新・魔法少女リリカルなのは〜剣神と夜天の輝き   作:パッチェ

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どもパッチェです

特に………ありません(ドヤっ


23話 神たる一刀と砲撃

 

 シグナムとフェイトの戦闘は常人には、見えない速度で行われていた。

 

(…速い!そしてなんて鋭い剣!)

 

(ふむ、速いな。見た目からの年齢を考えれば凄まじい才能だな…)

 

 二人の頭の中にはロングレンジの考えは無く、互いにクロスレンジの距離での勝負を挑む。

 

「はあっ!」

 

「ふっ!」

 

 バルディッシュとレヴァンティンが打つかり合い火花が散る。そこから2人は高速機動で打ち合うが経験の差でフェイトが押され始める。

 

(攻め切れない…ッ!私の攻撃を的確に捌いてくる!……悔しいけど技術は私より上)

 

 フェイトはシグナムの剣技に尊敬する思いと、そこについていけない遣る瀬無い思いがあった。

 

 逆にシグナムも尊敬の念はあった。

 

(素晴らしいな……ベルカの時代でもいなかった、この歳で私の剣技を受けれる者がいるとは、夜もそうだが世界は広い。あれ()は異常だが……しかし……残念だ。この時ではなければ………いや、叶う事のないことは考えるものでは無いな…)

 

 

 

 ———シグナムは認めた。

 

 

 この少女は自分に届きうる戦士だと!そして出逢いが違ければ…………。

 

 

 

 一度、戦闘が止まり硬直状態に入った。お互いに睨み合う中シグナムは一度レヴァンティンを構え直し騎士として好敵手に名乗らずにはいられなかった。

 

「私はベルカの騎士ヴォルケンリッターの一人、烈火の将シグナム。そして我が剣レヴァンティン。騎士として貴殿の名を聞こう!」

 

 自らの口上を言う。フェイトもシグナムに応えるようにバルディッシュを構える。

 

「私は、時空管理局嘱託魔導士フェイト・テスタロッサ。この子はバルディッシュ」

 

「テスタロッサか…いい名だ。レヴァンティン……私の甲冑を」

 

 《【パンツァーガイスト】》

 

 フェイトの名を聞いたシグナムはピンク色の魔力を己に纏う。

 

「いけない!【フォトンランサー】」

 

 シグナムの魔力が上がったことを感じたフェイトは、自分の周囲に魔力で出来た槍を形成し、シグナムに向かって発射するが……。

 

「う、嘘!?」

 

 フェイトは目の前の出来事が信じられなかった。フォトンランサーはシグナムに向かって行ったが、全く動かないシグナムの甲冑に弾かれたのだ。

 

 シグナム「……確かにお前は強いだろう……ただそれはミッドの魔導士ならの話。私を倒すには経験が足りん…それに………」

 

 シグナムはカードリッチを入れ、この一刀に魂を込めた。

 

「1対1なら我らベルカの騎士にもう負けは無い!そして————我等家族に負けは無い!」

 

 

「ぐっ!?キャアアアアッ!!?」

 

 

 フェイトは、シグナムの紫電一閃をバルディッシュで防御してしまい、バルディッシュの本体コアがボロボロに傷付き、フェイト自身もビルに打ち付けられる。

 

 

 

「我等は負ける訳にはいかないのだ!」

 

 

 

 その覚悟と思いは誰にも砕かれはしないのだから。

 

 

 

 

 

 ☆☆★☆

 

 

 

 

 

 

 別の所では2人の男の娘達が戦っていた。しかしユーノと夜の戦いは一方的なものであった。

 

「重力よ。行け」

 

「く、………お、重い!」

 

 魔法陣を使用した防御をとるユーノだが、夜の重力球は自分自身の魔力が練りこまれた物であり、6個の重力球を操る夜に押されていた。

 

「…いい加減…倒れる。殺しは……しないから」

 

「それは無理な相談だね。こっちは誠がやられているから、仇もしなきゃいけないし」

 

「お前……僕に勝てない……分かってる…よ…ね?」

 

「それでも時間稼ぎぐらいにはなるでしょ。僕の仲間が勝つまで持てば……(ゾク!」

 

(な、何だ!?今の寒気は!)

