では行ってみよう。
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実現させようと思って動けば、その覚悟が周りを動かすのじゃ。そして現実になるのじゃ。世の中はそうやってできておるのじゃ
テイルズシリーズ byパティ・フルール
地獄の2日目が終わり3日目の朝の事。
はやては早く起きていた。
「…メッチャ頭が痛いわー」
夜達の料理を食べて死にかけた為に、謎の頭痛がしているはやては、一人で車椅子を走らせある場所に向かっていた。
いつもはヴォルケンリッター達か眷属達の誰かが押してられるのだが生憎今はみんなベットの上で臨死体験をしており、起き上がれない状態なのだ。
「確か……こっちやったはずや」
ある場所に向かっていたはやてはドアの前で、深呼吸をして気合を入れるとノックをして部屋に入っていく。
「朝早くからすいません。お話があるので宜しいでしょうか?さとりさん」
薄暗い部屋で本を読んでいたさとりはいきなりの訪問に驚いていたが、パタリと栞を挟んで本を置くとはやてを真っ直ぐに見る。
「えぇ、良いですよ。はやてさん」
ニッコリと微笑むさとりだった。
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「それで話とは何かしら?」
さとりは、朝のティータイムとして紅茶を飲みながら、はやての話を聞く。
「…藍さんから
「……聞いたわ」
ティーカップを音を立てずに置き、はやてが言っている『あの話』を思い出すさとりは苦い顔をしている。
「…本当にする気なの?私は反対よ」
あの話にさとりは反対の声を上げる。
「…さとりさんの言うことも分かってます。でも私はしたいんです!」
「それがあの子為に成らず悲しんでも?」
こう言うさとりだが、本音を言えば『あの話』を受けたいと思っていた。しかしさとりにもある思いがある為、簡単にはやての話を認めれなかった。
「違います!悲しませる為にするんじゃ無い……知ってもらうためにするんです!」
はやては本気である。本気で夜の事を思って言っている。
そんな迷いの無いはやての姿に、さとりは思わず目を逸らしてしまう。あの日の誰かと重なってしまい。
「…分かりました。提案を受けましょう」
「本当ですか!」
ただし!と、付け加え
「絶対に成功させなさい!これが条件よ」
折れたさとりはある意味当たり前であり、不可能に近い条件を出す。
「ハイ!もちろんです。絶対にしてみせます。
「ッ!?………そう…なら良いわ」
「それじゃあ失礼しました」
———バタン
「…………はぁ」
一礼をして部屋から出て行くはやての後ろ姿を見てさとりは何とも言えない表情になってしまう。
はやての本気の気持ちに押されてしまいこの話を受けたのは良かったのか?と判断に不安も残る。
しかしはやての言った『約束』という言葉が頭から離れてくれない。
「何で……今更に………なって…」
震える声で呟いた時さとりは………
————泣いていた
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夜は、今はやてと二人で地底の名所巡りをしていた。
「此処が地底の動物園」
「どんなのがおるんや?」
夜は車椅子を押して中に入ると立ち入り禁止と書かれた巨大な森の中に入って行く。
「まずは……ATM(アカ○トロム)」
グオオオオオオオオオオと鳴く飛竜種、通称『覇王』は夜の強大な力を感じて早く帰ってくれという思いで鳴いていた。
「…でかいなぁー(白目)」
「…偶に……資金源……する」
『ギャアアアアアアアッ!?』
あぁ…とはやての可哀想なものを見る目にATMは泣き叫ぶのであった。
次にと夜は牢屋の前にはやてを連れて行く。
「……喋るゴリラ(銀魂、近藤さん)
「あっ!そこのお嬢さん助けて!」。゚(゚´Д`゚)゚。
小汚そうな男が片手にバナナを持っているので、一瞬はやてもゴリラに見えてしまう。しかしそこはツッコミのエセ関西人、しっかりとツッコンでいく。
