◇日◎日
最近、異世界オメガにて過去の私が見慣れない組み合わせの武装で戦っている事が多い。大剣、双機銃、そして導具を持ち、戦場を縦横無尽に駆け回っているのをよく見かける。
私の記憶では、それぞれ違うクラスで使う武器だったはずだ。打撃系、射撃系、法撃系で使用可能な武器だった。一部例外として、全クラス装備可能な物や、専用のクラス以外でも装備できる物は存在したが、そんなのは極一部なのだ。
それよりも、問題なのは……、何故……私の知っている頃と武器の使用法が全く違うのだ!?
例えば大剣。見た目で分かる様に重量級の武器だ。攻撃速度は同じハンター専用武器の長槍に劣るが、高い威力が魅力の武器でもある。それを……、まるで銃剣やファイター専用武器の様に、軽々とブンブン振り回しているのはどうしてだ!? あの重量感が良いのだよ! あの重量感が!!
そして双機銃、これは……射撃武器とはいえ、エネミーの近距離での運用をするための武器だったはずだ。射撃武器にも関わらず、接近戦を行う……、矛盾しているがそれ故にロマンを感じる武器だった。それが、射程も伸びて簡単に敵さんが溶けるようになってしまっている……だと!?
導具に至ってはテクニックも使用可能だが、ワープはするわ、普通にフォトンアーツはあるわで全く別物になっている。ってか、通常攻撃でもかなり痛い!? あんな紙切れみたいのが何でこんなに痛いんだ!?
その謎を解明するべく、【深遠なる闇】でもある私は演算を頑張った。この異様な事態は何だろうと、その能力を駆使して経緯を調べ上げていた。いやもう、頭からダーカー因子っぽい湯気が立ち上り、アムドゥスキアの火山エリアの溶岩よりもヤバい熱を発しながら、演算を行い解を導き出した。ルーサーっぽい言い回しだが、それは気のせいだと思う。
……じょ……上級クラス、『ヒーロー』!? 打撃、射撃、法撃を使いこなす全く新しいクラスだと!? ブレイバーやバウンサーは知ってるが、それよりもずっと能力が高いようだ。そして、緊急クエストに来ているアークス達を見ても、ヒーローの比率が高い事からその力が伺える。……と、いうか……。
……過去の私が当り前の様にそのヒーローになって、オメガで活躍してる。導具を使って赤い竜の頭の上に瞬間移動した刹那、双機銃でその竜に弾丸を撃ち込んだりしている。
言ってみれば、あの光景は私の可能性でもあったのだ。自慢ではないが、アークスの中でクラスの自由度がトップとまで言われた私だ。それを考えれば、系統の違う武器をあの様に使いこなすのは、決して不可能では無い。
だが、昔の自分を見ていると、心の奥底から焦りや羨ましさが滲み出てくるのが分かってしまう。
それを否定するように……。
く、悔しくなんてないもんね!! コートダブリスDを持つ私は、両剣のフォトンアーツの他に、スライドエンドだって出来る! つまりは両剣でありながら、ヒーローの大剣の様な範囲の攻撃が可能だ! テクニックだって、コートダブリスDの固有テクニックになっているメギバースが使える!!
しゃ……射撃は……、えっ……えっと……、ト、トルネードダンスでエネミーに突っ込む! つまり私自身が弾丸となる事だ! 銃弾だってジャイロ回転してるんだから、似たような攻撃の筈だ。そうに違いない!!
そんな悲しい思考をしながら、数年後に新しい上級クラスが出来ませんようにと【深遠なる闇】の中で天に祈りを捧げていた。