 

 ユーノは身体に寒気を感じ、口を閉じる。頭で本能で感じ取ってしまったのだ………。

 

 

 ————これ以上は不味い……と。

 

 

 

「………勝つまで…時間……稼ぎ?そんな事……ある訳ない……でしょ?……僕…達が……」

 

 

 

 ————負けるはずないのだから

 

 

 

 夜は俗に言う『縮地』の1つ『虚空瞬動』を使い、空を空間を蹴りユーノの後ろ側に行く。

 

 

 

 ————【小さく重く黒い洞(スパーライオン・ミクロン・バリュ・メラン】

 

 

 

「なぁ!消え……………だッガハッ!!?」

 

 

 夜の動きを感知出来ず、肩に手を置かれた場所からまるでブラックホールの様な円が弾けユーノを地面に叩きつける。

 元々この技は弾けた場所が吹き飛ぶ技なのだが、それでは殺してしまうので衝撃が生まれる様にしていた。

 

 

 

 

「…僕達は負ける…訳にはいかな…い……絶対……に!」

 

 

 1人の少女の哀しむ姿をもう見たくない…ただその思いを重ねて…。

 

 

 

 

 

 

 ☆☆★☆

 

 

 

 

 

 他の者達は一対一だがこっちは二対二の戦闘になっていた。だからと言って実力の差が縮まる訳ではない。

 

 

「はあっはあっ……全然…攻撃が…当たらない」

 

「い、威力が殺せない……」

 

 二対二と言っても主な相手は変わっておらず、アリサとレヴィ、ヴィータとすずかで戦っている。更に先程から立ち回りがレヴィに邪魔させ上手く2人で攻めきれない。

 

「ほらほら休んでたらダメッスよ!」

 

 レヴィは短刀を逆手持ちで持っており、アリサの背中側からまるで暗殺の様な攻撃を仕掛けた。

 

「くっ!」

 

 何とか転がりながら避けるとすぐに態勢を丈直し反撃に出る。

 

「アイズ!【フレイムモード】」

 

 《OKだぜ!アリサ!》

 

 フレイムアイズの声と同時にアリサの大剣にまるで蛇の様な炎がグルグルと巻きつく。

 

「はあああああ!【炎龍衝波】」

 

 振り下ろした大剣から炎龍がレヴィに向かって行くが、彼女からしたら亀の様な遅さだと言う。

 

「遅いッス!そんなんじゃ忍者に当たらないッスよ【影糸縛鎖】」

 

 アリサの攻撃を空中を()()()()()避け、影の手がアリサに巻きつく。

 

「な、何これ!?なんで空中で影が!?」

 

「今は夜……夜の時間は自分の時間……影使いにとって夜とは最高の相性ッスから(パチン」

 

 レヴィは指を鳴らすと、アリサに巻きついていた影が爆発する。

 

「キャアアアー!」

 

 炎熱変換を持つアリサでも近距離の爆発は耐えれず、墜ちていく。

 

 

「自分達は全てを台無しにする訳にはいかないッスよ……」

 

 そう言うレヴィの瞳は漆黒の夜を思い浮かべる色であった。

 

 

 

 

 ☆☆☆☆

 

 

 

「アリサちゃん!?」

 

 アリサの撃墜を見てしまったすずかは思わず叫んでしまい隙を見せる。その一瞬をヴィータが逃すわけがない。

 

「オラオラ隙だからけだぜ!【テートリヒ・シュラーク】」

 

「ひ、【氷壁】」

 

 ギリギリのタイミングで氷壁を創り出すが、そんな物でヴィータの破壊の力が止まる訳なかった。

 

 ピキピキ……そんな音を立て氷壁にヒビが入り。

 

「カードリッチだ!アイゼン」

 

 《装填!【ラケーテンハンマー】》

 

