Sword Art Online:Early Break   作:Happy-snow

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第3話 繋がり

「キリトくんのことずっと探してた。私のことがわからないかもって思いながら……それでも、もしかしたらって思って……あそこでキリトくんを見て絶対に私のことを覚えてるはずって思った。ほんとに、ほんとに会えて良かった」

 

 胸の中で泣きじゃくる彼女は余裕のあった年上の女の子ではなく幼い年下の少女に見えた。俺も今はこの感触をずっと味わっていたいと思い、彼女の背中に回した腕にグッと力を込めていた。

 

「ああ、俺もアスナにまた会えてほんとによかった」

 

 見つめあった後のキスの味は理性が溶けてしまいそうになるほど甘いものであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでこれはどういうことなのかしら?」

 

 とりあえず付近の宿屋に部屋を取った俺達は1コルの黒パンを口に放りながら今後の方針を話し合っていた。

 

「俺にもわからない。分かることはここがアインクラッドで俺たちは記憶を持ったままここに戻ってきたということだけだ。俺が以前と違う行動をとった以外に違いは感じられなかった」

 

「私も特におかしなことはなかったけど、こういうのなんて言うんだっけ?巻き戻し?」

 

「タイムリープ?」

 

「そう、それ。で、そういうタイムリープものって何か使命を果たさないとずっと巻き戻されたりするじゃない?もしそうなら私達の使命ってなんなのかなって。SAOのクリアなのかな?」

 

「いや、クリアだけが条件ならあの時に条件を満たしているはずだ。だから条件付きのクリアなんじゃないかな。誰か特定の人を殺させずに生還させなきゃならないとか」

 

「ならとりあえず私達のやることはできる限りのプレイヤーを救うってことでいいのかしら?」

 

「ああ、そうなるな」

 

 今度こそ、救えなかった彼らを、俺が、俺がこの手で……

 

「キリト君?」

 

そして、アスナを……

 

「キーリートーくーん!」

 

「す、すまん、考え事してた。何か言った?」

 

「……そうやってなんでも一人で抱え込むの、キリト君の悪い癖だよ。一人じゃないんだからちゃんと私に相談してね?」

 

 確かにこうして悩みを抱え込んでいるとろくなことにならない気がする。月夜の黒猫団のときもそうだ。周りの人間に相談しなかったせいで彼らを殺すことになってしまった。やはり、何かあれば彼女にだけは話した方がいいのかもしれない。

 

「わかった、必ず相談させてもらうよ」

 

「絶対だからね!君は私の大切なパートナーなんだから」

 

 そうして握った手のぬくもりを感じながら俺達は意識を落とした。

 

 

 

 

 

 翌日、早速俺達はネペント狩りのため、うっそうと木々が生い茂るいかにもといった森を訪れていた。

 

「基本的には見えるより先に俺の索敵スキルが反応するはずだから気をはる必要はないから。戦闘中は実のついたネペントの実を割らないことにだけ注意してくれ」

 

「了解。サクサクいきましょ」

 

「ああ、早速来たぞ前方に二体だ。腐食液の予備動作に注意だぞ」

 

 敵の探知距離に入ると同時に一気に左のネペントの懐まで進み、単発スキル:スラントで斬り下ろしつつ勢いを最大限利用して外側へと抜ける。

 

「アスナ、追撃!」

 

「せあっ!」

 

 以前にも増して鋭くなっている細剣スキル:リニアーがネペントの残り体力を一発で削りきる。残ったネペントが今更のように二本のツタを上げて威嚇動作を繰り出してくるが、数の上で有利を取った俺達の挟撃によってそのHPバーを赤く染め、ポリゴン片を撒き散らした。

 

「お疲れさま」

 

「お疲れ、次行こうか」

 

 

 

 最終的に二十匹ほどの通常ネペントを蹂躙したところで花つきの当たりネペントを見つけることができた。しかし、そのすぐ近くには実つきのネペントが二匹固まっていたのだった。

 

「どうする、キリト君」

 

「俺が囮になって三匹全部をトレインする。アスナは実つき花つきに関わらず、トレインした最後のネペントを背後から攻撃してくれ。そこからは二匹以上トレインしている方が逃げながら時間を稼ぎつつ、一匹の方を先にタイマンで落とす。そしたら残りもタイマンに持ち込んで削りきれるだろう」

 

「わかった。気を付けて」

 

「そっちも実を割らないようにな。行くぞ、3,2,1、GO!」

 

 左前方に大きく踏み込むことで三匹のネペントの注意を引いた俺は三匹が一直線に迫って来るように少しづつ後退と通常攻撃を繰り返す。視界の奥で赤いフーデッドケープが舞い、一瞬で通常攻撃プラスリニアーで最後尾のネペントを倒したアスナに二匹の注意が向く。

 

「背中ががら空きだぜ!」

 

 俺はその隙を逃さずホリゾンタルを敵の弱点に叩き込み、最初と同じ二対一の状況に持ち込んだ。

 例え花つきであろうと数的優位は覆せず、両側から同時に叩き込まれたソードスキルによって花つきのネペントは四散した。

 

 こうして、お互いの思考がリンクする心地良い感覚に包まれつつ、この世界での初めての協力プレイは無事に終わることとなった。




 やっぱりキリアスの絡みは難しいですね……今回一番苦労したところだと思います。
 今後も二千文字くらいでポツポツと上げていきたいと思ってますのでどうかよろしくお願いします。
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