東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 低空飛行で行動しようとする裕太

 しかし裕太は捕まり拘束されてしまう。

 妹である歩美に看病してもらう。

 そして理華に強制的に治療してもらった。



 それではどうぞ!


第27話 完全復活

side裕太

 

 俺は気を失った。

 

 するといつものあの場所に

 

「本当に耐えるなんてねぇ…殺す気で霊力を放ったのに」

 

 と無邪気に笑う理華

 

「てめぇ…」

 

 殺す気だったと知り、俺はがっくりと肩を落とす。

 

 気を失うといつもここに来る。

 

「で、今回は何日寝そうだ?」

 

「多分今回のは…一生?」

 

「え!?」

 

「嘘だよ。今回のは軽い気絶だから明日の朝には目が覚めるよ」

 

 その言葉が聞けて俺はホッとする。

 

 明日の朝には目覚めるなら皆に心配をかけることも無いだろう。

 

「んじゃ意識が戻るまでここに居ますかね」

 

 と、後ろに倒れ混むような感じで寝転がる。

 

「図々しいね。人の空間で」

 

「まぁ、良いじゃねーか。減るもんじゃないし」

 

「態度はどうかと思うけど、君ならいつでも大歓迎だよ。このままここに住む?」

 

「争いもない平和な空間だからとても魅力的ではあるが、みんなが心配するし丁重にお断りするわ」

 

 そう言うと隣に座る理華

 

 髪のフワッとした甘い匂いが鼻孔をくすぐり、ドキッとする。

 

 落ち着け…こいつは実態がないんだ。そうだ。実態がないなんて二次元と同じじゃないか。

 

 二次元は恋愛対象には出来ない。

 

 煩悩退散(ぼんのうたいさん)煩悩退散

 

「何失礼なこと考えてるのさ。私をあんな薄っぺらい二次元と一緒にしないで」

 

「その台詞、すべての二次元好きの人達を敵にまわしてるぞ!」

 

「私はそんな人達見たこと無いから、見えない人達を心配してもしょうがないでしょ?」

 

 特大ブーメラン刺さってんぞ。

 

 俺はこうしてこの空間に来ることで姿を視認でき、会話をし、触れることも可能だ。

 

 だが彼女はこの空間から出られないと言う。

 

 外の世界に出るようの実態が無いんだとか。

 

 そして彼女の空間で風景が映りそうなポイントはあるものの、彼女は映らない。

 

 自分の姿が分からないのだ。

 

「ふわぁ…なんか眠くなって来ちゃった」

 

 と、欠伸をする理華

 

「理華も眠くなるんだな」

 

「普段は寝ないんだけどね…こういう風に霊力を使ったときは使用量に応じた時間寝るかな」

 

 霊力って俺を回復させるときに使ったあれか

 

「あなたの最大霊力量を使っても1秒で回復するんだけどね」

 

 え!?コスパヤバくね?

 

「だけどあなたが霊力をはね飛ばしたせいで普段より霊力が多く吹っ飛んじゃったんだよね…これは二日くらい寝ないとダメかな」

 

「ほんっとすいません!」

 

 と、光速を越えたスピードでDOGEZAを実行する。

 

 するとすぅ…すぅ…とゆっくりと落ち着いた吐息が聞こえてきた。

 

 俺が頭をあげると小さく丸まって横向きに寝てる理華が居た。

 

 俺がいるのに無防備な。

 

 そして俺は今日羽織っていた黒色のパーカーを彼女の体にかけてあげる。

 

「お休み」

 

 そう言う俺も眠くなってきたので眠ることにした。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

次の日

 

「ふわぁぁっ」

 

 と、起きて欠伸をする。

 

 理華の言う通り、次の日の朝には意識が戻っていた。

 

 そして腕を動かす。

 

 動く。動くぞ!

 

 そして体が軽い。流石サ○ヤ人のような能力だ。

 

 ピンチを乗り越える度に強くなる。

 

「完治した。これでいつでも戦闘に備えられる」

 

 今は理華は寝てるんだ。

 

 俺自身の力だけで勝たなくちゃいけない。

 

「でも理華が居なくても勝てると証明するチャンスだ」

 

 そうして気合いを入れる。

 

 その時、俺の扉が開いて一人の人物が入ってきた。

 

「え!?お兄ちゃん!?」

 

 歩美が入ってきたとたん、俺が立っていることに驚いたらしい。

 

「まだ立っちゃダメだよ!」

 

 と、押さえられる。

 

「いや、もう治ったから!」

 

 と言うと驚いた顔をした。

 

 そりゃそうだ。

 

 一日であのての怪我を完治させたと知ったら誰だって驚くだろう。

 

「見せて!──────ほんとだ。傷があったのが嘘のように何もない」

 

 すると急に抱きついてきた。

 

「わーい!これでやっと思いっきりお兄ちゃんに甘えられる!」

 

 俺の胸に頬擦りしてきている。

 

 非常にむず痒いんだが…

 

 さーて。いきなり鍛練を始められるレベルになったら何があったかと疑られてしまうからなにしようかな。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

霧の湖奥地の屋敷

 

「お嬢様。おやつのプリンをお持ちしました」

 

 と、メイドは主の目の前にプリンを置く。

 

「ありがとう」

 

 そう言って口にプリンを運ぶ主

 

「うん。美味しいわ。ところで咲夜」

 

 と、向き直ってメイドを見る主

 

「例の人物は見つかったかしら」

 

 と、ひじ掛けにひじをついて頬杖を着く。

 

「はい。以前、魂魄 妖夢と人里で買い物をしているところを目撃しました」

 

 そう言うと主はにやっと口元を緩める。

 

「そう…冥界の…分かったわ」

 

 そこまで言い終わったらふふふと笑う主

 

「ところでなぜあのような人間を?」

 

「面白い運命が見えたのよ」

 

「面白い運命?」

 

 メイドが問う。

 

 少し間を置いてから主は口を開く。

 

「そう。面白い…ね。必ずあの人間は面白いことを起こしてくれると思う」

 

 そして続ける。

 

「だから一回あの人間に会ってみたいのだけど…」

 

「わかりました」

 

「その結果。フランに何か影響があれば良いのだけど…」

 

 そう言い、主は遠い目をする。

 

「それでは近日連れてきます」

 

「分かったわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フラン…」




 はい!第27話終了

 最後のシーンのキャラは原作の知識が少しあれば分かると思います。

 さぁ、次回から新たな展開が始まります。

 と言うわけで短いですが、この章は終了します。

 ここまでは幻想入りの物語と言うことで、次章から第二部が始まります。

 それでは!

 さようなら

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