東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 病室にて彩と話しながら刀との思い出を思い出す裕太。

 そして京哉の前に謎の京哉が!?どうなる?



 それではどうぞ!


第59話 再会

side裕太

 

 1ヶ月後、俺は退院した。

 

 これだけの怪我を1ヶ月で治すのは異常だと永琳先生は言っていたけど多分それは俺の能力の作用もあるだろうし、何より理華が頑張ってくれてたみたいだ。

 普段は寝ないと言っている理華の寝息が聞こえる。俺の体に負担がかからないように少しずつ。

 

 相当頑張ってくれたんだな。

「ありがとうございました」

 珍しく忍冬が他人に頭を下げていた。

 

 こいつも俺の為に頑張ってくれてたからな。後で何かお礼してやるか。

「とりあえず退院おめでとう!」

 と拍手してくる忍冬。

 まぁとりあえず無事に退院出来たことで安心出来た。

「ありがと」

 と軽く礼を言う。

 

「とりあえず地底でのやることは終わったわけだし、帰っても良いんだよ?」

 俺は考え込む。

 

 今からまた冥界に戻ってもいいんだが、忍冬といざという時に連絡を取りずらくなる。

 

 だが、かと言って地底に居座るってのも妖夢達が心配しそうだ。

 

 そこで俺はひとつの案を思いついた。

 妖夢には忍冬が敵じゃないことを教えてあるし大丈夫だろう。

「よし。忍冬」

 そう言って向き直る。

 

「なーに?もしかしてこくは」

「一緒に暮らそう」

「……え?」

 忍冬は驚いた表情で固まってしまった。

 

 そして徐々に顔が赤くなって行く。

 

「えぇぇぇぇっ!」

 大声を出しながら驚いて仰け反る。

 

「いやいや!いやいや!ちょっと待って!ちょっと……私はあなたみたいに適応力は高くないんだからちょっと整理させて」

 予想通りの反応だ。意外と忍冬をからかってみると面白いかもしれないな。いつもからかわれてるけど。

 

「も、もう1回言って?」

 

「一緒に暮らそう」

 俺はもう1回同じ事を口にした。

 すると赤かった顔がさらに赤く染まっていく。

 

「え、えと……その……」

 あんなにからかってくるからこういう事に慣れてるのかと思ったら意外と(うぶ)だった。

「よ、よろこ」

「白玉楼で漠を倒すまでの間」

 俺はなんかそろそろからかうのが辛くなってきたから続きを言おう。

 

「……あ、ああ!そういう事……。そ、そうだね。連絡取れないのはまずいから一緒に居た方が良いよね。対漠同盟なんだし」

 それにしても何を言おうとしたんだろう?

 

「それにしてもなんだと思ったんだ?」

 

「うぅ……け、けっこ……ん」

 そうだとしても付き合っても無いのに早すぎるとは思わないのか?

「しっかし、初な忍冬を見れてだいまんぞグっ!」

 急に顎に蹴りを入れられて倒れる。

 

 まさか顎に蹴りが飛んでくるとは思わなかった……。

「死ね!そして妖怪の餌になれ!」

 そしてグリグリと俺の頭を踏みつけてくる忍冬。

 

「す、すみません……」

 すごくおこられました。

 


 

白玉楼

 

 玄関をノックをする。

 ちなみに一般的にノックの回数は二回の方が多いけど、二回はトイレノックと言って入室とかする時は三回だ。

 

「はー……い」

 妖夢と目があった。

 

 先程忍冬にやられて絆創膏だらけの顔で再開するのはちょっと思うところはあるが早い方が良いと思って来た。

 

「裕太さん?」

 

「よ!妖夢1ヶ月ぶりだな」

 その瞬間、妖夢が俺に抱きついてきた。

 それを俺は優しく受け止める。

 

「良かった……本当に……良かったよぉ」

 俺の胸で泣いているのだろうか?パーカーが濡れてきている。

 

「あのー」

 俺の後ろで待っていた忍冬が声を発した。

 

「私が居るのに堂々といちゃつかないで貰えますか?」

 それもそうだ。と言うかイチャつくってなんだ!俺らは別にいちゃついてないぞ!