 ラケーテンフォルムに変わったアイゼンを後部の場所からカードリッチを燃料としてロケットの様に噴射して追撃をする。

 

「ぶっ壊れろ!オラ!」

 

 アイゼンをもろにくらいすずかも地面に叩きつけられる。

 

「ベルカの騎士が毛が生えた程度のひよこに負ける訳無いだろ!!!!あたしたちの邪魔をするな!」

 

 紅く燃える灼熱の思いは消えることは無い。

 

 

 

 

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 皆が撃墜されていく様子を高町なのはは見ていた。心に積もるのは無力感。あの場に今立てない力の無さを実感する。

 

(……ッ!何で私は彼処にいないの!みんなが戦っているのに……)

 

 そんな想いを持ちながらも彼女は動けなかった。それは怪我のせいもあるが自分の相棒『レイジングハート』が限界なのだ。

 

(せめて結界を壊せたら……クロノくん達が…」

 

 なのはは無意識のうちに声に出していた。彼女は信じている。この現状を変えるには結界を破壊するべきだと。そして自分にはそれが出来る自身があると。

 

 

 ———だからこそ応えるのだ。

 

 

 《マスター撃って下さい!》

 

「な、何を言ってるの!これ以上レイジングハートに負担が掛かったら……」

 

 レイジングハートのコアは傷付いていた。ヴィータの攻撃からなのはを守り続け傷付いた。

 

 ———しかしそれがどうした?

 

 

 主を守って傷付いた事はレイジングハートにとっては誇り。相棒として、彼女の道具として主人を守ることが使命。そして友達を守る為に力を望んでいるのなら応えるのがデバイスの役目。

 

 

 《大丈夫です……私は大丈夫ですから撃って下さい!》

 

「で、でも……」

 

 渋るなのはに最後の一押しの言葉を使う。

 

 《信じてますから……私はマスターを信じてます。ですから私を信じて撃って下さい!》

 

「……分かった!私もレイジングハートを信じてる!」

 

 覚悟を決めなのはは魔力を貯め始めた。

 

 

 レイジングハートにピンクの羽が付き、魔力が高まるのを感じ取っていく。

 

「レイジングハート!カウントを!」

 

 《YES!10………9……》

 

 結界を壊す為に【スターライトブレイカー】の巨体魔法陣が成形された。

 

 

 そんな物が出来れば、誰もがそちらに気が向く。

 

「まさか……結界を壊す気か!皆!止めるぞ!」

 

「分かってる!アレはヤベェ!」

 

 ヴィータとシグナムは本能で察した。———アレは撃たせてはいけない!と動き出す。だが、この男は違った反応を見せる。

 

 

「………レヴィ」

 

「何ッスか…って!?」

 

 名を呼ばれ夜の表情を見たレヴィは固まった。

 

「……あれ……なに♪」

 

 

 

 ———その悦びの狂気に……

 

 

 

 

 

「…………ア…ハ♪」」

 

 

 

 

 

 

 ☆☆★☆

 

 

 

 

 

 シグナム達がなのはの砲撃を止めようと気づいたということは無論彼等も分かっている事だ。

 

 

「行かせない!」

 

「なのはちゃんの邪魔はさせないよ!」

 

「撃ちなさい、なのは!あたし達が守ってあげるから!」

 

「此処は通さないよ!」

 

 それぞれ相手の前に立ち塞がりなのはを守る様に立ち回る。その姿と声はなのはの目と耳に届いている。その信頼を裏切るわけにはいかないとなのはは更に力をいらる。

 

 

「アリサちゃん…みんなッ!」

 

 《7………6……5……》

 

「まだ……まだ足りないの……」

 

 《4……さ…さ3…》

 

「レイジングハート!」

 

 レイジングハートの声が段々とかされ始め、巨大な球体となっている魔力の塊が一瞬不安定になるが、すぐさまレイジングハートは立て直した。ここで……自分のせいで失敗する訳にはいかない。主人の想いを無駄にはできない。その思いがレイジングハートを突き動かす。

 

 《だ、大丈夫です。……3……2…1…》

 

