我には青春ラブコメは不要   作:もよぶ

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第十話

受験が終わりユイ姫と騎士ヨシテルの冒険物語の最後の一本を仕上げる、

 

様々な国を旅して様々な事件を解決したユイ姫と騎士ヨシテルは一緒に国に帰る

見分を広めた姫は戴冠式を経てそのまま女王へとなる、

そして女王となり日々の業務をこなしている所へ騎士ヨシテルがやってきて城を去る許可をもらいにくる、無論女王は許さない、そばにいてほしいと懇願するが、ヨシテルはそれを説き伏せ女王の元を去る。

その後女王の引き留めが続くがそれらを全てかわし、ヨシテルは国の外に出る、丘の上に立ち遠くに見えるユイ女王の城を見ながら

 

「ユイ殿、あなたのことが好きであった」

「あなたの太陽のような笑顔が好きだった」

「あなたの怒った時のふくれっ面も好きだった」

「あなたのすべてが好きだった」

「あなたのそばにいるだけで幸せであった」

「でも我のような身分が違う者があなたに告白するなんて大それたことはできぬ」

「我のような中途半端な者がそばにいたらあなたの障害になるだろう」

「我のような者ではなくあなたにふさわしい者がそばに立つべきだ」

「さようなら、あなたの未来に幸あらんことを」

 

ここで物語は終わる

最後の最後で恋愛要素をぶっこんでやった。

しかも由比ヶ浜が毎回楽しみにしている話に告白まがいのことを書いているのだ、これは卑怯と言うか下種というべきか、しかし自分の今の気持ちをぶつけたのだ、後悔は無い、しかしこれを渡して読んだ由比ヶ浜がどう思うだろうか?

やっぱ気持ち悪い奴だったと思うのだろうか、それならそれでいい、もはやこれは自己満足でしかないが。

 

卒業式まであと数日という日、奉仕部に行くと中から笑い声が聞こえる、

 

材木座は無遠慮にドアを開ける

「久しぶりだな八幡!元気にしていたか!」

「うるせーぞ材木座」

いつもの調子で返されるがその顔はだいぶにやけていた。

 

テーブルの上には賃貸物件の冊子が何冊か置いてある、比企谷も雪ノ下も同じ大学に合格したとのことで今から住むところの相談をしているようだ。

どうもすぐ近所にするようだ、どうせすぐ同棲しちゃうんだろ?だからにやけてるんだろもう爆発しろよ。

 

由比ヶ浜も希望の大学に合格したようでせめて住むところは比企谷達と近い所にしたいらしく一緒に相談しているようだ

我?我も無論第一志望に合格だ、補欠だったがな!

 

「あのー由比ヶ浜殿にちょっとお話があるのですが」

3人に話しかける

「中二どしたの?」

由比ヶ浜殿がこちらにくる、

「これ、最後の奴」

先日書きあげたばかりの原稿を渡す

「ありがと…」

 

これがラブコメならばここで告白なのかもしれない、でもラノベの最後にも書いたように我は由比ヶ浜殿にはふさわしい男ではない、これでいいんだ、由比ヶ浜殿は由比ヶ浜殿の幸せをつかむべきだろう。

そう思いつつ材木座は由比ヶ浜をじっと見る、いつのまにか由比ヶ浜と材木座はお互いの目を見つめあっていた。

 

「おい、どうした?」

比企谷の声ではっと我に返りあわてていう

「それでは八幡!皆の衆!サラダバー!」

これでいいんだと自分に言い聞かせ奉仕部の扉を開く

 

「おい、もう帰るのかよ」

そういう八幡の声を後ろに聞き去ることにする、あの空間に居れるほど我はメンタル強くない。

 

卒業式までの数日はあっという間に過ぎてしまった、奉仕部の面々はこの数日間色々な人から呼び出されて、お別れ会みたいなことをしていたようだ、特に交友関係が広い由比ヶ浜は余計に忙しいようであっちっこっちで見かけた、その為もあって学内で会うことは無くなり結局奉仕部での別れの言葉が最後の言葉になってしまった。

 

卒業式当日卒業証書を受け取った材木座は桜吹雪の舞う校舎の前に立つ、結局由比ヶ浜とは顔を合わせることは無く最後のラノベは読んでもらったのか結局わからなくなってしまった。

感想が聞けないのは少し残念だがこれでいいのだ、財布に常に入れていた由比ヶ浜と一緒に撮ったプリクラを見る。

ボッチで過ごすはずだった自分の学校生活に初恋とわずかの彩と最高の思い出をもらったのだ。

土下座して感謝するレベルだろう。

 

材木座は誰にも見送られず三年間通い続けた校舎を後にした。

 

 

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