セキレイがいる世界   作:八雲ネム

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昨日の投稿から何故か、急激にお気に入り登録者数が急増しました。
セキレイの二次創作が少ないから増えたのは仕方ないとして、ここまで増えるとは思っていなかった。

ここまで来ると、逆に不安になります。
俺はこのまま、続けて良いのだろうか(汗)


第6話 それぞれのセキレイ

 クーちゃんこと、草野を救出して皆人に婚がせた後は比較的、平和的だった。

 南陣営である御子上が、やられたセキレイの逆襲のために出雲荘に攻撃を仕掛けてくるなんてことはなかったし、俺が移動している間に強襲してくることもなかった。

 そんな中、健人の知人で美哉からクズの人と言われている葦牙がやって来た。

 

「いよーっす、飯を食いに来たぜー」

「また、食事をたかりに来たんですか?クズの人」

「相変わらず、定期収入を得ずにたかりに来て美哉に棘を刺される瀬尾であった」

「オイてめぇ、人の悪口を堂々と言うとは良い度胸だなぁ?」

 

 飯をたかりに来た柄の悪い青年は、瀬尾と言って光と響の葦牙をしながら請負(うけおい)業をしている。

 と言っても、収入は安定していないので光達もアルバイトをしている上に、M.B.Iの上限額がないとされているマネーカードを1000万も引き出した時点で差し押さえられるほどのクズさである。

 本人曰く、一般人が知り得ない情報を得るために使いまくったらしいので、正真正銘のクズかと聞かれても答えるのに困るのだが。

 さらに、健人やM.B.Iを離反した当初の美哉は家事が全く出来なかったので、美哉に家事を教え込んだのが意外にも彼なのだから義理には厚いようだ。

 しかし、普段の行動からはクズと言われても仕方ない行動ばかりなので、俺や美哉達の間では弄るネタになっている。

 

 ていうか、M.B.Iのマネーカードがあるなら別の企業に行っても大丈夫じゃん。

 瀬尾と同じ金額まででも、合計で6000万も引き出せるから当面は大丈夫だし、俺個人でも世界に役立つ特許をいくつか持っているんだからそれを敷金にしてもよかった。

 そのため、懲罰部隊の依頼は断っておけばよかったなぁと思いつつ、瀬尾と話していると皆人がやってきた。

 

「あれ?瀬尾さんじゃないですか。どうしたんですか?」

「おーう、青年。元気にしていたか?」

 

 皆人は、バイトで建設業の仕事から帰ってきたので時間的に昼食を取ることになった。

 瀬尾はどうせ、追い出しても裏口から入ってくるだろうからとっとと食わせて帰らせた方がいい。その方が楽だしね。

 そうして、昼食をしようとした時に一悶着があった。

 くーちゃんが、瀬尾のことをガラが悪くて口調も荒いお兄さんだと思って、瀬尾と一緒に食べたがらなかった。

 そのため、瀬尾が軽く脅そうとしたら漬物石が飛んできて彼の頭に直撃した。

 

「ダメですよ?こんな小さい子をいじめては」

「そうだよ、瀬尾。そんなことは流石の僕でも許容できないよ」

「あぁはい、すみません。オレが悪かったって」

「あなたは昔から変わりませんよね♡」

「だからこそ、弄り甲斐があるんだけどさ」

「あんたらも変わんねーよな」

 

 俺は、彼女をセキレイだと知っているから数キロの重さがある漬物石を水平に飛ばす美哉を、腹を抱えて笑いをこらえているが皆人とくーちゃんは互いに抱き合って顔面蒼白になりながら震えていた。

 そんな健人と美哉は、笑いながら般若の雰囲気を出していて瀬尾は頭から血をダラダラと出しているので、この場面だけを見たら軽い修羅場なのだが買い物ついでに、皆人と帰ってきた結や結女はいつもと変わらない雰囲気だった。

 そんなこんなで、昼食を摂り終えると玄関から女性の声がした。

 

「あのーー、すみませーん」

「おん?この声は……」

「俺のツレが迎えに来たようだな」

 

 その声に、俺が反応すると瀬尾がそう言って立ち上がったので一緒に、俺や皆人が玄関に向かうとそこには見知った顔があった。

 

「げげ、道人が一緒かよ」

「光~。この後、絶対にM.B.Iに報告が入って私達が捕まっちゃうんだよ~」

「オメェらはそんな目で俺を見ていたんだな。軽くショックだぜ」

「あ、あの!」

 

