東方魂愛想   作:ミズヤ

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 はい!どうもみなさん!ミズヤです



 それでは前回のあらすじ

 ついに始まる戦い。

 しかし漠が圧倒的な力の差を見せつける。

 そしてついに裕太の技で倒したかと思いきや

「詰めが甘いな」



 それではどうぞ!


第72話 怒りと希望

side彩

 

 空頼君が漠を倒したかと思ったら、急に砂が空頼君の後ろに集まって槍の形になって空頼君に突き刺さった。

 

 一瞬の出来事だった。

「空頼……君」

 倒れて動かなくなってしまった。

 

 体からは大量の血が流れて最悪の想像をしてしまう。

 

「裕太……さん。裕太さぁぁん!」

 そして魂魄は空頼君に駆け寄って抱きしめた。

「ゆ、裕太さん。目を開けてください!裕太さん!」

 痛々しい。

 見ていられない。

 

 魂魄は揺らしたりしているが抜け殻のように反応しない。

 

 気持ちが痛いほど分かってしまう。幼い頃、大切な友達を失った。殺人で……。

 その時に現れたのが漠。引き取ってくれた人だからと思って協力してたけど、やっぱり間違ってる。

 そう思ったから漠を倒そうと思った。

 

 空頼君を見ると心臓を貫通していた。

 

 普通の人ならば即死だろう。

 

 もう……。空頼君は

 

「詰めが甘いからこうなるんだ」

 そうして漠が実体化した。

 

 あの時、死ななかったのか。こいつ

「殺す。殺してやる!」

 そして怒りに身を任せて刀を振る。

 

 しかしそんな出鱈目な斬撃が漠に当たる筈もなく。

 

「怒りだけの攻撃ってな……」

 そう言って漠は魂魄の腕を掴んで投げ飛ばした。

 

「く、うぅ……」

 

「ガラスより脆いんだ」

 

 空頼君が殺された。

 ここで怒ったらダメだと言うことは分かっている。

 でも……

 そして刃にそって指をスライドして切り込みを入れる。

 

 するとそこから血が出て剣が血を吸収して鎌の形になった。

「私ね。そんなに怒った記憶が無いんだよね」

 

「そうだな。お前はあまり怒らないタイプだ」

 そう。私はそうそう怒らない。

 だけど……。

「今回だけは……怒らせろ!」

 そう言うと漠が後退りした。

 

「なんだそのオーラは」

 

「死神だ。発動条件は分からないけどとりあえず今の私はとてつもなく強いよ」

 そう言って鎌を肩に担ぐ。

 

「お前とは決着を付けなくちゃ行けないと思っていたんだ」

 

「「勝負だ!」」

 


 

side理華

 

 急に空間が真っ黒になった。

 

 もしかしてこれって……。

 

 ダメだよ。そんなの……。裕太君は死んじゃダメだ。

「裕太君!」

 呼びかけても当然反応はない。

 

 最後の希望はあの扉だけ。

 

 でも開けたら何が起こるか分かったもんじゃない。

 

 でも……

「何もしないよりはマシ!」

 そうして南京錠にタックルする。

 

 もちろん、そんな事で壊れるはずがない。

 南京錠なのに鍵穴らしきものが見当たらないし、どういう事なんだろう。

 

 その時、脳内に声が響いてきた。

『死にたくない。まだ……こんな所で』

 分かってるよその気持ち。

 

─────テメェのご主人は手のかかる奴だな

 

 そんな声が聞こえてきた。

 

「誰!?」

 

─────どうでもいい

 

 いや、よくないと思うけど

 

─────今からその南京錠を破壊する

 

「破壊ってどうやって」

 その言葉を言い終わる前に南京錠が粉々になった。

 

 ここからは私の仕事だ。

「目覚めよ空頼 裕太!」

 その瞬間、辺りが虹色に輝き出した。

 

「何が起こったの?」

 

 その頃、外では物凄いことが起こっていた。

 


 

side彩

 

 私は漠に向かって鎌を振るう。

 

「君のこれは危ないね。能力無効化だっけ?」

 そう。私の鎌は能力無効化が付いている。

 

 これ出来れば砂になっていたとしても斬ることが出来る!

