ダンジョンで様々な出会いをするのは間違っているだろうか   作:ダーク・シリウス

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冒険譚61

その時。バチバチと空間に放電が走り出す。全員、突然の異常現象に警戒して距離を取り女神を守らんと臨戦態勢の構えをして渦巻く空間を睨みつける。何が起きるか、何が出てくるかわからないまま歪み続ける空間は徐々に口が開くように楕円形に広がり―――。

 

「やった、久しぶりに成功よー!」

 

「よくやった、一香ー!」

 

空間の穴の向こう側から、誰もが信じられないと言った表情で硬直した。何故なら、元の世界に帰ってしまったはずの一誠の両親が異なる世界と世界の間の次元を繋げては、異世界にやってくるという前代未聞の偉業を成し遂げたのだから。更には二人の背後には大勢の男女が控えていた。

 

「おっ、よ、皆さん久しぶり!今度は息子の家族も連れて遊びに来たぜ!」

 

「試験的な段階だけど、これが確実ともなれば帰りを待つまでもなく行き来できるわね!」

 

朗らかに挨拶を交わしてくる黒髪黒目の中年の男性とウェーブが掛かった亜麻色の髪の女性二人と対極的に言葉が出ないアスナ達は、どう言い返せばいいか困っているところ。

 

「あ、お父さんとお母さん!」

 

「おー、一誠!・・・・・ん?一誠?」

 

「あら?子供の姿になってるの?懐かしいわね!」

 

「助けて、この人達に苛められる!」

 

「「・・・・・?」」

 

そして、今の一誠の言動に疑問符を浮かべこの世界の者達に尋ねるのは時間の問題だった。

 

「「どういうこと?」」

 

 

場所を移してLDKに戻り、かくかくしかじか・・・・・今までの経緯を説明し、自分達も困惑しているという旨も伝え一誠の両親達も嘘ではないことを受け入れながらも信じられないと言った感じで感極まっている大勢の男女にもみくちゃされている一誠を見つめる。

 

「原因不明の幼児化か・・・・・」

 

「困ったわねぇ。リーラはともかく他の子達には会わすのはちょっと難しいわねこれは」

 

「ということは」

 

「「でもまぁ、何とかなるでしょ、可愛いし」」

 

あっけらかんと特に問題視はしない態度の二人に「それでいいのか」と戸惑いの色を浮かべてしまう。

 

「おい猪、あの者達は誰だ」

 

話が進む中、誠達を知らないザルドとアルフィア。オッタルも知っているだろうと高を括って詳細を求めた。

 

「イッセーと同じ異世界の人間でイッセーの生みの親にして、元【ウラノス・ファミリア】の生き残りの眷族。そして【古代】から生きる英雄だ」

 

「【ウラノス・ファミリア】だと?何を馬鹿な事を言っている。千年前の、英雄の時代の者が千年も生きられる筈がない」

 

「異世界には半永久的に生きられる手段があるそうだ」

 

「・・・・・仮に、それが本当だとしてあの二人のLv.は?」

 

「14、いや15になっているやもしれない」

 

ゼウス・ヘラの【ファミリア】の団長よりも上回るLv.の元冒険者達。それだけあの時代は過酷であったから二桁の数値のLv.を叩き出したのか、と驚嘆に値すると思う二人であった。

 

「あの、連れて帰るんですか?」

 

「うーん、遊びに来ただけなんだがまさかの幼児化になっているからな。この頃の息子のことを知らない君達じゃあ苦労すると思うから、それも吝かではない」

 

「いっくん!いっくん!」

 

「お久しぶりです、一誠様!ああ・・・懐かしい・・・・・!」

 

「―――会いたかった、麗しの我が美少ねぇええええええええええんっ!」

 

「一誠ちゃああああああああああんっ!」

 

「一誠殿ぉおおおおおおおおおおおっ!」

 

「ひっ!誰ぇっ!?」

 

「プライミッツ・マーダー!」

 

「お父さん!」

 

「サンダーキーックッ!」

 

一誠に理性を失って襲い掛かる白髪の美しい男性。その真上から白い獣が強襲して床に叩きつけながら抑え込む。筋骨隆々の男は小豆色の長髪の女性が振るう椅子に張り倒され、灰色で細長の男性はメイド服を着込んだ女性が雷を纏う足蹴りで鎮圧。一連の様子に神々と冒険者は呆然と化した。

