魔法少女リリカルなのは~黒衣の騎士物語~   作:将軍

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楽しんでいただければ幸いです。
では、どうぞ。


守護騎士

 ――八神はやて宅――

 

 祐一は現在、はやての部屋で四人の人物に囲まれており、祐一を含めた四人の空気は一触即発といった状態となっていた。

 

「――貴様、何者だ?」

 

 そう祐一に言葉を投げ掛けてきたのは、剣型のデバイスを構えた鋭い眼差しの女性。特徴的な桃色の髪を後ろで括り、ポニーテールにしている。

 その鋭い眼差しと佇まいから、祐一は即座にこの女性は只者ではないと、頭の中で認識した。

 

「俺の名前は黒沢祐一。そこで気絶している八神はやての友人だ。お前たちこそ何者だ? 何故、はやての部屋にいる?」

 

 祐一は戦闘の意思はないということを示すため、両手を挙げながら言葉を投げ掛けた。両手を挙げながらも、祐一は隙を見せることなく視線を動かしていた。

 

「私はシグナム。黒沢、と言ったか――貴様は魔導師か?」

「ああ、そうだ」

 

 隠す意味もないと思い、祐一は即座に答えた。

 シグナムは祐一の言葉を聞き、鋭い瞳をさらに細める。

 

『ヴィータ、シャマル、ザフィーラ――この男、どう思う?』

 

 シグナムは他の三人へと念話で話しかけた。

 

『魔導師なのは間違いないわ。実力までは流石にわからないけれど……』

 

 シグナムの質問に真っ先に答えたのは、金髪の女性――シャマルが少し心配そうに言葉を返した。

 

『はっ! どうせたいしたことないよ。なんだったら、あたしがこの場でぶっ飛ばしてやろうか?』

 

 そう強気に言葉を発したのは、この中で一番幼い外見をした赤髪の少女――ヴィータである。

 

『止めろヴィータ。ここで暴れたら、我らが主にまで被害が及びかねん』

 

 そうヴィータを諫める筋骨隆々の男性――ザフィーラの言葉に、、ヴィータは「わかってるっての……」と、しぶしぶ言葉を返した。

 

『それなら、これからどうする? このまま睨み合っていても状況は改善せん。我らが主も心配だしな』

 

 シグナムたち四人がどうするかと頭を悩ませていると、祐一が四人よりも先に口を開いた。

 

「――悩んでいるところ悪いが、はやてをこのまま気絶させておくわけにもいかないだろ。大事ないか、今から病院に連れて行きたいんだが、構わないか?」

 

 祐一の言葉にシグナムは「ふむ」、と少し考え、他の三人と確認を取りあうように頷き合った。

 

「わかった。だが、もしおかしな行動を取った場合、即座に我々はお前を排除する」

「ああ」

 

 シグナムの言葉に祐一は静かに頷きを返した。

 

「それで、他のメンバーの名前は何て言うんだ? 流石に名前がないと呼びにくいんだが」

 

 祐一の言葉にシグナムは「ああ」と頷くと、三人に自己紹介するように話しをすると、一人ずつ自己紹介を始めた。

 

「シャマルと言います。よろしくお願いしますね、黒沢さん」

 

 比較的友好的なシャマルは祐一へと笑顔を向けながら声を掛けた。

 

「……ヴィータだ。てめぇ、妙なことしたらぶっ潰すからな」

 

 あまり友好的ではないヴィータは、祐一を睨みつけながら自己紹介をした。

 

「……ザフィーラだ」

 

 ヴィータほどではないが、ザフィーラも警戒しながら名を名乗った。

 

「ああ、よろしく頼む。はやては俺が――」

「いや、主はこちらで運ぼう。黒沢は病院まで案内してくれ」

「……わかった。では、ついてきてくれ」

 

 祐一はそう話すと、四人に背を向けた。

 

(――というか、こいつらはあの格好で行く、のか……?)

