ありがとうございます、どう考えても生物兵器です 作:アイソー
『The magic of the general foundation is all now.Although Ifeel sorry,I cannot teach any longer.(これで一通りの基礎魔法は全てです。申し訳ありませんが、もう私がお教えできる事はありません)』
「まぁでもこれだけ使えるようになれば充分だろ。万が一戦闘になっても戦えそうだし」
俺は今海鳴市の一角に小さな結界を張り、簡単な魔法の練習をしている。デバイスが手に入った二か月前から今日まで魔法の基礎を教わり、だいたい使えるようになった。
飛行、転移、念話、障壁、結界、そして攻撃魔法。
短い間にしてはわりと覚えた方だろう。
何故か転生してから肉体的な物覚えがいいんだよな。運動とかも感覚的な感じでどうにかなるし。
ただ頭の方はたいして変わらないけど。
ともかくこれで魔法は使えるようになった。飛べるようになったのはなかなか嬉しい。
『In your case,sufficient mind also caries out a battle only by skils.(マスターの場合、戦闘は能力だけで十分な気がしますが)』
それから能力もあれこれ試してみたが、これがなかなかえげつなく非常に戦闘向きだった。てか戦闘にしかむかない。
まぁ予想通りだけど。
特に『核融合を操る程度の能力』は魔法と組み合わせると凶悪で、こいつのおかげでまず俺は魔力切れを起こさない。試しに半日近く砲撃を打ち続けたが、全くと言っていいほど疲れなかった。
どうやら生み出した核エネルギーを魔力に変換しているようだ。
ちなみに一撃で出せる最高出力はまだ試していない。多分俺なんかの結界じゃもたないだろうし、正直どれほどの威力がでるか想像もつかないから怖いんだよな。
「でもそれだと非殺傷設定が付けられないからな。流石にこの世界でそれはまずいだろ、アルノ」
俺に送られてきたデバイスの名前だがとりあえずアルノとしてみた。由来とかは特にない。
それでアルノの話によると、やはりデバイスは神から送られてきたものらしい。なんでも五歳になった転生者には全員送っているらしい。
……転生者って他にもいるんだな。面倒なやつだとなければいいが。
「さて、じゃあ家に帰るか」
魔法の練習の区切りもいい感じだし、日も暮れてきたので家に帰る事にする。
それから生まれてきた新しい家族は弟だった。
まだ分からないが、どうやら母親似らしい。綱島空也(つなしまくうや)と名付けられた俺の弟は赤ん坊にして目つきがちょっと悪い気がする。
かわいらしいのには変わらないがな。生まれて初めてできた弟はなかなかかわいいものだった。
……それにしても父が陸、兄が海斗、弟が空也。もう少し良い感じの名付け方はなかったんだろうか。
それから五年は、特に何事もなかった。
なお聖祥には入学せず、近くの公立の小学校に入学した。
原作メンバーと関わりを持つ可能性を少しでも減らしたかったというのもあるが、何よりバスでの通学が面倒だ。早く起きる必要もあるし。
それはともかく、もうすぐ空也の誕生日だ。あいつももうすぐで五歳になる。
五歳前にして俺の事をアニキと呼ぶ少々変わった弟だが、普通にかわいい奴だ。
だが、最近奴の様子がなんだか変だ。どうにも急に大人びてるのだ。
ちょっと前まで我儘で生意気で、一週間に一度は本気で奴に殺意を覚えたものだが、今ではすっかり大人しくなってしまっている。
どうにも妙だ。
少し心配になった俺は父さんに相談してみる事にする。
母さんは大雑把で、空也がいい子になったと喜んでいるのであまり当てにならない。
「まぁ妙だと言えなくもありませんが、海斗もこんなものでしたよ。このぐらいから急にしっかりし始めてました」
父さんの話を聞いて、俺は冷や汗をかいた。どうにも嫌な予想がついてしまったからだ。
そして空也の誕生日の数日前、決定的な事が起こった。
事の発端は、空也が母さんの大切にしていたマグカップを割ってしまった事からだった。
俺はその時をたまたま物陰からみていたのだが、割った瞬間の空也の慌てようは尋常ではなかった。なんでもそのマグカップは父さんから結婚前に貰った大切なものらしく、俺は以前少し傷つけただけでタコ殴りにされえた。
うちの母親は恐ろしい人で女子供だろうが容赦がない。例え実の息子だろうと、あの人は空也を縛って吊るすだろう。
とりあえず、片づけるのを手伝ってやるか。そう思い、物陰から出ようとした俺の目の前で、空也は恐るべき行動にでた。
なんと奴は一瞬でマグカップを元にもどしたのだ。
「ク、クレイジー・ダイヤモンド!」
スタンドを出して。