 

「あ、あなたは」

 

「こんちゃーっす。忍冬 彩でーす」

 と少しチャラい感じで名乗る忍冬。

 

 さすがにそれには妖夢もビックリしているようだ。

「さてとちょっと支度して庭に出てるから用があったら声をかけてくれ」

 そう言いながら妖夢の横を通り過ぎようとすると

「待ってください」

 妖夢にフードを掴まれて止められてしまった。

 

「説明お願いします」

 やっぱり?説明しないとダメですか?本当は説明はしたくないんだけど……

 だけど俺は渋々説明をした。

 

 地底の洞窟で女郎蜘蛛と戦ったこと、幽斬剣が折れた事、チームトワイライトを二人倒したこと、空斬剣の事。

 

「そうだったんですか……」

 

「そしてその空斬剣がこれだ」

 そう言って空斬剣を見せる。

 

 そして俺から受け取って抜いて刀身を見てみる。

「綺麗ですね。いい剣って感じがします。ずっしりと重くて……」

 そう言えばこいつを実戦で使ったことはあるけどまだ使い慣れてないからしっかりと練習しないとな。

 

「ちょっと降ってみても良いか?」

 

「良いですよ?」

 今の断りは周りの木々が切れてしまう可能性があるが良いか?という事だ。

 

 そして俺は刀を返してもらって刀に霊力を込める。

「すげぇめっちゃスムーズに霊力を流し込める」

 そして刀を降るといつもの霊力斬が飛んで行った。

 

 使い易いな。うん上出来だ。

 

 その時、頭に声が流れてきた。

 

─────この刀には能力がある

 

 へぇ。どんな?

 

─────お前にはとっても馴染む力だ

 

 そして頭の中の声は聞こえなくなった。

 

 俺に馴染む……能力に関係してんのか?

 

「とりあえず妖夢。暫く刀降ってるわ」

 そう言って庭に走っていく。

 

「退院したばかりだから無茶しないでよー」

 忍冬が心配してくれている。さすが現相棒。パートナーの気遣いも忘れないなんて流石だな。

 

 そして俺は手を軽く頭の上で降ってから走っていった。

 


 

side京哉

 

「俺……だと?」

 俺は今、自分のことをこの俺自身だと名乗る変な奴と対峙していた。

 

「そう。お前は俺、俺はお前」

 普通なら変な奴で済ませられるが、今のこの状況が変だから闇雲に否定しても居られない。

 

 とりあえずこいつがどういう存在なのか……そこが問題だ。

 

 そして奴は不気味に笑いながらこう言った。

「まぁまぁ、そう警戒するな。さっきも言ったろ?俺はお前。同じ人同士、仲良くしようや」

 若干おどけているように見えるが、逆にそれが不気味だったりする。

 こいつの思考がよくわかんない。

 

「で、お前はどんな存在なんだ?」

 遠回しに聞いても適当に返されそうだったため単刀直入に聞くことにした。

「くくく。単刀直入か……まぁ、それは良いだろう」

 そしてにやにやしながら騙り始めた。

 

「お前は空頼 裕太と言う存在を守るため己を犠牲にして石化した」

 

「ああ」

 それは間違っていない。裕太はあんな所で死ぬべきじゃない。

 

「それをお前は心のどこかで後悔している」

 

「そんなこと!」

「あるんだよ。実際に……それが俺。空頼 裕太を恨む弱い心だ」




 はい!第59話終了



 次回の東方魂愛想は?

「トワイライトにはあと二人、敵が居る」

 まだまだ続く戦い。果たして結末はどうなる?そして

「ふざけるな!俺はそんなこと思ってない!」

「思ってるんだよ。心の奥底では」
 京哉と心の京哉。果たしてどうなる?

 次回、第60話『二人の敵』



 それでは!

 さようなら

今出てきている敵で一番好きなのは?

  • 狂(忍冬彩)
  • 灰(路異怒)

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