新・魔法少女リリカルなのは〜剣神と夜天の輝き   作:パッチェ

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どもパッチェです。

ふぅ、やっとここまで終わった。
闇の書編約30話……アニメで2クール…(絶望




☆☆★☆

失くしてしまったもの、起こってしまった出来事、過ぎ去っていった過去の時間は変えることが出来ない。だから、失いたくないと思う。守りたいと思う。守るために強くなりたいと思う。選んだのは、戦っち取っていくこと。見えない未来を、望んだ形に変えていくこと。

魔法少女リリカルなのは by八神はやて





闇の書編
18話 闇の始まり


 〜〜6月4日〜〜

 

 この日は八神家にとって大切な日である。

 

「主はやての誕生日と……」

 

「ヴォルケンリッター達と家族になった日を祝って——」

 

『『乾杯!!!』』

 

 今日は、はやての誕生日でありヴォルケンリッター達がはやての家族となって丁度一年。

 

 テーブルには、夜たちが用意した最高級の素材を使った料理が並んでいる。

 最初は夜が料理を作ると言ったが藍たちが全力で止め、美鈴が本店に連絡してセバスが作ったのだ。

 

「ウォォォー!ギガウメー!」

 

「こらこらヴィータ口元が汚れてるで」

 

 はやてはヴィータの口元を拭いてあげる。相当美味しいのだろう。

 この世に顕現して早一年、現代にすっかり馴染んだヴォルケンリッター達も口にしたことのない味だ。

 

「それにしても美味しいわね」

 

「そりゃ素材の値段がいつもと違うッスから」

 

「そんなに違うのか?」

 

 シグナムの問いに藍が指でひぃ、ふぅ、みぃ、といくらだったから数える。

 

「そうじゃなあ〜〜大体百グラムで数十万ぐらいだな」

 

『『………は!?』』

 

 衝撃の値段に食べている手が止まる。

 もうヴォルケンリッター達はお使いも出来るのだ。いつもはやて基準の感覚で数10万と聞いて固まらない訳がない。

 

「え?ええ?数十万?」

 

「皆さん、どうしました?固まって?」

 

 それはそうだろう。

 生粋の庶民であるはやてがこんなに高級な物を食べたら思考回路が停止するのは当たり前の事だ。

 

「……どうした……はやて?」

 

「い、いやな…こんなに高級な物お金大丈夫なんか?」

 

「……ん…余ってるから…問題ない…」

 

「大丈夫ッスよ。自分たちは全く使わないので余っているんッス!だから数十万なんて一割にも満たないッスよ」

 

 夜の返事にレヴィが補足を入れるが、そ、そうか…と頭を抑えて返すしかない。はやてはあまりにも金銭感覚の違いに戸惑ってしまう。だが、今日ははやて達がメインの記念日なのだ。

 

「今日は、はやてちゃんたちが主役なんですからそんな事気にしないで良いんですよ」

 

「美鈴……お前…」

 

 とっても感動的な言葉に目頭が熱くなる……が、

 

「まぁ数千万ぐらいなら10秒もあれば稼げるんですけどね〜」

 

『『…………』』

 

 空気が冷めていくのを感じる。

 

「…美鈴おぬしは…アホか?」

 

「さ、流石ッスね……全て台無しにしていくスタイル」

 

「空気…読む……美鈴」

 

 いい台詞を言っていたのに空気を読まない天然発言に呆れる夜達。それに全く気づいていない美鈴。

 

「え、え?何か可笑しな事言いました?」

 

 皆んなからのジト目で見られるので慌て出す。

 

 そんな様子を見ていたはやては、面白おかしく心の底から笑った。

 

「……フフ……あはははははー!」

 

「な、何で笑うのですかぁー!」

 

「いやな、あまりにも……フフ……可笑しくてなぁ……プフ」

 

 楽しくなる空気に周りのみんなも笑い出す。

 

「やっぱ美鈴は面白いな!ある意味」

 

「ええ…フフ……そのとうりね」

 

「ククク、馬鹿にされておるなぁ」

 

「プギャー(笑笑)」

 

 上のシャマルとヴィータの二人は純粋に笑っているが、下の二人は最近の扱いに不満があるため怨みを込めて笑う。

 

「あなた達はケンカを売って居るのでしょう!そうでしょう!」

 

