ダンジョンで様々な出会いをするのは間違っているだろうか   作:ダーク・シリウス

63 / 129
冒険譚3

騒動は突然起きるものだ。何気ない平穏、平和に前触れもなく宣伝も宣言すら事前に発さずにだ。それはオラリオの東西南北にある門で起きた。

 

「通ってよし、次!」

 

毎日、毎朝、毎夜と迷宮都市が建国して以来、何千何万という人間が訪れる定番の行事が古代から繰り返されてきた。長蛇の列を作り都市の中に入るまで待たされるなど日常茶判事。その都度、諍いを起こして喧嘩する待ち人は付き物だ。

 

「次!・・・・・ん?」

 

検問していた警備兵=冒険者が掛けている眼鏡を見て反応をした。その眼鏡には『鑑定』の機能がついた魔道具(マジックアイテム)。二度もオラリオで転生者による事件が起きて以来、誰でも相手の情報を見れる道具(アイテム)が元【ガネーシャ・ファミリア】の団員の手によって作り出された。現在、【ガネーシャ・ファミリア】や他派閥の主神が主に使用して外からくる転生者や異邦人、何時の間にか忍び込んでいた転生者や異邦人を見つけ出す精を出している。見つけ次第で他の派閥やギルドに知らせる規則(ルール)が生まれたのは必然であるが、冒険者向きの転生者であったら勧誘する腹の神々が多いだろう。例えとんでもない爆弾を抱え込むことになろうと【ファミリア】のパワーバランスが一気に変える存在なのだから。

 

そして警備兵が門を潜ろうとする都市外から来た人間を見て目付きが怪訝になった。

 

 

転生者「光輝勇」 16歳 称号 勇者

 

 

Lv.2

 

 

力:H120

器用:H111

耐久:H109

敏捷:H100

魔力:H128

 

『エクストラスキル』 聖魔剣術、

 

『特典』 獲得経験値倍加、魅了(ニコポ、ナデポ)、無限魔法、鑑定。

 

 

―――転生者、オラリオに現る!

 

 

「て、転生者が来たぞぉっ!」

 

その報が瞬く間にオラリオ中に広がり、冒険者は緊張で顔を強張るが娯楽に飢えた快楽主義の神々は大いに沸いた。

 

「やっぱり、現れたか転生者」

 

『鑑定』の眼鏡を通して店の奥で把握した『異世界食堂』の店主は困った顔で溜息を吐いた。店内でもその話が入って来て真偽を確かめたら真だったため、物凄く面倒臭そうに吐露する。

 

「店主、どんな奴なんだ?」

 

「笑えるぞ。勇者だ」

 

「・・・・・勇者って、あの勇者か?いくら神やモンスター、剣や魔法があるファンタジーだからってこの世界に魔王や魔族、悪魔なんているのか?」

 

怪訝な面持ちで訊く転生者に肩を竦めて言い返す。

 

「さあな。でも、何を考えて称号に勇者なんてしたのか理解し難いな。一人相撲ならぬ一人勇者か(笑)。滑稽だな」

 

眼鏡を渡して店に働く転生者にも見せると、まだ直接見ていない転生者の情報に微妙な面持ちとなった。

 

「明らかに狙ってるなコレ」

 

「だろ?今回の転生者は人か獣か、どっちかな?」

 

「あー・・・・・獣だったら?」

 

「躾になってない獣は調教、人に害を成す猛獣は処理。それ以外ないだろ?」

 

ですよねー、と転生者は遠くにいる同類に憐れみを禁じ得なかった。願わくば正しい行いをして生きていてほしいと祈る。

 

「ほら、話はここまでにしてさっさとピザ作りに集中だ。時間は待ってくれないんだからな」

 

「お、おう・・・にしても、料理店に働くことになるなんてな・・・・・おかげで衣食住に困ることは無くなったけどよ」

 

「あのブラックホールを仲間にした時点でお前の運命は決まっていたようなもんだ」

 

「さいですか・・・・・」

 

 

「(おおっ、俺、すげー人気じゃんかっ!)」

 

