アイちゃんってなんでこんなに可愛いんだろう 作:ppが足りない
「……ふふっ」
思いもよらない事件が連続してちょっと驚いたけど何とかなったな。
えっと、そう。アイズさんは何故か分からんがアイちゃんの事を気に入ったみたいだしこうして手を繋ごうとする程には好んでくれているみたいだ。
俺もこの姿がこの世界でどう思われるのは分かってるし、ちゃんとコートで腕を隠しながら手を繋いでるしな。
ロキ神に抱きつかれた時は……何ともなかったし不審がられてないといいなぁ……でも……無理なんだろうなぁ。
ああいうキャラは頭空っぽに見えて案外一番考えてるっていうのが漫画の常識だしきっと不審がられてると思う。
考えたくないなぁ……あまりこういうのは。
まぁでももう大丈夫でしょ。
もう俺はこんなドジはしないぞ!
「ちょっと……聞いていい?」
「……?はい」
上から声が掛かったからそちらを見てみるとアイズさんが不思議そうな顔でこちらを見ている。
一体どうしたんだろうか?
「何か……手に付けてるの?硬いけど」
「……へ?」
……あ、そっかぁ。そう言えば俺の手って今機械なんだよな!いやぁ〜忘れてたなぁ〜あっはっはっはっは!
……やべぇどうしよう。
「えっと、その……」
「……?」
どうするどうするどうするどうする?アイズさんめっちゃ疑ってるよ。
もしかしたらもう俺がロボットって事も見抜かれてる?いやいや、この世界にはそんな技術ないだろうて……いやでも俺が人間じゃないって事は見抜かれてるかも……やばいどうしよう……
「えっと……あの……そう、私……冒険者になりたいんです」
「……冒険者に……!?」
何故かアイズさんはめちゃんこ驚いてる。
どうしたんだろうか?
「それじゃあこの腕は……」
「えっと、はい。そう、防具です。手が自在に動かせる様に凄く薄くてぴったり合うようになってるんです」
「そうなんだ……凄いね」
「えへへへ……」
俺の言葉に驚いたようにした後に微笑みながら褒めてくる。
……信じるんだこの人……チョロ過ぎて何か心配になってくるぞ……いや、信じてくれた方が楽だしいいんだけど……うぅーん……
「それじゃあ今は……ファミリアを探してる?」
「えっと……はい、そうですね」
「そう……」
あっ、ここって……あぁ、今この辺なのか。
じゃあもうそろそろ大通りに着くな。
なんだ、案外近かったのか。
これなら一人でも迷う事はなかったな、いやぁ〜安心安心!
「ねぇ」
「……?はい?」
「ロキファミリアに……来ない?」
「!!??え、えっと……?」
「ロキファミリアは……いい所」
「え、あ、その……えっと……」
えぇ……ど、どうしよう……いきなり勧誘されちゃったよ……う、うーん……このまま大通りまで黙って歩いてそのままなし崩しに逃げちゃおっかな?……けど……
「ごめんなさい、アイズさん」
「……だめ?」
「はい。私は……ロキファミリアには入れないです……誘っていただいたのに……ごめんなさい」
「……ううん、急に言った私が悪いから……ごめんね?」
アイズさんは俺の返事にちょっと残念そうにしながら謝ってくる。
それにしても何でこんなに胸が痛いんだろう。
いや、ほんとは入りたいんだよ?入りたいんだけど……ロキ神がなぁ……怖いんだよなぁ……入るんだったらやっぱりあの神のファミリアがいいなぁ……うん。
「ここまでありがとうございました」
「どういたしまして、アイちゃん」
その後は色々話して軽い自己紹介とかもしてから別れの時がやってきた。
俺としては息が詰まりそうな時間が終わるので内心ホッとしてるけど。
「それじゃあ僕達はダンジョンに行ってくるから。また会えたらいいね」
「はい……あの!行ってらっしゃい……です」
「うん、またね」
団長のフィンさんに手を振って別れを告げる。
それに手を振り返してくれて、そのまま先頭に立ちダンジョンに入っていった。
それに続いて多分強そうな人から入っていって後ろ側の沢山の荷物を運んでいる人達がいるからそれが入りきったらここでお別れだろうな。
……でも、アイズさんがいないな、どこ行ったんだろう?