 レイジングハートのカウントが残り1となり、響き渡る機械音が終焉の声とかする。

 

 

「く!間に合わん!」

 

 シグナムは横目に他の者達を見るが、皆が邪魔されている。ザフィーラもアルフとの殴り合いが終わってない。

 

 

「レイジングハート……いくよ!!」

 

 静かに目を開いたなのはは魔力を貯め終わったレイジングハートを振り上げ発射の構えに入る。

 

 

 

「いち!スターライト……え!?」

 

 

 

 

「「「————へ?」」」

 

 

 

 この時誰もが目を開き、間抜けな声が出ていく。

 

 

 それはそうだろう完全になのはの準備は終わっていた。それがどうだろう目の前の光景は————なのはの胸から手が生えているのだから……

 

「な、なのはぁ!!!」

 

 目を疑う光景に叫ぶフェイト。

 

 

 一方でシグナム達も戸惑いがあったが誰の仕業がすぐに分かる。

 

「何ッスか!あれ!?」

 

「アレは……シャマルだな」

 

「シャ…マルの……技…なの?」

 

 シャマルの魔法を見た事がない二人はなかなか見た目エグい技に引き気味だ。

 

「ああ、確か……

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 シグナム達から離れだビルの所で、金髪ショートボブの女性ことシャマルは一度腕を引き抜いた。

 

「———【旅の鏡】……おっといけないわ、リンカーコアを外しちゃた」

 

 シャマルの特殊魔法【旅の鏡】は転移魔法に分類され、クラーフヴァイトがペンダルフォルムの時に使える。この魔法は物体を『取り寄せ』する魔法である。その取り寄せる時に物体を触るが故に出来るシャマルだけの技である。

 

 シャマルはリンカーコアを外した為、もう一度やり直す。

 

「ん?これかしら……よし!捕まえた……蒐集開始」

 

 

 

 

 

 

 シャマルに見た目胸を貫かれているなのはは、激しい痛みを感じていた。

 

「ぐぅあああーー!」

 

 蒐集によって魔力を抜かれていくために意識を失いそうになるが、なのはは足に残っている力を入れて踏ん張り倒れない。

 

 

(此処で……撃たなきゃ…いけないの。みんなを守るの!)

 

 

 仲間を守る!という想いが、意思が痛みに耐え不屈の魂であるなのはを動かした。

 

「レイ…ジングハート!いける!」

 

 《YES!撃てます!撃ってくださいマスター!》

 

 残っている魔力を含め最後の力を振り絞りレイジングハートを振り下ろす。彼女の使う魔法の中で最強で最凶なシンプルイズベストを貫いた魔砲。

 

 

 

「————【スターライトブレイカー!!!】」

 

 

 バリバリと魔力が集束し圧倒的な砲撃に結界が壊れていく。

 

「…はぁ…はぁ……これで…」

 

 シャマルに魔力を取られ、集束砲撃魔法を使ったせいで魔力が切れたためにもう限界だった。

 

 

「…よ…かった」

 

 

 ——バタンッ!と地面に倒れる。

 

 しかし結界が壊れたお陰で戦況は動く。

 

 

 

 

 

 

 ☆☆☆☆

 

 

 

 

 

 アースラでは急に空間モニターに映った現場のに皆が目を向けた。

 

「結界壊れました!映像出ます!……ってアレはなのはちゃんのスターライトブレイカー!?それに彼女達は一体…?」

 

 エイミィやアースラの局員達は現場の状況に理解が追いついていない。

 

 しかしある人物はある姿に哀しみと憎悪の複雑な目を向けるしかなかった。

 

「……やっぱり…ッ!?」

 

 モニターをいや…ヴォルケンリッター達を見てある確信と複雑な思いで見ていた。

 

 

 

 

 

 

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 夜達は結界が破られた事で撤退の考えを持つ。全員とはいかないが蒐集も大量というほどに集まったのでこの場にとどまる理由は無かった。

 

 《じゃあ私は先に帰っているわ。みんな気を付けてね!》

 