 俺と光、響コンビがそう言い合っていると皆人が瀬尾に対してくーちゃんの件で、情報を流してくれたことに感謝を伝えた。

 どうやら、建設工事で偶然にも一緒になった時にタレコミという形で、瀬尾から情報をもらってその後に俺に相談をしに来たという訳だ。

 そのため、皆人は瀬尾から名刺をもらうのと同時に光達は結達が買ってきた米袋を2つ、もらってその場はお開きになった。

 

 

 

「やあ!とぅ!」

「まだまだ、力が入りすぎていますよ!」

 

 瀬尾(クズの人)か帰ってから数日後、結は結女に特訓を受けている最中だった。

 どうやら、同じタイプのセキレイとして成長した2人はそう多くはいないタイプのセキレイなので、師弟関係の様に育った。

 他のセキレイで、原作やアニメで出てきたのはNo.86の葛城ぐらいだが彼女の場合、足技を使う格闘術だから別系統だろうなぁ。

 そう思いつつ、結女による結の特訓を見ていると玄関の方から女性の声がした。

 

「あのー、すみませーん」

「はい、何でしょう」

 

 丁度、美哉が玄関を掃除していたようで彼女が応対したがその声は俺にとって、懐かしい声であるので玄関に行ってみるとそこには皆人の妹のユカリとNo.107の椎菜がいた。

 

「あれ?ユカリは新東女子大学に入学するから良いとして、何で椎菜がいるんだ?」

「やっほー、道人兄さん。この子はさっき拾―――」

「道人さん、ゆかりさんにセキレイ計画を教えて良いですか!?」

 

 俺が彼女達に聞くと、ユカリはやや困った顔で言い訳しようとして椎菜がそう言ってきたので、俺とユカリはそれぞれの考えで驚いた。

 ユカリは、ただの弱気な美少年が変なことを言い始めたと思い、俺は彼がこんなに積極的だったっけと考えるほどに切羽詰まった顔でそう言ってきたからだ。

 そのため、美哉に皆人を呼んでくるように頼んで2人を出雲荘に招いた。

 

 

 

「へー。じゃあ、お兄ちゃんもそのセキレイ計画に参加しているんだ」

「そういうユカリも、椎菜と婚いだらセキレイ計画に参加することになるよ?」

「と言っても、椎菜の方がユカリに反応しているんだから仕方ないだろ?」

 

 皆人達、佐橋家のメンバーとは俺が小さい頃からの付き合いだったので知り合いとして、互いのことを知っていたので事情を説明しやすかった。

 と言っても、俺達は健人以外が葦牙でそれぞれのセキレイを持っている程度しか、情報共有をしていないのでここでも美哉と健人はただの大家さんと言う認識だ。

 俺達が情報共有している間、椎菜はくーちゃんの安全が確認できたことでホッとしているし、くーちゃんもくーちゃんで椎菜と出会えたことで喜んでいる。

 そんな雰囲気に、その場にいたメンバーはほっこりしつつも話が進んでいって、あっという間に時間が過ぎていった。

 

 その中で聞いたのは、椎菜は南陣営に狙われて逃げ惑っている最中に偶然にもユカリと遭遇して、その瞬間にゆかりが自身の葦牙だと分かったらしい。

 そして、セキレイ計画の中で自分の利益のためにセキレイを扱う輩もいるから、気をつけるように伝えるとユカリは椎菜の様子からしっかりとした表情でこう言ってきた。

 

「そん時はその葦牙をぶん殴って逃げるから!」

「ははっ、佐橋家の女性は頼もしいな」

「全くよ!お兄ちゃんもヘタレじゃなかったら帝東大に速攻で入れたのにね~」

「ユ、ユカリ~」

 

 その口調や態度は、佐橋家の娘と言う気質を感じ取るには充分だった。

 どうやら、皆人の家では女性が中心として生活していたようだったし、皆人の父親は御中広人なのでそう簡単には出会えない。

 そんなこともあって、父親が誰なのかはこの時点では知らない上に知ったとしても父親として、認識できるかというのも疑問だ。

 そんな訳で、ユカリと椎菜は自分達の下宿に戻っていくと騒がしかった出雲荘は元の雰囲気の戻り、気が付けば既に夕方になっていた。

 

 そのため、夕食と食べた俺達はそれぞれの部屋に戻ってのんびりと過ごすのだった。

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