 鉄拳制裁!と言いなが藍とレヴィに拳を放つ。うご!と言いながら二人はのたうち回る

 

「いや〜笑ったわ………やっぱりみんなと居ると楽しいなぁ〜」

 

 その言葉にシグナムが同意する。

 

「その通りですね。主はやて」

 

「……う…む…楽しい♪」

 

「あたしも(モグモグ)楽しいぞ!(モグモグ)」

 

「ヴィータちゃん食べてから喋りましょうね。…そこの変態ども!良い加減起きろ!」

 

 タンコブが出来ている箇所に再び痛みを与える。

 

「うぅぅ……痛かったッス」

 

「おぬしがしといて…」

 

「ア?」

 

「「いえ、何でもないです」」

 

 完全にキレておりメンチをきられたため美鈴から目を逸らし敬礼をポーズをとる藍とレヴィ。

 

「やれやれね」

 

 その姿に情けないとシャマルが肩をすくめるが、彼女も似たようなものである。

 

「そう言えばお前も最近警官に捕まりそうになったと聞いたが?」

 

「え?な、なななななななんことかしら?」

 

 完全に動揺している事が分かったはやては、またこいつは…と白い目でシャマルを睨む。

 

「どう言うことや?……ちょっとO・HA・NA・SHIしよか」

 

「ち、違うのはやてちゃん!ちょっと小学生に用があって…」

 

 ボロを出しながら言い訳をするため、楽しい祝いのはずが説教会になってしまった。

 

「みんな!助けて」

 

 助けを呼ぶシャマルに藍とレヴィも夜に視線を送るが、本人達は目線を逸らし関わりを持たないようにする。

 

「あいつらはほっといて、私たちは向こうに行こうぜ!ヨル」

 

「…ん……あの…モード…怖い…」

 

「…そうだな」

 

 経験がある二人は見てないフリをして、体を震わせながら見えない所に行く。

 

「我々も行こう、向こうで酒などどうだ?」

 

「うむ!主はやてのお忙しいからな。邪魔にならないようにしないといけないからな」

 

 こちらも逃げ出す。

 

「裏切り者!」

 

「何逃げようとしてるんか?正座しいシャマル」

 

「あなた達もですよ。最近天井から鉄球が落ちてきたり槍が飛んできたりあなた達の仕業でしょう。分かってますから」

 

「いや……その…あれは…」

 

「あ、あれッスよ。友好を深めるために……」

 

「では私も………肉体言語で友好を深めましょう!」

 

 シャマルは正座ではやてのありがたい言葉を聞き、藍とレヴィは美鈴から言語と言う名の肉体を痛めつけらける。

 

「「「いやーーー!」」」

 

 祝い事の日に悲鳴が上がるリビングに他のメンバー達は視界にすら入れない。

 

「これ何なんだ?ヨル」

 

「……フカヒレ…美味しい…?」

 

「やはり美味いなこの肉は!」

 

「そうだな!酒に合う」

 

 我れ関係なしと、ほのぼのと食事を楽しんでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ————ああ、何と平和な日か…

 

 ————ああ、何と幸せの想いか…

 

 血に塗れた日は無く平和な日々、武器を握らず大切な家族との幸せ日々……何と夢の日々か。無論………

 

 

 

 

 

 

 

 ————そんな平和は長くは続かない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 季節は秋、10月下旬

 

 

 

 

 ———悪夢は突然にいきなりやって来る。

 

 

 

 

 

「………主はやてが死ぬ!?」

 

 シグナム悲痛な声が室内に響く。

 

「ええ、今の所はまだ大丈夫なんだけど………ここ2ヶ月足の麻痺が侵食しているわ。このままだと、麻痺が内臓などに到達したら内臓機能の麻痺になってしまう。最悪……心臓まで行ったら」

 

「そ、そんな……」

 

「………クッ!」

 

 誰もが非常な宣告に感情をあらわにしてしまう。

 

 始まりは朝だった。いつも通りに起きて来るはやてが起きてこないため美鈴か見に行ったらはやてが倒れていて、急いで掛かりつけ病院に連れて行ったのだ。

 

 今此処には、藍、シャマル、シグナムが診察の説明を受けている。無論はやてを診断したのは石田だ。

 

「一応はやてちゃんには、1週間入院してもらおうかと思っています。はやてちゃんの病は現代の医学では原因不明なのです………私達も全力を尽くしますが……覚悟はしといて下さい」