「…夜君…あれ人間じゃ…しかも助けって…」
「はやて…あれはゴリラ」(・ω・)ノ
「…そうか」
やはり夜の言うことに間違いはないようだ。
「待って!人間だから!ゴリラじゃ無いから!」
「次行……く」
「……行こか」
はやては考えるのをやめた。
「……これヅラ(銀魂、桂小太郎)
「むっ!ヅラじゃ無い桂だ!」
「何科なん?」
「ヅラ……科」
「だからヅラじゃ無い桂だ!」
「珍しいのばっかやなぁ」
「ん!流石さとり……珍しい……動物ばっか」
その他にも20世紀のロボットやニコニコ這い寄る混沌など観てまわったはやては一言、動物園ってこんなんやったか?と思ったのは内心に仕舞う。
この後もパルスィが一年中パルパル言っている橋を渡ったり勇儀が作ったクレーターを観に行ったりした。
時間も夕方、地霊殿の帰り道。
「いや〜面白かったわ〜〜」
「うむ……それなら…良かった…でも…何で急に…地底…見たい…言った…の?」
夜の言葉にはやては少し照れながらある思いとは別の、ただ一緒に居たい想いがあったことを話す。
「いやな…その…最近夜君と二人きりはになる事がなかったやん…だから…二人で地底を周りかったんや…迷惑やったか?」
「……別に……僕もはやて…一緒…楽しい…」
ぷぃっと横を向いた夜の顔は、地底なのに紅く夕暮れの日を浴びたように染まっていた。
「そ、そうか!ほなら嬉しいわ」
それに気づかないはやても、頬を赤く染め夜に車椅子を押されながら地霊殿に向かった。
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夜とはやてが地霊殿に帰ると、物事が一切せず何も気配を感じない。
「……みんな…どこ?」
「みんなおらへんな」
さとりの仕事室や客間を見るも誰もいなく夜とはやては探しまわる。探しても探してもいない。シッ〜〜ンと音がしないのは不気味にも思える。
またいなくなるの?と夜の脳裏に焼き付いて離れない。
「……皆……いない…」
目の光が消え落ち込み出す夜の姿にこれ以上は不味いと、はやては慌てて、予定を早める。
「まだ食堂の方を見てないからそこにおるかもしれへん!今から行こ」
夜は、はやての言ったとうり食堂に向かいドアを開けると、光が目に入り背けた瞬間、夜の耳に大きな音が聴こえていた。
————パンパンッ!
『夜(君、様、さん)誕生日おめでとう!』
「………ふぇ…?」
レヴィとヴィータがクラッカーを鳴らし、はやてを除いた全員で夜の誕生日を祝う。いきなりの事に夜はマヌケな声を出してしまった。
「……え…え…なに…」
珍しく夜が驚き動揺している。
「夜君誕生日が4月25日って言ったやろ。だから今日4月25日に誕生日会を開こう!って思ったんや」
「元々から話はあったのですが、地霊殿旅行と時期が重なってしまったのでいっその事、地霊殿でやろうと言う話になりまして」
「はやてさん私に頭を下げてきたんですよ。『夜君の為にって!』言ってきたので私も協力させて頂きました」
藍とさとりの話にいや〜そんな事ないですよ〜!と横で照れるはやて。ヴォルケンリッター達も夜に声をかける。
「主はやてから誕生日の事を聞いた時は驚いたぞ。そんな話聞いた事なかったからな。全く…少しは我らにも甘えろ」
「シグナムの言うとうりだぜ!あたしたちは家族なんだから、遠慮はいらないぜ!」
「いつも夜君に負担かけてるから、たまには私達にも何かさせてほしいわ」
「うむ、我等にも頼ってほしいのだ」
ヴォルケンリッター達は夜には色々とお世話になっており今まで夜の為に何かしたいと思っていたがハイスペックの夜を手伝える事は無くはやてから夜の誕生日を祝うと聞いた時は、やっと自分達に出来ることが…!と、涙が出てきたのだ。
「皆んな夜君の為になにかしたかったんや。それに…約束したからなぁ!」
「……あ…ッ!?」
夜は思い出す。
はやてが言った約束を、『夜君に誕生日の嬉しさを教えたる!』『来年絶対に祝うで!』と言った言葉を。
(本当に約束守ってくれたんだ…)
そんな事を思っていると、皆が驚きに満ちている顔が夜の目に移る。