 念話でそう話しシャマルは転移魔法で帰っていく。フェイト達がなのは元に行ったので、一旦シグナム達は地上に降り集まる。

 

「そう言う訳だ。結界が破れ一般人が認知するまで2分。この状態で管理局の援軍を相手にするのはきつい………撤退するぞ」

 

「うむ、異議はない」

 

「私もだ!!」

 

「……僕も……賛成……」

 

「迎えが来るッすから、丁度いいタイミングッス!」

 

 反対意見は何も無いと皆の意見が揃った瞬間だった。シグナム達は空に浮かぶ魔導師の気配を察知した。

 

 

 

 

「———あらあら逃がさないわよ【フォトンランサー】」

 

 

 

 

「ッ!?後ろに下がれ!【障壁】」

 

 言葉と共に撃たれたプレシアの誘導弾に、気付いたザフィーラが盾の騎士に恥じぬシールドを創り攻撃を弾き飛ばす。

 

「母さん!何で此処に!?」

 

 なのはの元に行っているフェイト達もプレシアの登場には驚いていた。

 

「可愛い娘とその友達が傷付いているのだから、親が出ないわけにはいかないでしょ!」

 

 バチバチと電気を纏うプレシアは、夜達にキレているのか彼女最強の魔法を放った。

 

「さぁ!誰か知らないけど私の娘と友達を傷付けた罪は重いわよ!【サンダーレイジ】」

 

 プレシアの魔法陣から電気が生まれ束となり、雷としてシールドを張っているザフィーラに向かう。

 

 この魔法はフェイトを一撃で戦闘不能にし、アースラすらも機能が停止した範囲攻撃魔法だ。

 いくら盾の騎士とは言えザフィーラのシールドだけでは防ぐ事は不可能だった。アースラで観ている者もこの魔法を知っているフェイト達もそしてプレシアですら決まった!と思っていた。

 

 

 

 

 だが———

 

 

 

 

「ザフィ…ーラ…退いて……あれ…斬る!」

 

「………」

 

 背後から聞こえた声に無言でザフィーラは場所代わり、夜が皆の前に立つ。誰も止める訳がない。何も言わない。その必要がないから。

 

 

 そして………

 

 

「夜刀……【鳴神】」

 

 《YES!【鳴神】》

 

「…ふふ…あんなの…見たら…火照っ…ちゃ…う」

 

 夜の声に夜刀が太刀に変わり居合の構えに入ると……ただ一言でいい。狂気的な表情で狂気的な行動を———

 

 

 

 

 

 ————【雷切】

 

 

 

 

 

 グゴゴゴゴゴゴっ!と唸りを上げて迫る雷を一閃。ただそれだけで夜は雷を斬った。斬られた雷は夜達の左右に分かれ、そのまま背後で爆ぜた。

 

 

 

『『『………は?』』』

 

 

 誰が声を出したのだろうか?いや………夜を知らない者が皆声を発した。その信じれない光景に……あまりに非現実的な現実に何かの映像かと目を疑う。

 

 

 人間とは本当に驚きがあった時、思考を停止し動けなくなる。無論、実行した張本人は何事もなかった様に、ただ当たり前の事をしただけだと自然体であるのだ。

 

「ふう……中々良い……雷だった」

 

 先程まで見せていた恍惚な表情は消え、いつもの無関心無感情の夜に戻っている。

 

「うおおおお!スゲー流石ヨル!」

 

「いや〜夜さんの雷切はやっぱり凄いッスね〜〜」

 

 夜の剣技に興奮する二人に、その技に関心を寄せる2人。

 

「……将よ…出来るか?」

 

「…無理だ………いや…いつかは!」

 

 遠い目をするザフィーラに、夜の剣技をいつかは!とシグナムは戦闘狂が出てくる。

 想像を超えた出来事に誰もが動けなかったためにこの対処は不可能であった。

 

 

「すまぬ遅くなった。帰るぞ」

 

 

 くぱっ!と夜達のすぐ側にスキマが開き藍が出てくる。

 

