それでは前回のあらすじ
新たな人員確保の為に紅魔館へ向かった裕太と彩
そこで二人を仲間にすることに成功。
「フランが行く!」「フランが心配だから私も行くわ」
それではどうぞ!
side裕太
俺はあの後、フランの部屋に案内された。
そして隣には頬を染めて手で顔を隠しているレミリアと
何故こんなことになっているかって?まぁ、フランが端のテーブルで作業してるって言えば分かる人には分かる。
まぁつまりだ。
フランがまた俺のパーカーを直してくれている。あれは大切なパーカーであるからして非常に有難いんだが、中に何も着ていないのだ。
いや、着ろよって話なんだが、今日は熱くなるって文々。新聞に書いてあったからいいかなって思ったんだ。
そしたらこうなった。いつもの様に部屋に着いたら俺に脱げと言ってくるフラン。
この時、
「フラン!何言ってるの!?」
「え?お姉様。何を焦って」
というような会話があったのは言うまでもない。
「なんか犯罪臭がする」
「犯罪って意味は分からないけどイケナイコトだと言うのは分かる」
と俺のつぶやきに対してコメントを言ってくる忍冬。
いや、決してそういうことをしている訳じゃないですよ?
下も履いているし、でもね?中途半端な肉体って見られると恥ずかしいじゃないですか!
「空頼君。そう言えば前もやってもらってたよね」
そう言えば居たんでしたね。俺の事をストーカーしてましたもんね。
「ほ、本当にフランに何もしてないのよね?」
「してねーよ」
俺は何度目かもわからん問いにそろそろ面倒くさそうに答える。
さっきから何度もレミリアはこの質問を投げかけてきているのだ。
「それにしてもフランちゃんって可愛いね。なんと言うか普通にしてれば小動物っぽいって言うか……」
そして忍冬はフランの方を見て
「空頼君がロリコンになったのも頷けるよ」
そう言って腕を組んでウンウンと頷く忍冬。
「頷くな。そして俺はロリコンじゃない」
するとレミリアの視線が急に冷たくなって顔を隠すのを辞めて立ち上がって見下ろしてきた。
「本当にフランに何もしていないんだよね。変態」
なんで既にレミリアの中で空頼 裕太=変態の公式が出来上がっちゃってるの!?
と言うかさっきから俺はロリコンじゃないし、してないって言ってんのに一向に信じてもらえないんだが……。
「してない……です」
なんか怖い。
なんか光のない眼で俺の事を見下ろしてきてるんですが?
「お兄様!出来たよ」
そう言って俺に新品のように綺麗になったパーカーを渡してきた。
それをお礼を言いながら受け取るも、受け取る時にフランとたまたま手が触れ合ってしまって隣のお姉様の視線が更に冷たくなった。
フランはその空気に気づかずに「お兄様どうしたの?」と近寄ってくる。
近寄ってくる度にレミリアの視線が凍てつくものになって行く。
そろそろフランを離さないと俺の命がやばい。
「ふ、フラン?」
「何?」
「トランプでもやろうか」
そう言ってポケットからトランプを取り出す。
「うん!やる!」
そう言ってフランは無邪気な笑顔を浮かべて俺から少し距離をとる。
ペタンと座ってニコニコしながら左右に揺れるフランは可愛いが、それを口に出したり悟られたら確実にお姉様に殺されるため悟られないようにする。
「忍冬とレミリアもやるだろ?」
「解せないけど一応やるわ」
「私も」
「おぅけぇー」
何とか凌ぐことに成功したな。
「何する?」
「ババ抜き!」
その時、俺の脳裏に走馬灯が走った。それはトラウマであった。
あの手持ちを言い当てられる恐怖。それを体験したらもう忘れることは出来ない。
「べ、別のに」
「じゃあ大富豪!」
まぁ、それがいいならそれでいいが
「いいんじゃない?」
「前方に同意よ」
忍冬が言うとそれにレミリアが同意した。
「んじゃ、勝負だ」
数時間後
「結構やったね」
とフラン。
試合数30試合。フラン15勝、レミリア7勝、忍冬8勝だ。
え?俺っすか?勝った数を数えればわかるでしょ?
「それじゃ俺らはそろそろ帰るからな」
そう言って立ち上がって歩くとフランが着いてきた。
「どうしたフラン」
「フランも行く!」
「神槍《スピア・ザ・グングニル》!」
するとフランが言った直後にグングニルが飛んできた。
それを空府《君と俺との間の空間》で防御する。
「あっぶね!」
「ロリコン!」
「忍冬!お前、許さん」
実はこうなった原因を作り出したのは忍冬だった。
─※─※─※─回想─※─※─※─
「お兄様!脱いで!」
唐突にそう言われたが、俺は直ぐに理解してパーカーを脱いで手渡す。
すると俺は尾行されていたのか背後から二つの視線を感じた。
そして後ろを見るとそこには忍冬とレミリアが居た。
「やっぱりロリコンじゃない。小さい子に裸体を見せて興奮するような人がパートナーだなんて……」
忍冬がそう言うとレミリアは驚いたあと、急に落ち着いて目の光を消して
「あなた、フランに何かしたのかしら?」
と言うような感じで俺はピンチに陥ったのだ。
─※─※─※─回想 終─※─※─※─
「ふ、フラン?また来るから今日のところはこれで終わり、な?」
そう言うと渋々フランは頷いたので全速力で俺と忍冬は逃げ出した。
はい!第69話終了
次回の東方魂愛想は?
「これが終わったら忍冬は何するんだ?」
「私は〜」
それが私の罪滅ぼし
そして
「この世界には法がないから誰も裁くものが居ない。だから、勇者であるお前が助けないも助けるも好きにしろ」
お前が裁け
次回、第70話『砂漠』
それでは!
さようなら