転生者は浮かれていた。検問していた警備員が悲鳴染みた叫びをすると押し寄せてくる津波のように老若の男神がこぞって押し寄せてきて、「自分の【ファミリア】に是非!」という勧誘の嵐の渦中に引きずり込まれた。ここまで自分を必要としてくれ、注目してくれる気分は満更ではない。寧ろ心地いい。この世界に転生して、これまでゲーム的感覚でモンスターを倒し、人々を救い、町娘や貴族の娘を虜にした地方から「勇者」と名乗ってきた。そうして過ごしているとファンタジーならではのダンジョン。強い冒険者がそこに存在しているということで、遠いところから腕試しやオラリオで偉業を果たさんと野望を抱いてやってきた転生者は心を弾ませた。のだが、既に入りたい【ファミリア】は選定していた転生者は自分を取り巻く神々を置いて・・・・・浮遊魔法で北へ飛んでいった。

 

「へぇ、僕達の【ファミリア】に入りたいと」

 

「俺がいたところでも二大【ファミリア(派閥)】の噂話があってな。たがら俺の実力なら申し分ないと思うんだ」

 

【ロキ・ファミリア】の首領フィン・ディムナとの面会して己を売り込む転生者。最大派閥のホーム、増築中なのか何故か建設していて不思議に思いながらも門番の前に降り立つと武器を突き付けられた記憶がまだ新しい中、彼の小人族(パルゥム)の側にはドワーフの戦士、絶世の美貌のハイエルフが肩を揃えて光輝を確かめるような眼差しを送り、臨戦態勢をしていた。

 

「随分と自分の実力に自信があるんだね。その尊厳溢れる鎧と盾、剣を装備しているからかな?」

 

「これはとある人に貰ったものなんだ。特にこの剣のおかげで色んなモンスターを倒して来たからな。ダンジョンのモンスターにも通用するはずさ」

 

筋は通っている。独自の繁殖でモンスターは数を増やすに伴い、ダンジョンのモンスターと比べて強さが低下している。冒険者でなくても倒せるレベルにまでだ。彼の少年の言う言葉が真ならそうなのだろう。改めて碧眼を出で立ちを見つめる。細部にまで装飾が施され、白と蒼と金を基調に彩られた白銀の全身甲冑、まるで神話の騎士が身に着けていそうな豪奢な鎧だ。風に煽られてバタバタとはためくだろうマントは空を思わせる群青色、内側にはまるで夜空を切り抜いたような煌めきがマントの中に見え、星空のよう。背中には精緻なデザインで装飾された大きな逆三角形の大きな盾を担ぎ、背中の腰元には神々しい程の存在感を放つ大きな剣を提げている。剣を鞘から抜き放てば、薄い蒼色の光を湛えた両刃が、日の光に当てられ美しい輝きを放つ。刀身の長さは優に百センチを超えるだろう、幅も結構あり見た目にはかなりの重量感だ。フィンがいる正眼に構えて、自慢げに上段から一気に振り下ろす。

 

「最大派閥のここなら俺の活躍もあるだろうし、皆の力になれると思うんだ。だから入れてくれよ」

 

「うん、断わらせてもらうよ」

 

「それじゃ、これから―――は?」

 

自信に満ちた態度で入団の了承を得たものばかりと思っていた光輝は目を丸くした。・・・・・何故だ?と。

 

「人に武器を向けながら【ファミリア】に入れろと言う態度は戴けないね。君のその行為は傲慢を表しているよ?そして現在僕達のホームは修復中で今新しく団員を入団する募集はしていない。悪いけれど他を当たってほしい」

 

チョンチョンと大剣の切っ先を触れながら拒絶する理由を述べた。

 

「何より君は―――転生者だ。異世界の神から恩恵を受け最初から最強の人間の君と、弱者から強さの高みを目指す冒険者の僕等の気持ちと心構えが違う。今の君からは自分がいれば何だって解決できるという慢心の念が伝わってくるよ。その慢心や傲慢が僕の大切な仲間を死なせることがあれば、君はどう責任を取ってくれるんだい?」

 

静かに動き出すドワーフが光輝の後ろに回り込み、脇の下を掴み持ち上げ立たせる。まるで小さき団長の意図を察した風に動いた古参の仲間を見ながら耳を傾けるハイエルフ。

 