「ん……みんな…帰る」

 

『『ああ(うん、ッス)!』』

 

 そう言って夜達はスキマに入っていった。

 

 

 

 

 

 ☆☆☆☆

 

 

 

 

 アースラでは大半が夜の剣技に固まっていたが、この少年だけは違った。

 

「はやく現場に救護班を!」

 

 戦場ではスピードが命。それが分かっているが故に誰よりも早く指示を出す。

 

「何あれ狐!?探知不可!?………目標ロス…トしました………ごめん……クロノ君…」

 

 エイミィは追跡をしようと試みたが藍の幻の前に目標を見失う。だが、ドンッ!と机を叩き悔しさをあらわにする横ではモニターにシャマルが写り込む。

 

「アレは…ッ!…第一級捜索指定遺失物ロストロギア……闇の書!?」

 

 そう呟く声が聞こえたエイミィは幼馴染の始めて見る焦りの表情に、疑問をぶつけずにはいられなかった。

 

「クロノくん知っているの?」

 

「ああ……ちょっと因縁があるんだ……!」

 

 少年はただ……ただ……強く拳を握り締めるだけである。

 

 

 

 

 

 ————こうしてなのは達は一矢は報いたが完敗で終わるのであった。

 

 

 

 

 

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 それから一時間後、八神家に帰ったシグナムたちは夕食を食べ終わるとごく自然にはやてに接する。

 

「はやてちゃんお風呂に入りましょう!」

 

「そうやな。ヴィータも一緒に入るか?」

 

「おう!あたしも入るぜ!」

 

 そう言ってシャマルがはやてを抱えながらお風呂に行く。これはシャマルの気遣いでもあり、はやてにバレない様にする役割でもあった。

 

「シグナムさん服をめくってください。治療をしますから」

 

 ちょっと渋ったシグナムだが美鈴の目が笑ってないので服をめくってお腹を見せると斜めに傷が出来ており、ザフィーラ など驚きを隠せない。

 

「……シグナムに……傷つけたんだ…」

 

「甲冑を着ていたのだろう?」

 

「ああ……しかし透き通った剣技にだった……もしデバイスが我々と同じだったら苦戦しただろう」

 

 そう言う顔には複雑さと嬉しさが混ざっていた。その間に美鈴が気を当て傷の回復を促進して治していく。

 

「……終わりましたよ。それでは次は夜様ですね」

 

「…な…なん…の…こと?」

 

 挙動不審のバレバレの態度に、笑顔で対応する美鈴は的確に当てていく。

 

「左肩が少し下がっていますよ。多分脇腹でしょ」

 

 夜は完全にバレていると諦めしぶしぶ着物脱いで傷を美鈴に見せる。その傷を見た美鈴は表情を歪め、ゆっくり手を置く。

 

「これは…いつ入れられたのですか?」

 

 夜の脇腹は青くアザが出来ており、隣いるシグナムより酷い。

 

「……剣を弾いて重力球で飛ばした時に、魔力弾を当て……られた見たい…」

 

 あの時誠は、四つ魔力弾を作って二つを千本桜の相殺に使い、残りを飛ばされた時に背後からぶつけていた。元々夜は防御力は皆無だ。夜は力の操作…いわば流れを操るのが上手いのであって、硬さという防御は無い。紙装甲とも言う。

 

 後ろでは藍が『誰だ!主ヨルの肌を傷付けた者は!!』と暴れておりザフィーラが抑えていた。

 

「だから夜刀を使わなかったんッスね。最後の雷切は大丈夫だったんッスか?」

 

「うむ……一撃…ぐらい……なら問題無い」

 

 そんな事を言う夜に心配という思いで美鈴が説教する。

 

「な・に・が大丈夫ですか!雷切なんて負担のかかる技を使ったら悪化するでしょ!」

 

 怒られている夜を見ているレヴィは知っている。あの時の表情、言葉、荒れた気、昔から夜と共にいるからこそ分かる感覚。チラリとレヴィしか見えてない目……。

 

 

