アイちゃんってなんでこんなに可愛いんだろう   作:ppが足りない

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牧場物語にハマってて小説の事を忘れていました。
リシェットちゃんは可愛いですね。


洋服屋さん

 

 

 

「今日はどうしましょう…」

 

 

狭苦しく何処か空気が悪そうな感じもするごちゃごちゃした部屋。

教会の地下にあるこの部屋は女1人男1人に機械人形1人が住んでいる家で、朝も終わり昼に入ろうかという時間帯の今はアイという名の機械人形だけが家の中にいた。

 

ドカッと置かれたソファーの真ん中に座り背もたれに体重をかける姿は何処か怠惰的で、ともすればそれは隠居した老人の様にも見えなくもない。

アイは唯一この部屋を照らす照明と自身との間に手を翳すと指の間から漏れてくる光に目を凝らす。

 

此処は迷宮都市オラリオ。

地下にあるダンジョンに徘徊するモンスターを討伐し収入を得る冒険者が住む都市。

中には地上で生活を営む者も少なくないが大多数はダンジョンに潜り日々の生活を営んでいる。

それ以外にも名声を欲する者やダンジョンが楽しいからだとかオラリオに住む以上はダンジョンに潜らないとと考える冒険者もいるが、恐らくその全員に共通する目的があった。

 

 

レベルを上げる。

 

 

どんな夢や野望を持っているにせよダンジョンに潜る者には全てこの目的が付いてくる。

モンスターを討伐し経験値を貯め神にレベルを上げてもらう。

 

ダンジョンに潜る者は漏れなく神から神の恩恵を授かっていて、それによって魂を強化しモンスターに挑む事が出来る。

なので必然的にダンジョンに潜る冒険者は神の恩恵を授かっているのだが、唯一の例外が今ソファに座っているアイだった。

 

魂を持たぬが故に神の恩恵を授かる事が出来ずレベルを上げることが出来ない。

戦う事は出来るがその時点でダンジョンに潜る目的は1つ失われていて、尚かつ動く機械人形は歴史を紐解いてもアイが初めての存在だった。

もし存在が世間に知られれば何が起こるか分からない。

なので大事を取ってアイは今ダンジョンに潜る事が出来ないでいた。

それだけならまだしも1人では外に出る事すら禁じられているアイは狭い地下室でただじっと過ごすしかない。

ボードゲーム等の娯楽はあるものの1人ボードゲーム程つまらなく精神が削られる物はない。

2人が居なくなって2時間程だろうか。

もうアイは一人遊びをする気力もなくなってしまい、ソファーにだらけてしまい今に至る。

 

 

「…ん?」

 

 

教会から地下室へと続く階段に載せられた床に偽装した蓋。

木が軋む音と共に開かれていく音が空気の振動を伝わってアイの耳に届いた。

ギシギシと階段が踏みしめられる音が地下室に近付いてくる。

やがて音は地下室の扉の前で止まる。

アイは念の為にベルから貰ったコートで全身を包んでおく。

恐らくあの2人だとは思うがもしかしたら別の人間かもしれない。

アイは扉が開かれて入ってくる人物が視界に映るまで最大限に緊張を張り詰める。

アイが見つめる先の扉に取り付けられた取っ手がガチャりと音を立てて傾く。

徐々に開かれる扉は外にいる人影を現していく。

 

 

「あぁもうこの扉すごいガタついてるよ。ゆっくり開かないと壊れそうだし…そろそろ替え時かなこりゃ」

 

 

軽い感じで話しかけてきながら入って来たのは長い黒髪をツインテールにした子供の様に背の低い女の人だった。

露出度が高めの白い服装をしていて、その身長に見合わない胸が存在を強調している。

冒険者であるアイとベルが所属しているファミリアの神であるへスティアその人だった。

 

 

「大分古そうな建物ですからね、所々痛み出してもおかしくはなさそうです」

「お、アイちゃん。家の中でもコートを羽織ってるなんて結構心配性なのかな?いや、僕が来たから念の為にやったのか。…もしかしてベルくんのコートを着たくなったからだったりして?」

