見てしまったはやて達は白目を向いて心の中で確信する。
(これマジヤバイ………)
「で、でもそこまでなら藍さん達が教えたり私みたいに不味いって言えば…」
自虐を取り入れ涙目のシャマルの言葉にやっと復活した美鈴が、拳を握り締め語った。
「シグナムさん達は、自分達の為にと一緒懸命作ってくれた主の料理を不味いと言えますか?」
———無理である。
そんな事言える訳が無かった。主を慕っているヴォルケンリッターと眷属達はそんな事を出来る訳ないのだ。
喋る者がいなくなり夜の料理が出来るまでの10分間が死刑囚の様に時間がとても長く感じるはやて達だった。
☆☆☆☆☆
10分後、料理ができたのか台所からそっと料理を運ぶ。
「……誰か…味見…する」
「「………ビクッ!?」」
さぞ当たり前と言わんばかりに眷属達の前に蓋のついた料理を置く。自然と美鈴の前に。
「さ……食べる…。これで……元気…なるよ…♪」
この言葉を聞いたヴォルケンリッター達は藍の言っていた事を理解する。確かにこんな風に言われたら断れない。この考えは正しく今も美鈴が地獄に向かっていた。
「…皆さん…これでサヨウナラです。お元気で…」
「美鈴さん…漢ッス…」
「ああ…先に逝っといてくれ」
あんな話を聞いたはやて達は、眷属達の茶番劇を静かに見守る。
美鈴は死んだ目で夜の料理の蓋を取るとそこには……
『『『!?』』』
夜の料理を見た事がないはやて達は、夜の料理を見た瞬間目を疑う。
《な、なんなんだあの物体は!?》
思わずシグナムは念話で叫んでしまった。それもそうだろう蓋をあけるとそこには……真っ黒なソースがかかった蒼いオムライスが皿の上にのっているのだから。
《なぁみんな…あたしの目がオカシイのか?オムライスが蒼く見えるぞ》
《…安心しろ私も見える》
《シャマルの比ではないな》
自分の目を疑うヴィータとシグナム、開いた口が塞がらないシャマルとはやて、思考回路が停止している眷属達。
静かになる空間で夜の声が響く。
「……美鈴……ダメだっ…た」
と泣きそうな夜の声がしたせいで美鈴は覚悟を決めてオムライスらしき料理を食べる。
「…南無三」(パク)
美鈴の感想を皆が待っていると、顔を自分の髪色の紅の様に真っ赤になったり青白くなったりと色々である。そして………
「……あぎゃああああああああああああああああああ!!!…………ウゴオオオオオオオオオオオオ………口が口がガガガガガガガガガガ…………(ピクピク)」
目から血の涙を流し呻き声を出しながら床をのたうち回ると口から赤い液体を出しながら白目で動かなくなる。
(天に昇ったあああああッ!!!?)
とはやて達の思いがシンクロする。
死ん……ゴホンゴホン気絶した美鈴を夜は、小刻みに震えている夜刀をツンツンと突く。
「……美鈴…疲れてる?……寝た…」
そんな訳あるか!とツッコミたくなるはやて達だが、自分達も美鈴みたいになると思うと、
《嫌だ!嫌だ!絶対にあたしは食べたくない》
《私も嫌よ!死にたくないわ》
《だが私達が食べなければ、主はやてが…》
《食べるしかなかろう…主はやての為にも、犠牲は我等が》
嫌だと言っていたヴィータとシャマルもはやての為だと聞くと食べざるを得ない。
だが、
「ギャアああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ…口が口が焼けるッス!!???」
(ガクガク……)
犠牲者が出るたびに皆の身体が震える。
「……楽しい人生やったわ」
「はやてちゃん諦めちゃダメよ!まだ、未だ希望を持って」
走馬灯が見えてきたはやてをなんとか元気づけるシャマルを見た藍は立ち上がりはやての元に行き幻術をかけるとはやては気を失う。
それは藍の良心である。気を失えば料理を食べなくて済むように。
「藍よ。感謝する…これで主はやては死なずに済む」
「まだ死ぬには早いからな…主ヨルの料理は私が全て食べよう」
そう決意する藍にヴォルケンリッター達は必死で止める。
「藍殿!貴女は死ぬ気ですか!」
「そうよ!ここにいるみんなで食べれば…気絶くらいで……」
