それは突然のことだった。
松の部屋から、アラームが鳴るのと同時にM.B.I本社の上空にはセキレイのマークが浮かび上がっていて、微かにだがサイレンも鳴っているように聞こえる。
脱出計画からしばらくして、俺の傷も癒えて結も特に異常がなかったようなので、月海と共に結女や美哉の特訓に勤しんでいた。
そんなある日、第三段階の開始を告げる合図がなったので松の部屋に行くと、社長の御中広人大きく映った画面になっているのでリアルタイムで配信されていることが分かる。
そして、そんな彼はこう言い始めた。
『諸君、第三段階の始まりだ。会場は帝都湾、M.B.I所有の廃プラント島』
その後は、軽い昔話をしてから1回戦目のルール説明をした。
それによると、会場である廃プラント島のどこかにある神器と呼ばれる八角錐状の水晶を、探し出すというものだった。
その会場に、連れて行けるセキレイは3羽までで参加者はクズの人である瀬尾に西の真田、南の御子上だった。
セキレイは瀬尾で2羽、真田で3羽、御子上で3羽だったので合計で8羽になるのだが、その中に陸奥の姿はなかった。
どうやら、御子上はシングルナンバーである陸奥は強すぎると判断したようで、他のセキレイを連れてきたようだった。
そして、メンバーが集まったので試合が開始すると瀬尾と真田で殴り合いを始めた。
どうやら、キャラが少し被っているのが気に入らなかったようだがそれで、殴り合う必要はあるのだろうかと疑問に思ってしまったのは仕方ないと思う。
それに、皆人と千穂は呆然としながら中継された画面を見ていて、松も驚いていたが実際に起きているのだから俺も想定外だった。
とは言え、葦牙もおかしかったらセキレイも似たような奴が集まるようで真田のセキレイは、真剣勝負でも遊びと勘違いしている節がある。
そのため、軽い三つ巴状態の中で恐らく真田のセキレイが神器を発見したようだが、戦いの衝撃で手を滑らせて神器を落としたけど、すぐ近くまで来ていた御子上によってキャッチされた上にNo.39のワイヤーで受け止められた。
その結果、第1回戦は御子上の勝者になったのだがその結果を受けて、殴り合っていた瀬尾と真田は互いにシンパシーを受けたらしいが、手を握り合おうとして光と響によって雷に打たれていた。
『…とまぁ、諸君。大団円のところ、申し訳ないが引き続き、第2回戦を始めさせてもらおうか』
そんな感じで、第1回戦が終了すると社長は笑みを浮かべながら次の試合に向けての会場と、ルール説明をした。
どうやら、第1回戦で殴り合いが発生するのは彼も想定外だったようなので、ルール変更は行わずに会場を東エリアにあるM.B.Iドームとした。
そして、それに参加する葦牙とセキレイは俺達の中にはいなかった。
参加資格を得たことを伝えるのは、携帯に電話するというもので彼らに掛かってきたので参加する必要があるらしいので、肩から力が抜けた感じがした。
そのため、のんびりとした夕食を摂れるので2回戦を観戦しながら夕食の準備に入った。
「さて、千穂や皆人はともかく、俺達が2回戦でも呼ばれなかった理由を松は知っているんだろう?」
「勿論ですとも。そのために、M.B.Iを敵に回す形で神器を盗んできたんですから」
「ったぁく、うちのエロ眼鏡は……」
「まぁ、そのおかげでシードが掛かっているんですからいいじゃないですか」
皆人が部屋を出た後、松はそう言いながら屋根裏に上って埃まみれになりながら神器を俺に投げ渡した。
神器というのは、8つあって全てを揃えると「全てのセキレイを強制停止させることができる」どころか「セキレイの血を引く不特定多数の人類大虐殺」が可能になる兵器みたいなものだ。
これは古代、日本列島に落ちてきた船が日本各地に着陸して
それによって、古代の人々はセキレイと共にその球を巡って戦うことになったが決着が付かないまま、葦牙と共に埋められたがM.B.Iによって発掘された。
そして、それをご褒美という形で葦牙に渡す考えは俺からすれば納得できない部分はあるが、色んな手段を使って入手したい葦牙からすると喉から手が出るほどに欲しいものだろう。
なぜなら、そいつの血縁の奴らを皆殺しにできるかもしれないのだから。
そんな訳で、鶺鴒計画の始めの方から参加している俺に美哉や健人から説明を受けてから、夕食を取っていると第三段階の第2回戦は終了したようで勝者は知らない葦牙だった。
