1 高校生活
ガラっと音を立てて扉が開かれる。
開いた扉からは白髪で瞳の色は翡翠色をし白衣を着ている高身長の男性が入ってきた。
「授業始めるから皆んな席に着きやー。」
「先生ー授業始まる十分前ですよ!?早くないですかー。」
一人の女子生徒が先生に抗議を申し立てると他の生徒たちもその意見に同調するかの様に声を上げ出す。
「いやいや、今日は特別授業やってこの前言ったやんか。ほやから早く始めて実験するんやで?」
生徒たちはその話を聞き理解した様で授業の準備を始める。
ハヤテはその姿を見てもはや先生としてしっかり働いてるなぁっと思うのであった。
それもそのはずである、ハヤテが春から駒王学園に入学するにあたって眷属達をどうするか話し合った結果、全員人化出来ると言う衝撃の事実を知り、人化してこの学園の教師としてねじ込んだのだから。
つまりあのエセ関西弁の教師は関西弁の時点で察しがつくであろうがリオンなのである。
(リオン、今度はなんの実験をするんだ?危なくなければ良いけど。)
すると一人の女子生徒がハヤテの服を引っ張る。
「ハヤテさん、申し訳ないんですけど教科書を忘れてしまって見せてもらえませんか?」
「別に構わないよ。」
と言いハヤテは教科書を見せるために机をくっつけるハヤテに教科書を見せて欲しいと頼んだ彼女の名前は塔乗 小猫と言い、彼女もハヤテと同じ悪魔でありハヤテの良き理解者の一人でもあった。
「それじゃ授業始めるでー。」
リオンの発言により授業がスタートする。
リオンは授業は最初の方はまともな授業だと言うのに後半からは電気を使った実験を始めもはや途中から授業ではなくなってしまったのだ。
しかし、リオンの授業は生徒からの評判も良く教員たちからもどうやってもそんなに生徒に興味を持ってもらえる授業をするのか質問を受ける程になっていた。
「はぁ、リオンの奴また途中から授業じゃなくしてテスト範囲まで進むから良いものの僕からすれば迷惑極まりないなぁ。」
「ですが、リオン先生の授業は受けていて楽しいですからね。皆んなからは次はどんな実験をしてくれるんだろうって楽しそうに話してますよ。」
「まあ、普通はそうだろうね。僕の場合は極力面倒な事は控えたいからリオンの授業は迷惑なんだよね。」
ハヤテも自分の言っている事はまあ自分勝手だと思っての発言である。
「けど、ハヤテさん嬉しそうですよ?リオン先生の授業が好評で嬉しいんじゃないですか?」
小猫のはその発言に対してハヤテは顔を赤らめてそっぽを向いてしまう。
「仕方ないだろ!僕の眷属が色々と人気なんだからそれに子供の頃から一緒に居るんだ、嬉しいさ。」
「そうですか。それは嬉しいですね。」
小猫は楽しそうにくすくすと笑う。
ハヤテはバツの悪そうな顔をして子猫を見る。
「それとさぁ、小猫ちゃんそろそろ俺の事さん付けて呼ぶのやめてくれない?なんかよそよそしくってさ。」
「そうですか...ならはーくんって呼んでも良いですか?」
ハヤテは少し顔をしかめると
「別に良いけど、セラ姉さんの前では呼ばない様にしてね。」
ハヤテはバツの悪そうに小猫へ言った。
小猫も笑いながら返事を返す。
「わかりました。はーくん。」
ハヤテが帰ろうと外に出ると女性の怒鳴り声が聞こえてくる。
「コラー!!待て!兵藤!この変態。」
ハヤテが声の聞こえる方を見るとそこには一人の男性生徒が複数人の女子に追われていた。
「あの先輩はまたやってるのか。」
そう言うとハヤテは走り出す、そして兵藤と呼ばれた男子生徒の前に立つ。
「くっ!?ハヤテお前か!」
「イッセー先輩またやらかしたんですか?またゲーセンとかに付き合ってくれるなら今回も見逃してもらえる様に配慮しますけど?」
ハヤテは黒い笑みを浮かべながらイッセーに選択権を与える。
イッセーは一瞬の迷う様子もなくすぐ答える。
「お願いします!!」
「了解です!」
ハヤテは流れる手つきでイッセーを地面に痛めつけない様に軽くて組み伏せ、女性陣の方を向く。