「よ、夜君?……ど、どうしたん」
いきなりはやてが動揺し出す。
はやてだけじゃ無く他のみんなも驚愕の目で夜を見ていた。
「……何が…?」
本人が気づいていない事にざわついて仕舞うが、美鈴の一言によって夜の違和感の原因が分かる。
「夜様……泣いて…!?」
「………へ…?」
————夜は泣いていた。
「……あれ…?………何……これ…」
自分自身何故泣いているかわからない夜。どうしても止まらない涙。
ポロポロと泣いている夜を見て、眷属達はオロオロしだし、はやて達は硬直している。大体が使い物にならない中、唯一さとりだけ夜を抱きしめた。
「ごめんなさい……夜……本当にごめんなさい」
「…何故…さとり…謝る…?」
「お願い…いまは…このままいさせて…」
周りの目も気にせず夜以上に泣き出すさとり。その身体は震えているのがよく分かる。誰も見た事がないさとりの姿にはやて達は静かに見ているしかない。
「なぁ美鈴なんで……え?」
未だに何故泣いているのかわからないヴィータは隣にいた美鈴に聞こうと横を向くと、感情の無い目でポロポロと水が落ちていた。
「………」
何も言わない美鈴にヴィータも何も言わなくなる。空気的にさとりと夜に声をかけれないので事情をわかっているような美鈴に皆んなが心配する。
「一体どうしたのだ?お前がそんなになるなんて……」
「…ねぇお燐。あんなさとり様見た事ある?」
「そんなのある訳ないよ……あたい達もさとり様と長いけどあんなに泣くさとり様を見た事はないよ」
仕えてから初めてみる主人の姿にお燐とお空はどうする事も出来ない。
「藍さんは何か知らないの?」
「…知っておるが…わからん……」
「え?それってどう言う……」
この時、意味深な藍の言葉に突っ込んでいこうとしたがそれは叶わなかった。
「ごめんなさいね。ちょっと色々と思う事があって」
「……ん…ごめん…皆…」
丁度、タイミングよく泣き止んだ2人が声を遮ったのだ。こうなれば、はやての意識も夜達にいく。
「いやええよ。夜君の泣いた珍しい姿を見れたからな」
「私のせいで暗い空気になってしまったわね。せっかくの夜の誕生日会なんだから明るくいきましょう」
この言葉に重苦しかった空気も消し飛ぶ。
「そや!もっと明るくいこか!」
こうして夜の誕生日会は再開し、この後勇儀とパルスィも合流して、最高の誕生日会を夜にプレゼントした。
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「ふぅ〜ええ湯やなぁ〜」
「癒されますね〜。主はやて」
はやてとシグナムは今温泉に入っていた。
夜は誕生日会が終わると糸が切れたように眠り今はベットの上だ。ついでにヴィータも夜のベットに入って寝ている。シャマルとザフィーラは眷属達とペットの二人と飲みに行っている。シグナムもさっきまで勇儀と戦闘をしておりボコボコにされて今の姿だ。
「傷は大丈夫なんか?」
「大丈夫だ!問題ない」(`・∀・´)
「…シグナムも染まってきたなぁ」
「…一度言って見たくて……まぁ闇の書がある限り傷は治りますので」
「だからって怪我ばっかしたらいかんで!」
先程まで傷だらけの身体が幻の様に、何処にも傷は見えない。そんな話をしていると湯けむりの中にピンク色の髪がこっちに向かって来ているのが見えた。
「楽しそうね。私もご一緒してよろしいかしら」
「さとりさん!もしかして聞いてました?」
「ええもちろん、最初のネタから」
はやてだけだと思っていた為に恥ずかしい事をしたシグナムは真っ赤にしながら、先に上がります主はやて!と言って温泉から出て行った。
「あらあら…ちょっとイジメすぎたかしら?」
「まぁシグナムなんで大丈夫ですよ……それでさとりさん、ただシグナムをイジリにきたんじゃないんでしょ」
「あら?どうしてそう思うのかしら?」
「シグナムをわざと恥をかかせて二人きりにしたからです」
完全に作り笑いと分かる顔をするはやてに、さとりは誰かと似てるわねー(棒)と思い嫌味を返す。
「貴女…将来タヌキっていわれそうね」