 

 四人の格好――ザフィーラは黒いタンクトップに黒いズボン、女性三人は黒いワンピース? のような、とても目立つ格好であった。そもそも、この四人の見た目だけでもかなり目立ってしまう。

 

(まぁ、そんなことを今は気にしていられんか……病院でどうやって言い訳しよう……)

 

 これからのことを考えると、祐一の口からは自然と溜め息がこぼれた。

 

 

 ――海鳴大学病院――

 

 結局、はやてが目覚めたのは次の日の朝であった。それまで祐一を含めた四人は病院で待たせてもらった。

 また、四人のことを説明しなければならなかったため、祐一ははやての主治医の石田に、「はやての遠い親戚」という風に説明して何とか難を逃れた。

 その間、病院の先生たちからは奇妙なものを見られるような視線を祐一はずっと感じていた。

 

「でも、よかったわ。本当に何もなくて」

「ほんまにすいません」

 

 はやての言葉に石田は笑顔を向けた。

 だが、その笑みを消すと、はやてに顔を近づけながら声を掛ける。

 

「――で、何なの、あの人たちは? 黒沢くんがはやてちゃんの遠い親戚だって言ってるんだけど、ほんとなの?」

「え、え~っと……」

 

 石田の言葉にはやては、どもりながら冷や汗を流していた。

 そんな状況に祐一は壁に背を預けながら、どうしたものかと思考を巡らせていた。

 

「……何だか変な格好してるし……」

「あ~なんといいましょうか……」

 

 はやてがどう説明するかと考えていると、シグナムから念話で話し掛けられた。

 

『ご命令をいただければお力になれますが、いかがいたしましょう?』

「ふぇ!?」

『思念通話です。心でご命令を念じていただければ……』

 

 初めての思念通話にはやては困惑を隠せずあたふたしている。

 

『落ち着け、はやて。とりあえず、この四人のことを上手く石田先生に説明するんだ』

「ゆ、祐一さんも……」

 

 祐一も思念通話できることにはやては驚いていたが、一度深呼吸をすると、落ち着いた表情を取り戻した。

 

『ほんなら命令というよりも、お願いなんやけど、わたしに話し合わせてな』

「はい……」

 

 シグナムが頷くのを確認し、はやては再度、石田へと声を掛けた。

 

「あの、石田先生、祐一さんがいっとったことはほんまで、あの四人は親戚なんです。遠くの祖国からわたしの誕生日をお祝いに来てくれたんですよ。わたしを驚かせようとおもて、仮装までしてくれたのに、わたしがびっくりしすぎてもうたというか」

「俺もはやての誕生日を祝うために、ここにいる四人といっしょにはやてを驚かせようと思っていたんですが、どうやら派手にやりすぎたようです」

「ふぅ~ん、そうなの」

「そうなんですよ! ちょっと私たちも張り切りすぎちゃって」

「そのとおりです」

 

 はやての言葉に乗っかるように、祐一、シャマル、シグナムと同意を示した。

 

 ――それからしばらく間、祐一たちは石田先生を説得するために時間を費やした。

 

 なんとか石田を説得し、はやての容態も特に問題なかったことから、祐一を含めたはやてと守護騎士たちははやての家へと戻った。

 そして、シグナムたちが《闇の書》の説明を始めていた。

 祐一は部外者であったが、はやてがいっしょに話を聞いて欲しいと言ったため、話を聞くこととなった。

 

(――闇の書、か……名前は聞いた覚えがあるが)

 

 祐一はその名前だけは聞いた覚えはあったが、詳しいことは知らなかった。

 

(シグナムたちの話を聞いていると、闇の書の主に選ばれた人物――つまり、はやてが望まない限りは危険な物ではない、か……)

 

 祐一は守護騎士達と楽しそうに話をしているはやてを見ながら、そう考えていた。この心優しい少女が悪事に《闇の書》を使用するとは、到底考えられることではなかった。

 祐一がそんなことを考えていると、はやてがこちらを向き話し掛けてきた。

 