とは言え、2回戦までに俺や皆人が参加しなかったと言うことは3回戦目には、呼び出されることになるだろう。
理由は、鷸と久能に脱出を手助けしたことによってM.B.Iにマークされているだろうし、俺も皆人と一緒に参加する羽目になるだろう。
紛いなりにも、M.B.Iが設けたかは知らないルールを違反しているんだし。
そんな訳で第2回戦は何事もなく、終了するかと思われたがその直後に事件が起きた。
どうやら、神器を持っていないことに焦った氷我が複数のセキレイに命令を出して、2回戦で勝った葦牙から神器を不正入手したのだ。
そのことは、皆人達が試合終了したのに浮かれている最中に起きたため、俺や鴉羽達の間で黙っていることにした。
変な正義感から、勝手に動かれても困るしと思いながらも夜は更けていくのだった。
2回戦が終了してから1週間が経ち、開始された当初の緊張感とは無縁な生活を送っていると本社からの帰り道に、ある葦牙とセキレイに遭遇した。
最初に知らせてきたのは松で、それを聞いた鴉羽が進行方向とは逆である後ろを振り向いて物陰から俺達を見ていた奴らに声を掛ける。
「か弱い女性をつけ回すとは良い度胸じゃないか!」
「か弱い?」
「う~ん、鴉羽の場合は嬉々として殴りそうなんだが」
「2人がどう思っているのかは分かったよ」
出雲荘からの移動する際、護衛するセキレイが最低でも1羽つくことになったので、今日は鴉羽と秋津が一緒になった。
そのため、鴉羽がか弱い女性と言ったことに俺と秋津が頭を捻らせていると物陰から、2人組の男女が出てきたので葦牙とセキレイだと言うことが分かる装備をしている。
そんな2人組のうち、葦牙だと思われる男が俺達にこう言ってきた。
「なぁ、あんた……鉄橋がある場所で鷸の脱出に参加した北の葦牙だよな?」
「北の葦牙かは分からんが、脱出計画に参加したのは確かだな」
「そんなあんただから言うんだが今、俺達を含めて複数の葦牙とセキレイとで帝都を脱出する計画がある。これに手伝ってくれないかな?なんならこの計画に乗っちまってもいいからさ」
「………」
脱出計画、しかも赤の他人が立てた計画に乗って良いものかと考えたがそもそも、神器の1つは俺達が持っているので脱出する意味がない。
脱出自体は、鴉羽達の力を使えば簡単にできるがする意味がない以上はする必要はないなぁ、と思って鴉羽達を見ると彼女達も首を横に振ったのでそいつの話を合わせる。
「鷸と言ったが、彼と知り合いなのかい?」
「俺達、こう見えても第二段階じゃ、雑魚のような連中をかなりヤってたんだぜ?そう言う時にあいつらと会ったんだがあいつが連れてたセキレイがめっちゃ弱かったじゃん?」
「………」
「もう笑っちゃってさ、やる気もなくなったんで見逃したんだけど上手いことやったよな。さっさと逃げちまうなんてよ」
「……………」
「こないだ、とうとう第三段階が始まったじゃん?したらあぶねー遊びも「鴉羽、やれ」「はいよ」………え?」
男の演説は、聞くに堪えなかったので鴉羽にそう支持すると彼女は一瞬でそいつのセキレイを、機能停止に追い込むほどに切り刻んだ。
切り刻むと言っても、あくまで機能停止する程度なのでバラバラの死体ではないがそれなりの出血をしていたので、M.B.Iに連絡を入れて俺はそいつにこう言った。
「正直、てめーの話は聞くに堪えんから残りの話は本社で聞く。なに、殺しはしない。体に聞くまでだ」
「な、なんで………」
「知らなかったのかい?俺達も懲罰部隊だよ」
「だったらなんで脱出計画に荷担したんだよ!」
「さあ?てめーの頭で考えろ」
俺がそう言うと、M.B.Iの車両が来て職員がセキレイの容体を確認してから、そいつとは別々の車両に乗せて行ったのでこれで少しは脱出計画の阻止に繋がったかな。
俺はそう思いつつ、鴉羽に話しかける。
「大丈夫かい?鴉羽」
「あぁ、問題ない。寧ろ、いつになったら攻撃指示が出るのかでうずうずしていたよ」
「そか、なら帰るぞ。出雲荘に」
「はいよ」
「……うん」
彼女達がそう言ったのを確認してから、俺達は出雲荘に足を向けて歩き始めた。
鷸達とは、別の脱走手段で逃げようした日村という葦牙とそのセキレイである七葉は主人公と鴉羽の実力行使によって無念にも連れて行かれました。
原作でも、鷸達を雑魚扱いしていたので皆人から断られています。
作中では、その場面は出ていませんが主人公達に会う前に皆人にあったのですが断られています。当然ですね。
ではまた次回。