「アイちゃん」
「ひゃいっ!?」
いきなり呼ばれた事にビクって後ろを向けばそこには驚いた顔をしたアイズさんがいた。
どこ行ってたのかと思ったら俺の後ろにいたのかぁ……驚いたなぁ…………何で俺の後ろにいるんだ?
「あの……なんでしょう?」
「……最後に……」
「……?」
「…………最後に……ひともふりさせて」
「……へ?……あっ」
アイズさんは何を思ったのかしゃがみ込んだかと思うといきなり抱き着いてきてもふもふされた。
何を言っているのかと思うだろうが俺も分からん。
何か色々当たってるし何かよく分からんし柔らかいし罪悪感が凄いし男にするなんて変態かと思うしそういえば俺は今女の子だったし俺何言ってるんだろう?
「……ありがとう……またね?」
「あ、……はい」
アイズさんはそう言うとダンジョンに入っていった。
最後の顔は満足そうだったけどこれからダンジョンに行くんだよな?
あんなままで大丈夫なんだろうか?
それにもふもふしたら満足するって……
「……いや、ちょっと待てよ……今目の前にアイちゃんがいてもふもふできる……」
ちょっと想像してみる。
……あ、癒されるわ。
お父さんって呼んでほしいな。
「……どこ行けば着くんだろう?」
ダンまちを知っていれば街の地図とかなくても道が分かるんだろうけど俺はあんま知ってる訳じゃないしなぁ。
えっと……ここ……かな?いや、違うか。
あんまり裏通りには行きたくないし……大通りから出たくないしなぁ。
でもファミリアがある所なんだしそんな寂れた場所にあるとは考えられないけど……
「……あ」
歩き続けて早2時間くらい。
太陽があと45度程傾いたら地平線に沈むくらいの時間。
もうそろそろ見つけないと野宿する事になってしまう危険な時間帯に現れたのは救世主だった。
「これ……ギルド……だよね?」
何かおっきい建物が目の前に鎮座してる。
冒険者みたいな服装している人が沢山出入りしてるからあってると思うけどどうなんだろ?
字が読めないから入口の上に書いてるのも何て読むのか分からないし……取り敢えず入ってみようかな?
「……お邪魔します」
ぼそっと呟いて入口を潜る。
大声でそんな事いう度胸ないし言わない度胸もないからこんくらいが丁度よろしい。
「……っ……はわぁ〜」
多分ギルドのこの場所は中もすごく広かった。
しかも明るいしキラキラしてるし受付嬢の人は可愛い人ばっかだし最高かよ。
「……や、目的忘れてた……」
ぶつからないようにしながら駆け足で受付嬢の所まで近寄る。
ギルドならファミリアの位置くらい把握してるでしょ。
えっと……あ、いたいた。
確かあの人……で、あってるよな。
「あの……すいません」
丁度案内が終わった所だったから急いで走って声を掛ける。
机は結構高くて受付嬢の人のお腹くらいだけど今の俺の胸の辺りにあるから書類とか書く時大変そうだと思った。
「……ん?……あ、すいません!何の御用でしょうか?」
前の受付嬢の人は顔を前に向けたあと一瞬とぼけた顔をしてから視線をしたに下げて慌てて声をかけてきた。
……これ絶対そうだよな、そうでいいんだよな?言っとくけど俺は男の時は165はあったんだぞ!
「えっと……ファミリアの場所を教えて……欲しくて」
「うーん、お嬢ちゃん……でいいのかな?」
「へっ?……あ、アイ……名前は……アイです」
「そっか、アイちゃんか。こういう事を聞くのは失礼だと思うけどもしかして冒険者になるつもりなのかな?」
「えっと……はい」
どうしてこの人はそんな事をきくんだろうか?……えっと……エイシャさんだっけ?
