東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 なんとフランとおままごとをすることになった裕太は、フランとおままごとをしているうちに、自分の意思で彼女を笑顔にしたいと思い始めていた。

 そして裕太の人の心に寄り添う程度の能力(作者談)によってフランと打ち解けたように見えた。

 だが、

「裕太を殺す!」

 ついに狂気化してしまったフラン。果たして裕太の運命は!?



 それではどうぞ!


第31話 フランと裕太 狂気を乗り越えろ

side裕太

 

「アハハっ!逃げてるだけじゃ私から逃げられないよ!」

 

 まずいな。この狭い部屋の中だけで弾幕を避けるなんて無理ゲーにも程がある。

 

 しょうがない。能力を使うか

 

「空府《君と俺との間の空間》」

 

 説明しよう。

 

 このスペルは相手との距離感を表している。

 

 会ったばかりの人にはこれくらいの場所までしか近づけない。的な意味合いを持っていて、このスペルはその空間を作り出すんだ。

 

 パシュン

 

 そして俺の目の前で弾幕が消える。

 

 ちなみにこの能力は生命体以外にも俺が危険と判断したものは俺に近づけないようになっている。

 

 まぁ、狂が使ってきたような技だと無意味なんだけど

 

 そして俺にどんどん猛攻を仕掛けてくるフランだが、俺に攻撃を与えれてない。

 

「あは、あはは。壊れちゃえコワレチャエ」

 

 と言いながら弾幕を放ってくるフラン

 

 そろそろきついな。

 

「《マイスペース》」

 

 説明しよう。

 

 このスペルは自分自身が能力、『空間を把握し、空間を操る程度の能力』の効果範囲(約1km程度)を設定するものである。

 

 そして効果範囲が球体で囲まれた。

 

 フランを刺激しないように刀は持ってきてなかったんだが、しょうがない。

 

「取寄《サルベージ》」

 

 すると、俺の手のひらの上に刀が現れた。

 

 説明しよう。

 

 このスペルは《マイスペース》で作った範囲内にある私物を手のひらの上に取り寄せ(・・・・)ることが出来る。

 

 私物以外(・・・・)は取り寄せることは出来ない。

 

 そして取り寄せた刀でフランの放った弾幕を次々に斬っていく。

 

 しかし、斬ってはどんどん飛んでくるので追い付かず、次第に被弾していく。

 

「アハハ!お兄様やるね。じゃあ少し本気出すよ!禁忌《フォーオブアカインド》」

 

 するとフランの数が四人に増えた。

 

 そして四方向から同時に弾幕が飛んできた。

 

 勿論それを凌ぎきれる分けなく、諸に全弾食らってしまった。

 

「アハ、アハハ。アハハハハ。ねぇねぇお兄様、早く壊れちゃってよ!」

 

 まだだ、まだこんなところで壊れるわけにはいかない。

 

 約束したんだ。フランを笑顔にするって。

 

 だから

 

「まだ、死なない!フランの全力、俺にぶつけてこい!」

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

sideレミリア

 

「裕太さん!」

 

 と、咲夜が叫んだ。

 

 これはまずいかもしれないわね。

 

 このままでは裕太が壊されてしまうかも知れない。

 

 何で逃げないの?何でそこまでして立ち向かっていくの?

 

 私には全く理解が出来ない。

 

 私は数百年前、我が妹フランの能力を見て、私は恐怖した。

 

 そしてたった一人の妹から逃げて、フランを地下室に閉じ込めた。

 

 だけど裕太は違う。

 

 裕太だって怖いはずなのに、何でそんなに立ち向かうの?

 

 そう私はフランの部屋のモニターを見ながら考えていた。

 

 服はもうボロボロ、体の至るところに傷が出来ていて、今にも死んでしまいそう。

 

 だけど裕太の目は怯えてない。目的をはっきりと見据えてる目だ。

 

『俺はお前を嫌わないし、否定もしないって約束したからな…』

 

 と、モニターから声がしてきた。

 

 もしかしてあいつ、自分がこんな状態だと言うのにフランの事を考えて…

 

 やっぱりすごい。思った通り…いや、想像以上。

 

 運命を見て、彼がもしかしたらフランに接近したら良い効果を生むのではないか?と思ってたけど、まさかここまで尽くしてくれるなんて…

 

『フランドール・スカーレット!』

 

 裕太がそう呼ぶと、フランが怯んでスペルカードが解けて一人に戻った。

 

『ずっと一人は辛いもんな。それは俺もよく知ってる。俺が平常でいられるのは友人と言う心の支えがあったからだ。だから今度は俺がフランの心の支えになってやる!』

 

 大の字に手足を広げて高々と宣言する裕太。

 

 その剣幕に押されて脱力したのかフランが空中から落ちて床に座る。

 

 空頼 裕太ね。こんな人間も居るのね。

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

side裕太

 

