如月霊だよ!
んじぁ!始まるよー
~駅のホーム~
プシュー
電車の扉が閉まる音が耳に入り、意識が覚醒する。直ぐ様自身の体を小さな手でペタペタと触り自分が九才の頃の体になってゲンドウに捨てられた時に戻ってきた事を確認する。
(戻ってきた、か)
かつて自身が先生と呼んだ育ての親の顔が目に浮かび顔を強く左右に振りその顔を忘れようとした。その最中に駅のホームに掲示されていた戦略自衛隊のポスターが目に入った。
「…戦自に行くべきかな…」
そう呟きシンジは駅を後にし、駅から数百メートル先の基地に向かった。
~戦略自衛隊基地~
「ん?君、どうしたんだい?お父さんかお母さんは?」
基地の門前に立っていた警備の兵士は幼いシンジにそう聞いた。
「お母さんが居なくなっちゃって高瀬仁って人を頼れって…」
そう言いそれっぽいメモ書き(便利だよね~偽装できるよ~)警備の兵士の人情を頼った。
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拝啓、高瀬仁様
ゲヒルンでの実験で私が死ぬような事があっ
たらシンジを助けてやってください。
敬具 碇ユイ
└───────────────────────┘
「高瀬仁…高瀬司令!?」
そして警備の兵士は高瀬の名前を聞き焦りつつ門横の建物の中に走り受話器を掴んだ。
「た、高瀬司令!!」
『何かあったのか?』
「はっ!司令。現在本基地前門にて碇ユイの息子とか言う人物が碇ユイからの高瀬司令宛の手紙を持って来ておりまして…」
『ちょ、ちょっと待て!碇ユイは私の知り合いだ!早く通せ!』
「り、了解しました!」
警備の兵士はシンジを基地の中に通し第二東京基地司令と書かれた看板が掛かった部屋に通された。
「…始めまして、だね。俺は君の母と学友の戦略自衛隊第二東京基地の司令をしている高瀬仁一将だよ。シンジ君はなんでこんなところに来たんだい?」
「母さんが死んで、父さんに捨てられたから。行き先がないんだ。母さんから仁さんのことは聞いてたから。仁さん!僕を戦略自衛隊基地に置いてください!」
「ユイが死んだ!?それに父に捨てられたか…よし、わかった、君の面倒は俺が見よう。基地に居るといい…だけど食堂の当番はしてもらうぞ?働かざる者食うべからずだからな!」
「ありがとう!仁さん!」
シンジはこうして戦略自衛隊基地で生活することになった。シンジはその話が終わると食堂に仁さんに連れられて行った。食堂につくと第二東京基地食堂の料理長がシンジに試験を出してきた。
「涼さん、いる~?」
「いるよ。高瀬一将。その子は?」
「ああ、知り合いの子だよ。碇シンジ君っていうんだ。それで涼さん、お願いなんだけどシンジに厨房手伝わせてくれない?」
「なんででだい?厨房は料理人の聖地だよ!どうしてもってんならその子の料理の腕をみせてくれ!君、厨房の食材を使って何か作って見せな!」
「わかったよ!それじゃあ厨房借りるね」
シンジはその話が終わると厨房に入っていき三十分後になってようやく出てきた。シンジはその時にハンバーグを作って持ってきて料理長に出した。それを食べた料理長に
「…良いじゃないか。よし、シンジ君。君には此処の厨房手伝いをしてもらおう」
と好評価が与えられ、晴れてシンジは第二東京基地の料理長補佐になった。