ソードアート・オンライン~エグゼイド・クロニクル~   作:マイン

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とりあえず短いですけど続いてみました
前話のリンク・スタートしてからの続きになります

こんな感じで楽しんでもらえるのなら今後もちょいちょい書いていく予定です。もし10話超えたら正式に連載作品にします

ではどうぞ


浮遊城アインクラッド

キィィィン…ッ!

 仮想空間にダイブするとき特有の疾走感。それに身を委ねていた和人であったが、その感覚が消えたことを感じて目を開けると…

 

 

フワァァァァァァッ…!

「…すげぇ」

 目の前に広がる光景に、βテストの時にも同じものを見たはずの和人は思わずそう呟いてしまう。和人が立っていたのは、中世と近代が入り交じったような不思議な町並み。天を突くような青空は『屋内』であるにも関わらず現実世界と相違ないほどに青く澄み切っている。

そう、こここそがSAOの舞台…『浮遊城アインクラッド』、その最下層に当たる『始まりの街』であった。

 

ザワザワザワ…!

その中央にある広場には、和人の他にログインしてきた多くのプレイヤー達がおり、皆目の前の街並みや自分たちの姿に興奮気味で思い思いに言葉を交わしている。

 

 

「っと、こうしちゃいられない…!」

 辺りを見回していた和人であったが、すぐに自分の姿がさっき設定したアバター通りになっているか、そしてプレイヤー名がいつも通り『キリト』になっているかを確認すると一目散に走り出す。

 

「早く行かないと…!あの店のことはβテスターなら大体が知ってる、売り切れになるってことはないだろうけど…出遅れるのは面倒だもんな」

 キリトが目指しているのは、路地裏にひっそりとある武器屋。そこは見つかりにくい代わりにこの始まりの街で最も品揃えの良い店であり、βテストの時にその店を見つけていたキリトはあちこちの露天に目がくらんでいるプレイヤー達にかまうことなく向かう。

 

「…おーい!そこの兄ちゃん!」

 と、そんなキリトの後ろから見慣れぬ…と言ってもここでは全員初対面のようなものだが、赤毛の男が手を上げて追いかけてくる。

 

「ハァ、ハァ…なあ、アンタもしかしてβテスターだろ?その迷いのない動き…そうに違いねえ!どうだ?」

「あ、ああ…」

「やっぱりそうか!…実は、俺今日が初めてでよ。まだわかんねーことばっかりなんだ、攻略の邪魔するみたいで悪りーけど…序盤のコツだけレクチャーしてくれねえか?な、頼むよ!」

 手を合わせて頼み込んでくる男にキリトは戸惑ったが、やがて思い至る。

 

(…そうか、ここじゃ俺みたいな方が少数派なんだよな。俺らβテスターが先に攻略するのは簡単だけど、そうすると後から来る連中の楽しみを減らしちまうことになるかもな。…だったら、たまには俺が『教える側』に回るのもいいかもな。ゲームは、皆でやったほうが面白いんだし)

 誰よりも先を行く『天才ゲーマーキリト』ではなく、『一人のプレイヤー』としての立場を選んだキリトは笑みを浮かべる。

 

「…分かった。俺が分かる範囲でなら教えるよ」

「おお、サンキュー!んじゃあ…」

 

 

「ちょっと待ったぁぁぁ~!」

「「!?」」

 突如割り込んだ声に二人揃って振り向くと、路地裏のそのまた陰からアフロ頭の男が飛び出してくる。

 

「な、なんだアンタ!?」

「失敬、不躾ながら話は聞かせてもらい申した。…その話、拙僧も便乗させてはもらえないでありませんか?」

「へ?せ、拙僧…?」

「ああ、拙僧リアルでは以前は『仏に仕える身』でして…。今は転職して『探偵』のような仕事をしているのですが、それ故この手のゲームに馴染みがなく…今もどうしていいか分からず隠れて様子を見ていたところに、お二人の話を聞いてしまいまして…」

「…なんでそんな人がこのゲームやろうだなんて思ったんだよ?つか、坊さんからアフロヘッドってギャップありすぎだろ」

「だって…『仮想空間』ですぞ!電子の世界にもう一つの世界が広がっている…これはもう『不可思議現象』といっても過言ではありませぬ!であれば、拙僧がそれを確かめることになんの矛盾もありませんぞ!」

「あ、あははは…」

(…なんだろう、この言い回し…どっかで聞いたことがあるような…?)

