本日の2話でございます。
あとがきで今後の事を書いているので読んでくださると幸いです。
疲れきった身体に部屋に満ちた無言の空間。
リビングでシグナムは淡々と愛刀であるレヴァンティンの整備、シャマルは減ったカートリッジの補充。ザフィーラは狼モードで床に寝そべっている。藍はソファーに座ってズズズッと茶を飲み、美鈴は台所で昼食の炒飯を作っていた。
時間は13時。
あの戦いから数十時間が経ったが彼女たちの疲労は癒されることは無かった。
「……仮面の男はどう思う」
今まで沈黙を貫いていたシグナムから突如として発せられた一言は美鈴以外の手を止めることに値した。
「シャマルが言っていた奴か…」
そう言うと藍は目の前にあるダイニングテーブルに湯呑みを置き、腕組みして目を瞑った。藍も今まで色んな者達を見てきたが話を聞く限り、仮面の男はどーもキナ臭いと感じていた。
「目的が見えん。助けられた……というには気持ち悪いな」
「えぇ、どうにも納得いかない部分が多いわ。まるで恩を売るかのように、信頼を得るかのようにあまりにもタイミングが良過ぎるわ」
「………そう感じたのならそういうことだ」
ザフィーラの言葉にそうだな、とシグナムは軽く返す。
彼ら自身何だかんだ言っても目の前の大切な者たち以外信用する気は元からさらさら無い。
それにある程度のことは予想はしていた。どういった理由であれ、なのは達のように純粋に突っかかってくる者達より、闇の書というヴォルケンリッターに復讐してくる者達の方が多いと予想していた。
「まぁ、その仮面のものが力を求めるものか、力で成そうとするものかは知らんが、どっちにしても邪魔するものは潰せばいい…わしらの目的を見失うなよ」
「分かっている。…と言いたいがどうやら私達にはしつこい純粋無垢なストーカーが付いているようでな。たまに相手をしなければいけないのでな」
シグナムが本気で言っているのかギャグなのかは曖昧だが、一理あるので思わず皆"ふふ"とにやけてしまう。
「いやいや、あなた達から手を出したんじゃないですか!ったく……シグナムさんは戦闘したいだけでしょ」
「そうとも言うかもな」
丁度調理を終えた美鈴がテーブルに1人一つの炒飯を置きながら、シグナムをジト目で見る。
今、この場にはやてがいないのも戦闘のし過ぎというのが一つの理由でもあった。
「……はぁ。美鈴の炒飯は嬉しいが、この匂いはやはり辛いな」
「……我も匂いが……」
2人……いや、2匹の獣は人より鼻が良すぎる部屋に充満しているお香の香りに不快感を表す。
美鈴特製のお香は空中に満ちている魔力の濃度を増幅させ、疲労、魔力、細胞の活性など様々な効果を発揮するが、その分独特な匂いとあまりにも濃ゆすぎる濃度のせいで身体が幼い者達は酔ってしまい耐えられないのだ。
「仕方ないですよ。あなた達は疲労が溜まり過ぎている。はやてちゃんが居ない今だから出来る薬ですから暫くはジッとしていてもらいます」
「それは…分かっている。しかし身を以てわかるが、確かにこれは主はやてには早いな」
今日は今日からタイミングよく……
もしはやてがいる中でこのお香をしていたら、唯でさえ悪い体調が更に悪化するのは目に見えていたからだ。
だからこそ——美鈴は今日を選んだ。
ヴォルケンリッター達は『自分達は24時間動ける』と言うが、動けると戦えるは別の話だ。もしそれこそ集中力、魔力、体力が切れて途中で脱落されるのが1番の悪手である。過去の過ちは繰り返してはならないのだ。
「蒐集も大切ですが暫くはお休みにしましょう。はやてちゃんが帰ってきたら皆さん構ってあげてください。最近寂しがってますから……」
「……そうだな。刃を交え戦闘もいいが、やはり主はやてと———家族と共にいる方が心地よい」
「ふふ、そうねシグナム」
「……何がおかしいシャマル」
「クク、将が丸くなったということだ」
「…お、お前まで笑うかザフィーラ!」
彼等は笑えている。それだけで心に少しの余裕ができている。
毎日命のやり取りとしているが故にいつも張り詰めた空気を纏っていた。勿論その空気も大事だが、普段の生活にすらその空気を纏うのは褒められたことではない。
だからこそ今は体を精神を休ませなければならない。
それに———
(……そろそろ限界が近いですね。隠してるつもりなんでしょうけど何年の付き合いと思っているのか……帰ったら説教ですよ)
———夜様
「……ん」
体が重い………走ろうとすれば足がもつれる。刀が……夜刀が振れない。目が見えない……視界が暗い。
足元には大量の飛竜が100を超えるであろう飛竜が、部位ごとにバラバラになっており、夜のバリアジャケットである着物、自慢の銀髪が血の色に染まっている。
《夜様!気を確かに!》
「………」
夜刀はずっと声を荒げて呼んでいるが夜からの返事が無い。
夜とヴィータはある世界に蒐集をしに来ていた。連日の戦闘に美鈴やシグナムからは軽めに、と釘を刺されていたが"はやてを助けたい"想いが強過ぎる2人は、いつもの様にいつも以上に蒐集に励んでいた。
そして途中から2人が別れた途端、夜がおかしくなっていった。獲物を見つけると無言で無意識で無茶苦茶に壊して殺していった。
夜刀が止めても止まらず、声が聞こえてないようだった。
———そしてこのザマだ
「………や……と…」
《…意識が!?夜様身体は———動きますか!!》
「……む……り…。…意識…も…やば…し」
《…ッ!!そうですか……今すぐヴィータ様を呼びます(もうきましたか……あの野郎…クソが!)》
夜刀を片手に棒立ちの姿は無防備で今襲われると相手次第では逆に
「…………ね…むい」
それが最後に夜は瞼を閉じた…
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〜ある星のある場所で〜
何故だろうか……いま…あったかいものが何かを浄化してれる。目を開ければ———紅の髪が目の前をよぎった。
「…!………めーりん?」
「あん?……お!ヨル起きたか!」
「……あ…れ?………ゔぃーた…」
気づけばヴィータに背負ってもらっていた。
小さな体で優しく夜を支えて力強く歩く姿に、何故か背中が大きく感じた。あの日のように……。
「今は寝てろ。あたしが守るから」
「……うん………頼ん…だ」
嗚呼、この言葉を聞いたのは——いつだったか…何処だったか
でもなんか———
『……夜様…私が…貴方を———』
懐かしいや…………
あれ…………………………………■■■■
【あとがき】
ここまで読んでくださりありがとうございます。
まず今日まで投稿できなかった理由+言い訳ですが、一つは簡単に言えば時間がありませんでした。
しかし感覚を空けすぎたことは申し訳ない。
後fgoをやりすぎてました(笑笑)
来年ですが三月まではどれだけ投稿できるが不明です。新話までは何話かまとめて出します。
読んでくださる読者の皆様には少々お待ちになってもらう事になるかもですが、頑張って書きたいと思いますので読んでくださると幸いです。
では、今年関わってくださった読者の皆様。出すたびに読んでくださる方々今年一年ありがとうございました。そして宜しければ来年もお付き合いください。
長くなりましたが、良いお年を〜!
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