東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです


 それでは前回のあらすじ

 吸血された裕太。

 しかし、裕太は能力のお陰で免疫力がめちゃくちゃ高くなっていたため、吸血鬼のウイルスに勝つことが出来た。

 そしてレミリアの妹と遊ぶことになったが、果たして?



 それではどうぞ!


第30話 本当の裕太とフランの心

side裕太

 

 俺はフランドールの部屋で向かい合っていた。

 

 一番奥に高そうなベッドがある。

 

 するとフランドールがベッドの下から道具を取り出した。

 

「フランとあなたは兄妹ね。あ、あなたがお兄ちゃん!」

 

 そして俺は部屋から追い出される。

 

 何でも兄妹二人で住んでて、俺が仕事から帰ってきたって設定らしい。

 

 そしてフランドールからokが出たので俺は扉を開ける。

 

「ただいま」

 

「お帰りなさいお兄ちゃん!ご飯にする?お風呂にする?それともわ♡た♡s」

「おいちょっとまてぇぇっ!」

 

 思わず食いぎみにつっこんでしまった。

 

「夫婦か?夫婦なのか?兄妹と言う一線を越えて禁断の恋をしてんじゃねーか」

 

「おー!じゃあそれでいこう!」

 

 これで続けんの?

 

 と、また追い出された。

 

 take2

 

「ただいま」

 

「お帰りお兄ちゃん!ご飯にする?お風呂にする?」

 

 俺はせめて最後の台詞だけは辞めさせた。

 

 さすがに危ないからな。

 

「じゃあご飯にしようかな」

 

 そう言うとフランドールは笑顔で奥の方に行った。

 

 そして俺はテーブルの前に座る。

 

「今日のご飯はハンバーグだよ」

 

 と、皿に乗せたハンバーグ(のおもちゃ)をテーブルに置いた。

 

「美味そうだな」

 

 と、ハンバーグ(のおもちゃ)を食べる(ふりをする)。

 

 ふと、フランドールを見るととても楽しそうに微笑んでいた。

 

 それを見るとこっちまで嬉しくなる。

 

「そう言えばフランドールって」

「フラン」

 

 と、食いぎみに言ってきた。

 

「え?」

 

「フランって呼んで欲しいなお兄様」

 

「いや、お兄様って…」

 

「私、嬉しいんだ。久しぶりに人の温もりに触れたような気がして…でもそれもお姉さまの差し金」

 

 バレてるーっ!

 

「分かってる。私も。自分から好んでこんな危険な私に近づこうと思う人なんて居ないって…」

 

 するとどんどん悲しい表情に変わっていくフランドール

 

 俺はフランドールを笑顔にしたい。

 

 レミリアに頼まれたからとかではなく、俺自身の意思で

 

「分かってる。分かってるけど…ね。せめて、せめて…」

 

 と言って涙を流しながら微笑んだ。

 

 俺はもうその姿が見ていられなくなった。

 

「せめて、この瞬間だけでも夢を見させて」

「フラン!」

 

 と、俺は食いぎみに叫んだ。

 

 そしてフランの両手を優しく包み込む。

 

 なんだよ。危険だから地下に閉じ込めた?

 

 危険どころかその逆。健気で良い子じゃねーか。

 

 自分の思いを隠して、言うことを聞いて…そんな人生、楽しいわけない。

 

 初対面の俺じゃ出来ることは限られている。

 

 だけど

 

「最初はフランの言う通り、レミリアの差し金だったんだよ」

 

 この子には悲しい表情はしてほしくない。

 

「だけど、君と遊ぶと決めたのは俺自身だ」

 

 レミリアとか関係なく。

 

「俺は君を嫌わないし、否定もしない」

 

 だって

 

「だって」

 

 君には笑っていてほしいってそう思えたから。

「フランには笑っていてほしいってそう思えたから」

 

 そう本心を伝えた。

 

 するとフランの顔がみるみると赤くなっていった。

 

 良い放ってから気がついた。

 

 これ、ものすごく恥ずかしいやつだ。

 

 でも後悔はない。

 

「お兄様…」

 

 そう言って抱きついてきた。

 

「私、笑っても良いの?」

 

「ああ、」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「さすが裕太ね。ここまで打ち解けるなんて」

 

「ですがあの状態のフランお嬢様は誰にたいしても人懐っこいのでああなるのは必然だったんでは?」

 

 と、咲夜が言うがレミリアは首を降った。

 

「あれこそ彼の潜在能力とでも言うべきなのか…長所なのか…まぁ、どちらでも良いけど、彼はそとの世界では髪色から有らぬレッテルを貼られて忌み嫌われた」

 

 しかし、と続けるレミリア

 

「それは間違いだった。本当の彼は人の話を親身に聞いて悩みを全力で解決しようと動いてくれる。いわば親しまれるべき存在。それが空頼 裕太と言う人物なのよ」

 

 咲夜はなるほど、とうなずく。

 

「私の見込んだ通り。ちゃんとフランの心に寄り添うことが出来たようね」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「お兄様」

 

「フラン。何かやりたいことないか?今ここで数百年分のしたかったこと、溜め込んでたことしても良いんだぞ」

 

 するとフランの目が輝き出した。

 

「ほんと?」

 

「ああ」

 

「えへへ。じぁねぇ…」

 

 と、スカートの裾を掴んで少し前のめりになってニコニコ笑うフラン

 

 正直可愛い。

 

 その時、

 

ーーーさせるかーーー

 

 突然そんな声がしたような気がした。

 

 すると急にフランが胸を押さえる。

 

 苦しそうに

 

「フラン!」

 

 そして倒れてきたフランを支えた。

 

「大丈夫か?」

 

「うん。大丈夫」

 

 そしてまた口を開く。

 

「したいこと決まったよ」

 

「なんだ?」

 

「…」

 

 すると急に無言になった。

 

 暫しの無言が続いたがその無言を破ったのはフランのある言葉だ。

 

「私のしたいこと…それは」

 

「それは?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「裕太を殺すこと」

 

「え?」

 

 そしてフランの掌が俺の腹に押し付けられる。

 

 するとフランの掌に霊力の玉が生成され、放たれたためゼロ距離でもろに食らってしまった。

 

「ぐぁぁっ!」

 

 そして俺はテーブルを吹っ飛ばしながらぶっ飛び、入り口の扉に背中を強打する。

 

「が、は…一体…どうなって…」

 

 さっきまでと全然雰囲気が違う。

 

 そして口を袖で拭くと血が出ていた。

 

「アハハっ!血が出た!出た!」

 

 もしかしてこれが暴走?

 

 そしてフランをよく見ると、フランの体から黒い靄のようなものが出ていて、表情は悲しげだった。

 

「いいぜ、相手になってやるよ。約束したからな。俺は逃げも隠れもしないし、どこにも行かない」




 はい!第30話終了

 今回、フランと良い雰囲気かな?と思ったら突如暴走!?



 次回の東方魂愛想は?

「あは、あはは。壊れちゃえコワレチャエ」

 狂気に染まったフラン

 そして対するは

「《マイスペース》!」

 能力があるだけのただの人間

「アハハ!お兄様やるね。じゃあ少し本気出すよ!」

「俺はお前を嫌わないし、否定もしないって約束したからな…」

 そして高々と宣言する。

「俺がフランの心の支えになってやる!」

 次回、第31話『フランと裕太 狂気を乗り越えろ』

 お楽しみに



 それでは!

 さようなら

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