「ってか、祐一さんも魔導師やったんやね。なんで教えてくれへんかったん?」

「この地球で魔導師という人間はほとんどいない。だから、教えることはないと思っていたんだが――確かに俺は魔導師だ」

「そうなんや。じゃあ、わたしも祐一さんと同じになったっちゅうことやね」

 

 そんな風に笑みを浮かべてくるはやてに、祐一は苦笑を浮かべた。

 そして、はやてはよしっと声を上げると、黙って話を聞いていた守護騎士たちへと向き直り話を始めた。

 

「とりあえず、わたしが《闇の書》の主として守護騎士の衣食住の面倒をみなあかんっちゅうことやな。幸い、うちには部屋も余ってるし住むとこには困らへん」

 

 そんな緊張感のないはやての言葉を聞き、守護騎士たちはポカンとした表情ではやてを見つめた。

 はやてはそんな守護騎士たちを笑顔で見つめながら、話を続けた。

 

「せやから、皆の衣服買ってくるからサイズ測らせてな?」

 

 実に楽しそうにメジャーを取り出しながら話をするはやてを、守護騎士たちは終始ポカンとした表情で見つめ、そんな光景に祐一は笑みを浮かべていた。

 

 

 その後、祐一ははやてとともに守護騎士たちの衣服と食材を買いに出掛けた。

 守護騎士たちは祐一とはやてを二人きりにするのが嫌で渋っていたが、はやての一言から家で待機していた。

 

「あ、シグナムにはこの服がええかな? どう思う、祐一さん?」

「ふむ、あの感じだと確かにその服は似合うかもしれんな」

「やろ? こっちなんかはシャマルに似合いそうやな」

 

 はやては嬉々としてシグナムたちの服を選んでいた。祐一としては、あまり女性の服などはわからないため、ほとんど直感的な回答をはやてに返している。

 しばらくして、シグナムたちの服を購入し店を出た。

 

「しかし、はやてはよかったのか?」

「? なにが?」

「いや、あの守護騎士たちのことだ。急に《闇の書》の主と言われたり、訳のわからん状況になっているんだぞ?」

「ああ、そのこと。うん、わたしは全然かまわへんよ」

 

 その言葉に祐一は僅かに眉を顰めた。

 そんな祐一に気付いているのかいないのか、はやては笑顔のまま話を続けた。

 

「確かに急に《闇の書》の主とか言われてわけわからへんかったけど、あの子たちはわたしのためにきてくれたんやろ? だったら、わたしが面倒みなあかんと思ったんよ」

「はやて……」

「それに、あの子たちがいてくれたら――"家族"みたいで楽しいし、わたしも嬉しいから」

 

 そう頬を赤く染めるはやてを祐一は黙って見つめた。その表情からは何も読み取れないが、心の中でははやてのことを心配していた。

 

(――家族、か)

 

 祐一はその言葉を反芻する。

 祐一とはやては境遇が似ているところがあった――それは、幼い頃に両親を亡くしたこと。

 

(いや、少し違うか。俺には"七瀬家"という第二の家族とも言うべき人たちがいたが、はやては一人だ)

 

 祐一は両親をなくした後、ほどなくして"七瀬家"へと引き取られた。

 だが、はやては支援はあっても、家族と呼べるような人たちはいなかった。

 

(だからこそ、こんなに嬉しそうにしていたんだな)

 

 笑顔を浮かべているはやての頭に手を乗せながら、祐一ははやてを笑顔で見つめる。

 

「――そうか。なれるといいな、本当の家族に」

「うんっ!」

 

 花が咲いたような笑顔となるはやてを、祐一は眩しそうに見つめた。

 そんな嬉しそうにしているはやてに祐一ができることは、はやての家族になるかもしれないシグナムたちの衣服を両手一杯に持つことだけだった。

 

 