「それはないですよへスティアさん。只でさえ地下室だから暑いのに」

「あ、うん。そうだよねぇ。自分で言っといて少し心配になったけどそこまでだとベルくんが可哀想になってきたよ」

 

 

へスティアは微妙な笑みを浮かべながらははは…と掠れた笑い声を出す。

それを受けたアイは自身の言った言葉が他人からどう捕えられるのか理解し、一瞬真顔になった後へスティア同様に掠れた笑い声を発した。

 

 

「ん?何か忘れてるような…んーなんだったっけなぁ…あっ、そうだ。アイちゃん今空いてる?大丈夫かな?」

「え、あっあぁ…はい、大丈夫です。どうかしたんですか?」

「いやなにねぇ、いつまでもこんな狭苦しい所に孤独で生きていけなんて薄情な事は言わないさ。だから今日はアイちゃんの服を買いに行きたいと思う!」

 

 

 

 

 

 

「僕から離れない様にして歩くんだよ、いいね?」

「はい、分かりました」

 

 

へスティアの横にピタリと付いて歩く。

事前に呆れるほど外の世界の危険性について口煩く注意されたアイは内心辟易としつつも周囲に目を配られながら歩く。

 

「(ていうかへスティア様もあの部屋の事狭苦しいって思ってたんだ…神様も人もそこら辺は変わらないって事なのかな)」

 

考えつつも周囲から覗かれない様に注意して進む。

自身より大きいコートとはいえ油断しているといつさらけ出されるか分かったものじゃない。

ダンジョンに潜った際に一度破かれているのもあって、その後補修したものの注意しておくに越したことはない。

 

 

「あったあれだ。あのお店はね、前々から気になってたお店なんだよ。オラリオでも有名な服屋らしくて何でも作れない服はないとかあるとか…兎に角良さそうな所だからアイちゃんに合った要望のもきっとあるはず!早速行ってみよう!」

 

 

腕を高々に上げたへスティアは走っていくのかと思いきや普通に今までと変わらない速度で向かう。

アイは内心全身を隠す服があったら怪しい事この上ないと思いながら、逆らう理由もない為へスティアに付いて店の門を潜った。

 

 

 

 

「いらっしゃいませー!」

 

 

店に入ってすぐにあったのは従業員達の大きな挨拶だった。

近くにいる従業員からは勿論外見からでも分かるくらいには広い店内のかなり遠い位置から挨拶が掛かる。

タイミングが同時だった事からも何かドアが開いたら合図の様なものがかかるのかもしれない。

 

何て事を考えながら歩くアイを横目にへスティアは近くにいた従業員の方に歩いていき元気に声を掛けた。

 

 

「何か全身を隠せるマントみたいなのと頭全体をゆとりをもって隠せるフードみたいなのないかい?あ、動きやすくて飛んだり跳ねたりしても中が見えないのを頼むよ」

「ブフッ!」

 

 

へスティアの言葉に思わず焦りを口に出してしまう。

その要求は言葉一つ取っても怪しく近くに今なお全身コートを羽織っている人間がいれば警戒されてもおかしくなさそうな発言をしていた。

どんな反応が帰ってくるのか内心びくつきながら従業員の言葉を待っていると意外な反応が帰ってきた。

 

 

「あ、ありますよ。いやぁ〜お客さんもいいタイミングで来ましたねぇ。目立つのが秘訣の冒険者家業でも闇に忍ぶのも大切だってつい最近私が入荷したばかりなんですよぉ。結構んなもん売れる訳ないって言われてたんですけどやはり私の感は当たるんですねぇ」

 

 

言葉早めに声にだす店員は案内する様に先に立って進んでいく。

へスティアは横目にアイを見ると片目を瞑って微笑みながらウインクをした。

ほらみろと言わんばかりの顔は自信に溢れていて、普通の人がやったらイラッと来るかもしれないけれどへスティアがやると子供みたいで思わずほのぼのしてしまう。

アイは凄いです凄いですとへスティアを褒めながら心の中では別の事を考えていた。

 

 

「(あの人へスティア様の要求に困惑の一つもしないで答えてたな…やっぱり慣れてるのかなぁ…)」

 

 

 

 




……フリガナ付けなくてもかまへんか。
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