英霊召喚の光が収まる。
それでも私はまだ眩しさを感じていた。光が収まっても尚、いや尚更、強く。
これが、英霊……。
目に飛び込んできたのは黄金の輝き。
全身を金色の装束で包み、黄金の仮面に頭の上で回る王冠。
その小さな体躯からは可愛らしさや愛らしさを感じる。多分中学生よか、もしかしたら小学生ぐらいの女の子。
これだけなら私はお姫様の英霊か、あるいは演者、道化師のような英霊だと思ったと思う。
でも、その子の光が。輝く瞳が違うのだと感じさせた。
金色の装束よりも輝き
黄金の仮面すらも霞む
頭に回る王冠は、なるほど彼女によく似合う。
キン
足音が響く。彼女が……いきなり崩れ落ちた。手を地面について項垂れたのだ。
え?
「や、やっぱりクルルカンなのね。めっちゃビビられてるし。そうよね向こうじゃ有名でもこっちじゃただのピカピカの不審者よね、不審者、ふ、ふふふ……」
な、なんだろう、クルルカンって……。慰めるべきなんだろうか。
『――――召喚時にダウンロードしたデータベースを参照。全盛期の姿に起因』
『>>>その、なんかごめん』
え、誰?
別の女の子と男性の声がしたので慌てて周りを見渡すも、声の主はいない。それどころか、マシュにも所長にも聞こえていない様子だ。
所長は「子供……カルデア終わったわ、人理終わったわ」と、お山座りして凹んでるので聞こえてたとしても気づけたか怪しいが。
マシュはマシュで、先輩がなんとかしてくれるはずみたいな、無根拠な信頼の目を寄せてくるし。やめて、初めての英霊召喚でこんなカオス受け止めきれない。
ロマニは……駄目だ、通信が死んでる。本当に繋がらないのか、向こうで繋がらなくしてるのかは分からないが、役にたたないモヤシである。
仕方ない……。
あの……。
そういって声をかけると、黄金の女の子は顔を上げた。
英霊ちゃん半泣きである。
い、いやぁぁぁ可愛いぃぃぃぃ!
はぁはぁ、後でお姉ちゃんと良いことしようね、うふふ。
とか心の中で思っていたら思いっきり後ずさりされた。何故だ、私のポーカーフェイスは完璧だったはずだ。
『>>>僕たちの方には流路を通して駄々漏れだったよ』
流路? パスの事かな? 謎の男性の声も念話というものなのだろうか。
むむむ、駄々漏れなのはいただけない。仕方ないな、ここは特異点攻略を優先しよう。
『>>>こ、この娘が人理の最後の希望なのか……ふ、不安だなぁ』
人理? よくわからない単語が出てきた。いや、そういえば人理継続保証だとか……マシュの手をとったとき、真っ赤なカルデアスを……見た、ような……。
あ……。
「大丈夫?」
そういって手を握られる。
「ごめんね、先輩ってデリカシーないから」
『――――是。後でお仕置きを実行』
『>>>ちょっ、僕悪くなくない!?』
先輩ってこの男性の声なのか。この子がそういうってことは、この子のスキルのようなものなのだろうか。
『――――是。的確な表現』
そ、そうなんか。サラリと心の声が聞かれてますがな。
男性曰く、パスが繋がっているから聞こえてるんだっけ? じゃあ逆にこちらから聞く事も可能なのでは?
つまり
つまり
つまり
この英霊ちゃんの心の声を聞くことができるということ!
先日まで素人? 幼女の為なら無理でもやってみせるっ! 唸れ私の魔術回路!
「うえっ?」
!!
あ、あかんわ、この子私の心配しかしてないわ。
私の体の震えは手の暖かさと心の暖かさに触れて止まっていた。
『――――警告。次回、同様の事を行った際はファイアウォールで迎撃対応』
「クラウン、大丈夫。不安だからはっちゃけちゃってるんだって」
はは……。はぁ、確かにそうかも。
大丈夫だと、手を離してもらう。
そしてその手を差し出した。
「私は藤丸立香、あなたは?」
キョトンと目を丸くする英霊ちゃん。自己紹介、してないよね?
慌てて握り返しされた手は、普通の女の子のように柔らかかった。
「わた、私はアンティ・クルル。フォーリナーのアンティ・クルルよ!」
「よろしくアンティ」
にっと笑ったアンティは、いい笑顔だった。
ところでフォーリナーってなんや……?
続かんで
フォーリナーって二次創作用だよね