「だから今度は俺がフランの心の支えになってやる!」

 

 そう高々と宣言する。

 

 俺が京介にしてもらったように俺が

 

 すると、フランが空中から落ちて床にペタんと座った。

 

 それを見て俺は刀を投げ捨てた。

 

 そして正面からフランを抱き締める。

 

「俺は何度痛め付けられても、何度命の危機になっても俺は決してフランを見捨てない。だから安心して暴走しろ」

 

 と、微笑みながら言った。

 

「おにぃ…さま…」

 

 すると暴走化時の時の表情から普通の表情に戻っていた。

 

「フラン…良かった…無事で」

 

 そうして俺は更に強く抱き締める。

 

「お、お兄様!く、苦しい…」

 

 そう言われ、俺は我に帰って慌てて離す。

 

「わ、わるい」

 

 いくら感極まってたからといってなに普通に女の子抱き締めてんだよ。バカか俺は

 

「あ!お兄様。服がすごいボロボロ…」

 

 と、俺の服装を見ながら言ってきた。ズボンはまだ良いけど、パーカーがだいぶボロボロだ。

 

 袖以外のダメージは最小限だが、袖がかなりボロボロだ。

 

「そうだ!お兄様。上着を脱いで!」

 

「え?」

 

「良いから!」

 

 と、急かされて、俺は渋々着ていたパーカーを脱いで渡す。

 

 今日は生憎シャツを着てなかったんだよな。

 

「お兄様。筋肉すごいね」

 

 と、俺の体をまじまじと見ながらそう言ってくる。

 

 なんか犯罪臭がする。

 

 昔は筋肉なんて全然なかったんだが、こっちに着て、筋トレとかをしはじめてからは腹筋が割れてきた。

 

「じゃあ少しの間、待っててね」

 

 そう言って奥の方に小走りで向かうフラン。

 

 俺の服を持ってったが、どうしたんだ?

 

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

数十分後

 

 俺はボーッとしながらフランを待っていた。

 

 することが無さすぎてヤバイ。

 

 その時

 

「出来た!」

 

 その声が聞こえた瞬間、俺はそちらに顔を向ける。

 

 すると小走りでこちらに駆け寄ってくるフランが見えた。

 

 手には先程のパーカーを持っている。

 

「じゃーん」

 

 と、パーカーをひろげて見せてくるフラン

 

 すると俺は言葉を失った。

 

 理由はそのパーカーにあった。

 

 なんとそのパーカーは確かにさっきまで着ていたものなのだが、まるで新品のように傷ひとつ見当たらないのだ。

 

(ほつ)れかけてたとこも補強しておいたんだけど…どうかな?」

 

 完璧だ。

 

 本当にさっきまでボロボロだったのだろうか?

 

「完璧すぎる」

 

 そう言うと、「良かったぁ」と安堵するフラン

 

「私よく力加減間違えてお人形壊しちゃうから、だからその度に直してたんだよね。今では咲夜より裁縫だったら出来るかも」

 

 やっぱり良い子だ。

 

 フランが良い子な限り、俺はフランの味方であり続ける。

 

 でもそろそろ白玉楼に帰んないとな…みんなが心配しちゃうな。

 

 そう思いながら少しの間、フランと雑談をした。




 はい!第31話終了

 中の人がですね、フラン好きなだけあって今回の話には力が入ってましたよ。

 裕太の決意は固いと言う話でした。



 次回の東方魂愛想は?

「じゃあなフラン。また来るからな」

 帰ろうとする裕太。しかし

「紅魔館の信条は来るもの拒まず。去るもの去るものは逃がさずなのよ?」

 裕太を帰さないつもりのレミリア

「咲夜。撃退の準備は?」

「はい。既に侵入者を塵一つ残さない設備が出来上がっています」

 なにこの会話。普通じゃないと思うのは俺だけ?by裕太

「お姉様!そういうのは良くないと思う!」

「じゃあフランは裕太と一緒に居たくないの?」

「そ、それは…」

「わ、分かった。お姉様に協力するよ!」

 どうしてこうなったby裕太

「総員戦闘準備」

 一方妖夢

「拐われた…可能性はありますよね」

「あんたまた厄介事持ってきてくれたわね」

「でも頼れるのは霊夢しか居なくて」

 霊夢と妖夢が協力

「あの姉妹。厄介なことに地味に強いから面倒なのよ」

 面倒がる霊夢

「分かった霊夢。今度またご飯をごちs」
「今行こう。すぐ行こう!よしっ!張り切っていこう妖夢!私を豪華なご馳走が待ってるわ!」

 と、食いぎみに言う霊夢

 この巫女、ゲンキンである。

 次回、第32話『妖夢達の裕太奪還大作戦』

 お楽しみに

「私達忘れられてないですかパチュリー様」

「所詮私達は影が薄いのよ」



 それでは!

 さようなら

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