東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 忍冬の家でのまったりとした時間。

 そして忍冬によって漠を倒す秘策を教えられる。

 その秘策というのが地底に古くから伝わる刀、神刀【空斬剣】だった。

 果たして裕太達は空斬剣を入手することが出来るのだろうか?



 それではどうぞ!


第45話 忍冬 彩は怒ると怖い

side裕太

 

 忍冬が出て行ってから暫く経った。

 

 何やってんだか…

 

 しっかし、参ったな…さっきは帰るとかあ言ってたけどこれじゃ帰れねーな。

 

 俺は地底の地理を知らない。

 

 とりあえずもう暫くは白玉楼に帰れなさそうだ。

 

 まーた怒られるな…

 

 その時

「ガチャン」

 扉が開いた。

 

「いやー。いい情報を手に入れたよ」

 と忍冬が俺の方に駆け寄ってきた。

 

 今の今まで情報を集めてたのかよ。

 

 ちゃんと仕事をしてきた忍冬に俺は驚きだった。

 

「この刀は古明地なら分かるかもって」

 誰それ…俺は分かんないんだが?

 

「それじゃとりあえず地霊殿に行ってみよう!」

 


 

とある場所

 

「漠様。奴らが動き出しました」

 コンピュータを見つめながら男は不気味に笑う。

 

「そうか…あいつの準備は」

 

「はい。もうそろそろ完了致します」

 

「ふふふ…あーっハッハッハ」

 急に笑い出すマントの男。

 

「あいつは最強だ。単純な力だけなら僕にも(まさ)ってる」

 

「はい。あいつのパワーは奴らの力を超越していることでしょう」

 ニヤリとコンピュータを見ながら笑った。

 

「さぁそろそろ始動だな。我らが作りし最強の戦士」

 

 路異怒(ロイド)

 


 

場面は戻り裕太

 

「で、古明地の屋敷?ってどこにあんだよ」

 俺が問いかけると地図を見ながら答え始めた。

 

「もう少し。私も実際に来るのは初めて」

 まぁ、普通に暮らしてるだけならあんなデカい屋敷には来ないだろうな。話してる間に見えてきたけど。

 

 外装だけなら紅魔館よりデカい。

 まぁ、紅魔館は空間を操れる奴が中を広くしてるんだけどな。

 

「ここここ。ここの主人が知ってるかもって」

 

 庭が広くて赤くない屋敷だった。目に悪くない…

 

「何変なところで感動してるの」

 

「だって目に悪くないんだぜ?赤くないんだぜ?」

 

「やめて!迫ってこないで!息荒くしてよってこないでぇっ!」

 

 その時

「あなた達誰?」

 目の前に急に女の子が出現した。

 

「うわぁっ!」

 驚きすぎて俺は尻もちを着いてしまう。

 

「これくらいで驚いていたらおしまいよ」

 たくましい…これほどまでに忍冬がたくましく見えたのは初めてかもしれない。

 

「こいしちゃん。お姉ちゃんに用があるんだけど良い?」

 

 するとこいしと呼ばれた女の子は一瞬考える素振りを見せてから

「良いよ!多分お姉ちゃんは部屋にいると思う。案内するよ!」

 そしてどこからともなく取り出した白旗を(かか)げて歩み出した。

 何に降参してるんだよ。

 

「それじゃ案内よろしく」

 ニコッと笑った忍冬。

 自分に向けれたのでは無いと分かっていてもドキッとした。

 

 うーん…これで狂戦士じゃなきゃドストライクなんだがな…

 


 

「お姉ちゃーん!」

 部屋に着いてそうそうにこいしはお姉ちゃんに飛びかかった。

 

「ひゃっ!なにこいし?」

 

「お姉ちゃんお客さんだよ!」

 こいしがそう言うとお姉ちゃんはこっちを向いた。

 

「初めまして。私の名前は古明地(こめいじ) さとり。この子は妹の古明地 こいしです」

 丁寧に自己紹介してくれた。

 

「あ!ご丁寧にどうも。俺は空頼 裕太です。この人は」

「裕太のかのじギャフッ」

 ちょっと強めに叩いたため倒れてしまった。

 

「これ大丈夫なの?」

 

「ノープロノープロ」

 

「いや、意味わからないのだけれども」

 

 そんなことをさとりが言っているが俺は無視する。

 

「この倒れてるやつはすいクズら 彩だ。可哀想な子だが気にしないであげて欲しい」

 しみじみと言うと俺の意図が伝わったのか何も言わなくなった。

 

「誰がすいクズらよ!私は忍冬!かとくの違いも分からなくなったの!?」

 元気な可哀想な子だこと…

 

「ところであなた方は何用でここに?」

 

 そうだった。危うく目的を忘れるところだった。

 

「あの…空斬剣って刀知ってますか?」

 俺が切り出すとさとりは驚いた顔になった。

 

「なるほど…そういうことですか…」

 そう言うとまた元の顔に戻った。

 

「もちろん知っています。()()も全て」

 

 と静かに言った。

 

「ならそれをくださ」

「待って」

 静止をかけられた。

 

「実はその空斬剣ってある洞窟の中にあるのよ」

 

 洞窟に?

 

「その洞窟には様々な危険な妖怪が居て近づけない。もしも入ったら骨になるのがオチ」

 怖っ!?何その洞窟。やる前から積んでんじゃねーか。

 

 骨になったら意味が無いじゃないか。

 

『怖いね…でもやる時はやるって私は信じてるよ』

 急に出てきた理華に応援されてしまった。

 

「私はやるよ。あいつを倒すためなら命だって惜しくない」

 それにと言って俺に抱きついてきた。

「私達のコンビは最強だもんね」

 

 抱きつかないでいただきたい。暑苦しい!

 

 え?胸が当たってるんじゃないかって?それがいつもダボッとした服だからどっちか分からなかったけど今わかった。

 固い。ちょっとは柔らかいけど固い。

 

「なんか失礼なこと考えた?」

 

「なんでわかった!?お前はさとり妖怪か!?」

 

「あーっ!やっぱり!それとさとり妖怪ならそこにも居るよ!」

 とさとり達を指す忍冬。

 

「え!?さとり妖怪だったのか!?」

 

 ってことは今まで考えていたことも

 

「筒抜けですよ。忍冬さんの胸が固いと考えていたこともね」

 

『そんなことを考えていたの〜』

 理華は茶化すように言ってくるが隣から物凄い殺気を感じるためそれどころではなかった。

 

「殺す…MAXモード」

 するとどこからともなく大剣が飛んできた。

 

「殺す!やっぱり殺す!あは、あははは!」

 

「たぁすぅけぇてぇー!」

 

『自業自得』

 

 そして暫く追われ続けた結果土下座して許してもらいました。




 はい!第45話終了


 次回の東方魂愛想は?

「嫌な予感がする」

「そうね。もしかしてあいつが……」

 次回、第46話『予感』



 それでは!

 さようなら

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