東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 始まった狂との戦い。

 その戦いの中で裕太は新しい能力を身につける。

 結局狂との決着は着かずに戦いは終わりを告げた。



 それではどうぞ!


第25話 妹

side裕太

 

「いってぇぇぇっ!」

 

 俺の叫び声が冥界に響き渡る。

 

 今の俺の状態は頭に包帯を巻いて、腕をガーゼで固定して、布団の上に寝転んでいる状態だ。

 

 そして妖夢に傷の手当てをしてもらっている。

 

 今は腕をして、絆創膏を貼っている。

 

 あのときに睨まれた傷だ。

 

 あまり傷口は深くなかったと言うのが幸いだろう。

 

 だが今の俺の状況を見たら、そんな悠長な事は言ってられないだろう。

 

 腕は複雑骨折、全身に浅い切り傷、慣れてない能力を無理に使ったことによる霊力の枯渇&体が言うことを聞かない。更には無理に能力を使った代償はまだあって、その中の一つに全身筋肉痛も含まれている。

 

 これは酷い状況だ。

 

 これらを手当てしてくれている。

 

 何でこんなに白玉楼って応急処置のセットが揃ってるんだ?

 

 色々入った救急箱まで有って、病院顔負けの品揃えだ。

 

「動かないで下さい。少し()みますけど、すぐ終わりますから」

 

 と、消毒を続ける妖夢

 

 これはきついな…

 

 骨折してない方の腕も動かせない。

 

 霊力を無理に使うと霊力の筋肉痛?みたいなものになって、暫くは体が言うことを聞いてくれなくなるらしい。

 

「そう言えば裕太さん」

 

「なんだ?」

 

 突然話を振ってきた。

 

「あの時、能力を使ってましたが、裕太さんはどんな能力を持ってるんですか?」

 

 俺の能力ねぇ…

 

「俺の能力は3つあるんだ」

 

 そう言うと妖夢は驚きの表情に変わった。

 

「『思いが力になる程度の能力』と、『乗り越える程度の能力』。それに、メインの能力。この前に使ってた能力は『空間を把握し、空間を操る程度の能力』だ」

 

 一つ目と二つ目はそのままの能力だが、最後のは色々な用途で使える。

 

 狂との戦いで使ったのはすべてこれだ。

 

 まぁ、名前を考えたのは俺なんだけど、これが一番最適だと思ったからな。

 

「ん?最後のやつはどんな能力何ですか?」

 

 と、聞いてきた。

 

 俺としては実際に見せたいところなんだけどな…生憎、霊力が枯渇しててな

 

 まぁ、色々と汎用性のある能力なんだが

 

「俺が治ったら実際に見せるよ」

 

 そして俺の手当ては終わった。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「手持ち無沙汰だ」

 

 今現在、妖夢が晩飯を作っている。

 

 いつも一緒に作っていたため、なんと言うか落ち着かない。

 

 そう言えば日本にいる皆はどうしてっかな。

 

 心配かけてんのかな…

 

 妹の歩美は長期休暇になると、いつも遊びに来るから心配してるんだろうな…

 

 かなり俺は向こうの世界に未練タラタラだ。

 

 あれだけ別の世界に行きたいって言ってたのにな。

 

「歩美…」

 

「そんなに妹さんに会いたい?」

 

「ああ、会えるなら会いたいな。…って紫!」

 

 急に俺の横に現れた紫に驚く。

 

 すると、紫が顔だけをスキマに突っ込んだ。

 

「どうぞ!」

 

 そう言うとスキマの中から声が聞こえてきた。

 

「おーにーいーちゃーんー!」

 

 おいおいおい

 

「お兄ちゃん!」

 

「グハァッ!」

 

 急に抱きついてきた人によって俺の傷口が痛む。

 

「お、お兄ちゃん!この傷どうしたの?」

 

 その前に離れてくれ、傷口が痛い。

 

 すると俺の悲鳴を聞いてか、急いでドアを開けて入ってくる妖夢

 

「どうしたんです…か?」

 

 そう言った後に数秒間硬直してしまった。

 

「あの…これは一体?」

 

「それでは私はこれで~」

 

 と、紫が逃げるようにスキマに入る。

 

「取り合えず…俺の可愛い妹の歩美よ。そこを退いてくれるとありがたい」

 

「分かったよ。お兄ちゃん」

 

 そしてやっと退いてくれた我が妹

 

「お兄ちゃん?妹?」

 

 と、(いぶか)しげに見てくる妖夢

 

 すると先ほど紫が居たことですべてが繋がったようだ。

 

「また紫さまの仕業ですか」

 

 と、呆れたように言う妖夢

 

「そうだ。こいつは俺の妹、空頼 歩美(あゆみ)だ。ほら歩美」

 

 と、促す。

 

 すると、歩美は前に出て自己紹介を始める。

 

「はい!私は空頼 歩美!お兄ちゃんとは別々に住んでるんだけど、それが悲しいな~っと思ったり…でねでね歩美は」

 

 ゴツン

 

「いったーい!」

 

「余計なことまでしゃべらなくて良いわ!」

 

 余計なことまで口走りそうだったので俺は歩美の頭に拳骨(げんこつ)を振り下ろして強制的に話を止めさせた。

 

「よろしくね。歩美ちゃん。私は魂魄 妖夢。ここで庭師をしているんですよ」

 

 そう歩美の目線に合わせながら言うと、次は立ち上がって俺の方を向く。

 

「しかし兄妹のわりに似てませんね」

 

「世の中の兄妹全員が似ていると思ったら大間違いだ…どれだけ歩美に似たかった事か…何で俺はこんな不良みたいになって、歩美は美少女なんだぁぁっ!」

 

 と、叫ぶ。

 

 これで少しストレス発散出来た。

 

 すると

 

「~っ!」

 

 また傷口が痛みだした。

 

「あまり無理するからですよ。見せてください」

 

「申し訳ないな…」

 

 と、妖夢に傷口を見せる。

 

 すると歩美は俺に近づいてきて背中から優しく包容する。

 

「みんながどう思おうと、私はお兄ちゃんが大好きだからね」

 

 妖夢に見られてるから恥ずかしいんだが?

 

 しかし妖夢は真顔で手当てをしはじめる。

 

 何故かそれが不機嫌に感じる。

 

「終わりましたよ」

 

 と、立ち上がってそそくさと部屋から出ていく妖夢。

 

 何が妖夢をあんな風にさせたんだ?

 

 それよりも

 

「こんなに簡単にこっちに連れてきて大丈夫か?」

 

 問題はそこである。

 

 まぁ、今は戦いの事を考えよう。




 はい!第25話終了

 今回も新キャラ登場。

 歩美は見ての通りブラコンです。

 そしてこれからどうなっていくのか!

 それでは!

 さようなら

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