何度か奉仕部に通っているうちにふと由比ヶ浜を主人公にしたものを書いてみようか考えた。
「現実では隣にいることすら難易度が高いわけだし、せめて我のラノベの中ぐらいは好きにさせてもらうか」
普通こういう場合、恋愛ものにして惚れさせたり、自分に有利なラブコメ展開とか書いてもよさそうなものだが、何故かそんな気にはなれなかった、初恋の相手を汚すようなマネはしたくなかったのかもしれない。
「それにもし仮に付き合ったとしても色気よりもドタバタコメディみたいな感じになりそうな気がする、我もこんなんだし、由比ヶ浜殿もしっかりしている方ではなさそうだし、二人して色々間抜けなことやりそうだな、でもそれも面白いかな」
いろいろ考えた末、具体的な内容は姫と騎士のコメディ系冒険ものにした。
設定として姫の名前はユイ、騎士に名前はヨシテル
すさまじく未練がましい上に気持ち悪いと罵られそうだがどうせ見せないんだから好きに書くことにする。
材木座は舞台設定を考えていく
ヨシテルの設定は暗黒剣の使い手だとか、東方の国から流れ着いた武芸者だとか色々考えたが
「今回は由比ヶ浜殿との旅のつもりだから無茶な設定はやめよう、そういう路線ではないし」
姫がいる国の王族は王位に就く前に諸国をめぐって見分を広めなくてはならないことになっている。
その付添、お目付け役として選ばれたのが剣術の腕だけは天下無双のヨシテル、姫の剣術指南もかねているが魔法は全く使えないし実は臆病者、姫に毎回振り回され苦労ばかりしている。
「まあ天下無双ってのも大概だが、二人で旅をするんだからこのぐらいのチートは無いとな、姫様を守りきれん」
誰にも見せるつもりはないのに言い訳を考えてしまう。
さて肝心の姫の設定だが、材木座は由比ヶ浜の魅力について考える、
「やはり由比ヶ浜殿は笑顔が似合うし、かわいいし、我のような者にも分け隔てなく接してくれるし、優しいし、明るいし、怒った顔もかわいいし、人懐っこい所もあるようだし、ちょっと常識はずれの言動をするところもかわいいし、スタイルはいいし、なによりかわいい」
考えれば考えるほど由比ヶ浜のすべてが魅力的に想えてモンモンとしてしまう。
「えーい集中だ!集中!」
材木座は頭をボリボリとかき原稿に向かう。
「やはり由比ヶ浜殿はかわいくて明るく笑顔が似合う天真爛漫なところが魅力的だ、それと少々考えなしに発言することもある、あと八幡はアホっぽいとよく言ってる、確かにそんな感じだがそれも由比ヶ浜殿の魅力の一つだ、魔法も威力もアホっぽいのでいいだろう、魔法自体は独自習得は難しそうなので由比ヶ浜殿とよく一緒にいる三浦殿から教えてもらったことにするか、あの女子は獄炎の女王ということであとで登場させてもいいな」
というわけで設定は以下のようになった。
姫の設定は魔法剣士、魔法の腕も剣の腕も未熟だけど度胸だけは満点で無鉄砲、魔法は友人の獄炎の女王ユミコから伝授されたがその中でも一番の超強力魔法、その名も「ユイビーム」の使い手、ポーズをとると高威力の光線が放たれるという設定。
「魔法は回復魔法とこの攻撃魔法を少々、あとこの超強力魔法を一つだ使えるようにするか、どこぞの○レイヤーズみたく初めから強すぎてもアレだしな」
超強力魔法はミ○ルビームをパクリもといリスペクトした。
「○宮○ルヒの憂鬱を読んだことがあるがアレに出てくる○比奈さんって由比ヶ浜殿に似てるんだよな、主にスタイル的な面で」
女子を見るとき大半の男子の目が行くところに材木座も当然目が行っていた。
思春期なので仕方ない。
こんなデコボコな二人が諸国を旅し出会ったいろんなトラブルを解決する話にした。
登場人物の大半は初めから総武高校の面々を出すつもりだった、一話目は雪ノ下と比企谷を出すことにした。
この二人、由比ヶ浜には悪いが結構お似合いだと材木座は思っていたので話の中でくっつけることにした。
「この二人我がいるのにまるで眼中になく夫婦漫才やってるしな、しかも外でデートのようなものをしているのを目撃したこともある、八幡め、由比ヶ浜殿はどうするつもりなのだ」
微妙に怒りが湧いてくる。
ストーリーとしては
氷の女王密かな思いを抱いているが、いろいろあって周囲に誤解されひねくれすぎてしまい言い訳ばかり言っている暗黒魔術師ハチマンをユイビームで黙らせて氷の女王ユキノの前に引きずり出し告白させることに成功、二人に深く感謝され、困った時には助けに行くと誓いをたてられその地を後にする。
比企谷を暗黒魔術師にしたのはネガティブだけど妙に説得力があるあの言動だ。
口先だけは一級品だしなにより目が腐ってるので暗黒系がぴったりだと思ったからである。
そんな話を自分が思う由比ヶ浜の魅力を前面に押しだしつつコミカルな感じにして書いてみた。
「これは本当に誰にもみせられんな、特に雪ノ下殿に見せたら視線で氷漬けの刑だ」
自分で一読して苦笑いしながらそう思う。
この冒険ものは書いてて楽しいしまた色々アイディアが出るかもと思い、明日感想を求める為に以前から用意していた別の新作ラノベと一緒に鞄突っ込んでおいた。