 買い物を済ませ、祐一とはやてが帰宅してからは守護騎士たちの服選びの時間となった。幸い、はやては援助してもらっている"おじさん"からお金は多めにもらっていたことから、守護騎士たちの服を買うのには困らなかった。

 はやてはとても楽しそうに守護騎士たちの服を選び、終始ご満悦な状態であった。

 そして、また時間は経ち、現在は晩御飯を食べている最中である。

 

「――結局、今日も晩御飯を食べさせてもらってすまないな」

「ええんよ、別に。大人数でご飯食べるのも楽しいしな」

「そうか」

 

 流石に二日もお世話になるとは思っていなかった祐一は申し訳なさそうに言うが、はやては大人数で食べるご飯の方が嬉しかったようだ。

 そんなはやてを見て、祐一は苦笑を浮かべるしかなかった。

 

「あむ、あむ」

「――おいしいです」

「ほんとにおいしい」

「…………」

 

 順番にヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラと反応は概ね好感触で、ヴィータに至ってはすでにおかわりまでしているほどだった。よほどはやての作る料理が気に入ったのか、一心不乱に食べている。

 シグナムとシャマルもはやての料理に感動したのか、こちらもはやてにおいしいと言いつつ、料理を口に運んでいた。ザフィーラも出された料理を黙々と食べている。

 

「ふふ、みんなに喜んでもらえて作った方としては嬉しいわ」

 

 笑顔で話すはやてに、シグナムとシャマルは微笑を向ける。

 

(この感じなら、何も問題ないだろう)

 

 祐一は料理を口に運びながら、守護騎士たちと話しているはやての方に目を向ける。その表情は喜びに満ちていた。

 

(はやてがこんな表情をしているんだ。俺が心配するようなことは何もないだろう)

 

 祐一はそこで守護騎士たちのことを考えるのを止めることにした。この守護騎士たちなら、はやてと上手くやっていけるだろうと結論を出したからである。

 食事をしながら、"家族"の団欒を祐一は笑顔で見つめていた。

 

 

 晩御飯も食べ終わり、はやてとシャマルが後片付けをする中、祐一はシグナムと話をしていた。

 

「――すまなかったな、黒沢。我が主の友人であるお前に無礼なことをして」

「いや、構わんさ。俺もシグナムたちのことを警戒していたからな」

 

 初めて顔を合わせたときの状況を思い出し、二人で苦笑した。

 

「強い魔力を感じたからな――黒沢、お前は只者ではないな。強者のオーラをお前から感じるぞ」

「買い被りすぎだ。たかだか、魔力量Aクラスの魔導師である俺が、古代ベルカの騎士であるシグナムたちに勝てるはずもない」

 

 シグナムの言葉に祐一は苦笑を持って答え、その言葉にシグナムは笑みを浮かべた。

 

「それこそ何を言っている。伊達に守護騎士の将を務めてはいない。私の勘が、この男は只者ではないと言っているんだ」

「その勘とやらも、あまり当てにはならないな」

「ふっ、そういうことにしておこうか。機会があれば、お前と戦ってみたいものだ」

 

 ああ、とシグナムの言葉に祐一は頷きを返す。すると、

 

「なんか二人とも楽しそうやな。なんの話しとったん?」

 

 二人が話をしていると、片づけを終えたはやてがキッチンから出てきた。その後ろからシャマルも続いた。

 はやての言葉に二人は笑みを浮かべる。

 

「いえ、他愛ない話ですよ、我が主」

「そうなん? なんか楽しそうに見えたんやけどな~」

 

 シグナムの言葉にはやては、「あやしいなぁ~」と言っていたが、顔は笑っていたためそれほどあやしいとは思ってないのだろう。

 祐一はそろそろかと思い、シグナムと話しているはやてに声を掛ける。

 

「はやて、俺はそろそろ帰るぞ」

「あ、もうこんな時間やったんやね」

 

