かるくゆるくガバガバ二次創作です。
私はアンティの事を「アーチャー」のような英霊なのだと思っていた。骸骨は遠距離から倒しているし、マシュを守ったのも吹き飛ばされた先からやってのけたのだから。
対して紫髪の敵は、武器からするとランサー、あるいは理性が薄そうだからバーサーカーなんだと思う。
アンティを思いっきりぶっ飛ばした辺り、筋力も相当高い事が伺える。
だから、遠距離vs近距離といった戦いの流れを予想していたのだ。
まさかアンティから距離を詰めて、紫髪を思いっきり殴り飛ばすなんて考えてなかった。
「よぉし、一発返したぁぞぉ!」
……すご。
一般人たる私には今のがきちんと見えたわけじゃない。アンティが急加速して、アンティが右腕でぶん殴ったのだけが分かった。それで、今度は紫髪が瓦礫に着弾した。まるまるやり返したような形だ。
マシュ、見えた?
「は、はい。信じがたい光景ですが……」
アンティが急接近した時、紫髪はアンティを迎撃しようとした。その槍をアンティは右腕一本で弾き
ええぇ、紫髪はマシュの大盾をかち上げていたのよ。決して力が弱い訳じゃない。その相手に、両手で持っていた武器を弾いて飛ばすって……。
アンティが一番腕が細っこいのに、一番力持ちなんだ……うわぉ。
……ベッドで襲うときには搦手やな。
『>>>こらこら、冗談言ってないで集中して。骸骨も今の音で集まってきてるからね。ほら! クラウンちゃんもマスターにストーンスタンプしようとしないで!』
『―――敵対意思を感知しました。クルルカン、何故止めるのですか』
『>>>襲うってそういう意味じゃないからね!』
ストーンスタンプってなんや。嫌な予感しかしないので言われたとおり冗談は自重しよう。確かに骸骨もワラワラ群がってきているしね。
距離は遠いけど、迎撃する心持ちでいたほうが良さそうだ。
マシュ。
「はい、先輩」
うむ、頼もしい。
数が多いから所長も援護を……腰が抜けているようだ。戦力になりそうにない。
まじかー。
私は援護できるような魔術なんて使えないし、アンティは……。
『>>>さっきの奴、瓦礫の中でこっちの隙伺ってるからね。負ける気はしないけど、そっちの援護まではちょっと厳しそう』
おぅふ、あれで倒せてないのか。
見たところアンティもダメージあんまりなさそうだし、英霊って丈夫なんだなぁ。
えーっと、ロマニ。
『へ、な、なんだい?』
骸骨の数教えて。
『あ、ああ、って何だいこの数! 動態反応は、㊻体!?』
ロマニ、ちゃんと仕事して。
まぁ『クルルカン先輩』の声は私にしか聞こえてないんだけど、こっちでも視認できてるんだから、敵の反応ぐらい気付いてほしい。
しかし、マシュだけだとちょっとこの数は厳しいかな。
「大丈夫です。先輩は私が守ります」
マシュ自身も守ってほしいなー。
ま、私もちょっと頑張りましょー。
「せ、先輩?」
投石とか囮ぐらいなら出来るんだゼ。
「だ、駄目です! そんな」
大丈夫、マシュが守ってくれるからさ。
「で、でも」
じゃあ、そんなマシュにおまじないをしてあげよう。
令呪を以て命ずる――――
◆◆◆
「令呪を以て命ずる――――」
向こうは何とかなりそうだね。
問題は、こっちかな。
「よ、良かった、生きてるんだ……」
『>>>アンティ、あれは敵だし、幽霊と同じなんだよ。骸骨と同じでとっくの昔に死んでいる存在だ』
「わ、分かってるわよ」
……アンティは、あの敵が瓦礫から全然出てこないから、やり過ぎたかもって心配し始めた。
向こうで色々な戦いをしてきたアンティだけど、対人経験は驚くほどに少ない。そして、英霊は人にしか見えないのが問題だ。
さっき殴った時も、トドメをさそうと思えばさせた。今も飛び道具でも打ち込めば倒せるかもしれない。
でも、アンティはそれをしない。
『――――アンティ』
「分かってる、分かってるのよ……」
これは、乗り越える必要のある壁だ。
カルデアが今どこまで理解しているのか分からないけれど、この人理を巡る戦いはこの特異点だけに留まらない。長く続く戦いになる。
それはきっと、人との戦いが多くあるのだろう。
その時に戦えないなんていう甘いことは言えない。
人理は崩壊しているのだから。
『>>>くるよ』
アンティにとってこの戦いは必要なのだ。
主人公の心の壁が出てくるとエタるフラグだ。俺には分かる。