「イヤお主らは、主ヨルの料理を食べ慣れていない。そんな者が食べれば一生目を覚まさんだろう。うちの会社でも未だ意識不明の重体の者がおる…私が愛する主ヨルの料理じゃ美味しい頂こう」
もう藍を止めれる者はいなかった。藍は
「お前の事は忘れねぇ!騎士の名にかけて」
「ああ!お前の主に対する思い素晴らしかったぞ」
「貴殿は素晴らしい従者だ!」
「後の事は任せて」
皆が藍に一言づつ言葉をおくる。
最後の言葉をして……。
「お主らとの半年は楽しかったぞ」
そう言うと発狂しているレヴィを突く夜の共に行き、はやてが食べないように夜に懇願した。
「主ヨル。はやてが疲れたのか寝てしまわれたので私が全てオムライスを食べますのでご用意を宜しいですか?」
この話を聞いた夜は、はやて寝てしまっては仕方がないと思い、
「……む…それは…残念…けど…全部…食べるの?」
夜はもう一度聞く、はやて達の分5皿に藍の分合わせて6皿たべるのか?と。夜の言葉に藍は逃げ出したくなる思いが出てくるが、此処は夜を慕う気持ちでなんとか堪える。
「主よるの料理です。残すのはもったいですから私が全て食べようと思います」
「…じゃあ……用意する」
蒼いオムライスをスキマから取り出し藍の前に置く。
「主よる。どうして今日料理を?」
藍は最後の会話として、いつもはそこまで積極的に料理を作らないのに今日に限ってした事を質問した。
すると夜は、よく見ないとわからない程度に顔の頬を赤く染め、
「……最近藍達疲れていた……少しでも元気……なる」
そんな事を言われたら藍の涙腺は色々な思いで崩壊し、できれば他の事で表して欲しかったと思ってしまう。
「ぬ、主よる我等のためにありがたく頂ます!」
そして藍はヴォルケンリッター達が見守る前で蒼いオムライスに手をつける。
「グフッ!」
藍はオムライスの衝撃に意識を持っていかれかけるが、主ヨルの思いの為にオムライスを口に運ぶ。
「ラン……」
「藍…さん…」
「なんて我等は無力なのだ!」
三人は涙を流し目をそらしそうになるが……
「お前達…藍の勇姿を見るのだ!主の為にあそこまでなれる従者の目を逸らすな…」
シグナムの言葉にヴォルケンリッター達は、藍の勇姿を逃すまいと騎士として食べ終わるまでの時間ずっと見ていた。
その間に藍は食べていく。血泥を吐きそうでも、発狂してしまいそうになろうとも、口が焼けそうになっても、ヤバイ汗が出ても、走馬灯を見ても食べ続ける。
自分達の為に作ったくれたオムライスをひたすら食べる。
その中で藍は止まらない。
———私は止まんねぇーからよ。
———先に逝った
「うぅ……ラン」
「私達なんかの…為に……」
———家族を守るのは私の使命。
———だから止まんねえからよ。
———おんしら、
絶対に生きて帰って見せると。
オル……ゲフンゲフン、奴の様に死にはしないと。
そして彼女はついに、夜に対する止まらない思いを完食する。
「お、美味しかったですよ…主よる」
「…ん……?……ら…ん?」
藍は全てのオムライスを食べると、夜に抱きつき最後の力を使って眠らせるとシグナムに夜を預けて歩き出す。
「…主よるを…頼む」
と言う藍にヴォルケンリッター達は涙が止まらない。
「私は八雲藍だぞ……主よるの事で止まる訳が無かろう」
——だからお主らも止まるんじゃねえぞ!
『『『藍ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!』』』
『団長ぉぉぉぉぉぁぉぉぉ!!!』(←ヴィータ)
希望の花ぁぁあ♪とエンディングが聴こえるのは気のせいだろう。
その後藍は1週間意識が戻らず、会社の機能が停止しかけるが1日で目覚めた美鈴とレヴィが藍の勇姿を聞き、藍が起きるまでの間仕事をいつもの十倍頑張った。
そして夜は、八神家二人目の料理禁止令が出された。
一方はやては、二度と怪我をしない事を誓った。オルガパロをしない為に……。
ヴォルケンリッター達(シャマル以外)もできるだけ料理を覚えようと誓った。
これはまだ平和な八神家の日常である。
【あとがき】
これ知ってる人絶対いるよね?w
もうさ、オルガのネタマジ好きなんだわww
知ってるよって人いたら感想プリーズ。
オルガ殺しましたって人はお気に入りおなしゃす。