「以上が僕の気持ちだ。お引き取り願うよ。僕達の【ファミリア】は危険な爆弾を抱えるほど容量は持っていない」

 

筒型のバックパックを背負い『黄昏の館』(修復中)に近づく店主。【ロキ・ファミリア】から予約されたピザを届けに足を運び、目と鼻の先まで距離を縮めると、目的の建物の出入り口から全身甲冑を着こんだ少年が「俺を受け入れなかった事を後悔してもしらないからな!」と捨て台詞を言って空へ飛んで行った。

 

「ちわー、『異世界食堂』でーす。予約のピザを届けに来たぞー」

 

声を上げて存在を主張する店主に黄金色の髪を揺らし歓迎する碧眼の小人族(パルゥム)

 

入団を拒否された光輝はもう一つの最大派閥、【フレイヤ・ファミリア】に入団の申し出をしに南へ向かった。

 

「去れ」

 

「なっ」

 

岩のような身体を持つ、二Mを超す大男に出会い頭に門前払いを食らう。それが気に食わないと食って掛かる。

 

「何でだ!」

 

「お前を受け入れるか否か決める決定権は俺にない」

 

「主神か?だったら直ぐにここに呼んでくれよ」

 

そう言うことだったら開口一番に拒絶されて仕方が無い。納得はできないが主神に直接会えば―――と思っていた転生者は【フレイヤ・ファミリア】団長の猪人(ボアズ)、オッタルの次の言葉で怪訝な表情となった。

 

「ここにいない」

 

「は?じゃあ、どこにいるんだよ」

 

「あの方の居場所を貴様に教える義理は無い。もう一度言う、去れ」

 

半ば一方的にフィンと違って話しにならない発言をする大男に苛立ちの感情が芽生えた。相手が自分のことを知らないことを加味しても、本気を出せばどの【ファミリア】だって引っ張りダコな勢いで勧誘するはずだ。

 

「俺はここまで来るまで勇者と名乗って来たんだぞ、それでも拒むと言うのか」

 

「・・・・・どこでどんな呼ばれ方をしようと、貴様はオラリオで【勇者(ブレイバー)】を名乗る男ほどの者ではない」

 

「んだとっ!?俺が本気を出せばフィン・ディムナだって余裕で倒せる力があるんだぞ、欲しくないのかそんな強い人間を!」

 

「ならば、貴様を受け入れる【ファミリア】は中堅か零細派閥だけだと知れ」

 

踵を返して大きな背中を見せながら遠ざかっていく獣人に奥歯を噛み締めて憤怒で睨みつける。何故、二大最大派閥に入団を拒否される!?しかも言う事に欠いて格下の派閥のみしか入れないとはどういうことなのだ!ふざけるな、自分は神から最高の能力と装備を得た人間なのだぞ。それを教えないと理解できないのかこの街の冒険者は!

 

「ふざけるな、俺の力を知らないくせに決めつけやがって!ここでお前と勝負したっても良いんだぞ!」

 

吠える相手に関心も寄せなくなったオッタル。その背中から武器を抜き放って構える転生者に足を停めて尻目で言葉を投げた。

 

「それ以上境界線を踏み入るならば相応の対応をする」

 

「境界線だ?何の境界線だよ。俺を認めない、受け入れないなら実力を見せるしかないだろうが」

 

真上に掲げた剣身に雷が纏い迸り出す。戦意を見せる相手に錆色の双眼が細まり、振り返ったオッタルの目に転生者の背後に立つこの場にいないはずの女神が映って内心疑問と驚きの感情を抱いた。

 

「オッタル、これは一体どういう状況なのかしら?」

 

ソプラノの声が緊迫した空気を緩和した。

 

「私のホームがまた滅茶苦茶に壊されちゃうのかしら?それは困るわね」

 

美しい声音に反応せざるを得ない、猪人(ボアズ)の獣人が送る視線の先に振り返る転生者。黒の薄いナイトドレスに包まれた、細身でありながら豊満な体つき。温かい太陽の光を浴びて一層神々しさを帯びるきめ細かな白皙の肌。腰まで届こうかという銀の長髪は、氷の結晶を散りばめたかのように輝いていた。そして、両の腕の中に収まっている狐耳と九つの尾を生やす、今も尚何かを夢中で食べている幼子。

