ありがとうございます、どう考えても生物兵器です   作:アイソー

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その後の現状

 

 俺は転生した。

 

 普通に他人にこんな事を言ったら、すぐさま病院に連れて行かれそうだが、事実なのだ。

 

 

 ひとまず、そんな俺の現状について説明しようと思う。

 

 

 転生したら、やはりと言うべきか俺は赤ん坊になっていて人生を一から歩みなおす事になった。ただ前世のこの記憶自体を思い出したのはごく最近で、五歳前になってからだ。

 正直助かった。しっかりと理性がある状態での赤ん坊生活など拷問でしかない。

 

 名前も勿論前世のものと変わっていて、今は綱島海斗(つなしま かいと)だ。

 家族は父、母、俺、犬のシンプルな家族構成だが、今母の腹の中に俺の弟か妹がいるのでその家族構成もあと少しで変わる。

 

 前世では一人っ子だったので、兄弟ができるのは新鮮で楽しみだ。

 

 

 あ、それから容姿は普通の黒髪で黒目な。

 顔つきは父親の遺伝で糸目で柔和な感じになっている。母親は目つきが鋭いので一瞬で父からの遺伝子を多く受け継いでいるのが分かる。

 

 

 

 それで最後に住んでいる場所なんだが、海鳴市だった。もろ原作の舞台だったよ。

 

 

 まぁでも原作に関しては、あんまり積極的に介入するつもりはないけどね。

 

 面倒だとか、管理局に目をつけられたくないって理由もあるけど、俺自身の能力の問題が大きいんだよな。

 全部戦闘向きの能力で介入してもあまり原作を変えられそうもないし、なにより能力が危険過ぎる。

 

 

 猛毒。

 爆弾。

 核エネルギー。

 

 まだ実際に能力を試した事はないけど、周りの関係ない人間も巻き込むような危なっかしい能力ばっかりだ。

 

 原作に介入してもむしろ悲惨な事になりそうで怖い。

 

 

 

 

 

 それでも主要な原作メンバーには会ってみようとしたけどね。どんな感じか気になるし。

 

 会話とかはせずに、遠目で姿だけでも確認しようとしたんだけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰もまだ生まれてなかった。

 

 

 

 

 

 なんか俺原作メンバーより五年フライングして生まれたらしく、皆まだお母さんのお腹の中らしい。俺の弟か妹と同年代になるようだ。

 

 

 びっくりだよ。流石に予想外だったよ。

 

 

 

 

 と、まぁこんな感じが俺の現状だ。

 原作に対しては多分なにも出来ないだろうし、基本幼児生活をエンジョイしている。一日中ごろごろしたり遊んだりして、勉強も仕事もしなくていいというのは素晴らしい。

 

 でも同年代の奴とは精神年齢的に合わなくて友達はいないわけだが。早く皆大きくなってくれ。

 

 

 

 

 

 

「海斗。どうしたのですか? せっかくの誕生日だというのに、なにやら浮かない顔をしていますが」

 

 それで今は俺の五歳の誕生日会を開いていたのだが、考え事をしている俺に父さんが心配して話しかけてきた。

 

 父の名は綱島陸(つなしま りく)といい、俺と同じ糸目でいつもニコニコと笑っている。

 仕事は小さな食堂を営んでいるが、同時に凄腕の拳法家であるらしい。戦ってる姿なんて見たことないけど。

 

 

「うん。お母さんがいないから少し寂しく思っただけ」

 

 母さんは現在産婦人科に入っていて、家にいない。そのため俺の誕生日会は俺と父の二人だけの寂しいものになっている。

 

 まぁ母さんが産婦人科に入るのはまだ時期的には早いらしいが、本人の希望で早めにしたらしい。

 家にいると酒やら煙草やらの誘惑に勝てないらしい。

 

 

「……そうですね。宴会好きのあの人は、こういう時一番騒いでましたから、いないと一気に寂しくなりますね。ですが彼女の分まで、しっかりと楽しみましょう」

 

 父さんは一瞬寂しそうな顔をしたが、すぐにまた笑顔に戻る。

 そしてテーブルの上に父さんが腕によりをかけた料理を並べていった。

 

 うちは高町家に負けず劣らずのバカップルなので、母さんがいなくて一番寂しいのは父さんなのだろう。

 

 

 

 

 

 

「そういえば海斗、こんなものに心当たりはありますか?」

 

 夕食後、父さんは俺に小さな小包を見せてきた。

 宅配物らしく、宛先は俺で差出人は『神主 神子』と書いてある。

 

 もしかしてこれって――。

 

 

「差出人の心当たりが私にはありませんが、海斗への誕生日プレゼントらしく無下に扱うこともできないのですよね。まぁ見たところ危険な物という訳ではないようですが……」

 

「なら貰っちゃおうよ。せっかくのプレゼントなんだしさ」

 

 扱いに困っている父さんに、俺はそう即答した。

 

 

 

 

 

 

 

 夜、自分の部屋で一人になった時、俺は小包を開けた。

 今までこんな小さい子供に部屋とか必要ないだろと考えていたが、今回ばかりはありがたく感じた。

 

 小包の中にはペンダントが入っていた。銀色で太陽をモチーフにした宝石のようなものが付いている。

 

 そして何となくその宝石に触れてみると、突然その宝石が青い光を放ち、輝き始めた。

 

 

 

 

『How do you do,my master? I am an intelligent device also without a name.May I have a name,if very well?(はじめまして、我がマスター。私は名もないインテリジェントデバイスです。もしよろしければ名前を頂けないでしょうか?)』

 

 

 これはどうやらデバイスのようだ。この世界において魔法を使うのに必要となってくるもの。

 

 こんなものが入っているとは、やはりこの小包は神が送ってきたものらしい。

 正直助かる。地球では確実に手に入らないものだし、魔法ってものには結構憧れてたんだよね。

 

 

 

 ただ――。

 

 

 

 

 

 

「……喋るの日本語とかにできる?」

 

 いきなり英語を話されて、しっかりヒアリングできる程英語力の高くない俺でした。

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