「もう……言われてます…」
「なんか…その…ごめんなさい」
お互いに沈黙の時間が続く中、先に沈黙を破ったのはさとりだった。
「…話に入りましょうか…今日はありがとうございます。久しぶりに楽しんでる夜の心を見ました」
「いやそんな…私だけじゃなくてさとりさんも話を受けてくれたから…」
「謙遜はいけません。はやてさんのおかげで幸せそうな夜を観れただけで嬉しいのです。本当に…本当に久しぶりに……」
そう言うさとりは微笑んでいるが、はやてには無理して笑っているような表情に見えた。
「さとりさん一つ聞いてもいいですか?」
「私に答えられる事なら…」
今まで疑問に思っていた夜との関係をはやては聞く。
「では…さとりさんは夜君とどれくらいの付き合いなんですか?」
「それは出会ってから今の瞬間までと言う意味でいいですか?」
無言で頷くはやて。
その答えにさとりは遠い……遠い地を思い出す様な目を空の無い天に向けて答えた。
「長いですよ…本当に長い付き合いです」
何処かはぐらかさせた答え。
「そうですか……」
『『…………』』
再び無言になる二人。
流石に小学生にこの対応は無いな、とさとりは自己嫌悪になりながらも話を続ける。
「…私からも一つ、どうして夜の誕生日を祝おうと思ったんですか?聞いているのでしょう夜が誕生日をどう思っているか」
「もちろん知ってます。でも約束したんです。私が教えるって、夜君に感情を幸せを嬉しさを教えるって約束したんです」
心を読まぬともさとりにはわかった。はやては夜を思っているのだと。それは家族としてか一人の男としてかはわからないがただ思っているのだと。
ならば、私が言えるのは一つ。
「一つだけはやてさんに助言です」
「助言ですか?」
「目に見えるものが真実とは限りません。時に自分の心のままに想いのまま感じ、見てみると見えて来ますよ————本当の真実が……まぁ年寄りのつまらない話でしたね」
「…ん…まぁ……何となく分かった気がします」
難しそうな顔をしているが、はやてならこの意味が分かる時が来ると確信していた。
だって彼女は夜を想っているのだから。故にこの心が分かった時さとりはある覚悟を決めた。
「はやてさん長く温泉に入ってますが体調は大丈夫ですか?」
いきなりの話だったがよくよく考えるとはやては長風呂をしており、さとりに指摘されてのぼせた感じになる。
その為温泉から上がろうとするがはやてはシグナムがいない事に気付く。
「シグナムおらんやん…どうすれば?」
「シグナムさんならそろそろ来ますよ」
絶望しているはやてにそう声をかけると、本当にシグナムが息を切らしながら来てはやてをお姫様抱っこで上げて行った。
「もう…いませんかね…」
その様子を見たさとりは誰もいない事を確認する。そして誰もいないはずのこの場に声を上げた。
————こいしいるのでしょう
すると、前触れなくさとりの隣には、彼女の妹である古明地こいしの存在があった。
「流石おねえちゃんだね」
こいしが出てくるがその表情ははやて達に見せたほのぼのした顔は無く真剣な目でさとりを見る。
「おねえちゃん…覚悟を決めたんだね…はやておねえちゃん達に賭けるの」
「ええ…もう私は逃げるのは終わりにするわ」
「…分かったよ。私はおねえちゃんについていく。私も……もう…逃げたくないから…」
そう言うとこいしは一瞬で見えなくなる。
彼女が能力を使ったのかはさとりには分からない。この居なくなる行為が何を示すのかも。でも姉として……数年ぶりに見た妹の考えは分かる。血の繋がった姉として。ひとりの家族として。
一人になったさとりは立ち上がり
「もう私は逃げない……私の罪から…………」
—————妖怪の罪から
さとりは決意する。
自分の罪を償うために……
過去に誓った約束を守るために……
そして……
———叶わぬ願いを一人の少女に託すために!!
「…私は…私達は託す事しか出来ない」
全てを知っている悟り妖怪は嘆く。
自らの力の無さに、友も救えぬ弱い自分に、家族との約束も守れぬ自分の愚かさに。
それでも!!
