Sword Art Online:Early Break 作:Happy-snow
次話はほぼできているので比較的早く投稿できると思います。多分、恐らく。Probably.
直接攻略会議に行ってしまっても良かったのですが、アルゴとの絡みを入れておいた方が良いかなと思ったので間に挟むことにしました。
前回のアルゴとの遭遇から2週間、トールバーナに他の集団よりも一足早く到着した俺達は、アルゴにタイムリープ問題についてカミングアウトしようとしていた。
「待たせたナ、お二人さん。それデ、わざわざ宿屋の部屋を取ってまでする重要な話って何なんダ?」
「前に、秘密にしていることがあるって話をしただろ?そのことでちょっとな……」
「二人が付き合ってるって話カ?今のところバラシちゃいないゾ?」
「違う、いや違うわけじゃないが……アスナが元ベータテスターって話をしただろ?あれは嘘なんだ」
既に見抜いていたのか驚きを表に出さないのかアルゴは黙ったまま俺を見つめている。
「ここから先の話は絶対他言無用にしてほしい。例え100万コル出されても、だ」
「100万コルカ、大きくでたナ、キー坊。分かっタ、それだけキー坊がオイラを信頼してくれていることに免じて秘密は守ル」
「単刀直入に言うと、俺とアスナには、ベータテストとは別にここの、つまり製品版SAOを攻略した記憶がある」
さしものアルゴも理解に苦しんだのか、眉間にしわが寄る。
「それはどういうことダ?発売直前にテスターとしてプレイしたってことカ?」
「いや、違う。ここと全く同じ状況、つまりデスゲームとしてのSAOで二年間を過ごしたんだ」
システム的に区切られた室内に静寂が満ちる。手にした情報の真偽を見抜くアルゴの双眸が俺を射抜く。
「つまり、キー坊とアーちゃんはタイムリープ的な何かを経て2度目のデスゲームに参加しているってことカ?」
「ああ、そういうことになる」
「なるほどナ。それなら色々納得がいくってもんダ」
「信じるのか?こんな途方もない話を?」
「そう考えなきゃアーちゃんの動きに納得できないって話サ。ベータの時はキー坊はひたすらソロで攻略してたのに元ベータテスターの彼女がいる?おかしいだロ、普通一緒にプレイするだロ?アーちゃんの動きだって経験者じゃなきゃできない動きのキレだし、キー坊が嘘ついてるようにも見えナイ。それデ?それをオイラに伝えてどうするんだ?」
「折り入って頼みがある。攻略会議直前に配布予定の攻略本に追記をして欲しい」
再び射抜くような視線が俺に向けられる。
「第一層ボスの最終武器は
「それは……それは、マジな情報なんだナ?場合によっちゃプレイヤーの命に関わることになるゾ?」
「分かっている。それでも頼む。前回はこれで攻略組のリーダーが死んだ。湾刀が最終武器だと思い込んでいた元ベータテスターだ」
「そうカ……分かっタ。キー坊がそこまで言うんならやっておく。ただし、断言はしなイ。あくまでも可能性がるってことしか書かなイ。それでいいカ?」
「ああ、頼む」
任せとケ、そう言って彼女は宿屋を後にした。
「信じてもらえたみたいで良かったわね、キリトくん」
「ああ、そうだな」
しばらくの間、放心状態で頬張っていたパンがなくなっていることに手に咬み付く直前で気づき、俺は手を下ろした。隣を見ると、上品に少しづづちぎってパンを食べていたアスナがちょうど最後の一切れを口に放り込むところだった。
アスナからは見えない位置にあるポケットは箱によって小さな膨らみを持っている。そのことを改めて確認した俺は一度、深呼吸を挟んでからアスナの方へ向き直った。
「アスナ、聞いてくれ」
「どうしたの?キリトくん?」
「ここに戻ったせいで前のステータスは全部リセットされてしまった。だから、改めて俺と結婚してくれ」
驚きで目を見開いた後、頬を緩ませ、アスナは答えを聞かせてくれた。
「はい、私をもう一度キリトくんのお嫁さんにして下さい!」
その花がパッと咲いたかのように美しい笑顔を再び脳裏に焼き付け俺はアスナの指に指輪をはめた。
ラブラブシーンは苦手なのでご容赦下さい……