セキレイがいる世界   作:八雲ネム

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第14話 粛正

「あっ、そっちも接触されたんだね」

「うん、さすがに鴫くん達を馬鹿にして笑う人とは手伝えないからね」

「当然じゃ!No.95は結果的に認めただけで戦いから逃げ出すような輩は吾は好かん!」

「散々、好き勝手やっておいて?ヤバくなったら逃げ出すなんておねーさん、そーゆーの好きじゃないわぁ」

「まぁ、M.B.Iがすぐにやって来たぐらいですからだだ漏れですよね」

「そうだね。道人をこれ以上、危険な目に遭わせたくないし」

「まぁ、断って正解ですよ。そんな大層な計画を無防備に話したりするのはウカツとしか言えないです」

 

 皆人の判断は正しかったし、月海や風花の意見ももっともで実際にM.B.Iの監視も強化されているので俺達が手出ししなかったとしても、M.B.Iからの召集でいかないといけなかっただろう。

 そうなれば、結局は機能停止になるんだから今の内に計画を知っておいた方が良い。

 まぁ、皆人は俺達が懲罰部隊として脱出を行おうとしたセキレイを機能停止させた行為を、複雑な顔にしていたがこれも仕事の1つとして受け取ってもらうしかない。

 世の中というものは、理想論だけでは回ってなくてコインの裏表のように何事にも、血みどろな話というのがつきものだ。神座島侵攻の時もしかり。

 そんなことを話し合っていると、松のパソコンからアラームが鳴って俺と皆人の携帯が鳴り始めたため、携帯を見てみると御中広人からのコールだった。

 

 それを確認した俺達は、携帯に出てみると彼は意味深な笑みを浮かべながらこう言った。

 

『―――やあ葦牙の諸君、待たせたね。今から第三回戦を開始するよ。参加チームは4組で1人の葦牙に付き、セキレイは3羽まで。ルールは現場に着いてからのお楽しみだ』

 

 御中社長がそう言うと、携帯の通話は切れたので少しして皆人は結達から、俺は鴉羽達から一緒に行くことを迫られたのでかなりドン引きすることになる。

 

「勿論、私を連れて行くよね?」

「違う。道人が連れて行くのは私。だから鴉羽は今回もお留守番」

「なっ!?ずるいぞ、秋津!道人が連れて行くのは私だ!」

「お姉さんも一緒に行きたいな~」

「道人さんなら私を選んでくれますよね?」

「待て待て、こう言うのはちゃんと場所が分かってからだな………」

「そう言いつつも既に決めている道人だった。クフクフクフクフ」

 

 鴉羽がそう言いながら俺の胸ぐらを掴み、秋津が俺の右腕に絡みついたら焔が負けじと左腕を取り、風花が面白そうにそう言って結女が期待の眼差しで俺を見てきた。

 そのため、俺がタイムをかけると松がそう言ってきたので軽く修羅場になったがその直後、携帯に会場の場所がメールで転送されてきたので確認すると意外な場所だと分かった。

 

 

 

『ようこそ!葦牙諸君、第三回戦会場へ。葦牙(キミ達)はセキレイと共に戦って戦って戦わなければならない。舞台は此処、帝都中央ジャンクション!!』

 

 スピーカー越しに、社長がそう言うのと同時に俺達も現場入りした。

 ここは帝都の中でも、高速道路が密集している場所で上を見上げれば立体交差している高速道路が見えるが、俺達の周りには煙幕が張られていて視界は20~30メートルぐらいとあまりよくない。

 今回、この試合に連れてきたのは次の3人。

 

「じゃあ、頑張っていこう」

「ん、羽化してからの初めての実戦……頑張る」

「あぁ、今度はちゃんと守るよ」

 

 鴉羽に秋津、焔の3人でこの試合に臨むんだが社長からの連絡で脱走しそうな葦牙が、そろそろ行動に移しそうだと言うことでその準備も兼ねて連れてきてくれと言っていた。

 そのため、戦闘を行えない松は別としてもつながりを求める結女や気まぐれながらも、繊細な風花には出雲荘で待機してもらった。

 じゃないと、これから起きることは堪えきれないだろうしな。

 そして、俺達が会場の中心であろう位置で待機していると今回の試合の参加者が集まってきた。

 

 まずは氷我。東陣営の筆頭であり、鶺鴒計画に疑問を持つ人物だ。

 いずれは、何かをやらかすと瀬尾は考えているようだが今は様子見と行こう。ここで、何かをしても意味はないしな。

 次に壱ノ宮。M.B.Iの狗して、個性的なメンバーをまとめ上げているが1羽分の欠員は埋めれなかったようなので3羽のままだ。

 彼自身は、優男であるのだが何だかんだで最後まで生き残る雰囲気を感じる。セキレイの方がしっかりしているしね。

 そして、俺と皆人。ここに至るまで、欠員らしい欠員も出さずによく来れたものだと感じるが懲罰部隊のメンバーからは憎まれている。

 仲間割れのような状態だが元々、どっちつかずの葦牙とそれに従うセキレイなのでそんな奴らを憎む方がお門違いな訳だ。

 

 そのため、懲罰部隊のメンバーからの視線をスルーしながら東陣営からの勧誘を皆人が断る様子を見ていると、ジャンクション全体から社長の声が聞こえてきた。

 

『フハハハハ!どうやら役者が揃ったようだ!』

 

 とは言え、あまりの大音量だったので思わず耳を手で塞いでしまったが社長の演説は続く。

 

『ただいまより、第三回戦を開始する!!今回のルールもきわめてシンプルだ。参加者達は闘って闘って生き残ったチームが3つ目の神器を手にすることができる!そう―――』

 

 これはあれだな、第三回戦と銘打った―――

 

『―――これはバトルロイヤルだ!!』

 

 ―――粛正だな。

 

 

 

 一方、その様子を見ながら松はパソコンを動かしながらしてやられた顔になった。

 

「…やらかしてくれるです社長。脱出を手伝ったみなたん―――計画に対して不穏な動きの“東”―――他の葦牙による脱走計画―――そして懲罰部隊。これは第三回戦と銘打った粛正ですよ…!」

 

 分かってしまった以上、どうにかしたいのは山々ではあるが現時点ではどうしようもないので道人達がなんとかするしかないが生憎、結女は出雲荘に残している。

 道人頼りにするのは、セキレイとしてはおこがましいが手の撃ちようがない以上は見守るしかない。

 そう思いつつ、画面越しに道人を見た。

 

 

 

「……さて、俺達のやることは1つだ」

「皆人達を生かしつつ、この戦いに生き残る」

「しかも、前回のような待っているだけの戦いはイヤ」

「となれば、私達がやるべきことはプランAと言うことだね」

 

 俺達がそう言い合うと、社長が試合開始のゴングを鳴らす。

 

 

 

『さあ諸君、殺し合いを始めたまえ!!』




鈿女ちゃんが一旦、機能停止する場面が思いつかない(;´д`)

原作だと三回戦の後、皆人達は千穂ちゃんを救出することになるんですがその時に鈿女が訳あって、機能停止しちゃうんですよ。
そこから、セキレイの過去についてのことを皆人が知ることになるんですが、本作ではその場面がないからどうするかを悩んでいます。
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