ダンジョンで様々な出会いをするのは間違っているだろうか   作:ダーク・シリウス

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いざ行かん並行世界へ

ある日の夜。東区に構えている和風の城でイザナギとイザナミ、アマテラスの三柱とある話を持ち掛けた。当然ながらイザナギは愕然、イザナミとアマテラスは驚いた風に口を開けた。

 

「私達が異世界に?」

 

「そうだ。日本って国でさ、そこでは三人と同じ名前の神々が割と有名なんだよ。特にアマテラスの系譜には初代天皇、神武天皇って人物の来孫がいる。その人物から現在まで血を絶やさず子々孫々まで受け継いで生きている」

 

「私、子供を産んだ覚えはないわよ?」

 

「分かっている。これは異世界のアマテラスの話だから。でも、確実なのは国産みと神産みのイザナギとイザナミ、初代天皇の孫を持つアマテラスは日本が象徴とする日本の神だ。三人にとって同じ名前だけの神でしかないけど異世界の日本では無視できない存在だからな。三人を連れて異世界の日本に行きたいと思っている」

 

断ってもいいと付け加えて返答を待つ俺の目の前で最初にイザナギが口を開いた。

 

「確認だ。異世界にいる間、私達の子供は何も変わらずに活動できると思うか?」

 

「何とも言えない。異世界は天界のように次元のレベルで隔離されている先にある世界だ。この世界と異世界が繋がっているとはいえ、ステイタスが封印しているか否か、実際に試してみないと。よって、もしも一緒に来てくれるなら念のために団員達を戦闘行為となる行動を全て禁止にしてもらいたい」

 

「そうか・・・しかし、神はダンジョンに入ることは許されていない。どうやってダンジョンの中にあるゲートやらを潜るのだ?」

 

「二つ方法がある。誰にも気づかれず三人を間接的に連れて行く手段。そしてこの手段は家族から聞いた話なんだけど、ゲート自体は魔法で移動させることができるらしい。それをして地上に移す」

 

「そうなんだ。じゃあ、私達がダンジョンに向かわずとも済むのね」

 

そうなんだ、その通りなんだが不安が払しょくできないことがある。

 

「三人にとってそれが一番いいかもしれないだろうが、最悪な事態を想像するとな・・・・」

 

「最悪な事態って?」

 

「異世界には日本を囲む大陸と大国が存在している。それらは日本国と同盟を結んでいるが、水面下では諜報部隊を送り込んで日夜あらゆる手を駆使して情報を集めている。そして同盟国と言えど自分の国の利益の発展の為に中には他国の経済を破綻させて甘い蜜を啜る手段と、違法な行為と他国から人間を拉致して問題を起こす国がある」

 

ボードを抱えながら黒ペンで描きつつ教える俺と俺とボードを凝視する三柱の神。

 

「そんな国がある世界に異世界と繋がるゲートが日本国に出現しました。未知の世界である異世界には伝説、空想の話でしか存在しないはずの動植物や生物に人物、道具―――神がいます。もちろん、異世界の日本や大国が喉から手を出してまで欲しがる手付かずの膨大な資源が眠っている可能性があるときた」

 

「「「・・・・・」」」

 

「さて、野望と欲望を抱える国を運営する長としてそれを独占する形になっている同盟国の一つにいい笑顔でいられると思うか? ―――残念ながらそうではない。継続的に分け前をくれるなら話は変わってくるかもしれないが、一つの国だけが独占など許さないという国も必ずある。じゃあ、そういう国の人間がこれからしそうな事は何だと思う?」

 

問いかけられた三人は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべていた。

 

「同盟国である以上、公に戦争を起こすとは考えにくいが、それに近い事は出来て騒動を起こすだろうな」

 

「利害一致した日本国以外の他の同盟国同士が手を組んでね」

 

「そもそも、イッセーの話を聞くと私達の世界の資源が搾取されるばかりじゃない」

 

「ん、資源を使わないと生活が出来ないのは異世界共通だな。他のところからも資源が手に入るなら、手に入れておきたいのは必然的だ。何も悪くはないが・・・・・この世界の人類の人権を奪い、侵略行為をして世界を征服するって言うなら話は別だろう?」

 

「「「それは当然の話」」」

 

神々が首肯した。

 

「となれば、ダンジョンからゲートを移動する話は難しいってことになるんだよ」

 

「イッセーが想定した最悪の事態はそういうことか」

 

「うん、侵略して来るなら地の利を生かせるダンジョンの中であった方がいいわね」

 

「地上だったら相手に自由を与える。それは避けておきたい」

 

理解してくれて嬉しいけど面倒でもあるな。一つの切っ掛けでこうも問題視をしなければならない案件が幾つも増えだすのだから。

 

「そういう事情がある国から俺を除いて他にも招待を受けている。その枠に三人を入れたい。どうだ?」

 

「この話、他の神々には?」

 

「まだ伝えていないし、神はイザナギ達だけ誘っている。フレイヤ達は次回があるならその時だな」

 

「私達を優先にしている、って認識していい?」

 