「先輩方、イッセー先輩に関しましては僕が捕獲して先生のもとに連れて行きますので他のお二人を探してきてはどうでしょう?」
ハヤテは爽やかな笑みを浮かべ女性陣に語りかける。こんな事を言っているがハヤテはイッセーを先生のもとに連れて行く気などないリオンなんかにイッセーを連れてきたと嘘の発言をしてもらえば万事解決だからである。
「そう?ハヤテ君がそう言うなら他の二人を探すわ。兵藤の捕獲ありがとうね!」
そう言い女性陣にはハヤテ達の側から足早に去っていった。
「イッセー先輩...もうそろそろ良い加減にしたらどうですか?」
ハヤテはイッセーをジト目で見る。
「くっ!ハヤテけどな俺たちの目的は!」
「あっ、そういう言い訳いいんでさっさとゲーセン行きますよー。」
ハヤテは話など聞く耳を持たずさっさと走り出す。
「あっテメ、ハヤテ待ちやがれ!」
そんなこんなでイッセーもハヤテを追いかけゲーセンに向かうのだった。
しかしその光景をとある人物はしっかりと見ていた。
「はぁ、ハヤテったらまたイッセー君を連れて行ってきましたね。」
「まあ、会長そう言わずにハヤテ君にだって考えがあるんですよ。」
「無いわよ、椿あの子はそういう子だもの自分のやりたい事をする子イッセー君の事を気に入ってるから連れ回してるだけなのよ。」
(そこが可愛いところでもあるのだけれど。)
「会長も素直じゃありませんね?ハヤテ君の事が心配なんでしょう?」
「なっ!?別にそんな事は...」
ソーナは顔を赤らめて口籠る。
「大丈夫ですよ、私も兵藤君と付き合っているのはどうかと思いますが、ハヤテ君は聡明な子です、会長や考えている様に悪い方向には進みませんよ。」
「別にそんな事心配しているわけでは。」
「では、そういう事にしてこの話はやめて仕事に取り掛かりましょうか?」
そう言い椿は仕事を再開しだす。
ソーナは弟の事になると椿には一切勝てないのであった。
「さて、イッセー先輩今日はお疲れ様でした。」
「おう、お疲れ。今日は助かったぜ。」
「もう今度からはあんなふうに助けませんから自分でどうにかしたくださいね?」
「おう、頑張るわ。じゃあな、気よつけて帰れよ。」
「イッセー先輩も気よつけて下さいね。」
二人は別れてそれぞれの家に帰宅するのであった。
「ただいまー。」
「おかえりなさい、遅かったですねハヤテ君。」
ハヤテが家に帰るとそこにいたのは椿だった。
「椿さんがなんで家に?」
「私が居ては何か不都合でもあるんですか?」
「いえ、別にそういう事ではないですけど。」
「なら、良いじゃありませんか。」
そう言い椿はハヤテに手招きをしてリビングまで先行ってしまった。
ハヤテは荷物を玄関に置きリビングに向かう。
「さて、ハヤテ君に単刀直入に聞きます。会長の事をどう思っていらっしゃるんですか?」
「ソーナ姉さんの事ですか?」
ハヤテはその質問の意図が分からず、聞き返してしまう。
「ハヤテ君は駒王学園に来てから会長の事を避けている気がします。だって名字も違う名で学園に入って来ましたからね。」
椿の言うことにハヤテは反論など出来なかった。
事実ハヤテはソーナが名乗っている支取という名字を名乗らず、霧島という名字を名乗っている。
「いえ、避けていると言うよりもあの時からソーナ姉さんにどう接して良いか分からないんですよ...名字を霧島と名乗ったのは僕みたいな自由気ままな奴が弟だなんて思われてもソーナ姉さんに迷惑でしょう?」
「ハヤテ君それは君の逃げです。会長は君の事を本当に心配していますよ?貴方が別の名字を名乗って学園に入るのだって自分の事を嫌っているから違う名字にするのではないかと考えていたほどです。」
「いえ、別にそんな事は...」
ハヤテはそれ以上のことを何も言えず口籠ってしまう。
「ですから、ハヤテ君明日会長に会って話でもしてあげて下さい。会長もきっと喜びますよ。」
椿は最後にはハヤテに笑顔を向けてリビングから出て行ってしまう。
「ソーナ姉さんか...」