 

「油断も隙もないわね本当に」

 

「姫!せっかくの感動の再会を邪魔しないで欲しいのだが!?」

 

「普通に話しかけるだけならしていないわよ。貴方、どさくさに紛れて血を吸おうとしたでしょ。それに思いっきり怖がられているから止めに入るのは当然でしょう」

 

「やはりこのバカだけを置いていくべきだったか」

 

黒い長髪に赤い瞳の身体がユエと同じぐらい小さい少女と黒い鎧を身に包む黒髪と黒目の男性が呆れ返った反応を窺わせる。

 

「・・・・・私達の事覚えていないみたいだけれどそれでも言わせてもらうわ。久しぶりね」

 

「だ、誰・・・・・?」

 

「私はアルトルージュ・ブリュンスタッド。彼はリィゾ=バール・シュトラウト。この子はプライミッツ・マーダー。で、これはフィナ=ヴラド・スヴェルテン。私達は吸血鬼よ」

 

「姫、私の扱いが少々雑なのでは」

 

等と一誠を中心に騒々しい程の賑やかさの最中、十数人以上もいる女性達は一誠を囲い抱きしめたり頭を撫でたり再会の喜びも噛みしめている。

 

「小っちゃい頃のイッセー君なんてすんごく懐かしい!」

 

「そうだね。昔を思い出すよ」

 

「にしても、一体どんな生活をしたらこんな風になったんだろうな」

 

「いいではないか。とても弄り甲斐があるというものだ」

 

「可愛い」

 

「ふふふ・・・・・」

 

もみくちゃされる一誠の姿は多くの女性達の身体で隠され見えなくなっている。永遠に終わらないと思っていた再会の光景は一香が手を叩き声を発したことで終わった。

 

「皆の気持ちを尊重したいところだけど、この世界の一誠の家族にも向き合わないと駄目よ?ということで誠、お願いね?」

 

「任せておけ。んじゃあ、まずはお互い自己紹介!一誠のことに関する話も交えれば会話も弾むだろうからな!」

 

「ならば俺から名乗ろう」

 

象頭の仮面をつけている褐色肌で筋骨隆々の男神がそう言って―――変な姿勢(ポーズ)をしながら名乗る。

 

「俺が、【ガネーシャ・ファミリア】の主神、ガネーシャだ!よろしくな、異世界の子供達よ!いつもイッセーの料理を食べているゾウ!」

 

「ほー、いきなり神が名乗り出てくるってんならこっちも神から名乗るべきだろうな」

 

と言って、浴衣姿の男性こと椅子で殴られた彼が前に出て己の名を名乗った。

 

「俺は天使を束ねる神の補佐を務める神王ユーストマってんだ。そんで俺の可愛い娘のリシアンサスのシアだ」

 

「リシアンサスです。どうぞ、気軽にシアって呼んでくださいっす!」

 

「神ちゃんの次は当然私だね。私は冥界に存在する悪魔を束ねる五大魔王の一人、フォーベシィだ。そして私の娘であるネリネちゃんとリコリスちゃんだ」

 

「ネリネです。よろしくお願いします」

 

「妹のリコリスです。皆さん、よろしくねー」

 

青い長髪に赤い瞳。双子で姉妹故、名を教えてもらえなければ間違ってしまうほぼ顔が同じ容姿である。

 

「神と魔王・・・・・っ!」

 

異世界の神魔の存在を前に海童は感動で身体を打ち震わせる。アスナも魔王という存在にとても興味津々でフォーベシィを見つめる。

 

「あの、仲がいいんですね?」

 

「おうとも!」

 

「私と神ちゃんは親友だからね!」

 

肩を組合い仲の良さをアピールする二人を見て信じられないと「神と魔王が親友?俺の知っているファンタジー小説にそんな関係の話はなかったのに・・・!」等と呟く海童がいた。

 

「そして一誠殿の義父になる予定だ!」

 

「そして一誠ちゃんの義父になる予定なのさ」

 

『・・・・・義父?』

 

自然とそうなる要因である三人の娘達に視線を送ると、照れた顔で微笑んでいた。

 

「私達の世界は一夫多妻制っすからね」

 

「一誠様を慕う女性は多いですけど」

 

「うんうん、皆仲良しだし結婚しても何も問題もないもんねー」

 

・・・・・皆?目の前にいる女性達全員が・・・・・一誠と結婚を望んでいる?