「今回は誰が何を言おうと神はイザナギ達だけ連れて行くつもりだ。でも、三人が行かないって言うなら別の神を連れて行く予定だ」

 

再度一緒に行くか問いかけると、イザナミが嬉しそうに口を緩ませて頷く。アマテラスもイザナギも頷いた。

 

「わかった。それじゃ、出発は三日後の早朝だ。バベルの塔の前で待っていてくれ。ああ、一応普段着でもいいけど正装と一つだけ手土産持参の方が相手に良い印象を抱かせると思うから」

 

「わかったわ」

 

まずは三人・・・それから俺が招きたい人物を異世界食堂が閉店する時間帯に呼び寄せ、事の経緯を伝えた。

 

「異世界の日本に行けるだって!? マジかよ!」

 

「嘘は言わないぞ。本当だカズマ」

 

「その日本って、俺達の誰かの元の世界だったりする可能性は?」

 

「それは自分達で確かめてくれ。仮にそうだった場合は自己判断で動け」

 

アスナ、シノン、海童剛、大和大輔、光輝勇、佐藤和真、八重樫雫がそれぞれ唖然、愕然の面持ちで反応をする。

 

「今回の一件で誘うと思っているメンバーはお前達だけだ。同じ日本人なら一度行ってみたくはないか?」

 

俺からの問いにおずおずと雫が挙手した。

 

「どうして私なのか教えてくれる? 他にも香織や光輝だっているのに」

 

「大勢も連れて行けない理由なのと、お前が一番自分の身を守れることができるからだ。異世界の日本は問題を抱えているからな」

 

「問題って何だよ」

 

「国絡みの問題だ。この世界の資源を独占している形になっている日本を妬む大国があると想定すれば、俺達を拉致した後に日本を介して資源を集めさせる考えを持つ人間がいてもおかしくないだろう」

 

「あー・・・・・めっちゃ可能性がある。しかも超能力者を捕まえて超能力の秘訣を研究をする小説もあるぜ。まさしく俺達のことだなそれ。さらに自称勇者様が一番狙われるパターンですわ」

 

「ふん、俺を狙う愚か者には勇者の裁きを受けてもらう」

 

マスクの部分だけ外し、素顔だけ見せるエセ勇者の発言は溜息を吐かずにはいられない。また雫が口を開く、

 

「待って、本当にそんなことが起きるって保証はないでしょ?」

 

「捨てきれない可能性の話だ。それに雫の武器が一体どういう武器なのか、世界中に知れ渡ったら欲しがる権力者は必ず現れる」

 

「っ・・・」

 

「人は生まれながらに罪な存在って話や言葉はあるのは、そういうことだよ雫。そしてこの世界で住みこの世界や転生の神によって力を得た俺達は異世界の人類からすれば珍獣中の珍獣だ。パンダより人気が出るぞ」

 

「え、そっちはそうだったのか。俺の世界だとホワイトタイガーだったぞ」

 

「俺の世界じゃあゾウだったらしい」

 

ここで異なる並行世界の差異が浮上したか。

 

「俺達が異世界に行く情報をすでに漏洩してて、かつ俺達を拉致する敵が紛れ込んでいる前提がある。それでも行ってみる価値はあるから誘っているけど、どうだ? メインは俺と総理が会談するって話だ。その際にアスナ達も同席を許されると思うし、総理から話を振られると思うが」

 

「え、めっちゃ緊張するんですけど? 正装に着替えた方がいいよな?」

 

「俺達は普段着で行く。こいつのように異世界ではどんな格好で暮らしているのか分かりやすくな」

 

光輝の全身型鎧を指しながら告げる。

 

「だから全員には自衛の為に武器の所持をしてくれ、何て言わないがこの世界の神を三人も連れて行くつもりだから俺達は神々の護衛も兼ねて異世界の日本に行く。興味がない、行きたくないならそれでも構わないぞ。三日後の早朝の5時、バベルの塔の前で集合だ」

 

「随分と早いな。やっぱり異世界との時間差が違うのか」

 

「そうだ。こっちで過ごす一日は、異世界の日本の時間だと三日も過ぎているらしい。しかも朝と夜の時間帯が逆でな。早朝5時だとあっちは夕方の5時になってる」

 

「うーん、異世界転移あるあるだなー!」

 

海童一人だけ凄く楽しそうな反応を窺わせてくれる。ここでずっと黙っていたシノンが口を開いた。

 

「店の方はどうするの?」

 

「こういう状況が起きる想定をして人材を集めたんだ。ヘルプに入ってもらう」

 

「他のみんなにはまだ説明していないでしょ。絶対ゴネるわよ?」

 

「次回のお楽しみにしてもらうよう説得するさ」

 

ビシッ! と鋭く挙手するカズマ。

 

「ハイ! 日本で買い物を出来ないでしょうか!」

 

「何を買いたいのかは知らないけど、日本円を持たない俺達は無一文だぞ。今後、日本円のみしか使えない商品がオラリオに売られるようになる未定が予定になるまで我慢だ」

 