うん、そうだ。エイシャさんだ、間違いない。
エイシャ〜。
「そっか……あ、私はエイナって言うの。よろしくね?」
「……え?……あ、はい。よろしくお願いします」
エイナさんだった。
「種族はパルゥム?それともヒューマンかな?」
「はい、ヒューマン……だと思います」
「……?うん、それだとまだ幼いのかな?歳は幾つくらいかな?」
「えっとごひゃ……」
「ごひゃ?」
「……10歳です」
500何歳なんて言えるわけねぇだろ!馬鹿野郎!普通の人間ならもう死んどるわ!お陀仏やわ!てやんでい!
「10歳かぁ……あのね、悪い事は言わないよ?だから……冒険者になるにはまだ早いと思う」
「……え?」
ど、どうゆう事だ?
アイズさんは友人情報だと3歳位から冒険者になったって聞いた気がするぞ。
……いや、3歳は流石にないか。
それでも10歳よりは若かったと思うけど……
「でも……アイズさんは」
「アイズさん?あぁ、あの人もほんとはあんな年から冒険者になるべきじゃなかったのよ。けど冒険者になって今はもう第一級冒険者になってる。けど、それは運が良かった事なのよ?誰かが小さい頃から冒険者になってるから自分もそうするなんて考えるべきじゃないの」
「は、はぁ……」
何か一気にまくし立てられた。
何を言ってるのか訳わかめだけど取り敢えず早いって言いたいことは分かった。
けど……それじゃあダメなんだ。
「それじゃあ……ダメなんです」
「……どうしてか聞いてもいい?」
「私は……ファミリアの一員になりたいんです」
「……そうしないと……そうしないと……」
「……」
「私は……(寝床がないし一人で生活するなんて不可能だから)生きていけないんです」
「っ……」
俺の言葉にエイシ……エイナさんは口を手で覆って驚いている。
そこまで驚く必要あるか?分からん。
「そっか……ううん、聞かないわ。でも、これだけは言わせて。決して自分が一人だなんて思わないでほしいの」
「……?(うん?)」
「周りには頼れる人達がいる。それこそ私に頼ってほしい。きっと顔を隠してるのも何か理由があるんだよね?冒険者になりたいのもその中の一つで」
「あ、あの……(きっと何か勘違いしてると思うんですけど)」
「ううん、大丈夫。辛いなら話さなくていいわ。話す事が心を癒す事になることもあるけど、思い出したくない事もあるわよね、だから……」
そう言うとエイ……エイナさんは机をぐるりと回って俺の所まで来ると唐突に抱き締めてきた。
その時のエ……エイナさんは目から涙を流していた。
「この世界で一人きりなんて事は無いの。誰しも生きていく中で人と人との繋がりで生きてる。一人で生きているなんていう人もいるけれどそれは間違い。必ず何処かで人と繋がっているのよ?」
「……」
「だから……悲しまないで。今こうしてアイちゃんと私は繋がってるから。どんなに辛い事があったとしても人は分かち合うことが出来ると思う……いいえ、出来るのよ。人とはそうして生きているんだから」
「……」
「さ、お姉さんと話しましょ。……すいません、暫く受付をお願いできますか?……はい、ありがとうございます」
「……それじゃあアイちゃん。あっちの部屋で一緒に話そ?私アイちゃんと話したい事が沢山あるんだ」
「あ……はい。よろしくお願いします」
「ふふっ、そんな畏まらなくていいのよ?うん、そうだ。私とアイちゃんは今から友達ね。あ、お姉ちゃんと妹でもいいのよ?うん、それがいいわ。ね?お姉ちゃんって呼んでみて?」
「……お姉ちゃん」
「うぅっ……さ、早く行きましょ!」
………………どうしてこうなった。
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