 

「フレイヤ様・・・・・」

 

「フレイヤ、だって・・・・・?」

 

人の子だけ限らず男神、モンスターすら『魅了』してしまう絶対の『美』をもつ美の女神の降臨。戦意がなくなったと剣身に纏っていた雷が治まり剣を下ろす光輝。

 

「あなたがフレイヤか・・・・・話に聞いていたのと想像していた以上の美しさだ」

 

「ありがとう。だけどあなた、私のホームを巻き込んでオッタルと戦おうとしたのかしら?」

 

「そ、それは・・・・・こいつが俺を入団させてくれないから実力を見せようとしただけで決して」

 

「でも、結果的に、私の許可なく、私のホームで戦おうとした事実は変わらないわよね?そんな野蛮な子は、私の【ファミリア】に必要ない。欲しくもないわ」

 

所々主張し且つ主神本神すら入団の拒絶の意を示し、示された少年は心底愕然として目を皿にして開いた口が塞がらない。

 

「な、何でだよ!?納得できねぇよ!どうして最大派閥は俺を拒絶をするんだよ!」

 

「あなたを【ファミリア】に入れるのは私達神の気持ち、気分次第なの。だからあなたはいらないわ。帰ってちょうだい」

 

狐の幼子の頭を撫でながら二度目の拒絶の意を示したフレイヤ。己を受け入れない女神の心情に理解に苦しみ、呆然と立ち尽くす者へ武人は無骨に告げた。

 

「フレイヤ様に見初めれなかった時点でどう足掻こうと結果は変わらない。去れ」

 

「~~~~~っ」

 

勇者たる己が二度も拒絶をされた。絶対な力を見せつければ、その力を振るって人々を助けて感謝され、求愛や求婚もされ、『王道的な勇者』に相応しい環境が―――オラリオになかった。

 

「お、俺は勇者なんだぞ・・・・・っ。勇者の力は絶対なんだ・・・・・!」

 

「自惚れるな。力に絶対はない」

 

「だったら、証明してやろうか。主神がいる目の前でよ!」

 

振り上げた剣の瞬間。妖しい光が背後から一瞬の煌めきと共に発したと思えば、光輝の体が停止したようにピクリとも身動きが出来なくなった。

 

「―――はい、アウト。傲慢で慢心な勇者は俺達が知っている勇者と違うな」

 

「っ!?」

 

オッタルに向けていた体の後ろから呆れの声音が聞こえてきた。誰だ、何時の間にと疑問と焦燥の念が顔に滲みでている光輝へ向けてオッタルに告げた。

 

「そいつの鎧は物理無効化と魔法無効化が備わっている。流石にオッタルでも完全防備されたら倒しきることはできなかったな。ただ、単純な話。脱がせば別だけどな?」

 

どうしてこの装備の能力を看破した!?どこの誰だ、己を見破った者は!

 

「ま、他の転生者と比べてグレーだ。話し程度は通じるがどうする?」

 

「その辺に置きましょ?欲しい神がいたらあげちゃえばいいわ」

 

「それじゃ・・・・・っておい、俺を下ろしてくれよ」

 

「だーめ、オッタル。適当な道の真ん中に置いて来てちょうだい」

 

自分を差し置いて話が進む。全身が動けないままオッタルの肩に担がれ、主神の命に従ってどこかへと連れていかれる。その際、フレイヤに抱えられている幼子と目線があった。

 

―――頑張れよ、エセ勇者様(笑み)

 

―――て、てめぇっ!?