「日本に行くならラーメンを食わせろ」

 

「と、店に来るたびにこう言ってはカップラーメンを買う自称勇者が言っておりますぜ店主」

 

「食べたいならその装備を脱げ。ラーメン屋の中で鎧を着た奴がラーメンを食う姿が浮きすぎるわ」

 

「ぶはっ・・・!」

 

大和が吹いた。海童も身体を打ち震わせてテーブルを叩く。何が面白いのか笑っていない俺達は理解できずスルーする。

 

「とまぁ、俺からの話は以上だ。他に何か気になることがあるなら今の内に言ってくれ」

 

「あ、じゃあいい? 日本で総理と会談が終わったらどうするの?」

 

「俺が持ってくるこの世界しかない物を売り払って、その金のある限り土産を買うつもりだ」

 

「それ、する必要があるのか? お前の特典の異世界通販でこの世界でも買えるのに」

 

「阿呆め、その分ヴァリスの硬貨が消失するんだぞ。最後にはオラリオから一ヴァリスもなくて経済破綻する。そうならないようにできる日本円を使いまくって買うのが最善なんだよ」

 

大和の指摘をそう言い返す俺にシノンが感心した風に話に加わって来た。

 

「・・・・・なるほど、便利な能力と思ってたけどそういうデメリットも抱えていたのね。それじゃあオラリオに日本の物資が売られるようになれば、そのスキルも使わずに済むわね」

 

「次俺でいいか? 一応、元の世界か調べたいんだけど」

 

海童がそう願うには拒む理由はない。寧ろ共感できる。

 

「インターネットを借りさせてもらうように頼んでみる。アスナ以外のみんなも気になるならその時にな」

 

「サンキューな。しかし並行世界の日本か。意外と同じだけど違う俺達が居たりしてな」

 

「そいつはあり得るな。リアルドッペルゲンガーを目の当たりにしてみたい」

 

「性格も同じだったら超ウケるな」

 

「カズマがもう一人か・・・・・離れてもらっていい?」

 

「おい待てどういうことだそれちょっと詳しく説明しろ海童!?」

 

立ち上がってわざとらしくドン引きの言動をする海童に食って掛かるカズマを見て、身内からの評価が低いからじゃないかね・・・・・と思わずにはいられない俺であった。

 

似た者同士の会談から3日後―――日が昇りかける時間前、先にバベルの塔の前で俺とアスナ、海童とカズマが待って佇む中央広場にイザナギとイザナミにアマテラス、シノンと大和に光輝と雫が現れて誰一人抱えず合流を果たす。

 

「さて、神の3人にはこの中で待機だ」

 

「ガラス玉?」

 

「直接ダンジョンの中に足を踏み込まずかつ、姿を見せずに移動できる手段はこれしかない」

 

「あら、ダンジョンにバレなければいいんじゃないのかしら?」

 

「うん、神威を解放しなければ多分イケるはず」

 

「完全に規則違反をするのだがな」

 

と、言うアマテラス達に俺は不思議に思ったが素で中に入っても大丈夫なのかと訊くと。

 

「「「イッセーが守ってくれるなら問題はない」」」

 

と、言われたので考えていた手段はなしで俺の転移式魔方陣で一気に18階層の東の最奥へ転移した。到着するとダンジョンにはない筈の送迎バスが停車していて、俺達の姿を目撃した自衛隊達まで出迎えてくれた。その中から狭間が出てきて、敬礼しながら話しかけてきた。

 

「おはようイッセー君。そして他の皆さんも初めまして。私は陸上自衛隊の陸将狭間である」

 

「おおお・・・!! 日本の自衛隊がダンジョンの中に居るなんて・・・・・!」

 

「この場所だけ日本の世界だな。見たことも来たこともないけど、懐かしさの感覚が湧いてくるぜ」

 

「よ、よろしくお願いします! 佐藤和真です!」

 

「勇者の光輝勇である」

 

「朝田 詩乃です」

 

「八重樫雫です」

 

「結城明日奈です」

 

なおアスナには日本人として元の人間に転生させてもらった。そして大トリと言わんばかりに3人を紹介する。

 

「狭間さん。この3人がオラリオに暮らしている神々の一人だ。右からイザナギ、イザナミ、アマテラスだ。そっちの世界の日本神話にも出てくる同姓同名の神だよ」

 

「なんと・・・神まで連れて来られるとは思わなかったぞイッセー君・・・・・!」

 

「いや、色々と説明したじゃん。中には同姓同名の神々がいるって。連れてくる予想をしてほしかったわ。とにかく俺を含めてこの11人が日本に招かれる。いいよな?」

 

「もちろんだとも。では全員バスに乗ってくれたまえ。すぐに出発だ。日本の時間帯では既に夜を迎えようとしているからね」

 

狭間に催促されながらバスの中に入り、数年振りのバスの座席に腰を落とし、全員が座ったことを確認すると運転手が発進させゲートの中へ移動する。この先が俺達が、俺達を知らない異世界の日本・・・・・さて、どんな日本か楽しみだな。

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