 

 この時、石田先生が言った『覚悟』は意味を言わずとも分かった。

 いや、分かってしまった。

 

 診察室を三人は出ると何も言えない。しばらく無言で動けなかった。

 

 

「…私が美鈴に着替えを頼んでおこう」

 

「…すまんな……シャマル一応主はやての診察を」

 

「…分かったわ……みんな呼んだ方がいいかも」

 

「……そうだな…美鈴に言っておこう。シャマル、主ヨルとしてくれ。一応別方向から診察をした方がいいだろう」

 

 そう話す三人はそれぞれの役割を果たすために動かない訳には行かなかった。

 

 

 

 

 

 ☆☆☆☆

 

 

 

 

 

「おい!どう言う事だよ!はやてが死ぬなんて!」

 

 はやて以外が揃っている中、シグナムから説明を受けたヴィータは病院内のベンチの前で声を上げる。

「…そのままの意味だ……このままでは主はやての命は無い」

 

 シグナムの雰囲気から冗談では無い事を感じたヴィータは顔を真っ青にする。

 

「そ、そうだ!シャマルなら治せるだろ!はやてを診察したシャマル…な…ら」

 

 そう言うヴィータはシャマルの方を向くが、顔を伏せて髪が乱れている姿に言葉が出てこない。

 

「……ごめんなさい私の力じゃあ」

 

「……ん…」

 

 さっきまで診察をしていた夜とシャマルの二人は表情が沈み、シャマルに至っては泣いていた。

 

「…はやてちゃんの病は病気じゃあ無いの…」

 

 シャマルは診察の結果をみんなに話し出す。

 

 はやての病の元凶は、闇の書。

 生まれた時から闇の書と繋がっていたはやては、未成熟なリンカーコアを幼い頃から酷使しており、ヴォルケンリッターを維持するために

 少しずつ魔力を消費していた為にはやてに影響が出ていると、シャマルは判断した。

 

 言わば、闇の書の……ヴォルケンリッターが存在する際とも言えなくはない。

 

「そ、それでは我等のせいで…」

 

「…ごめん……僕は外科医だから…専門外で…」

 

 

 ザフィーラははやてを蝕んでいるのが自分達だと分かり絶望した表情になる。夜は医師免許を持っているが夜の担当は主に手術が基本なので魔法の医学は専門外なのだ。その()()は夜には無い。

 

 皆が沈んだ状態でいるとズズっと夜の影が動く。

 

「すみません!遅れたッス!」

 

 レヴィが夜の影から出て来た。

 

「レヴィか……はやての状態はどうだ?」

 

「不味いッス……自分の目に死期が見えるから、早く何かしないと……あれは……ヤバイ」

 

 レヴィは忍者としての能力ではやての死期が見えてしまった。レヴィの目は特別でありこの関係の能力は性質上絶対に外れる事がなかった。そしてレヴィがヤバイと言うほど深刻な状態であると言うことが嫌でも入ってくる。

 

「……あと……どれくらい…」

 

「……早くて…12月……遅くても正月には…」

 

 約2ヶ月……レヴィの報告は最悪であった。

 

「何か…手はないのかしら」

 

 シャマルの一言に皆がフル回転で考えている中、夜は一か八かの選択を思いつく。

 

「1つあるけど……」

 

「何かあるのか?」

 

「あるけど……はやて命が救えない最後の手段」

 

 救える可能性がある話なのだが、それに乗り気では無い夜にヴィータは思わず怒鳴ってしまう。

 

「何でだよ!はやてが助かるなら……『ダメ』……ヨル?」

 

 夜はヴィータの言葉を遮ってでもリスクの事を言わなければならなかった。

 

「……これ…したくない……はやて……人間じゃ無くなる」

 

「………どう言う事だ?」

 

「…僕……知り合いに……不老不死の医者……いる。……あの医者が何でも治せる薬……ある……」

 

「何でも治せる!?それなら…」

 

「ダメなの……この薬にはある副作用があって…」

 

「一体どんな?」

 

 シャマルの問いに夜は一旦間を置いて口を開いた。

 

「………不老不死になる」

 

『『『なッ!?』』』

 

 夜の答えにヴォルケンリッター達は、思わず声を上げ息を飲む。

 

