東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 地霊殿で洞窟の噂を聞いた二人は作戦を立てるために彩の家に帰ろうとした。

 その時、裕太が嫌な予感を感じる。

 そして様子見も兼ねて地上に行くことにした。

 その同時刻、地上で新たな敵が現れた。



 それではどうぞ!


第47話 石の力

side裕太

 

 俺達は人里に向かって走っていった。

 

 なぜなら先程空から降ってきた新聞にこんな記事が載っていたからである。

 

『人里のベンチに座るリアルな人の石像!?』

 

 俺はこの記事に対して嫌な予感を感じ取った。それは忍冬も同じらしく、アイコンタクトをした後直ぐに走り出した。

 

 忍冬は走りながら「石化の能力なんて聞いたことがないけどもしかしたらあるかもしれない」と言っていた。

 

 つまり今回のは忍冬も知らない人物かもしれない。相手の情報は何も無いわけだ。

 

「忍冬の戦い方は主に斬撃でただ殺すだけなんだよな?」

 

「そうだね。斬みたく特殊な力ってのは無いから」

 

 そう考えるとあのグループでは一番まともなのか?

 

 そして暫く走ると人里に着いた。

 

 そして着いてすぐに俺と忍冬は驚いた。

 

 街中に大量の石像があったからだ。

 

 ただそれだけなら驚く材料としては不十分だ。確かにシュールな絵面なのだが、驚いたのはそこではなく。様々な見た目、様々な体制。怯えてるようなやつもある。

 

 そして驚いたのは

「き、君!?」

 俺と忍冬は驚いて走り出す。

 

 そこに居たのは、右半身だけ石化した女の子だった。

 

「なんて(むご)い……」

 そう呟く忍冬であった……が、それあなたが言います?と心の中で思ったが、今はつっこむ場面ではないと考えてグッと堪えた。

 

「何があったんだ?」

 俺がそう聞くと怯えた様子で話し始めた。

 

「ひっぐ……急に変な人が現れて……なんか変なオーラを出したと思ったらそのオーラに当たった人が石になっていって……ひっぐ……私もやられそうになったら白い髪の剣士のお姉ちゃんと黒髪のナイフ投げのお兄ちゃんが助けてくれて……ひっぐ」

 今の特徴だけで分かった。

 

 京哉と妖夢か……

 

 元々ステルスするつもりだったんだけどな……

 

「忍冬。お前は来るな」

 

「なん」

「これは絶対厳守だ。こっち来たら命は無いと思え」

 俺が食い気味に言うと納得してない様子だったものの「分かった」と言う言葉を引き出すことが出来たため俺は安心した。

 

 んじゃ、待ってろ。二人とも!今助けに行くぞ!

 


 

side妖夢

 

「がはっ……」

 今は京哉さんが敵に一方的に殴られている。

 

 何故反撃できないのかは石のリングで手足を固定されているから。

 

 まさか石化させるだけじゃなくて石も操れるなんて想定外です。

 

 手も足も出ないとはまさにこの事とかふざけていられない。

 

「オマエ、ヨワイ」

 ぶつ切りの言葉で話すこいつが敵。

 

 強すぎるでしょ。

 

「くっそー。せめて手足さえ動いてくれれば」

 

 ちなみに私はさっきこいつが生成した岩の下敷きになって顔だけが出てる状態。

 

 絶体絶命。

 

 普段は神を信じないけど……今は藁にもすがる思いでこう望んだ。

『助けて』と

 

 その時だった。

 急に敵が吹っ飛んだ。

 

 いや、急にじゃない。蹴り飛ばされたんだ。

 

 私はその人物を確認すると目を見開いて驚いた。

 

 その人物とは

「遅くなってすまなかった」

 裕太さんだった。

 

 そして裕太さんは私の姿をちらっと見ると一瞬だけ刀を抜いてしまった。

 すると私の上の岩は粉々になって私は起き上がれるようになった。

 

「ありがとうございます」

 

「礼は良いから休んどいて」

 そう言って敵が吹っ飛んで行った方に歩いていく。

 

 あれ?京哉さんは?