 はやてが時計を見ると、もう二二時を回っていた。

 

「ごめんな、祐一さん。こんな時間まで引き止めてしもて……」

「俺が好きでやっていたことだ。はやてが気にする必要はないさ」

 

 そう話しながら祐一は申し訳なさそうにしているはやての頭をぽんぽんと軽く叩いた。

 はやてが少し恥ずかしそうに頬を染めるのを確認し、祐一は手を放した。

 

「じゃあ、俺は帰る――っと、忘れるところだった。はやて、これを」

「……? なんや、これ……?」

 

 はやては祐一が渡してくれた小さな箱を受け取り、首を捻りながら祐一へと質問した。

 祐一は苦笑すると、はやてへと言葉を返す。

 

「もう忘れたのか――誕生日おめでとう、はやて」

「……あっ」

 

 祐一の言葉にはっとした表情となるはやて。どうやら、一度にいろんなことが起こりすぎて忘れていたようだ。

 しかし、すぐに微笑みを浮かべると、祐一へとお礼を述べる。

 

「ありがとうな、祐一さん――開けてみてええかな?」

 

 はやての言葉に祐一は頷く。

 そして、はやては箱を開けるとそこには可愛らしいデザインの写真立てが入っていた。

 

「はやての誕生日だというのに慌ただしい限りではあったが、今日ははやてと守護騎士たち――シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラが初めて出会った記念すべき日だ。だから、それを思い出として残しておくのも悪くないかと思ってな」

 

 慣れないことをしたためか、祐一は少しだけ恥ずかしそうに頬を掻いた。

 そんな祐一の言葉に、はやては頬を紅潮させるが、その表情には笑顔が満ち溢れていた。

 

「ありがとな、祐一さん! じゃあ、早速、写真撮ろう! もちろん、祐一さんもや!」

「む、いや、俺は――」

「今日はわたしが祐一さんが魔導師やってことを初めて知った日やし、それに祐一さんもみんなと出会った記念すべき日や。やから、祐一さんもいっしょに撮ろ!」

 

 はやての言葉に祐一は少し面食らってしまうが、すぐにその表情を苦笑に変えた。

 

「――そうか、なら、俺も入らせてもらおうか」

「うんっ! ほんなら、ベランダで撮ろか。みんな並んでや~」

 

 祐一の言葉に頷くと、はやては置いていたカメラを設置しながら、皆へと声を掛けた。

 

「こ、この辺りですか?」

 

 シグナムがこのような経験は初めてなのか、少し緊張――というよりは、戸惑った表情をしていた。同じようにヴィータ、シャマルも戸惑った表情をしている。ザフィーラは狼形態で表情は読めなかったが、戸惑っているような雰囲気は出ていた。

 そして、皆が配置についたのを確認すると、

 

「じゃあ、シャマル、そこ押したらこっちに戻ってくるんやで」

「あ、はい、わかりました。押しま~す」

 

 シャマルがボタンを押すと、置いているカメラに赤いランプが灯る。

 

「ほら、ヴィータ。もっと笑顔にならんと」

「そ、そんなこと言われても」

「シグナムももっと表情やわらかくせんと」

「こ、こうですか」

「ザフィーラはOKやな」

「…………」

「ほら、はやて、そろそろ前を向け」

「ふふ、はぁ~い」

 

 はやてが楽しそうに皆に声を掛けるのを祐一が苦笑しながら止める。

 そして時間となり、フラッシュが光り写真が取られた。

 

 ――そこには、楽しそうに微笑んでいるはやての姿、ぎこちない笑みを浮かべるシグナム、ムスッとした表情のヴィータ、優しい笑みを浮かべるシャマル、狼形態で大人しく座っているザフィーラ、そして、背筋を伸ばした祐一が写ってた。

 ここに、新たな家族が誕生した瞬間であった。

 そして、その出会いから、また新たな事件が起ころうとしていることを、このときの祐一は知る由もなかった。

 

 




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