 

 そしてもう一度振り下ろそうとした時、後ろから凄い霊力の高まりを感じた。

 そっちを見てみると空頼君が何かに取り憑かれたかのようにフラフラと立ち上がった。

 

 目が金色になっている。

 

 目を見ただけで気を失いそうになる。

 

「殺す……」

 突然空頼君はそう呟いた。

「全て……消えてしまえ!」

 そう言って刀を振るとその空間が斬れて周りのものを吸い込み始めた。

 

 もちろん私も引き寄せられる。

「ぐ、この力は一体」

 

「空頼君……」

 

「あは……あはははははは」

 突然いつぞやの私のように狂ったかのような笑いをする。

 

 今までの空頼君とは違う。

 女郎蜘蛛の時も恐怖した。だけどこれは別次元の恐怖だ。

 足の力が抜けていく。

 

「俺は誰も信じねぇ……」

 どうしてこんな事に……。

 

「昔のお兄ちゃんみたい」

 

「だな。出会った当初と同じだ」

 二人がそう言った。

 

 二人は空頼君の過去を知っている。

「裕太!」

 

「なんだ」

 

「お前はもうひとりじゃない!こんなにも仲間が居るじゃないか!」

 時雨がそう言うと空頼君は鼻で笑った。

 

「そんなの上辺だけだ」

 その言葉に切れたのか時雨は空頼君に掴みかかった。

「テメェ。もういっぺん言ってみろ」

 

「上辺だけだって言って」

 その瞬間、時雨が空頼君を殴り飛ばした。

「俺達がどれだけお前の事を思って行動してるのか分からねぇのか!?」

 

 私には彼の過去に何があったのかは分からない。だけどこれは自信を持っていえる。

「空頼君。あなたは私にとって最高のパートナーだよ」

 そう言って漠の方に向かっていく。

 

 すると私の下のの砂が一気に全て舞い上がってデカい穴が空いた。

 その下は針が敷き詰められていた。

 

 そしてその穴に落ちていく。

 

 飛ぼうとしてもここは霊力無効化エリアなのか飛べない。

 私はここで死ぬのか。そう覚悟して目を閉じた瞬間、誰かに手首を掴まれた。

 

 目を開けてみると

「例え上辺だけだとしてもだ。目の前で死なれちゃ後味が悪いんだよ」

 多分、さっきの時雨の言葉が効いて少しだけ元に戻った。

「だから死ぬんじゃねーぞ!」

 すると空頼君の下の砂も崩れ始めた。

 そして空頼君は落ちる前に飛んで回避した。

 

「なぁ、漠」

 そう言うと漠を睨みつけた。

 

「タイマンしようぜ」

 そんな提案を告げた。

 

 何馬鹿なことを言ってるのと思ったものの、何も言えなかった。

「それじゃタイマンする相手への礼儀だ。俺はチームトワイライトリーダー、コードネーム『漠』。名前は出威瀬(でいらい) 颯人(はやと)だ」

 

「俺は空頼 裕太」

 そして空頼君は一歩歩む。

 

「この世界には法が存在しない。だからこの俺が裁く」




 はい!第72話終了



 次回の東方魂愛想は?

 ついに最終決戦。

「俺はこれまで何度も苦しい場面を乗り越えてきたんだ」

 仲間と共に戦ってきた。

 みんながどう思ってようと俺は大切だから守るんだ。

「最後の一撃に込める!」

「こい!裕太!」

 ついに決着。

 果たしてどちらが勝つのか?

 次回、第73話『最後の一撃(ファイナルアタック)



 それでは!

 さようなら

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