 

「「「・・・・・」」」

 

異世界人達が自分達の恋敵だと知るや否や、アイズとアリサにラトラが揃って前に出た。

 

「「イッセーは渡さない!」」

 

「負けません!」

 

「せやせや、ウチとソシエと春姫が旦那様と仮とはいえ結婚しとるんや。負けらへんわ!」

 

「そうだそうだー!イッセーの子供を産む予定何だから邪魔しないでよー!」

 

「ユ、ユエルちゃ~ん・・・・・」

 

「あ、あの、仲良くした方が・・・・・」

 

『・・・・・結婚?』

 

聞捨てにならない、どういうことなのかと説明の要求の気配を醸し出す異世界の女性達。彼女達の心情を読み取った風にアマテラス達が口を開いた。

 

「私アマテラスと彼女イザナミに彼イザナギの国と同盟を結んでいます」

 

「イッセーは滅ぼされかけた一国を救い、私とイザナミの二国の戦争を停め、三国の同盟まで結ばせた極東の英雄故に」

 

「極東の更なる繁栄の為に貴族となったイッセーには、仮とはいえ極東の民を納得させるために結婚をさせることにした」

 

「「そしていずれは、私達もイッセーと結婚を望んでいる」」

 

女神も一誠を慕う事実に互いが互いを恋敵として認知した瞬間だった。

 

「むむむっ、イッセー君と小さい頃からの幼馴染としては負けられない展開ね!」

 

「私は小さい頃からイッセーの弟子!」

 

「ほう、一誠が育成をしているのか。さぞかし強いのだろうな?」

 

「愛する気持ちも負けない!」

 

「ははは、面白いなぁー。その喧嘩、お姉さんが買ってもいいぞ?」

 

濡れ羽色の長髪に赤い瞳、黒い着物に上掛けを羽織っている女性が戦意の光を双眸に孕ませた途端。アルガナ、バーチェ、ベルナス、エルネアが彼女の戦意に感じ取り呼応するかのように、敵意と殺気を解き放った。

 

「おっ?なんだ、やるか?」

 

一誠と関わりある者達だから弱い奴じゃないだろうと、そんな感想で女戦士(アマゾネス)に対して挑発をする。見るからに強敵と見定めたアルガナ達は、今にも飛び掛からんとする姿勢だったが―――。

 

「はいはい、百代ちゃん。勝負事は後にしなさい。幼い息子の前ではしたないわよ?今のこの子は一番純粋無垢だった頃なのだから、悪影響を与える言動は控えてちょうだい」

 

「・・・すみません、一香さん」

 

一香の微笑む顔に直ぐ謝罪する挑発した百代。長い白髭を生やし杖を持つ袴で身に包む老人が溜息つく。

 

「全くまだまだ精神面が甘いようじゃの。帰ったら山籠もりの修行でもさせるべきか」

 

「そういうことなら、兵藤流のいい精神的な修行があるぜ鉄心さん。兵藤家一族でも中々乗り越えられない地獄の修行だ」

 

「ほほぅ。では、その修行をして貰おうかの。因みにどんな修行かの?」

 

「今じゃ殆んどされていないけどな。その身に怨霊を憑りつかせながら過ごすんだ。自力で追い出すか成仏させるまでが修行は終わらないから、完全に身体を乗っ取られないよう一瞬の油断も出来ないぜ?」

 

それを聞いた百代は顔を蒼褪めた。聞いたアスナ達も信じられないと唖然とした表情と目で誠を見つめる。

 

「えっと、冗談ですよね?」

 

「冗談じゃないぞ?―――ふんっ!」

 

気合が籠った声を発し全身に力を入れた誠の身体から禍々しい黒と紫、赤が入り混じった怨み、憎悪、怒りと悲哀、敵意と殺意を醸し出す危険なオーラを纏う異形が飛び出した。

 

『オオオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォン・・・・・・!』

 

「おー、随分と俺の中で成長した感じだな」

 

「どうするの?成仏させちゃう?」

 

「んー、長年一緒に過ごした仲だから愛着感も湧いちゃってるからなー。今めっちゃ体が軽いけど戻すぜ」

 

解放された怨霊はこの場に居る全ての生命体に死を与えんと死の呪いを振りまこうとしたが、誠に顔を鷲掴みされ床に叩きつけられた。

 