 「…今のはやては不安定な状態。そんな中不老不死にしたら何が起こるかわからない……死にたいのに死なない状態で生きなければいけない…それは…はやて…苦しむ。…それに………はやてには人間でいてほしい」

 

 夜の説明はヴォルケンリッター達はよく分かっていた。不老不死と言う事は永遠を生きると言う事。不老不死に近いヴォルケンリッター達は知っている。眷属達も言える事だ。どれだけの孤独が待っているか、友も家族も知り合いも死んでいく中たった一人で生き死なず、死ねず永遠を生きる。どれだけ辛い事か、ヴォルケンリッター達は仲間がいた。常に()()で、しかしはやてはもしかしたら一人になってしまうかもしれない。そうなったら辛いのははやてだ。だからこそ夜はこの案を辞めたのだ。

 

「…もう……何も手がないのか!」

 

 皆が絶望している中、顔を下に俯いていたヴィータが目の光を無くしながら言った。

 

「………蒐集………蒐集すれば!はやてが闇の書の主としての力で治るんじゃ!」

 

「ッ!?……だが……それは…」

 

 皆もザフィーラの言いたい事は分かった。蒐集をすると言う事ははやてとの約束を破ると言う事。はやては力を望まず他人を傷つけず迷惑をかけないと、約束したのだ。

 

 しかし今の状況では()()がない。

 

「それが……今の一番の手かもしれません」

 

「闇の書が原因ならいっそのこと闇の書を覚醒させる、か意外と良い案かもしれぬな」

 

 この案が一番であると藍と美鈴も考える。

 

「はやて……と……………約束もある……やっぱりはやて……生きてほしい……シグナムどうする?」

 

 

 皆の視線がシグナムに集まる。蒐集は夜達だけでは出来ないので最終決定はヴォルケンリッターの将であるシグナムに委ねられた。

 

 

「私は……」

 

 

 彼女は————

 

 

 

 

 

 

 

 

 __________________________

 

 

 

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 ____________

 

 

 

 

 

 

 

 あるビルの屋上に佇む人影。

 それは覚悟あるもの達の集まり。

 

「……お前達…今から我らはまた血に濡れる行為をする………それでも付いてきてくれるか?」

 

「当たり前だ!今更後悔はしない!はやてを助けるために!」

 

「貴女一人に背負わせないわ!私達も一蓮托生よ」

 

「我らは主はやてのためにあるのだ!その主が危機ならば動くのは当たり前だ!」

 

 もう人形だった昔とは違うのだ。

 自分の意思で主の為に蒐集を行う。『八神はやての為に』その思いは四人とも絶対に変わらない。

 

 そして昔と違うのはこれだけではない。今は家族と呼べる存在がある。

 

「…僕も…やる…。…僕は……剣…を振るう…しかない…から」

 

「自分もやるッスよ。はやてさんは気に入っているッスから」

 

「そうか……皆ありがとう」

 

 シグナムの素直な感謝に皆が笑顔で返す。

 

「家の番は私達に任せろ」

 

「はやてちゃんは、私と藍さんが絶対に守ってみせますよ!」

 

 藍と美鈴ははやてを一人にしないために残り、そのままはやての護衛につく。

 

 蒐集に行く六人は円になると各々の魂と呼べる相棒を掲げる。

 

「申し訳ありません。我が主ただ一度だけ……貴女の為に、貴女との誓いを破ります」

 

 シグナムの言葉と同時に魔法陣が発動し、全員がバリアジャケットにセットアップする。

 

「それでは……行くぞ!!」

 

 四方八方に飛んで行く者たち。

 

 

 

 

 

 

 ————さあ運命は動き出した!

 

 

 

 

 

 

 闇の守護者たち、神の名を持つ剣士と従者達は大切な人の為に、居場所を作ってくれた者のために、主のため、家族ためもう一度戻る。

 

 

 

 

 ————血で血を洗う戦い

 

 

 

 

 

 また幸せに暮らすために彼等は再び武器を取ろう!

 

 

 

 

 

 ————全ては八神はやてのために

 

 

 

 

 

 彼等は戦いに臨む……先の無い幸せな未来のために戦う事を決意して、たとえそれが————悪と呼ばれようとも

 

 

 

 

 

 




【あとがき】

気分が乗ればもう1話今日投稿します。


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