東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 怒る妖夢。それは裕太の自己評価の低さによるものだった。

 そして裕太を必要とする人がいることを証明するため裕太に告白。
 しかし裕太はその告白をばっさり断った。

 果たして裕太は異変を解決できるのか?

「ケリを付けてきますよ。この異変に」



 それではどうぞ!


第7章 意思の力対石の力
第51話 Death or Dieならexistを選ぼうかな?


side裕太

 

「さぁ帰ってきたぞ忍冬。帰ろうか拠点に」

 そう言って忍冬の手を引いて飛ぶ。

 

「私の家なのだけど?拠点って……」

 そうだったな。じゃあ忍冬の家に帰ろう。

 

 おどけていながらも俺は悔しかった。

 

 あのロイドに対して何も出来なかったことが……

 

 そして京哉まで……

 

『裕太君。実はあと一つ開けられる潜在能力があるんだよね』

 そう語りかけてきた。

 

 そのセリフは俺にとって甘い誘い。悪魔の誘いに聞こえた。

 魅力的すぎるのだ。

 

 でも、それをして勝ったとしても誇れるのだろうか?

 

『まぁ、私も気になるんだよね。この能力はなんなのか』

 そう優しい口調で言った。

 

『ロイドを倒すために開けてみる気は無い?』

 ロイドと言う言葉が聞こえた途端、俺の中で葛藤していた思考も定まった。

「石化が治ったらな」

 誘惑に負けてしまった……

 

 ロイドを倒したいという心が俺をそうさせた。

 

「さっきから空頼君。何独り言を言ってるの?」

 昔、誰かに同じ事を聞かれて誤魔化した覚えがあるぞ?デジャブって奴だな。

 

 取りあえずどうやって誤魔化すか……

 

 1、本当の事を告白する

 2、告白して誤魔化す

 

─※─※─※─想像─※─※─※─

 

『俺の精神の中に女の子が入り込んでさ、それでその子と話してたんだ』

 

『近くのいい精神科を紹介するよ?』

 

『いや、要らないよ』

 

『遠慮しなくて良いから!』

 

『本当に要らないんだって!』

 

─※─※─※─想像 終─※─※─※─

 

 忍冬にまで病人扱いされた。

 

 しかも精神異常者として……狂戦士(バーカーサー)のお前にだけは言われたくないわ!

 

 取りあえずもう一個も想像しよう。

 

─※─※─※─想像─※─※─※─

 

『俺、忍冬の事が好きな』

『取りあえず斬っていい?斬っていいよね?』

 食い気味に殺害宣言された!

 

『いやいや、どうしてそうなる!』

 

『盛大に振った直後、私に告白してくるとはね〜。ちなみに私は君が好きなわけじゃないからね?』

 

─※─※─※─想像 終─※─※─※─

 

 想像の中でさえ振られる俺。悲しすぎる。

 

「まぁ、大方君の中に流れてる神の気配と関係があるんじゃないかな?まぁ、どうでもいいけどね」

 ああ、良いのか。こいつの考えは良くわからん。

 

 取りあえず俺の知り合いの中で一番の不思議ちゃんと言っても過言ではないだろ。

 

「取りあえずまずはあの刀を取りに行かないとね。路異怒もいいけど第一は漠を倒すことだからね?」

 そう。俺はロイドの件で頭に血が上って忘れかけていたが、俺達の目的は洞窟の奥にある伝説の刀を手に入れて漠を討つ事だからな。

 

 漸く当初の目的を思い出した俺。

 

「取りあえず石化を直して……直ぐに出発しようかな?」

 休む暇すら与えてくれない忍冬さん。MJ(マジ)K(鬼畜)

 

「あー。今失礼な事を考えた〜。そんな人にはプレゼントしようかな?」

 

「プレゼントってなんだ?」

 

「選んで。Death or Die」

 やっぱり死or死だった!予想的中。やったね!

 

 こういう時はこう答える。

「間をとってexistを取ろうかなっ!」

 言い終わると共に石ころが目の前を通過した。殆ど見えないくらいのスピードだった。

 

 危ない。もう少し前に居たら当たってたな。

 

「まぁ、空頼君ならそう言うと思ったよ」

 そう言って急降下したと思ったらもう地底に続く穴に着いてたらしくてその穴に入っていった。

 だから俺もそれに続いてその穴に入っていった。

 


 

「取りあえず晩御飯作るよ。何食べたい?」

 

「なんでもいいよ」

 俺は本を読みながらそう言った。

 

 さっき、俺の本棚の中にあった本を何冊か頂戴してから来たのだ。

 

「なんでもいいって答えが一番困るんだけどな〜」

 そう言って冷蔵庫を開けて考え込む忍冬。

 

 そう言えば妖夢は今頃どうしてっかな……

 

『裕太君。思ったより石の回復が早いんじゃない?』

 急に言葉を発したと思ったら突然そう行ってきた。

 

 確かに見てみると表面は殆ど回復していた。これも乗り越える力のお陰なのだろう。

「ずっとこのままだったらどうしようかと思ってたからな。良かった良かった」

 そして膝を曲げて伸ばす。

「ほら、膝も曲がるようになった。膝の中も解けたって事だな」

 

『それは良かった』

 そんな話をしていると俺の目の前に料理を置かれた。

 

「お。美味そう」

 

「活力を付けないといけないからね。レバニラ炒めだよ」

 レバーって癖があるからどうだろうか?

 

「いただきます」

 そう言って一口食べると目を見開いて驚いた。

 

「天才だ」

 

「そりゃどうも」

 実は外の世界でレバニラ炒めを食べた事があるから分かるがレバーの癖が少し苦手だったのだが、その臭みを全く感じない。

 

 とても美味いです。

 

「さぁ、それ食べて明日に備えよう」

 そして料理も食べ終わって……ある問題が発生した。

 

 それは

「さてどこで寝るかだが……」

 そう。ここは元々忍冬1人で暮らすための一軒家。ベッドや布団がもう一セットあるわけでも無ければそれを置くための部屋もない。

 

「私がソファで寝るよ」

 

「いやダメだ」

 即忍冬の言葉を一刀両断した。

 

「どうして?空頼君がベッドで」

「それはダメだ!それだけは!」

 女の子のベッドで寝るとか俺が恥ずかしいんだ。

 

「そう。じゃあ私がベッドで寝るって事で良いの?」

 

「ああ」

 

「そう。それじゃおやすみ」

 そう言って部屋に戻って行った。

 

 それじゃ俺も寝るかな?




 はい!第51話終了



 次回の東方魂愛想は?

 目を覚ました裕太は幽斬剣との思い出を振り返る。

 それによって裕太は空斬剣を手に入れて使うことになっても幽斬剣は捨てないと誓う。

 そして遂に洞窟に!?

 次回、第52話『思い出の刀』



 ちなみにexistの意味は生きるです。

 それでは!

 さようなら

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