(あの時の完全に夜さん…イッてたッスから止められないッス。偶に出るんッスよねぇ〜〜夜さんが感情を出すのはいい事ッスけど…あれは…むぅ〜〜。……あの白い子…夜さんに目をつけられたかもッス)

 

 不幸か幸福か、それは分からないがレヴィからしたら羨ましい()()も含んだ考えだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 美鈴の治療が終わると落ち着いた藍が1つの疑問を口にした。

 

「しかしお主らが苦戦するなどそんなに強かったのか?聞くとはやてと同じぐらいの年齢と聞いたが…」

 

 藍の疑問は美鈴も思った事で、此処に居るものは皆強者の部類に入りそんな苦戦するとは思っていないのだ。

 

 

 ———皆の答えは1つ

 

 

『………強かった!(ッス』

 

 その一言に全てが含まれている。

 

「彼奴らは技術的には我等には及ばぬが……」

 

「才能が凄まじいッス…多分経験を積めば…特に最後の砲撃を撃った子はヤバイッスね」

 

「………僕も油断は無かった……あの男…強かった………次は()()()()()()()()()()()()()!」

 

 いつもの無表情の夜がここまで言う事は少ない。それほど彼等を認めたと言うことでもあるし、此処に居る者は夜の剣士としての顔が見え始める。

 

「確かに強かった……だが———我等が負けるはずは無い」

 

 そうだろう!と言うザフィーラの顔に———当たり前だ!と皆は答えるのであった。

 

 

 

 

 

 

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 はやてが寝静まった深夜、屋上に七人の影があった。

 

「管理局も動き出した……少し遠い場所で蒐集をしよう」

 

「うむ…それがいいだろう。はやて事がバレたら面倒だしな」

 

 シグナムの言葉に同意する藍。なぜ藍がいるのかと言うと夜の負担を減らすためと答える。本人は隠しているつもりだろうが眷属達からすればバレバレ。はやての護衛を美鈴に一任して藍も蒐集に参加することに無かったのだ。

 

 

 ———だからこそ彼女もいる

 

 

「ええ、でもこれから管理局も介入してくるわ。気を付けて行きましょう」

 

「そうッスね。まぁ、自分達がいない時にはやてさんが狙われても美鈴さんが居るので大丈夫だと思うッス」

 

「ああ。主はやては美鈴殿が護ってくれて居る。我等は安心して蒐集に行けるからな」

 

 彼等の美鈴に対する信用はかなり高い。だからこそ全てを出して戦える。

 

 

「絶対にはやてを助けるんだ!そしたら……またみんなで…幸せな日々を過ごすんだ!」

 

「…ん…!……はやて…の…為に…」

 

 小さな身体で大きな幻想を叶える為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ———彼等は止まらない

 

 

 

 

 ———誰かを傷つけようとも

 

 

 

 

 ———自分達が傷付こうとも

 

 

 

 はやてを救いまたみんなで幸せに暮らす為に。初めての居場所を守る為に。

 

 

 ———そう心に秘めて

 

 

 

 

「行くぞ!主はやての為に!」

 

 

『『『おう(ん、ッス、ああ!』』』

 

 

 

 ———彼等は再び動き出す。

 

 

 

 

 

 

 

 




【あとがき】

休みが終わった……。闇の書編終わらなかったよ。
でもここから頑張るで!!


と言いたいですが丁度新学期も始まるので一応みなさんに言っておきたい事があります。

ぶっちゃけ年齢バレますが今年作者は受験生です。(大の方)もう社会人、大学生の方は分かると思いますが結構今年は大事な年なので投稿ができない時があります。

八月からはキツイと思いますね。なので今のうちに言っておきます。パタリと一ヶ月近く投稿が無い場合は受験モードに入ったと思ってください。失踪はしません。ですのでもし続きを楽しみにしてくださっている方々がいらっしゃれば少しお待ちをお願いします。

Twitterなどで生きてる報告くらいはしますのでよければそちらもお願いします。


あ、6月くらいまでは投稿しますよ。

では次回に会いましょう。
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