 アフロ頭の言動にデジャヴを憶えながらも思い出せず、ひとまずキリトは話を戻す。

 

「と、とにかくアンタも一緒に教えて欲しいってことだよな?」

「そうであります!…駄目ですか?」

「いいよ、一緒にやろう。ゲームは皆でやったほうが楽しいからな」

「おう、その通り!」

「おおおお…!感謝しますぞ二人とも!これも御仏のお導き…ナマンダブナマンダブ…!」

 異常にテンションの高いアフロ頭に苦笑しつつも、キリトの初心者教室に二人目の生徒が加わった。

 

「おっと、そういや言い忘れてたぜ。…俺は『クライン』ってんだ、よろしくな」

「拙僧は『オーナリー』と申します。以後よろしくお願いしますぞ!」

「俺は…キリトだ」

「キリト?…どっかで聞いたことが…って、あーッ!もしかしてアンタ…あの『天才ゲーマーキリト』!?」

「ああ、そうだ」

「クライン殿、なにかご存じで?」

「あったり前よぉ!天才ゲーマーキリトといやあゲーム好きなら誰もが知ってるゲームの達人だぜ!格闘ゲームからRPG、シューティングにパズルにレース、おまけにリアルのボードゲームまで網羅しているっつープロ顔負けの凄腕ゲーマーよ!ここ1年ぐらい活躍を聞いてなかったから引退したっつー噂もあったんだが…そうか、このSAOに備えて準備してたってことだったのか!」

「あー…まあ、そんなところかな」

「こいつはラッキーだぜオーナリー!俺達ぁ最高の先生に出会えたぜ!」

「よ、よく分かりませんが…よろしくですぞキリト先生!」

「ああ、よろしく」

 

 

 

 

 

ドカーン!

「「どわぁぁぁぁぁ!?」」

 武器をそろえ、意気揚々とフィールドに飛び出したクラインたちであったが、キリトが試し切りとして連れてきたイノシシ型のモンスターに遭えなく吹っ飛ばされていた。

 

「おいおい、しっかりしろよ二人とも!」

「き、キリト~!アイツ強すぎるぜ、ボスキャラ連れてきたんじゃねーよなー!?」

「あんなの雑魚中の雑魚だよ。コツさえ解れば良い経験値でしかないぜ」

「そのコツがわかんねーんだっつーの…!」

「せ、拙僧は元僧であるからして…殺生は苦手でありまする!」

「ったく…んじゃ、俺の手本見てろよ」

 そう言ってキリトは石を拾ってイノシシに投げつけ、注意を自分に引き付ける。

 

ブィィィィィッ!

 嘶きながら突っ込んでくるイノシシに、キリトは慌てることなく剣を構える。

 

「大事なのは、相手の動きをしっかり見極めることだ。どんなモンスターであれ、所詮はプログラム。決められたアルゴリズム以外の行動をとることはないから、まずは…敵の攻撃を読み切って…!」

 イノシシの突進に対しキリトは剣の腹を向け、突進に合わせて体をずらし衝撃を別方向に受け流す。

 

「おおっ!」

「あとは、敵の次の行動までの硬直時間の隙を突いて…『ソードスキル』をたたき込む!」

 隙だらけのイノシシの横っ腹に、キリトの振り下ろした剣が光の軌跡を纏う。SAOの醍醐味である『ソードスキル』が発動した証拠である。

 

ザシュッ!

…パキィィン!

 イノシシの腹に赤い傷が刻まれると同時に、イノシシはガラスが砕けるようなエフェクトと共に消滅した。

 

「…やっぱ使い慣れてない剣だとやり辛いな。もっと重たい剣を探しておこう」

「す…すげー!」

「…ソードスキルに関しては、プレイヤーの動きに応じて自動的に発動するようになってる。色々やってみて、自分に一番あったソードスキルを憶えればとりあえず序盤は問題ないさ」

「よ、ようし…拙僧もやりますぞ!いざ!いざいざいざいざいざぁ~!」

「あっ!待てよオーナリー、俺も行くぜー!」

「元気だな二人とも…」

 張り切ってモンスターを探しに駆け出す二人にキリトは呆れつつも、かつて自分がまだパラドの存在を自覚していなかった時の純粋にゲームを楽しんでいた時を思い出し、笑みを浮かべてその背を追いかけていった。

 




…何、オーナリーの言動やキャラに見覚えがあるって?…知りませんね(顔を逸らす

……「本人」じゃないかって?…さあ、なんのことやら(棒
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