それでもあの地獄を繰り返さないために……と
—————彼女は決意した。
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〜〜地霊殿旅行4日目の朝〜〜
『『ありがとうございました』』
地霊殿前で見送りに来たさとり達にお礼を言うはやて達。
「私達も楽しい時間だったよ」
「また来てね〜〜」
「いつでも来ていいからね!歓迎するよ」
「まぁ、妬ましいぐらいいい時間だったわ」
「今度は私とも遊ぼうね♪」
妖怪とはいえ、はやて達は夜達以外にこんな嬉しい言葉を、聞いたことがないので泣きそうになる。
「お、おう!また来るぜ」(T ^ T)
「ヴィータちゃん泣かないの!」
「そう言うお前も泣いているがな」
色々とあった為、感動系に慣れてないヴィータとシャマルは号泣だ。
「素晴らしい時間でした。また次も一戦よろしいでしょうか勇儀殿」
「もちろんだよ!シグナムはいい攻めをするからね〜」
他のメンバーは二人の戦闘狂に呆れていると、帰るためにスキマの固定をしていた夜達から帰る準備ができたと声が聞こえてくる。
「そろそろ準備OKッスよ」
と声がかかるのではやては一度さとりの方へ体を振り返って一礼した。
「それではさとりさんありがとうございました」
「いいえ。お礼を言うのはこっちよ。はやてさんのおかげで決意もついたし…お礼としてこれを受け取ってちょうだい」
さとりは懐から魔法陣の書かれたトランプサイズのカードを一枚渡す。
「これは一度だけ魔力を込めることで私達を呼べる便利グッズよ。見習い魔法使いのはやてさんなら使えるでしょう」
はやてはさとりから受け取るとお礼を言ってシグナム達とスキマの中に入って行った。
「それではさとりさん。またッス」
「さとり達よ。久しぶりに楽しかったぞ。またな」
眷属の二人も帰って行く。残ったのは夜と美鈴だけだ。
「さとり……楽しかった……久しぶりに会えて良かった……じゃあ……
「ええ、会えて良かったですよ夜。ですが『さよなら』じゃあないですよ。次会うための『またね』です」
さとりの言葉にスキマに入ろうとしていた夜は一度だけさとりを見てまたスキマに入って行った。悲しそうな顔を見せて……。
「では私もそろそろ行きますね」
「————美鈴さん!」
帰ろうとしていた美鈴をさとりは引き止める。
「…私はもう逃げません!だから…もう一度地霊殿に来てください!」
もう一度会いましょう!この場で!そんな声を美鈴は……偽りの笑顔で返す。
「…ええまた会いましょう。さとりさん、皆さん……」
————さよなら
そう言うと美鈴もスキマに入って行った。
皆が帰った事でお燐とお空は地霊殿に入って行く。
この場には残ったさとり達だけだ。
それでも勇儀やパルスィは動こうとはしなかった。あのこいしが姿を見せている。
「勇儀さん…」
「ああ、こいしから聞いた…」
「そうですか…私について来てくれますか?…この罪に汚れ逃げた私に………」
「…あれはお前だけのせいじゃないよ…お前だけのせいにするつもりない…あれは私達の罪…妖怪の罪だ。それに…逃げたのはお前だけじゃない」
「勇儀さん…」
また、お前1人に背負わせない。
勇儀の心情が読まなくても伝わってくる。
「私も手伝うわ……もうあんなものは見たくないもの」
「おねえちゃん私も逃げないよ」
パルスィも出来る事は限られているが全面的なサポートを宣言する。
「ありがとう。こいし、パルスィ、勇儀さん」
「でもどうするの?……悔しいけど…今の私達じゃ…」
何もできない。
そんな言葉をパルスィは言いたくもないし、思いたくも無いがそれが真実だ。
何もできないから彼等は地底にいる。
だから———
「この地から抜け出すことが出来ないのでしょう」
「…………」
『『……ッ!!?』』
突如と背後から聞こえてきた第三者の声。
皆、動揺している中、1人さとりだけは無言で後ろを振り返った。
———来るのは分かっていた。
そう言わんばかりの視線がさとりと同じくらいの童女に突き刺さる。
この地底元は地獄
———故に旧地獄
この世に存在し時から変わる事はない真実である。記憶には無いが記録に残っている存在。
絶対的な平等で
「閻魔……"四季映姫」
「貴女達の行動に対して白黒決めに来ました」
————彼女は地獄の王である。
【あとがき】
おやおや〜?「旧」に出て来てない人がいますねぇ〜〜。
という訳であと1話地霊殿編します。ちょっと新しい話考えたくなってね。
一応言っておくと、最後の『贔屓』の意味は次回分かりますよ。
あ、映姫様は幼女の方でおk!!
では次回・地霊殿 裏で会いましょう。
感想、お気に入り、高評価おなしゃす。