 


 

side裕太

 

 決まった!今の綺麗に岩を斬れたの気持ちよかった。

 

 紅魔館であの修行やっといてよかった。あの葉っぱの奴。

 あれのお陰でコントロールと素早さが上がったと言っても過言ではない。

 

「って俺は!?」

 

「俺はお前に構ってやる暇はない」

 がしかし二対一の方が有利だろう。

 

 だから妖夢の時と同じやり方で京哉の石も斬ってやった。

「サンキュ」

 そう言って京哉は足のナイフ入れから数本ナイフを取り出した。

 

「オマエ、ナニモノ」

 随分片言なやつだな。

 

「俺の名前は……そうだな、コードネーム『(くう)』で」

 忍冬達のコードネームをインスパイアした。

 

「俺も!俺も付けてくれ」

 

「珍名でも良いならな」

「遠慮しておきます」

 即答された。

 

「オレのナマエ、Code Name(コードネーム)ハイ()』。マタのナを、ロイド」

 なんか1部だけネイティブだったんだが?

 

「ノウリョク、『イシヲアヤツルテイドノノウリョク』」

 分かりにくい……片言だと何言ってるか分かりにくいことがあるな。

 

「マズはアイサツガワリ、《ストーンプレス》」

 そしてロイドがスペルを発動すると俺の上に岩が生成された。

 

 その岩を両手で支えようとするも、想像以上に重かったので支えきれずに倒れてしまった。

 

「おもい……《瞬間移動》」

 俺は事前にここら一帯をマイスペースで囲っておいた。そのため、瞬間移動が使える。

 

 そして京哉の真横に瞬間移動した。

 

「重いな。岩って」

 改めてこの能力に感謝した瞬間だった。

 

「オマエ。メンドクサイ」

 ロイドがそう言った瞬間、俺の体に沢山の石が飛んできた。

 そしてどんどん飛んでくるから徐々に埋まっていく。

 

「「裕太(さん)!」」

 二人が駆け寄ってくるが俺の周りの石は山のように積み重なっていて一つ一つが磁石の何十倍もの力で引き寄せあってるから取る事なんて不可能。

 

 となれば。この刀。実体に対しては傷つけないようあまり綺麗に斬れないように出来ているが、霊力をちょっと込めると────

「これでどうだぁっ!」

 狭いスペースで刀を振るう。

 

 どうせ瞬間移動しても俺の周りをぐるっと囲まれてるから意味無い。

 ならば斬ってしまえ!

 

 そして俺の周りの石を縦に斬った。すると磁力が無くなったのか石の壁がボロボロと崩れ始めた。

 

「ホントウにウザイ

 奴がそう言った瞬間、ロイドの体からオーラが出始めた。

 

「あれはまずい!裕太避けろ!」

 しかし時既に遅し、俺の足は奴のオーラに捕まってしまっていた。

 

『これはまずいね。石にされて砕かれたら手の施しようがない無いよ』

 

「分かっている。が、くそっ!動かねーんだよ足が」

 関節は石になっていない。だと言うのに微動だに出来ないんだ。

 

「オワリダ」

 

 徐々に足先から石になっていくのが分かる。

 

 死を覚悟したその直後。誰かに横から突き飛ばされた。

 

 そして俺は射程から外れた。が、しかしそのターゲットを失ったオーラは俺を突き飛ばした人を飲み込んでいく。

 

 その人物とは

「京哉!?」

 

 そして近づいて助けようとすると僅かに手が動いて持っていたナイフをこっちに投げてきた。

 

「裕太。妖夢ちゃんをしっかりと守ってやれよ」

 と微笑んだ。

 

 こんな場面で笑うんじゃねーよ。死ぬんだぞ。お前。

 

「頼りない親友だったかな。ゴメンな」

 

「謝んじゃねー」

 

「でも最後はお前の役に立ててよか」

 そこまで言ったら京哉は口まで石化して喋れなくなった。

 

「良かったなんて言ってんじゃねーぞ。何一人で勝手に安心してんだ」

 そして完全に京哉は石化した。

 

「京哉。お前の願い……聞き届けた。でも、その前に」

 そしてロイドに向き直る。

 

「あいつをぶっ飛ばさせろ。それじゃねーと……俺の気が収まらねぇんだよ」

 

『良いねぇ。かっこいいよ。それじゃあ』

 

「あいつを」

 

『「ぶっ飛ばす!」』




 はい!第47話終了



 次回の東方魂愛想は?

 ついに始まるロイドとの戦い。

 そして助っ人が!?

 果たして裕太達はロイドに勝てるのか?

 次回、第48話『路異怒』



 それでは!

 さようなら

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