『オオオオオオォォォォォォォォォォン・・・・・!?』

 

「こら、このやんちゃめ。勝手なことをするな」

 

雲のように掴めない霊を相手に常識を覆す行動を目の当りにされたこの世界に住む神々と人類。息をするのも忘れそうになるほど愕然として誠にペコペコと頭を振って謝る怨霊もシュール過ぎて言葉も出ないでいた。

 

「てな感じでだ。百代ちゃん、どうだ?するか?こいつみたいな怨霊を宿せば、身体に負荷が掛かって精神的にも肉体的にも鍛えられるぜ。解放したら宿す前の己の数倍は強くなるからオススメだ。ま、精神力が弱いと魂を喰われて肉体を乗っ取られたしまいに異形と化するけどな」

 

「御遠慮させてください!」

 

土下座してまで全力で否定する彼女に誰もが心中で慰めた。

 

「そうか。残念だな。・・・・・一誠にも試しに怨霊を宿しているんだがな。今のところ、大人しくしているみたいだし」

 

「・・・・・え?」

 

「え?」

 

聞捨てにならないことを言う誠にほぼ全員の視線が一人の男に向けたのだった。彼の言葉に同意をするのは―――。

 

『ああ、いるな。俺達を恐れて隅っこで縮こまっているが』

 

一誠の身体に浮かぶ宝玉から発するドラゴンの声だった。おいおいと苦笑いする誠に呆れるドラゴン。

 

『己の子に何てことをしているのだお前は』

 

「強い子に育てるためだ。何、幼い頃から宿していたが魂を喰らわれないよう一香の魔法で保護していたから怨霊も手も足も出せないし、牙もかけれもできなかったさ」

 

だからと言って、非常識じゃないかと思うも誰一人異を唱えることはできなかった。今更責めても意味がないと悟ったからだ。

 

「さてと、それじゃあせっかくの異世界だ。帰るまで思い思いに堪能しようじゃないか」

 

はーい!と返事をする異世界から来た一誠の家族達。オラリオの案内を求められるアスナ達はこの機に交流を交わすのだった。

 

 

「お前達何者だ!ここは―――!おい聞いて―――!」

 

ギルド本部の真下に築き上げられた地下神殿に四炬の松明に照らされてる『祈祷の間』に続く通路を通る二人の男女が、騒がしく何か言いながら肥え太ったエルフの静止を振り切っては石造りの玉座に腰を落としている老神に向かって挨拶の言葉を送ったのだった。

 

「ウラノス、久しぶり。また会いに来たぞ」

 

「やはりお前達か。元の世界とこの世界を行き来できるようになったのか」

 

「大昔の事を思い出してね。貴方も相変わらず座りっぱなしのようで体は大丈夫なの?」

 

「気にすることでもない」

 

朗らかに言葉を交わす両者に蚊帳の外へ立たされるギルド長ロイマンであったが、ウラノスに問わずにはいられなかった。

 

「ウラノス様。この者達とはどういう・・・・・」

 

「かつて、古代の時からオラリオの創設に協力してくれた異世界から来訪した私の眷族だ。今では私の恩恵を刻まれたまま元の世界に帰って行ったが故に半脱退状態でいる。そして、『異世界食堂』の店主の実の両親だ」

 

「な・・・・・!」

 

 

 

「アスナ、久しぶりだね!」

 

「うん、久しぶりユウキ。まさか、こんな形でまた会えるなんて驚いたわ」

 

「それはボクも同じだよ。一香さんが先輩がいる世界に行ける魔法が出来たって話を聞いたときは驚いたもん。実際に異世界へ繋げたからやっぱり一香さんは世界一の魔法使いだよ」

 

再会の喜びとして抱擁を交わす二人は笑顔を浮かべ見つめ合う。一誠の世界に行ってユウキと会う予定が驚きの展開で叶ったアスナは、この瞬間の時間を優先することにした。後のことは後で考えようと。

 

「ねぇ、アスナ。この世界のこと教えてくれない?」

 

「いいよ。ユウキに会わせたい人達もいるから」

 

絶対驚くだろうな、と頭の中で友人達の顏を浮かべながら街中を歩いていく。

 

 

