転生先は学校という名の箱庭   作:レモネード

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第1箱 これが俺の

とりあえず、軽く自己紹介しておこう。

 

俺の名前は『風成 龍軌』、都内でも結構有名な私立大学に通っていた大学二年生である。

 

成績も良く(自分で言うのもなんだが)、充実した大学生活を送っていた訳だ。

 

そんな生活の中、俺はタンクローリーに潰されて死んだーーらしい。

 

正直今も実感が湧かない。これが夢だと言われれば、素直に信じてしまうだろう。だが、どんな時代、どんな世界でも、現実は事実を無感動に突きつける。それはこの世界でも例外ではないようだ。

 

周りは木々に囲まれ、所々に射している木洩れ日が、今まで生きてきたのとは違う世界であることを思わせる。

 

どうやら転生は成功したようだった。まあ、いきなり空中に現れて頭を思いっきり地面にぶつける転生が成功といえるのかどうかは分からない。ていうか、成功以前の問題だろ。

 

「ーーったく、何がケジメだあの界○さんは……」

 

思わず呟く。

 

「……ところで、ここは本当にどこだ?」

 

転生したということは、ここはめだかボックスの世界で間違いないはずだが、これでは何も分からない。

 

ひとまず周りを見回してみると、

 

「…………?」

 

少し離れた場所に手紙が置いてあった。近づいて手にとって見てみる。特に宛名は書いていないようだった。

 

「……いいよな?」

 

口を開けて、中に入っていた紙を取り出す。

 

読んでみると、

 

『よう。俺だよ俺、神様だよ。』

 

文面で言われると、改めて怪しいと思う。

 

『まず初めに、転生は成功したからな。そこはめだかボックスの世界で間違いないぜ。』

 

ふむ。

 

『それと、頭ぶつけたのはわざとだ。痛かったか? よしよし。』

 

……俺の拳が疼くのは気のせいではないはず。

 

『というのも、普通に転生したんじゃ変に緊張感が出てきて楽しむもんも楽しめなくなるだろ? 俺なりの気遣いだよ。受け取ってくれ。』

 

気遣いが荒っぽ過ぎて、素直に礼も言えない。

 

『ーーさて、本題に入ろうか。』

 

 

『さっき言い忘れてた事があってな。まず身体能力の事だ。』

 

『あって困ることはないだろうから、とりあえず強化しておいた。具体的な説明は省く。自分で試してみた方が分かるだろうからな。』

 

『当然、鍛えたらその分強くなる。テンプレだと思ってるかもしれないが、実はそうでもない。二次系統の世界じゃこれが普通なんだよ。』

 

『分かりやすい例を挙げると、ドラゴン○ール。あの世界だと鍛えたらそれだけ強くなるだろ? 速さを鍛えれば目に見えない程で動けるし、力をつければ山をも砕く。イメージとしてはそんな感じだ。』

 

『まあ、あの世界は例にするにはちょっと極端過ぎるんだが。本質はどの世界も変わらない。鍛えれば、強くなる。明確に。確実に。普通以上に。異常な伸びで。』

 

『そんな訳で、頑張って鍛えてくれ。その世界は鍛え過ぎても困ることはないと思うぜ?』

 

『あと、スキルの事だが……中々な仕上がりになってると思う。使いこなしてみな。』

 

『伝えたかった事は以上だ。それじゃ。ーーPS.この手紙は読み終わると自動で処分される。』

 

 

読み終わると、火がついてあっという間になくなった。どうやら神様は凝った演出が好きらしい。

 

「……そうだな、まずは……」

 

俺は目を閉じる。目的は当然、

 

「……なるほど、これがスキルって奴か」

 

転生した時から何となく違和感があった。心に何か引っかかりがあるような、違和感。それがスキルだった訳だ。

 

「じゃ、さっそく」

 

俺はどんなスキルかを確認し始める。

 

しばらくして、

 

「……へえ、こいつは中々面白い」

 

笑みを浮かべる。凝った演出が好きらしい神様らしい能力だ。中々な仕上がりというのも頷ける。

 

「ま、これは後で使ってみるとすると、問題は身体能力か……」

 

この能力からすると、使えるかどうかは身体能力にかかってくる。少なくとも、今の段階では。

 

足に力を込める。まずは全力。

 

「ーーーーふっ!」

 

思いっきり地面を蹴った。瞬間、

 

「ぶっ!?」

 

顔を思いっきり木にぶつけた。周りは木しかないし、当然か。

 

「…………」

 

さすがに阿呆だと思わざるをえない。どうやら初めて持つ『力』を早く試したくて焦っていたようだ。

 

そしてどうやら、『力』を俺は手に入れたらしい。実際、さっきの速さは俺の感覚を完全に超えていた。だから木にぶつかった訳だが。

 

「とにかく、これを試せる場所に移動するか……ここにずっといる訳にもいかないし」

 

そう言って俺は木々の間へと姿を眩ませた。

 

 

 

 

 

「……こんなもんか」

 

俺はさっきの森を抜け、開けた場所にいた。遮る物も無く、試すにはちょうど良かった。

 

そして先ほど、現在の身体能力について計測し終わった。かなり大ざっぱだが、まあいいだろう。

 

その結果は、

 

「50mが大体3秒ジャスト、俺の高三の時のタイムが確か6.7秒ぐらいだったから、大分速いな。まず人間超えてるし」

 

十分速いが、鍛え方しだいでもっと速くなれるだろう。

 

次に、

 

「手で掴める程度の石なら軽く砕ける。拳を振れば自動車ぐらいなら壊せるかな……最初にしては問題ないだろ。これならスキルも使えそうだ」

 

さらにここから強くなるとなると、最終的にはどこまで行くのか。

 

「……楽しみになってきた」

 

笑みを浮かべながら、これからの事を思い浮かべる。原作開始まであと二十年、やるべきことはたくさんある。

 

「……腹減ったなあ」

 

ひとまずは、腹ごしらえか。

 

「近くに街あるかなあ……まあそんな遠くに転生する訳もないか」

 

腰を上げて街があるかもしれない方向に進む。

 

が、

 

「そうだ、スキルの名前考えてなかったな」

 

これから使うことになる能力だ。名前は付けた方がいいだろう。

 

「…………よし、決めた」

 

こんな凝った内容だし、ちょうどいいだろう。

 

「これが俺の、転生能力ーー」

 

 

 

 

 

「成長のスキル、『一次征頂』(レベルアップ)

 

 

 

 

 




そこまで話が進んでいません。まあ基本設定の説明ですね。
ちなみに、龍軌がめだかボックスを知らないのにスキル名がめだか的になったのは、龍軌がこういう感じの名前が好きだから。
次話からは本格的に話に入っていきます。
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