 

邪な笑みと手を振る幼子が身体の異常の原因であることを知ったが既に遅しだった。その後の勇者光輝は大通りのど真ん中で小一時間も格好をつけた姿勢のまま置かれ、神々の争奪戦に巻き込まれて以降とある男神の手中に収まり『恩恵』を刻まれた。

 

 

「転生者っちゅーいけ好かない子供は似たような奴しかおらんのかいな。チートな力を得たらハイテンションってええ迷惑やで」

 

グチグチと新たな転生者に対して良い感情を持ってないロキが顔を顰めて酒を飲む。それに付き合うフレイヤも「そうね」とグラスに注がれたワインを飲む。夕餉を終えた現在、テーブルに数本の酒瓶を置いて一誠の手作りのつまみを食べながら女神同士の会話の席に自然と加わる一誠にもロキは話しかける。

 

「イッセーの言うとおりオラリオの外から転生者が来よったわ。今後もこんなのが続くんなら辟易するで」

 

「因みにだが、見目麗しい女が転生者だったら?」

 

「可愛い女の子に罪は無い!」

 

「それで中身が男だったらどうするよ」

 

「え、そんなのアリなん?」

 

お前みたいな感じじゃないか、的な眼差しを向けてもロキは疑問符を頭に浮かべる。フレイヤは察したようでクスッと笑みを零した。

 

「そう言えば、あの転生者の子を引き取ったのはアポロンだったわよ?」

 

「あー、あの神の目に適ったんだなきっと。そう言えばこの世界のアポロンってどんな感じなんだ?」

 

「天界にいた頃は目に適った女神を求婚しまくっていたわ。その都度断わられてばかりだから【悲愛(ファルス)】なんて渾名をつけられているほどよ」

 

「そんで色恋沙汰に話題が尽きない奴やっちゃわーってイッセー、物凄く残念そうに落ち込んでどないしたんや」

 

肩を落としこの世界の狩人を司る男神の性格に「この世界の神々は俺にとって残酷だ」と暗い顔で呟いて、その意図を悟ったロキが食って掛かる。

 

「うちのどこが駄目なんや!」

 

「親父女好き酒好き無乳」

 

「最後は絶対悪口やろ自分!?そっちの世界にもうちみたいな性格の神がおるやろ!」

 

「いるさ、ああ否定しない。でもな、皆凄い神なんだぞ!性格に難があっても神らしい神々しさと実力があって綺麗だったり格好いい神様がいっぱいなんだ!ロキ達からそう言う凄いところがあんまりないから神だと見受けれないんだよ!一人の男と女として接しちゃう方だわっ!」

 

「・・・・・ちょっと、複雑だわ」

 

異世界の神の方が凄過ぎてこの世界の神は見劣ってしまう。神なのに一人の男と女として接せられると神の威厳はどうなるだろう。黙って聞いていたヘファイストスは困った表情を浮かべ、吐露した。

 

「イッセー、転生者を加えた【ファミリア】は他の【ファミリア】とのパワーバランスは変わるのよね」

 

「一人だけ異常なほどに突出してしまうけどな。全体的より個人の力がバランスを崩す。それが今後どうなるか俺にもわからん」

 

「イシュタルんとこの子供はどうなるんや?」

 

「もう経験しただろ?」

 

二大派閥を凌駕してみせた三人の転生者。一人いれば他の派閥を圧倒し、複数人であれば最大派閥をも上回る。指摘を受けたロキやフレイヤは当時を思い出して押し黙る。

 

「争い事や諍いを好まない転生者は無難な生き方をする。逆にそうでないなら異常な強さと凄さを見せつける」

 

「イッセーはどっちもそうよね。ちょっと後者よりだけど」

 

「・・・・・これでも大人しい方だからな?」

 

念を押す男に三柱の女神は苦笑を浮かべる。やることなすこと想像を超えることをするから神々の目に留まってしまう。皆異邦人のこの男に夢中なのだ。

 

「最初はうちと出会ってからもう五年目かぁ」

 

「その次はヘファイストス、ガネーシャ、今はフレイヤだ」

 

「ただの駆け出しの冒険者が最上級鍛冶師(マスター・スミス)と同じぐらい一品の作品を作るんだから目を疑ったわ」

 

「私は一目惚れに近かったわ」

 

五年前からの出会いを思い出す四人。怒喜哀楽、驚愕と感動・・・・・今日まで日々を過ごしてきたことを脳裏に浮かべお互い目を合わせたらどちらからでもなく笑みを浮かべた。

 

「「「「今年もよろしく」」」」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。