猫の耳と二又の尾を生やす異世界からやってきた獣人と思しき長い黒髪に金色の瞳、黒い着物で身に包む女性と長い白髪に金色の瞳で白い着物を着ている女性に興味を持ったアナキティ。そしてクロエも気になって話しかけた。

 

「異世界にも猫人(キャットピープル)がいるニャ?」

 

猫人(キャットピープル)?何それ?」

 

「獣人の一種のことよ。ほら、同じ猫の耳と尻尾を生やしてるでしょ」

 

自分の頭に生えている猫の耳を指摘しながら動かすアナキティを見て、二人組の女性は把握した。

 

「この世界ではそういう種族のことをそんな呼称で呼ばれてるのねー。でも、私達は違うわよ」

 

「私達の世界では、私達は妖怪と言う人間とは異なる存在で猫又という種族です。更に猫又の中でも希少な猫魈と呼ばれている存在です」

 

「ま、人間じゃない種族だと認識してくれればいいわ。ところでさ、二人はイッセーとどういう関係?」

 

と自分達が興味を持ったように二人も興味を持って訪ねて来た。肉体関係を持っている者―――等と言えず、仲間や雇われ店員だと答えた。

 

 

リヴェリア、アリシア、レイラ、フィルヴィス、アウラは思わず一部の局部を見つめてしまった。理由は異世界にもいる三人の内の二人のエルフが、同じエルフとは到底思えない女神にも劣らない完璧な形状の豊満な双丘を持っていたからだ。

 

「ま、負けました・・・・・」

 

「「・・・・・(己の身体と比べて絶望)」」

 

「エルフ、ですよね・・・・・?」

 

「・・・・・」

 

スタイル抜群すぎるのに女神と紛う美貌を誇る異世界のエルフの女性達に絶望感を抱く。一誠の家族にこんなエルフがいるとは聞いていない!と思うも、周囲から王族(ハイエルフ)としての美貌を称賛され続けたリヴェリアすら美しいと認めるほどだ。そんな五人の視線の意図を察した二人は恥ずかし気に困った顔をした。

 

「まったく、異世界でもこんな反応をさせるなんてやっぱり二人の胸はパーフェクトバストなのね」

 

綺麗な金の長髪を腰まで流すが二人と比べて豊満ではない胸の膨らみを持つもう一人のエルフの女性がやや呆れ気味でそう口にしたのだった。

 

 

「ねぇ貴女・・・・・イッセーの血を飲んでる?彼の血の残り香の臭いがするわ」

 

向こうから声を掛けられたユエ。確か名前はアルトルージュ・ブリュンスタッドと言う異世界の吸血鬼。

 

「私もこの世界とは違う別の世界の吸血鬼。イッセーの血は熟成した濃厚な味でとても美味だから」

 

「別の世界の吸血鬼・・・・・興味あるわね。同じ吸血鬼として色々と知りたいわ」

 

「ん、私も興味ある」

 

「ならお話をしましょうか。もう一人同じ吸血鬼の子もいるからその子も一緒にね?」

 

砂色の色合いが強いブロンドを一本に束ねた女性に目を向けながら言うアルトルージュ。彼女も吸血鬼なのかと察するユエはその女性とも交えて言葉を交わす。

 

 

「人間、神、魔王、天使、悪魔、エルフ、妖怪、吸血鬼・・・・・異世界ってこの世界に負けないほどファンタジーか」

 

聞き耳を立てて異世界からやってきた者達を観察する海童は、感慨深く現状に身を委ねて成り行きを見守っていて眺めていた。全員が美女や美男の容姿であり一誠を慕っていると思えば凄いなーと見回していれば。背筋にゾクッと悪寒が走った。

 

「・・・・・」

 

「・・・・・」

 

同じ銀髪で同じ美を司る女神―――。口を閉ざして相手を見つめる彼女達のその眼差しは―――品定めをしているものだった。ロキ達も相手は誰なのか言わずともわかる気配と美貌から悟り―――このあと起こるだろう展開にワクワクする反面、不安を覚えてしまう。

 

「イッセー、おいで?」

 

「フレイヤおねーちゃんなーに?」

 

リーラにお世話されていた一誠を呼びつけ、トコトコと純粋無垢に足元まで近づく子供を抱きかかえだす。それは相手に自分達の中を見せつけるように銀髪の女神は・・・・・小さな子供の唇に己の唇を押し付けるように重ねたのだった。

 

『あーっ!?』

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