それでは前回のあらすじ
始まった狂との戦い。
その戦いの中で裕太は新しい能力を身につける。
結局狂との決着は着かずに戦いは終わりを告げた。
それではどうぞ!
side裕太
「いってぇぇぇっ!」
俺の叫び声が冥界に響き渡る。
今の俺の状態は頭に包帯を巻いて、腕をガーゼで固定して、布団の上に寝転んでいる状態だ。
そして妖夢に傷の手当てをしてもらっている。
今は腕をして、絆創膏を貼っている。
あのときに睨まれた傷だ。
あまり傷口は深くなかったと言うのが幸いだろう。
だが今の俺の状況を見たら、そんな悠長な事は言ってられないだろう。
腕は複雑骨折、全身に浅い切り傷、慣れてない能力を無理に使ったことによる霊力の枯渇&体が言うことを聞かない。更には無理に能力を使った代償はまだあって、その中の一つに全身筋肉痛も含まれている。
これは酷い状況だ。
これらを手当てしてくれている。
何でこんなに白玉楼って応急処置のセットが揃ってるんだ?
色々入った救急箱まで有って、病院顔負けの品揃えだ。
「動かないで下さい。少し
と、消毒を続ける妖夢
これはきついな…
骨折してない方の腕も動かせない。
霊力を無理に使うと霊力の筋肉痛?みたいなものになって、暫くは体が言うことを聞いてくれなくなるらしい。
「そう言えば裕太さん」
「なんだ?」
突然話を振ってきた。
「あの時、能力を使ってましたが、裕太さんはどんな能力を持ってるんですか?」
俺の能力ねぇ…
「俺の能力は3つあるんだ」
そう言うと妖夢は驚きの表情に変わった。
「『思いが力になる程度の能力』と、『乗り越える程度の能力』。それに、メインの能力。この前に使ってた能力は『空間を把握し、空間を操る程度の能力』だ」
一つ目と二つ目はそのままの能力だが、最後のは色々な用途で使える。
狂との戦いで使ったのはすべてこれだ。
まぁ、名前を考えたのは俺なんだけど、これが一番最適だと思ったからな。
「ん?最後のやつはどんな能力何ですか?」
と、聞いてきた。
俺としては実際に見せたいところなんだけどな…生憎、霊力が枯渇しててな
まぁ、色々と汎用性のある能力なんだが
「俺が治ったら実際に見せるよ」
そして俺の手当ては終わった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「手持ち無沙汰だ」
今現在、妖夢が晩飯を作っている。
いつも一緒に作っていたため、なんと言うか落ち着かない。
そう言えば日本にいる皆はどうしてっかな。
心配かけてんのかな…
妹の歩美は長期休暇になると、いつも遊びに来るから心配してるんだろうな…
かなり俺は向こうの世界に未練タラタラだ。
あれだけ別の世界に行きたいって言ってたのにな。
「歩美…」
「そんなに妹さんに会いたい?」
「ああ、会えるなら会いたいな。…って紫!」
急に俺の横に現れた紫に驚く。
すると、紫が顔だけをスキマに突っ込んだ。
「どうぞ!」
そう言うとスキマの中から声が聞こえてきた。
「おーにーいーちゃーんー!」
おいおいおい
「お兄ちゃん!」
「グハァッ!」
急に抱きついてきた人によって俺の傷口が痛む。
「お、お兄ちゃん!この傷どうしたの?」
その前に離れてくれ、傷口が痛い。
すると俺の悲鳴を聞いてか、急いでドアを開けて入ってくる妖夢
「どうしたんです…か?」
そう言った後に数秒間硬直してしまった。
「あの…これは一体?」
「それでは私はこれで~」
と、紫が逃げるようにスキマに入る。
「取り合えず…俺の可愛い妹の歩美よ。そこを退いてくれるとありがたい」
「分かったよ。お兄ちゃん」
そしてやっと退いてくれた我が妹
「お兄ちゃん?妹?」
と、
すると先ほど紫が居たことですべてが繋がったようだ。
「また紫さまの仕業ですか」
と、呆れたように言う妖夢
「そうだ。こいつは俺の妹、空頼
と、促す。
すると、歩美は前に出て自己紹介を始める。
「はい!私は空頼 歩美!お兄ちゃんとは別々に住んでるんだけど、それが悲しいな~っと思ったり…でねでね歩美は」
ゴツン
「いったーい!」
「余計なことまでしゃべらなくて良いわ!」
余計なことまで口走りそうだったので俺は歩美の頭に
「よろしくね。歩美ちゃん。私は魂魄 妖夢。ここで庭師をしているんですよ」
そう歩美の目線に合わせながら言うと、次は立ち上がって俺の方を向く。
「しかし兄妹のわりに似てませんね」
「世の中の兄妹全員が似ていると思ったら大間違いだ…どれだけ歩美に似たかった事か…何で俺はこんな不良みたいになって、歩美は美少女なんだぁぁっ!」
と、叫ぶ。
これで少しストレス発散出来た。
すると
「~っ!」
また傷口が痛みだした。
「あまり無理するからですよ。見せてください」
「申し訳ないな…」
と、妖夢に傷口を見せる。
すると歩美は俺に近づいてきて背中から優しく包容する。
「みんながどう思おうと、私はお兄ちゃんが大好きだからね」
妖夢に見られてるから恥ずかしいんだが?
しかし妖夢は真顔で手当てをしはじめる。
何故かそれが不機嫌に感じる。
「終わりましたよ」
と、立ち上がってそそくさと部屋から出ていく妖夢。
何が妖夢をあんな風にさせたんだ?
それよりも
「こんなに簡単にこっちに連れてきて大丈夫か?」
問題はそこである。
まぁ、今は戦いの事を考えよう。
はい!第25話終了
今回も新キャラ登場。
歩美は見ての通りブラコンです。
そしてこれからどうなっていくのか!
それでは!
さようなら